以前、高血圧の薬の1つであるブロプレスというアンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の有用性をお伝えしましたが、ARBに関して日本で行われた大規模臨床試験(JIKEI Heart Study)の結果が発表されましたのでお伝えします。
使用したARBはディオバンという薬で、高血圧症、心不全、冠動脈疾患のいずれかがある患者3,081人がディオバン投与群(1,541人)(40mg/日から最高160mg/日)と非投与群(1,540人)に無作為に割り当てられ調査されました。
この研究の特徴は、調査開始まで内服していたそれまでの血圧の薬はそのまま継続して、ディオバンを追加して内服するかどうかで投与群と非投与群を設定していることで、より現実に近い状況で調査されたということです。
心筋梗塞、脳卒中あるいは一過性脳虚血発作、心不全あるいは狭心症による入院、大動脈解離(血圧が高いために動脈にヒビがはいる)、下肢動脈閉塞、腎機能の悪化(クレアチニン値の倍増)、人工透析への移行について発症率が調査されました。
有効であった項目は、脳卒中の発症が非投与群で48人であったのが29人に抑制されたこと(危険率0.60)、心不全による入院が非投与群で36人であったのが19人に抑制されたこ(危険率0.54)、狭心症による入院が非投与群で53人であったのが19人に抑制されたこと(危険率0.35)でした。
両群の差が予想より大きかったので、倫理的な問題(非投与群の方が予後が悪いことが明らかになり、それを知りつつ調査を進めることが非投与群の患者さんの不利益になる)から調査は3年で打ち切られました。
何人に一人がその薬で利益を得ているかを表すNNTは、脳卒中の発症で77人、心不全による入院で91人、狭心症による入院で45人です。その数字からコストを計算すると、この研究での平均投与量は75mg/日で、ディオバン80mgが151円ですから、脳卒中の発症を一人予防するのに1,273万円、心不全による入院を一人予防するのに1,505万円、狭心症による入院を一人予防するのに744万円かかることになります。
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使用したARBはディオバンという薬で、高血圧症、心不全、冠動脈疾患のいずれかがある患者3,081人がディオバン投与群(1,541人)(40mg/日から最高160mg/日)と非投与群(1,540人)に無作為に割り当てられ調査されました。
この研究の特徴は、調査開始まで内服していたそれまでの血圧の薬はそのまま継続して、ディオバンを追加して内服するかどうかで投与群と非投与群を設定していることで、より現実に近い状況で調査されたということです。
心筋梗塞、脳卒中あるいは一過性脳虚血発作、心不全あるいは狭心症による入院、大動脈解離(血圧が高いために動脈にヒビがはいる)、下肢動脈閉塞、腎機能の悪化(クレアチニン値の倍増)、人工透析への移行について発症率が調査されました。
有効であった項目は、脳卒中の発症が非投与群で48人であったのが29人に抑制されたこと(危険率0.60)、心不全による入院が非投与群で36人であったのが19人に抑制されたこ(危険率0.54)、狭心症による入院が非投与群で53人であったのが19人に抑制されたこと(危険率0.35)でした。
両群の差が予想より大きかったので、倫理的な問題(非投与群の方が予後が悪いことが明らかになり、それを知りつつ調査を進めることが非投与群の患者さんの不利益になる)から調査は3年で打ち切られました。
何人に一人がその薬で利益を得ているかを表すNNTは、脳卒中の発症で77人、心不全による入院で91人、狭心症による入院で45人です。その数字からコストを計算すると、この研究での平均投与量は75mg/日で、ディオバン80mgが151円ですから、脳卒中の発症を一人予防するのに1,273万円、心不全による入院を一人予防するのに1,505万円、狭心症による入院を一人予防するのに744万円かかることになります。
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