医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

新型コロナ治療薬 ラゲブリオはもはや効果がない

2024年06月02日 | 感染症

現在新型コロナウイルス感染症の内服治療薬としてラゲブリオという薬があります。
しかしこの薬は高価で、1カプセル2,357円、1回4カプセル、1日2回、5日間内服しないといけないので、薬剤費は合計94,280円かかります。

ラゲブリオが効果があると根拠になったのは以下の論文です。
調査の対象となった条件に注意して読んでみて下さい。

Molnupiravir for Oral Treatment of Covid-19 in Nonhospitalized Patients
N Engl J Med 2022;386(6):509-520.


【方法】
試験期間の2021年5月~11月当時は、デルタ株を中心に高病原性の変異株が流行中で入院例や死亡例が多く、また新型コロナウイルスワクチンの接種も開始されたばかりであったことから、対象はワクチン未接種で重症化リスク(高齢・肥満・担癌など)を少なくとも1つ以上持つ新型コロナウイルス感染患者とされました。
1,433人がラゲブリオ内服群と非内服群に無作為に割り当てられ、内服後29日後までの入院or死亡が調査されました。

【結果】
その結果、これら重症化リスクが高い患者ではプラセボ群(9.7%)に比べモルヌピラビル内服群(6.8%)は入院や死亡が有意に減少しました。

しかし最近は新型コロナウイルスも当時より弱毒化しワクチン接種も施行され、市民の背景も変わってきました。そこで条件を最近の状態で調査した論文が発表されました。

Molnupiravir plus usual care versus usual care alone as early treatment for adults with COVID-19 at increased risk of adverse outcomes (PANORAMIC): an open-label, platform-adaptive randomised controlled trial
Lancet 2023;401(10373):281-293.


【方法】
オミクロン株流行初期の2021年12月~22年4月に新型コロナワクチンの接種が進んでいた英国を中心に行われた試験で、登録者の94%に3回以上の接種歴がありました。
対象は50歳以上、または18歳以上で新型コロナ感染関連の危険因子あるいは併存疾患があり、市中で発症後5日以内の入院していない患者とされました。

主要評価項目は、登録時点から28日以内の入院 or 死亡とされました。26,411例が標準治療+ラゲブリオ併用群と標準治療単独群に1:1でランダムに割り付けられ、このうち併用群12,529例と標準治療群12,525例の間で主解析が行われました

【結果】
その結果、入院 or 死亡の頻度は、併用群が1%(105例)、標準治療群も1%(98例)で有意差はなく重篤な有害事象はそれぞれ0.4%、0.3%で、ラゲブリオを併用する・しないにかかわらず効果は変わらないことが示されました。


今や、効き目がなく値段も高いラゲブリオは、かなり使用対象者を絞り込まなければ使えませんね。



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従来の帯状疱疹ワクチンの有効性

2023年12月16日 | 感染症
最近50歳以上の人に対して、帯状疱疹ワクチンのコマーシャルをよく目にします。たくさん売れるように危機感をあおって「3人に1人はかかる」と言っていますが、私の周りを見回しても、そんなにいない印象なので、少しリサーチしてみました。

これは厚生労働省が公表している資料です。この中に宮崎県の110万人を調査した資料があります。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001165467.pdf
これによると、50歳以上の場合、罹患率は10年ごとに約7%です。

私が診ている患者からも「3人に1人がかかるのですか?」と尋ねられるので、私はこのデータから、「それは間違いです。○○さんは70歳なので、今後90歳まで生きるなら7%+7%の14%、つまり7人に1人の割合です。80歳まで生きるなら7%、14人に1人の割合です」と答えています。

「3人に1人がかかる」と言うのが誤りである原因は、「50歳以上の人を対象としているコマーシャルなのに、0歳児が今後の人生で罹患する確率を述べている」ことです。


50歳の人がこれまで帯状疱疹にかかるのを免れているのなら、その分を差し引かなければならないです。これはちょうど、2023年で男性の平均寿命は81歳ですが、これは0歳児の平均余命なので、50歳まで生き長らえた人のその後の平均余命は31年ではなく、33年である考え方に似ています。

最近は帯状疱疹の予防に対して効果が高い「不活化ワクチン」が売り出されていますが、1回約22,000円で2回接種しなければなりません。

ちなみに、従来の「弱毒生ワクチン」(ビケン)(約8000円1回のみ)でもある程度効果はあるという論文が先月発表されました。

Effectiveness of the live zoster vaccine during the 10 years following vaccination: real world cohort study using electronic health records.
BMJ 2023 Nov 8:383:e076321.doi: 10.1136/bmj-2023-076321.


接種後10年以上が経過した帯状疱疹の生ワクチンの有効性を評価する目的で、北カルフォルニアの2007年1月~2018年12月の電子記録を用いて50歳以上の150万人の「帯状疱疹の発症」、「帯状疱疹後神経痛」、「眼部帯状疱疹」、「帯状疱疹による入院の予防」を追跡しました。

150万人のうち34%が帯状疱疹生ワクチンの接種を受け、そのうち7万5,135人が帯状疱疹を発症し、このうち4,982人(7%)で帯状疱疹後神経痛、4,439人(6%)で眼部帯状疱疹を認め、556人(0.7%)が帯状疱疹により入院しまた。

「帯状疱疹の発症」に対する有効率は、1年目は67%、10~12年後は15%、「帯状疱疹後神経痛」に対する有効率は、1年目は83%、10~12年後は41%「眼部帯状疱疹に対する有効率」は、1年目は71%で5~8年後は29%、「帯状疱疹による入院に対する有効率」は、1年目は90%で5~8年後は53%でした。

追跡期間における全体のワクチン有効率は、帯状疱疹の発症に対しては46%、帯状疱疹後神経痛では62%、眼部帯状疱疹では45%、帯状疱疹による入院では66%でした。


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ファイザー製コロナワクチンで帯状疱疹はむしろ減る

2023年02月09日 | 感染症
私は外来診療で1,000人ぐらいの患者を診ていますが、1,000人診ているといろいろな患者に出会いますし、それだけでエビデンスを得るデータが収集できます。

先日、「コロナワクチンを接種したから帯状疱疹が出てしまいました。近くのクリニックに行ったら、抗体の反応が亢進して出やすくなったのでしょう」と言われましたと、言われました。

私は「そうかなぁ~そんなことはないですよ」と言いつつも、知識が曖昧だったので調べてみました。

Assessment of Herpes Zoster Risk Among Recipients of COVID-19 Vaccine
JAMA Netw Open. 2022 Nov 1;5(11):e2242240. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2022.42240.

無料でダウンロードできます。


この研究では、2020年12月11日~2021年6月30日に、ファイザー製ワクチン(BNT162b2)、モデルナ製ワクチン(mRNA-1273)、ヤンセン製ワクチン(Ad26.COV2.S)のいずれかを接種した203万9,854人のデータが分析されました。

自己対照リスク期間分析法を用いて、
新型コロナワクチン接種後30日目または次の接種日までのリスク期間と、
新型コロナワクチン最終接種日から60~90日のコントロール期間
(リスク期間とコントロール期間の間に30日間を確保)
における帯状疱疹の発症リスクが比較されました。

新型コロナワクチン接種後の帯状疱疹リスクは、
パンデミック以前(2018年1月1日~2019年12月31日)もしくは
パンデミック初期(2020年3月1日~11月30日)にインフルエンザワクチンを接種した群と比較されました。

データは米国の医療請求データベース(Optum Labs Data Warehouse)から入手されました。

203万9,854人の平均年齢は43.2±16.3歳で、そのうち1,451人(0.07%)(平均年齢43歳ではこれぐらい低いと思います)が帯状疱疹と診断されました。

ファイザー製ワクチン接種では帯状疱疹リスクはむしろ低下しました(IRR:0.84、95%CI:0.73~0.97、p=0.02)。

モデルナ製ワクチン接種では帯状疱疹リスクとの関係はありませんでした(IRR:0.96、95%CI:0.81~1.15、p=0.67)。


新型コロナワクチン接種は、パンデミック以前のインフルエンザワクチン接種と比べて帯状疱疹リスクは低下していました。
 - 1回目接種のハザード比:0.78、95%CI:0.70~0.86、p<0.001
 - 2回目接種のハザード比:0.79、95%CI:0.71~0.88、p<0.001

また、パンデミック初期のインフルエンザ接種とは有意差は認められませんでした。
 - 1回目接種のハザード比:0.89、95%CI:0.80~1.00、p=0.05
 - 2回目接種のハザード比:0.91、95%CI:0.81~1.02、p=0.09

私たちはコロナワクチンを接種した後に起きたことを、ワクチン接種のせいにしがちです。ワクチン接種していなくても起きていることなのです。

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コロナワクチンで帯状疱疹は増えない

2023年01月09日 | 感染症
私は外来診療で1,000人ぐらいの患者を診ていますが、1,000人診ているといろいろな患者に出会いますし、それだけでエビデンスを得るデータが収集できます。

先日、「コロナワクチンを接種したから帯状疱疹が出てしまいました。近くのクリニックに行ったら、抗原・抗体の反応が亢進して出やすくなったのでしょう」と言われましたと、言われました。

私は「そうかなぁ~そんなことはないですよ」と言いつつも、知識が曖昧だったので調べてみました。

Safety and Efficacy of a Third Dose of BNT162b2 Covid-19 Vaccine
N Engl J Med 2022;386:1910-1921.


これが3回目までワクチンを接種した場合の一番新しいエビデンスだと思います。無料でダウンロードできます。

上の図は、ワクチンを3回まで接種した5,055人と、接種していない5,020人の接種後の副作用を、平均2.5か月後まで比較した結果です。

帯状疱疹は感染症のカテゴリーに属するのだと思いますが、感染症であれ免疫異常であれ3回目のワクチン接種で増えていません。

別の図で示されていますが、筋肉痛や発熱などはもちろん増えますが、その他の副作用は増えていないことがわかります。

私たちはコロナワクチンを接種した後に起きたことを、ワクチン接種のせいにしがちです。ワクチン接種していなくても起きていることなのです。

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ワクチン vs 感染 その後のコロナ感染の予防効果は

2022年06月30日 | 感染症
私は小学生低学年の時、イエス・キリストに興味を持って、近所の教会の日曜学校に通って聖書を読んでいました(というか、小学生低学年用の聖書の場面のぬり絵をしていました)。

私の愛読書「聖書」の「コヘレトの言葉」の第八章 第7節~8節にはこのように書かれています。

やがて何が起こるかを知るものは一人もいない
確かに何が起こるかを、誰が人に告げることができるだろう
息を支配し、息を止められる人はいない
また、死の日を支配できる人もいない



今月、新型コロナワクチン接種と実際の感染の、今の段階でどういう状況が一番感染予防効果が高いか調査した結果が、New England Journal of Medicineという信頼性の高い医学雑誌に発表されました。

Effects of Previous Infection and Vaccination on Symptomatic Omicron Infections
June 15, 2022 DOI: 10.1056/NEJMoa2203965
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★★)


左上の図はオミクロン株についてです。
以前感染した人は50.8%の感染予防効果を持っています。感染していなくて2回ワクチン接種した人は既に感染予防効果は落ちていてほとんど感染予防効果はありません。

感染して2回ワクチン接種した人は55.5%の感染予防効果を持っています。これは感染していなくて3回ワクチン接種した人の予防効果54.0%と同様です。感染して3回ワクチン接種した人は76.3%の感染予防効果を持っています。

右上の図はBA1株についてです。
以前感染した人は45.1%の感染予防効果を持っています。感染していなくて2回ワクチン接種した人は既に感染予防効果は落ちていてほとんど感染予防効果はありません。

感染して2回ワクチン接種した人は44.3%の感染予防効果を持っています。感染していなくて3回ワクチン接種した人の予防効果56.3%と高いです。感染して3回ワクチン接種した人は77.2%の感染予防効果を持っています。

これらのデータは時間の経過と共に減少していきますが、どういう状態が一番感染予防効果があるのかを知るには大変有用なデータです。

皆さん、ワクチン2回だけではもう効果は残っていません。3回目を打ちましょう。私は4回目を打ちたいです。

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日本はコロナ死亡1人を予防するのに20億円かける

2021年12月23日 | 感染症
             仲田泰祐先生

前回、東京オリンピックに必死に反対したアホな人たちのアホなコメントをご紹介しました。
本当にアホな人ばかりでしたね

今回、その反面、東京オリンピックを冷静かつ客観的に分析・賛成し、「東京オリンピックを開催しても東京都の感染者増加は限定的」とする推計を発表した東京大学の仲田泰祐准教授の別の論文を、私なりにまとめてご紹介します。

『ここから論文の要旨』
緊急事態宣言期間が短いと、経済にとって短期的には都合がよい。だが解除後のリバウンドが起きやすくなれば再度宣言を発令せねばならず、中長期的には必ずしも経済にとってよくない。逆に宣言を長く続けて感染をある程度抑えると、短期的には経済に損失を受けるが、ワクチン接種までの時間を稼げる。すると、累計死者数を減少させられるだけでなく、再度の宣言発令リスクを減らせるため、中長期的には必ずしも経済にとってマイナスではない。
(私の注釈:これは三浦瑠麗のいつものコメントが間違いであることを示す根拠です)

三浦瑠麗が緊急事態宣言に反対する理由

感染と経済の関係の複雑さは、様々な国・地域の新型コロナウイルス禍でどの程度の経済損失とコロナ死者数が生じたかを分析することからも確認できる。経済損失とコロナ死者数は国によって様々だ(上の図参照)

感染・経済のビッグデータを利用すると、各地域が直面している制約がある程度わかる。それにより、コロナ死者数をもう1人減らすには経済をどの程度抑制しなくてはならないかが計算できる。そして「顕示選好」という考え方を応用すると、その地域での感染抑制と経済のバランスに関する価値観が浮かび上がる。

この手法で「コロナ死者数を1人減少させるためにどの程度の経済的犠牲を払ってもよいか」という試算をすると、地域間で大きな違いがあることが見えてくる。

日本は約20億円、オーストラリアは約10億円で、米国の約1億円、英国の約0.5億円よりもはるかに高い。地域でも違いがあり、東京都・大阪府では約5億円だが、鳥取・島根両県では500億円以上だ。
仮に1世帯の年収が500万円とすると、死者数を1人減らすために東京・大阪では年収約100年分、鳥取・島根では1万年分以上の犠牲を払いたいという価値観といえる。


冷酷非情な試算にも見えるが、似たような考え方に基づき計算される「統計的生命価値」は昔から政策に活用されている。米環境保護局(EPA)による環境政策の費用便益分析には、環境災害リスクに基づく生命価値の試算が使われている。先進国のこうした分析で使われる数字は大抵2~3億円という規模感だが、日本は約20億円だ。

こうした試算は分析手法に大きく依存するため、数字自体に深い意味はないが、鳥取県では累計死者5人の中で域内総生産(GDP)は約7%(約1500億円)落ち込み、米国では累計死者70万人以上(鳥取県の約14万倍であるにもかかわらず)の中でGDPが約4%(約90兆円、同約600倍)にとどまっている。どんな手法を用いても「制約」の違いだけでなく「価値観」の違いも地域間の違いを説明するのに重要だという結果が得られると推測する。

毎年130万人が様々な理由で亡くなる。日本の新型コロナ感染について計算した1人20億円のような多大な経済損失を、他の原因(例えば交通事故死)による死者数を減らすためにも受け入れるなら、社会経済活動は大きく抑制されるだろう。

例えば交通事故の死者数を減らすために運転を禁止することをイメージしてほしい。日本の一部地域では、「死亡1人の予防に20億円費やすとは、いかにコロナ死者数の減少が最重要視されているか」がわかる。


(私の注釈) 私は2020年4月の時点で以下の記事を公表しています。

新型コロナ対策は「交通事故で死ぬ人がいるから全国で車が禁止される」フェーズになってきた

こうした価値観を所与のものとして、今後の日本の社会経済を予測すると、他国と比べて相対的に、コロナによる死者数の抑制を最重要視する日本は、コロナ前の生活に戻るには時間がかかるといえる。
『ここまで論文の要旨』

どうでしょうか。仲田先生の分析は、東京オリンピックに必死に反対したアホな人たちと雲泥の差があります。

東京オリンピックを中止していたら、死亡1人の予防のために日本の経済的損失は20億円どころか30億円だったかもしれませんね。
埼玉県坂戸市の石川清アホ市長が言っていた「もしやったら、日本は滅亡するのでは」の真逆の結果となりましたね。

仲田泰祐先生、客観的でとても素晴らしいです。

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今年もインフルエンザは流行しないです(オーストラリアのデータから)

2021年12月08日 | 感染症
私は昨年、オーストラリアのデータから、日本でもインフルエンザは流行しないとお伝えしました。
そして、やはり本当に流行しませんでした。

今シーズンはインフルエンザは流行しないです(オーストラリアのデータから)

そういう理由と、インフルエンザワクチンは40歳以上には効果がないという理由で、私はインフルエンザワクチンを接種していません。

私は外来患者にもオーストラリアのこのデータを見せて「オーストラリアのデータから、今年も日本でインフルエンザは流行しないのでインフルエンザワクチンは接種できなくても大丈夫ですよ」と言っています。そうすると、患者は安心して「そうですね」と言います。

上の図は、WHOが公表している2021年12月5日までのオーストラリアのデータです。オーストラリアは南半球に位置し今年の冬が既に経過しており、日本と医療レベルが近似していますのでオーストラリアのデータはとても参考になります。棒グラフはインフルエンザの発症者数、折れ線グラフは1000人の外来患者中のインフルエンザ陽性者数です。皆が新型コロナ予防に留意してマスクを着用し感染予防していますので、以前と比較して2020年、2021年にほとんどインフルエンザは発生していません。これからも日本は同様と推測されます。

Influenza surveillance outputs

皆さんも国名を選び、いろいろ調べてみて下さい。

実際に2021/11/1~2021/11/7の1週間の、日本全国のインフルエンザ発症者数は23人です。むしろこのインフルエンザウイルスはどこに潜んでいたのだろうと不思議なぐらいです。

「発熱患者が受診した場合、新型コロナとインフルエンザの両方を考慮しないといけない」と騒いでいる医師会の皆様は頭が悪いのだと思います。
今シーズンも日本でインフルエンザは流行しません。

そして、「どうしてもインフルエンザワクチンを接種した方がいい」と、お金を出してしまった人は騙されているのだと思います。

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インフルエンザワクチンは40歳以上では効果がない

2021年11月22日 | 感染症
2021年9月に開催された第34回日本臨床内科医学会で日本臨床内科医会のインフルエンザ研究班がインフルエンザワクチンに関する調査報告を行いました。日本臨床内科医会のインフルエンザ研究班は過去18年間のインフルエンザワクチンの有効性に関するメタ解析を実施して「高齢者では統計学的な発症予防効果が認められないシーズンがあった」と発表しました。
今回の研究では私が前回お伝えしたデータとほとんど同じデータが別の解析方法で解析されました。

すなわち、非接種群に対する接種群の発症リスクレートを18年分積算し、発症リスクレートが95%の確からしさで1以下になる(真ん中の棒線より左側になる)と効果があると判断される方法です。

0~15歳、16~64歳、65歳以上の各年齢層に分割して解析したところ、非接種群に対する接種群の発症リスクレートは0~15歳で0.61(95%CI 0.56~0.67、P<0.0001)、有効率(1-RR)は39%、16~64歳ではRRは0.72(同0.65~0.79、P<0.0001)と有意な発症予防効果が認められましたが、65歳以上では有効性が示されたシーズンは2シーズンのみでした。

インフルエンザワクチンは、65歳以上ではほとんどのシーズンで効果がないということです。

しかしこれは重大な結果をミスリードしています。私が前回お伝えしたインフルエンザワクチンは40歳以上で効果がないというデータとほとんど同じデータを解析していても、16歳から64歳までを同一グループとして解析しているため、本来インフルエンザワクチンの効果が認められていない40歳~65歳も効果があるように誤解されてしまっているのです。

なぜ、0~15歳、16~40歳、40歳~64歳、65歳以上にグループを分けなかったのでしょう。これは解析のミスだと思います。

本当の結論は、インフルエンザワクチンは40歳~64歳、65歳以上で効果がない、と言うことです。

そういう訳で、私は今年もインフルエンザワクチンは接種していません。

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インフルエンザワクチンはほとんど効いていないというデータ

2021年11月17日 | 感染症
上の図は日本臨床内科医会会誌の今月号に載っていた図です。
「インフルエンザワクチンの有効性と安全性」
日本臨床内科医会会誌 2019;34:14
(インパクトファクター☆☆☆☆☆、研究対象人数★★★★★)

新型コロナワクチン接種に啓蒙されて、今シーズンはインフルエンザワクチンを「希望」する人が増えました。

上の図は過去10シーズンについてインフルエンザワクチンを接種した人と接種しなかった人のインフルエンザの罹患率を年齢別に示したものです。

ご覧いただくとわかるように、最近はインフルエンザワクチンは9歳以下と30歳~39歳の人しかインフルエンザの発症を抑制していません。全体を平均して図の説明では、全年齢で「一定」の効果がみられたと書かれていますが、統計学的にはp=0.0512は差がないということですから、この説明は誤りです。この説明を書いた人は統計学を誤解していると思います。9歳以下と30歳~39歳の人では効果がみられたと書けば正しかったと思います。30歳~39歳の人は働き盛りなので職場や通勤交通機関などで不特定多数の人と接する機会が多く、これらの人には有効であったと想像できます。

この年齢でない私はこれらのデータを以前から知っていますので、私はインフルエンザワクチンを接種していません。

インフルエンザワクチンを接種すれば症状が軽くなるという話もききますが、私は半信半疑です。以下にその理由を述べます。

(その1)
私たちは医学研究をする前に、「こういう理由から私たちはこの仮説をたてた。この仮説を検証するためにこの研究を行った」と論文を書くことが多いです。皆さんも冷静に考えてみて下さい。インフルエンザワクチンの場合の私個人の「仮説」は、「まだウイルス量が少ない発症さえも抑制できないのに、発症して体内で何万倍にも増殖したウイルス量状態である症状を軽くすることなどできるのだろうか」ということです。

(その2)
この医学研究を行う場合(既に行われていますが)同一人物で2種類の人生など比較できませんから、接種群と非接種群に分けて両群の平均を比較するのですが、それが本当に個別の人々にあてはまるのだろうか、ということです。少し難しい話なので分かりやすい例を挙げます。ある若者は将来社長になりたくて東北大学に入ろうか九州大学に入ろうか迷っていました。調べたら人数で補正した社長数は九州大学出身者の方が多かったので(例えばの話なので本当かどうかわかりません)その若者は九州大学に入学しました。その若者にはその方がよかったかどうかなどという証明はほとんど不可能ということです。
その若者自身には東北大学の方が合っていたかもしれません。会社数自体が北日本よりも西日本に多いのかもしれませんし(例えばの話なので本当かどうかわかりません)、社長をめざす若者が過去のデータを見て九州大学を選んでその結果社長をめざす人が九州大学に多く社長が多くなったのかもしれません(例えばの話なので本当かどうかわかりません)。
このように医学研究でいうところの「交絡因子」が沢山あります。ワクチンを接種する人の方が健康に配慮する人が多いので罹患しても早く対処したのかもしれません。

(その3)
百歩譲ってインフルエンザワクチンに症状を軽くする効果があったとしても、今では、タミフルやイナビルなどの抗インフルエンザウイルス薬が登場し、早期に内服すれば発熱などの症状は約36時間短くなるのですから、万が一罹患したら早めに内服を始めれば、ワクチンの存在意義はないのでは?ということです。でも本来は健康な成人の場合、耐性の問題から抗インフルエンザ薬など使用しない方がよいです(仕事の都合でどうしても、という場合は仕方がないですが)。
この件に関しては以前ここで書きました。

インフルエンザワクチンの効果は65歳以上では9%

結論
インフルエンザワクチンは9歳以下と30歳~39歳の人以外には効果はほとんどありません。9歳以下と30歳~39歳の人には有効ですから接種して下さい。図から判断すると10歳~19歳もお勧めです。


私は以前、別の観点の説明を書きました。

意外と効いていなかったインフルエンザワクチン
インフルエンザワクチンはあまり効いていない

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唾液PCR法の感度は60%以下と低く、「ワクチン/検査パッケージ」には推奨できない

2021年10月10日 | 感染症
上の図で、青は症状ありの患者、水色は症状なしの患者、縦軸は「鼻咽頭PCR法での陽性」を基準とした「唾液PCR法」の感度、横軸は発症からの日数です。


最近、「ワクチン/検査パッケージ」と称して、「ワクチン接種 and/or 検査陰性」でスポーツ観戦や飲食店の利用拡大をはかる計画が進められています。
「ワクチン/検査パッケージ」技術実証の実施について - 埼玉県
W杯最終予選でも…スポーツ観戦の実証実験『ワクチン・検査パッケージ』


しかしながら今年8月、以下のようなデータが信頼性の高い医学雑誌「JAMA」で公表されています。

新型コロナの唾液PCR法、無症候者へは推奨できない
Change in Saliva RT-PCR Sensitivity Over the Course of SARS-CoV-2 Infection
JAMA. 2021 09 21;326(11);1065-1067.
(インパクトファクター★★★★★、研究対象人数★★★★☆)


新型コロナウイルス検出のための唾液を用いたPCR法(以下、唾液PCR法)の精度を調査するため、2020年6月17日~2021年2月15日の期間に前向き研究が実施されました。

参加者は、2週間以内にRT-PCR法で新型コロナウイルス陽性と判定された家族と、濃厚接触した人の404人です。

鼻咽頭粘液サンプルと唾液サンプルは3〜7日ごとに、鼻咽頭の2回の結果が陰性になるまで最大4週間にわたって収集されました。889組の鼻咽頭粘液サンプルと唾液サンプルが採取されました。新型コロナウイルスは鼻咽頭で524件(58.9%)、唾液で318件(35.7%)検出されました。93人(36.3%)は感染期間中、無症候のままでした。

「唾液PCR法」の精度は「鼻咽頭PCR法での陽性」を基準として計算されました。

その結果、唾液PCR法は感染初期の数週間に有症状の人の新型コロナウイルスを検出するには感度が高かったものの、無症候性の新型コロナウイルスキャリアの感度はすべての時点で60%未満でした。

「無症候性感染者の唾液PCR法の感度は低く、無症候感染者には唾液PCR法を新型コロナのスクリーニングに使用すべきではない」と結論付けられました。

4割以上も結果が間違ってしまう「唾液」PCR法を、スポーツ観戦や飲食店の利用拡大をはかる計画に使用してはいけませんね。
やはり綿棒で鼻の奥をコチョコチョする「鼻咽頭PCR法」でないと意味がなく、「ワクチン/検査パッケージ」を唾液でやるとやばいことになると思います。



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新型コロナ感染の接触感染のリスクは10万分の6.5(平均値)

2021年07月29日 | 感染症
新型コロナ感染はパチンコ店、通勤電車の中ではほとんどクラスターが発生していないというのは、私たちがこれまで経験してきた通りです。科学的リテラシーを働かせれば「新型コロナ感染には接触感染はほとんどないのではないか」ということでしょう。

タフツ大学からこんな論文が発表されました。
Longitudinal monitoring of SARS-CoV-2 on high-touch surfaces in a community setting
Environmental Science & Technology. Doi: https://doi.org/10.1101/2020.10.27.20220905.

新型コロナウイルスが米国で猛烈に流行していた2020年の4~6月、マサチューセッツ州のSomerville(私も訪れたことがあります)という都市で、飲食店・酒屋・食料品店(ホール・フーズとかトレーダー・ジョーズとか)・銀行・ガソリンスタンドのドアノブや信号機のボタンなど、不特定多数の人がよく触れるところに接触することで、新型コロナ感染のリスクがどのくらいあるのかが調査されました。

街中の348カ所でサンプルをとったところ、わずかでもウイルスが検出されたのは29カ所と、10分の1以下にすぎませんでした。調査時の平均気温は17度、平均湿度は61%でした。

その場所を触ったとして、どのくらいのウイルスが手に移るか、その後に手が鼻や口や目に触れたとして、どのくらいの量が体内に入り感染が成立するか、などをモデル化してリスクを計算する「定量的微生物リスク評価(QMRA: Quantitative microbial risk assessment)」という手法を使った結果、接触感染のリスクは10万分の6.5(平均値)と計算されました。

一番感染リスクが高かったのは、酒屋(アメリカにはホームセンターのような酒屋があります)のドアハンドルで1万分の4、ウイルスは食料品店より10倍付着していました。(上の図)

その他、感染リスクが高かったのは、食料品店のドアハンドルは10万分の1、食料品店内でウイルスがその他のドアハンドルより5倍付着していたドアハンドルでは10万分の5でした。(上の図)

つまり、「猛烈に流行していた時期で、不特定多数の人が手を触れるような場所を10万回触ると、6.5回くらい感染する」ということです。

新型コロナウイルスは付着部位に3日残るというのは実験室でのことで、温度や湿度や風速が一定でない実際の環境の中では、新型コロナウイルスはあまり長生きできないのでしょう。

これで、他人から新型コロナウイルスの接触感染リスクを尋ねられたら、「10万回触ると、6.5回くらい感染する」と答えることができるようになりましたね。

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東京オリンピックは危険ではないから選手のために開催した方がよい

2021年07月18日 | 感染症
上の図は東京都の新型コロナ感染者数です。東京オリンピックを開催したせいで感染者数が増えてしまったと、後出しじゃんけん(正式には「あと知恵バイアス」といいます)で言う者が今後出てくると思いますので、前回の緊急事態宣言が終了した後から感染者が増加していて、東京オリンピックのせいではない証拠を今のうちに示しておきます。

2021年7月15日、タレントの麻木久仁子がツイッターで
尾身茂氏の「行動制限だけに頼る時代は終わり」という発言に対して、 

「本当におっしゃる通りだと思いますが、これ、1年前にいうべきだったのではないでしょうか。そうすればもっと伸び伸びと五輪ができた可能性は高いと思います」

と尾身氏の提言に賛同しつつ、遅きに失したという見方も示しましたが、これぞまさしく「あと知恵バイアス」です。そんなこと1年経ったからわかったことです。麻木久仁子のこのツイートは、「私は、あと知恵バイアスを理解していない頭が悪い者です」と自ら公言しているようなものです。


2015年2月、「サンデーモーニング」で悪名高い張本勲が、右足首痛で3月のワールド・ベースボール・クラシックへの不参加を表明した大谷翔平選手に対して
「だから心配したこと(怪我)がおきたでしょう」と険しい表情で切り出し、
「(二刀流ではどちらかが)必ず練習不足になりますから。(二刀流を)両方やるというのは難しい。心配したことが起きましたね」
と、怪我をした後からこんなことを言って、後出しじゃんけんで頭の悪さを露呈させてしまいましたが、今や大谷翔平選手は大活躍しています。

張本勲は、じゃんけんを後から出したくせに負けてしまったという、二重のアホさを露呈させてしまいました。

以前、「東京オリンピック反対!」というポスターを屋外に向けて貼っている都内の病院がありましたが、感染者を増やすのは東京オリンピックではなくて、渋谷で夜間飲み歩いている者でしょう。渋谷で飲み歩いている者を批判すると、飲食業界から直接反論が返ってくるので、批判しやすい「東京オリンピック」を批判したのでしょう。科学的リテラシーが低いです。この病院は、頭の良い医者が、こんなポスターを貼っている看護師を制するべきでしたね。

私は以前、東京大学の仲田泰祐准教授と藤井大輔特任講師が発表したエビデンスに基づく理由と、そして「私たち人類には困難に遭遇したときに、英知を結集して克服する能力がある」から東京オリンピックは開催するべきだと主張しました。

よく、東京オリンピックは一体誰のため?と東京オリンピックを批判する者がいますが、誰のためって、選手のためでしょう。5年間一生懸命努力してきた選手たちのために、東京オリンピックは開催するべきなのです。

私は、元総務省で経済学者の竹中平蔵は大嫌いですが、今回は「世論の方が間違ってますよ」と五輪中止論を批判した竹中平蔵が正しいと思います。竹中平蔵は「今やるべきこととして「ワクチンを普及させること。そして国際的責任を果たすために日本は今このオリンピック・パラリンピックを万全の対策を講じながらきっちりとやり抜くこと。それが私は日本の責任であるし、これは日本にとっても、よいことだと思います」と述べましたが、私もその通りだと思います。

最後に、「東京オリンピックは安全ではない」として批判されてきたわけですから、
今後は、東京都内の「感染者数」ではなくて、「重症者数・死者数」で評価しましょうね。


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「酒の出る3人以上の会食」に2回以上参加で感染の危険性が4.94倍上昇

2021年07月08日 | 感染症
7月7日、国立感染症研究所はデータを発表し、NHKは以下のように報道しました。
まぁ、科学的リテラシーを持っている皆さんは、そうだろうなぁ~と感じていたと思います。

酒出る3人以上の会食に2回以上参加”で感染リスク約5倍か | 新型コロナウイルス | NHKニュース

新型コロナウイルスの感染リスクについて、国立感染症研究所などのグループが発熱外来などを受診した280人余りを分析したところ「酒の出る3人以上の会食」に2回以上参加していた人は、感染の危険性がおよそ5倍高かったという暫定的な解析結果を公表しました。
この分析結果は、国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長らのグループが7日の専門家会合で示しました。グループは、発熱外来などを受診して検査を受けた284人について、発症前2週間の行動をアンケート調査し、感染していたかどうかの検査結果とあわせて詳しく分析しました。
その結果「酒の出る3人以上の会食に2回以上参加していた人」は「会食には参加していない」もしくは「酒の出ない会食に1回だけ参加した人」に比べて、感染の危険性が4.94倍高いという結果になったということです。
また、2週間以内に「大人数や長時間におよぶ飲食をする場面」を経験した人についても、感染の危険性は高まる傾向が見られたということです。
調査を行った鈴木センター長は、対象となった人数が少ないなど、暫定的な解析結果だとしたうえで「これまでもリスクが指摘されてきた会食で、感染の危険性が高いことが確認された。特に飲酒を伴う場合のほうがリスクが高いと確認されたことは大きな知見だ」と話しています。

これを私なりに医学論文の「要旨」スタイルで書いてみました。


【背景】酒を提供する飲食店の店主などは、新型コロナウイルス感染予防で店の夜の短縮営業や酒の提供を制限される事に対して「根拠もないのに、どうして酒を提供する飲食店ばかりが集中的に標的になるのか」と主張し、ワイドショーのコメンテーター達もその論調に賛同してきたが、これまで飲食店での飲酒と新型コロナウイルス感染の関連は明らかでなかった。

【方法】国立感染症研究所などのグループは、発熱外来などを受診して検査を受けた284人について、発症前2週間の行動をアンケート調査し、感染していたかどうかの検査結果とあわせて詳しく分析した。

【結果】カイ2乗検定の結果、「酒の出る3人以上の会食に2回以上参加していた人」は「会食には参加していない」もしくは「酒の出ない会食に1回だけ参加した人」に比べて、感染の危険性が4.94倍高かった(p<0.05)。また、2週間以内に「大人数や長時間におよぶ飲食をする場面」を経験した人についても、感染の危険性は高まる傾向が見られた(p=0.10)。

【結語】「酒の出る3人以上の会食」は新型コロナウイルス感染の危険因子であることが証明された。調査人数が少ないことや、調査人数が少ないため多変量解析が不可能で、このご時世にもかかわらず飲酒して3人以上で会食するような者は「その他の感染予防もおろそかである」などという未知の「交絡因子」が否定できないことがこの研究の限界であるが、酒を提供する飲食店の夜の短縮営業や酒の提供の制限は新型コロナウイルス感染予防に効果的である。これまでもリスクが指摘されてきた会食で、感染の危険性が高いことが確認された。特に飲酒を伴う場合のほうがリスクは高いと確認された。さらなる究明のために今後、調査人数を増やした多変量解析が求められる。


だそうですよ、三浦瑠麗さん
三浦瑠麗が緊急事態宣言に反対する理由

レストランオーナーに忖度して緊急事態宣言に反対している三浦瑠麗
バイキングの坂上忍に忖度して本心を言えない出演者たち
安部総理に忖度していた官僚を批判できる立場ではないですよ

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三浦瑠麗が緊急事態宣言に反対する理由

2021年06月26日 | 感染症
私の愛読書の一冊、学問のすゝめ (岩波文庫)の第15編133ページにはこのように書かれています。
信の世界に偽詐多く、疑の世界に真理多し。試みに見よ、世界の愚民、人の言を信じ、人の書を信じ、小説を信じ、風聞を信じ、神仏を信じ、卜筮を信じ、父母の大病に按摩の説を信じて草根木皮を用い、娘の縁談に家相見の指示を信じて良夫を失い、熱病に医師を招かずして念仏を申すは阿弥陀仏如来を信ずるがためなり。蓋しこの人民は事物を信ずといえども、その信は偽を信ずる者なり。故に云く、信の世界に偽詐多し

上の図は、東京都の新型コロナウイルス感染の新規発症者と緊急事態宣言の期間の関係を示したものです。水色の帯は緊急事態宣言の発出時期です。緊急事態宣言を発出すると新規感染者数は見事に減少しているのがわかります。

そしてこの図を見ると、いつの時期でも60歳代以上の発症者は変わらず、60歳未満の年代の人数が変動していたこともわかります。

国際政治学者の三浦瑠麗は以前から「緊急事態宣言は効果がない」などと誤った発言をしています。
バカに唾をかけろ (小学館新書)

私は「緊急事態宣言は効果があるという論文の結果」を、エビデンスを示して書いています。

最近も、緊急事態宣言の重要性を主張する尾身茂会長に対して、「尾身さんの発言は宗教指導者のようなもので、解釈のしようがない」と批判し、東京都知事の元秘書で都議会議員の尾島紘平氏に「尾身会長は医学者であり、科学者。少なくとも感染症に関して素人である三浦瑠麗さんが揶揄できるような対象ではない」「三浦さんこそ「コロナはただのかぜ」教の宗教指導者ではないか」と批判されました。

さらに
「もうみんな実態が分かってきてしまっているので。『頑張ってマスクをつけて生活はするけど、(感染者を)ゼロにはできないよね』って分かっている。そうすると、『2週間とりあえず延長してみたけれど何も変わらなかったね』となっておしまいになるので、政治的にも得策ではないっていうのが私の意見ですね」と持論を述べていました。

私は昨日「朝まで生テレビ」を観ていました。都内やニューヨークに数件のレストランを持つオーナーや三浦瑠麗も出演していました。何気なく観ていたのですが、私はこのお二人の組み合わせを見ていて、どうして三浦瑠麗が緊急事態宣言に反対するのか分かってしまいました。


三浦瑠麗は有名なレストランのオーナーに多くのお友達がいるからなのです。有名なレストランは三浦瑠麗が来店したということで店の宣伝になるし、三浦瑠麗はその店から懇意にしてもらっている。そういうウィン・ウィンの関係があるのですから、緊急事態宣言に賛成できるはずもありません。

でも、立ち止まって考えると、そんな三浦瑠麗個人の都合で、誤った判断が拡散されたら、たまったものではありません。

以前私も、朝日新聞の社員A氏の子供の誕生日パーティーに呼ばれたことがありますが、朝日新聞の奴と忖度の関係になってしまうと、「本当はA氏はいい奴だし、子供には罪はないからなぁ~」と朝日新聞に本当の意見を突きつけられない事になってしまうことを懸念して、パーティーの参加は断りました。

私は、12年前沖縄に行った時に「総論 vs 各論では議論はできない」という記事を書きました。

三浦瑠麗個人の「各論」で、国の戦略という「総論」がねじ曲げられたのでは、たまったものではありません、ということなのです。三浦瑠麗の言うことは「真実性」という意味でも間違っているし、「公益性」「公共性」という意味でも公共に損益を与えます。

さて、話は変わって、東京オリンピックが始まっていないのに、関係者の入国も関係しないのに東京都での感染者数が増えていますね。これは緊急事態宣言が終わったからです。上の図を見れば明かです。本当に本当に明かです。

東京オリンピック反対論者の皆様、今後「後出しじゃんけん」で、感染者が増えてきたのは東京オリンピックのせいだと言わないでくださいね。今の段階(6月26日)から増えているのですからね。お願いしますね。

今後感染者が増えるのは、「東京オリンピックのせいではなく、自粛を求められていても銀座や渋谷などに繰り出す奴らのせいです」からね。

三浦瑠麗って、最初の頃は応援していたけど、最近売れ出したらしがらみ(忖度)が増えて、本当の事が言えなくなってきて残念です。これは三浦瑠麗自身が痛感していることでしょう。国際政治学者なのですから、個人の都合で国内の「医学」「統計学」に口を挟まないでいただきたいです。

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東京オリンピックは危険ではないから開催した方がよい

2021年06月12日 | 感染症
私の愛読書の一冊、学問のすゝめ (岩波文庫)の第15編133ページにはこのように書かれています。
信の世界に偽詐多く、疑の世界に真理多し。試みに見よ、世界の愚民、人の言を信じ、人の書を信じ、小説を信じ、風聞を信じ、神仏を信じ、卜筮を信じ、父母の大病に按摩の説を信じて草根木皮を用い、娘の縁談に家相見の指示を信じて良夫を失い、熱病に医師を招かずして念仏を申すは阿弥陀仏如来を信ずるがためなり。蓋しこの人民は事物を信ずといえども、その信は偽を信ずる者なり。故に云く、信の世界に偽詐多し

お勧めです。

バカに唾をかけろ (小学館新書)

そして外山滋比古先生の定番、第1章だけでも読んでみて下さい。マスゴミは「グライダー型」から離脱して「飛行機型」には永久になれないでしょう。

思考の整理学 (ちくま文庫)

私は、これまでトレーニングで頑張ってきた選手のためにも「東京オリンピックは危険ではないから開催した方がよい」と思います。いつも政府に反対して、「後出しじゃんけん」で東京オリンピックに反対するマスゴミにはうんざりします。

東京オリンピックは「安心・安全ではない」という者がいますが、「安心」とは主観的な感情ですから論外として、それでは「安全ではない」という「安全」の定義とは何でしょうか。

たとえ新型コロナウイルス感染者が重症化しやすい高齢者に広がったとして、死亡したとしても、そもそも天国が近い85歳の高齢者が新型コロナ感染で死亡するのが「安全ではない」とは定義できないです。そんな85歳の高齢者は東京オリンピックを観に屋外に出ないです。

新型コロナウイルス感染を年齢別致死率から考察する

その他、根拠は多数ありますが、長くなるので今回は割愛しますが、マスゴミが「安全ではない」の定義を混同しているのは「ICUが満床になる」つまり医療崩壊」のことを言っているのだと思うのですが、東京オリンピックを開催しても「医療崩壊」は起きないと思います。

なぜなら、東京大学の仲田泰祐准教授と藤井大輔特任講師が発表したエビデンスに基づくものと、そして「私たち人類には困難に遭遇したときに、英知を結集して克服する能力がある」からです。

東京五輪・パラリンピックを開催して海外から選手らが入国しても「東京都の感染者増加は限定的」とする推計を東京大学の仲田泰祐准教授と藤井大輔特任講師が発表しました。五輪・パラリンピック開催で海外から選手や関係者10万5千人が入国すると想定して、会場に向かう人出など国内の人流(人の流れ)が増える影響の方が圧倒的に大きく、「無観客開催など人流の抑制策が必要」と指摘しました。

つまり、「人の流れを抑制すること」。

東京オリンピックを開催するしないよりも、東京ディズニーランドや銀座三越が開いていることの方が、銀座や渋谷に繰り出す方が、人の流れを生み影響が大きいのです。感染を抑制したいなら銀座や渋谷に繰り出す奴を減らさないといけない。

東京都の人口は約1400万人と多く、現在も月平均で約2万人が入国しており、きちんとした対策を取れば入国者による追加的な影響は限定的とみられます。

今も月平均で約2万人が入国している事実はマスゴミは恣意的に報道しません。

一方、五輪開催で国内の人流が1%増加すると、ワクチン接種が現在達成できそうな1日60万回のペースで進んでも10月中旬に新規感染者数は週平均で1日千人近くまで増加。五輪開催による人流増加を完全に抑えた場合に比べると、2割ほど増えてしまいます。

仲田准教授は「五輪を開催するならば無観客開催やパブリックビューイングなど関連の民間イベント自粛要請など国内の人流の抑制が必要」と指摘しています。

政府が目指す1日100万回のペースでワクチン接種が進めば、新規感染者は緊急事態宣言の解除後に再び増えるもののワクチン効果で9月ごろに頭打ちとなるそうです。

私は、元総務省で経済学者の竹中平蔵は大嫌いですが、今回は「世論の方が間違ってますよ」と五輪中止論を批判した竹中平蔵が正しいと思います。竹中平蔵は「今やるべきこととして「ワクチンを普及させること。そして国際的責任を果たすために日本は今このオリンピック・パラリンピックを万全の対策を講じながらきっちりとやり抜くこと。それが私は日本の責任であるし、これは日本にとっても、よいことだと思います」と述べましたが、その通りだと思います。

五輪中止論者は、10年前の東日本大震災の際の、年間1ミリ・シーベルトは子供には危険だと、根拠もあやふやに騒いだ論者と似ていると思います。東京オリンピックの成果は10年後、いや2~3年後にははっきりすると思います。

原発事故で福島県はGale教授の進言を受け入れなかった

私は、これまでトレーニングで頑張ってきた選手のためにも「東京オリンピックは危険ではないから開催した方がよい」と思います。

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