誰もが高校生の時に、国語の先生から、是非「読んでおきなさい！」と言われる有名な推薦書、小林秀雄の考えるヒントがありますよね。小林秀雄氏、なんて頭が良いのだ！と私はいつも思います。私も高校生の時、何度も読み返しました。皆さんも読んでいることと思います。
この書の中で「良心」という章があります。私の読んだ1974年初版では53ページ、2004年の新装版では64ページです。
ここでは「良心」というのは、非常にあやふやなものだということが書かれています。
現代風に言えば、スパイと聞けば「いけない」という良心が働きますが、今後、中国が台湾をどこから軍事攻撃するかを探るために、日本の工作員が中国でスパイ行為をしているという場合はどうなのだ、という例が当てはまると思います。
さて、話題を変えます。
週刊現代にこんなアホな記事があります。
↓
山上徹也容疑者、異例の「死刑求刑」もあり得る…安倍氏銃撃事件、検察の腹の中
要約しますと、
逮捕された山上徹也容疑者の捜査を指揮するのは原則的には奈良地検だが、すでに上級庁の大阪高検と最高検が現場のグリップに乗り出し「政治案件」の様相を呈している。事案の重大性から、早くも1人殺害では異例の死刑求刑も視野に入っているとみられる。
ということです。
アホな記事ですね
それに比べて、ジャーナリストの青沼 陽一郎氏は綿密なリサーチに基づき、以下の記事を書いています。
↓
山上徹也容疑者は死刑になるのか
青沼 陽一郎氏、素晴らしいです。
「裁判員裁判」は「職業裁判官」の裁判とは異なります。私は裁判員の選抜となり、裁判所に行ったことがあります。
これには守秘義務があり、詳しくは書けないです。私はこのとき、判例を凄く勉強しました。
有斐閣判例六法
青沼 陽一郎氏の記事を要約しますと、
被害者が1名の殺人の事案において、「一審の裁判員裁判」で死刑判決が出されたケースは4件ある。
（1）【東京南青山強盗殺人事件】2009年11月16日、強盗目的で東京・南青山のマンションに入り、飲食店店長（当時74歳）の首を包丁で刺して殺害。逮捕された男は、1988年に自宅に放火するなどして妻子を死なせる事件を起こし、懲役20年の判決を受け服役。出所後わずか半年で、この事件を起こした。2011年3月15日、裁判員裁判で死刑判決。
（2）【千葉女子大生殺害放火事件】2009年10月22日、千葉県松戸市のマンション2階の一室から出火。焼け跡からこの部屋に住む女子大生が刃物で胸を刺された全裸の遺体で発見。その後、女子大生のキャッシュカードを使って現金を引き出した男が逮捕。男はこの事件と前後して、強盗致傷や窃盗、強姦未遂などを引き起こしていたことに加え、強盗と強姦の前科があった。2011年6月30日、死刑判決。
（3）【岡山元同僚殺害事件】2011年9月30日、当時27歳の派遣社員だった女性を岡山市の元勤務先の倉庫に誘い込み、性的暴行を加えて、財布を盗み、「誰にも言わんから、助けて」と懇願されながらも刺殺。遺体を大阪市に運んで刃物で解体し、川などに遺棄。強盗殺人、強盗強姦などの罪で男が逮捕起訴された。2013年2月14日、死刑判決。
（4）【神戸女児殺害事件】2014年9月11日、神戸市長田区の小学1年生の女児が行方不明となり、同月23日に雑木林から切り刻まれた遺体が発見。男は女児に「絵のモデルになって欲しい」と声をかけ、自宅アパートに誘い込み、そこでビニールロープを首に巻き締め付けた上、刃渡り約15.5センチメートルの包丁で後頸部を4回以上突き刺して殺害。その腹部を切り開いて内臓を摘出し、身体を頭部、上半身、右脚と左足に切断したほか、両乳首あたりの皮膚を削ぎ落としている。これらをコンビニ袋に入れるなどして、雑木林に捨て置いた。男は心理検査の結果、知的障害と正常の境界域にあるとされたが、2016年3月1日、死刑判決。
いずれも「酷い！」と、思わず叫びたくなるような事件だった。市民感覚を反映することが裁判員制度の目的とすれば、当然の結果と頷きたくもなる。ところが、これだけの犯行にもかかわらず、（1）南青山（2）千葉（4）神戸の3つの事件は、職業裁判官が3人で裁く控訴審で、死刑判決が破棄され、無期懲役となってそのまま確定している。
（3）【岡山元同僚殺害事件】だけが被告人が自ら控訴を取り下げて死刑が確定し、2017年7月13日に執行されている。この事件も控訴審の判決が出ていたのなら、死刑が回避された可能性は極めて高い。
(1))(2)(4)では、職業裁判官が3人で裁く控訴審で、死刑判決が破棄され、無期懲役となってそのまま確定しています。
そして、「裁判員制度が施行されてから殺害された被害者が1名の殺人の事案において死刑が確定した事案がない」と断定して死刑を回避した判決まで出ました。
2016年10月19日の深夜、大阪府門真市の一軒家に、面識のない男が刃物を持って侵入して、寝ていた父親を殺害し、長女、次女、長男の3人に重傷を負わせたあまりに理不尽な事件でも、大阪地裁は2018年4月の判決で、「公平性の観点を踏まえて、死刑を選択することが真にやむを得ないとする具体的、説得的な根拠を示す必要がある」と、検察側の死刑求刑を暗に批判までしています。
つまり、山上容疑者は死刑にはなりえません。
安倍さんが「国葬」となったところで、山上容疑者は死刑ではありえません。安倍さん、昭恵さんの振る舞い・・・、「自業自得」とは決して言いませんが、「因果応報」であったと私は思います。
動物園のことを、「捕らえてきた動物を、人工的環境と規則的な給餌により野生から隔離し、動く標本として都人士に見せる。啓蒙を兼ねた娯楽施設」と書いている、大変おもしろくて有名な新明解国語辞典には、
「因果応報」とは「過去の行いの善悪に応じて、報いがあること」と書かれています。
山上容疑者には、これからの裁判を正々堂々と受け入れ、正当に罪を償ってもらいたいと思います。
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この書の中で「良心」という章があります。私の読んだ1974年初版では53ページ、2004年の新装版では64ページです。
ここでは「良心」というのは、非常にあやふやなものだということが書かれています。
現代風に言えば、スパイと聞けば「いけない」という良心が働きますが、今後、中国が台湾をどこから軍事攻撃するかを探るために、日本の工作員が中国でスパイ行為をしているという場合はどうなのだ、という例が当てはまると思います。
さて、話題を変えます。
週刊現代にこんなアホな記事があります。
↓
山上徹也容疑者、異例の「死刑求刑」もあり得る…安倍氏銃撃事件、検察の腹の中
要約しますと、
逮捕された山上徹也容疑者の捜査を指揮するのは原則的には奈良地検だが、すでに上級庁の大阪高検と最高検が現場のグリップに乗り出し「政治案件」の様相を呈している。事案の重大性から、早くも1人殺害では異例の死刑求刑も視野に入っているとみられる。
ということです。
アホな記事ですね
それに比べて、ジャーナリストの青沼 陽一郎氏は綿密なリサーチに基づき、以下の記事を書いています。
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山上徹也容疑者は死刑になるのか
青沼 陽一郎氏、素晴らしいです。
「裁判員裁判」は「職業裁判官」の裁判とは異なります。私は裁判員の選抜となり、裁判所に行ったことがあります。
これには守秘義務があり、詳しくは書けないです。私はこのとき、判例を凄く勉強しました。
有斐閣判例六法
青沼 陽一郎氏の記事を要約しますと、
被害者が1名の殺人の事案において、「一審の裁判員裁判」で死刑判決が出されたケースは4件ある。
（1）【東京南青山強盗殺人事件】2009年11月16日、強盗目的で東京・南青山のマンションに入り、飲食店店長（当時74歳）の首を包丁で刺して殺害。逮捕された男は、1988年に自宅に放火するなどして妻子を死なせる事件を起こし、懲役20年の判決を受け服役。出所後わずか半年で、この事件を起こした。2011年3月15日、裁判員裁判で死刑判決。
（2）【千葉女子大生殺害放火事件】2009年10月22日、千葉県松戸市のマンション2階の一室から出火。焼け跡からこの部屋に住む女子大生が刃物で胸を刺された全裸の遺体で発見。その後、女子大生のキャッシュカードを使って現金を引き出した男が逮捕。男はこの事件と前後して、強盗致傷や窃盗、強姦未遂などを引き起こしていたことに加え、強盗と強姦の前科があった。2011年6月30日、死刑判決。
（3）【岡山元同僚殺害事件】2011年9月30日、当時27歳の派遣社員だった女性を岡山市の元勤務先の倉庫に誘い込み、性的暴行を加えて、財布を盗み、「誰にも言わんから、助けて」と懇願されながらも刺殺。遺体を大阪市に運んで刃物で解体し、川などに遺棄。強盗殺人、強盗強姦などの罪で男が逮捕起訴された。2013年2月14日、死刑判決。
（4）【神戸女児殺害事件】2014年9月11日、神戸市長田区の小学1年生の女児が行方不明となり、同月23日に雑木林から切り刻まれた遺体が発見。男は女児に「絵のモデルになって欲しい」と声をかけ、自宅アパートに誘い込み、そこでビニールロープを首に巻き締め付けた上、刃渡り約15.5センチメートルの包丁で後頸部を4回以上突き刺して殺害。その腹部を切り開いて内臓を摘出し、身体を頭部、上半身、右脚と左足に切断したほか、両乳首あたりの皮膚を削ぎ落としている。これらをコンビニ袋に入れるなどして、雑木林に捨て置いた。男は心理検査の結果、知的障害と正常の境界域にあるとされたが、2016年3月1日、死刑判決。
いずれも「酷い！」と、思わず叫びたくなるような事件だった。市民感覚を反映することが裁判員制度の目的とすれば、当然の結果と頷きたくもなる。ところが、これだけの犯行にもかかわらず、（1）南青山（2）千葉（4）神戸の3つの事件は、職業裁判官が3人で裁く控訴審で、死刑判決が破棄され、無期懲役となってそのまま確定している。
（3）【岡山元同僚殺害事件】だけが被告人が自ら控訴を取り下げて死刑が確定し、2017年7月13日に執行されている。この事件も控訴審の判決が出ていたのなら、死刑が回避された可能性は極めて高い。
(1))(2)(4)では、職業裁判官が3人で裁く控訴審で、死刑判決が破棄され、無期懲役となってそのまま確定しています。
そして、「裁判員制度が施行されてから殺害された被害者が1名の殺人の事案において死刑が確定した事案がない」と断定して死刑を回避した判決まで出ました。
2016年10月19日の深夜、大阪府門真市の一軒家に、面識のない男が刃物を持って侵入して、寝ていた父親を殺害し、長女、次女、長男の3人に重傷を負わせたあまりに理不尽な事件でも、大阪地裁は2018年4月の判決で、「公平性の観点を踏まえて、死刑を選択することが真にやむを得ないとする具体的、説得的な根拠を示す必要がある」と、検察側の死刑求刑を暗に批判までしています。
つまり、山上容疑者は死刑にはなりえません。
安倍さんが「国葬」となったところで、山上容疑者は死刑ではありえません。安倍さん、昭恵さんの振る舞い・・・、「自業自得」とは決して言いませんが、「因果応報」であったと私は思います。
動物園のことを、「捕らえてきた動物を、人工的環境と規則的な給餌により野生から隔離し、動く標本として都人士に見せる。啓蒙を兼ねた娯楽施設」と書いている、大変おもしろくて有名な新明解国語辞典には、
「因果応報」とは「過去の行いの善悪に応じて、報いがあること」と書かれています。
山上容疑者には、これからの裁判を正々堂々と受け入れ、正当に罪を償ってもらいたいと思います。
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