バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

西九州の古湯を行ったり来たり・バスの旅@佐賀+佐世保

2009-09-29 00:00:11 | ☆バスde温泉(九州)

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長崎本線を駆け抜けるJR九州の看板特急「かもめ」でも、諫早と鹿島の間はその駿足を活かすことができません。山が海に迫り出しているこの辺りはカーブがきつく、さすがの「かもめ」も恐る恐る走っている状態です。長崎から雲仙・島原へと、長崎を“バスde温泉”してきたワタシは、次に佐賀県の嬉野温泉を目指すことにしまし、諫早からこの特急「かもめ」で鹿島駅に着きました。

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鹿島は佐賀県の南部にある市で、鹿島駅のあるこの辺りは海岸沿いの平野部になっていて、伏見稲荷大社などとともに日本三大稲荷の一つに数えられる祐徳稲荷神社の門前町です。この鹿島市は九州新幹線長崎ルート(西九州ルート)の建設計画のルートから外れるため、建設反対運動を起こして長崎県らと対立しているんですね。確かに特急の停車がなくなると、この小さい市の存立は難しいな。

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鹿島から嬉野へ向かう祐徳バスには観光客はワタシひとり…まったくの生活路線のようです。おかしいな?温泉へのメインルートのはずなのに…車両はふそうのMKです。車窓に茶畑が見えるようになると、間もなく嬉野温泉です。

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嬉野温泉は佐賀県の西部、長崎県寄りにある古湯。ここはつるつる感のある重曹泉ゆえ、「三大美肌の湯」のうちのひとつと言われています。高速道路が整備されており、福岡からもそれほど遠くないため、規模の大きな旅館が建ち並ぶ町並みを形成しています。

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ここの温泉街には、以前には古湯温泉という、嬉野のシンボルというべき立派な共同湯があったのだが、老朽化のため取り壊され、今では更地に…そのため、今のところ味のある共同湯はありません。この古湯温泉を再建する計画もあるようだが、この様子では着工しそうもありません。(再建が決まって最近になって着工したようです)

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申し訳程度の足湯が設置はされているが、独りで足湯に浸かるのもなぁ…ここでは温泉の充実より、長崎新幹線を通して駅を造ることのほうが熱心なようです。

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この嬉野温泉では片泊まりとしたため、夕食は街へ出かけます。しかし事前情報とは違って街の規模の割に料理屋は多くない。それぞれの旅館は規模が大きく、食事も館内で完結するので料理店が発達しないのでしょうか。旅館で教えてもらった居酒屋で魚と焼酎を楽しみます。鮑のバター焼きをいただいたが、値段の割にはどうなんだか…

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この嬉野温泉は公共交通利用者のためのアクセスは、お世辞にもいいとは言えない。それよりも、情緒ある共同湯や、まともな観光案内所すらありません。ワタシのようなひとり旅の旅行者を相手にされていないようです。これからも享楽的な団体旅行で生き残るつもりなのでしょうかねぇ…温泉のシンボルを失った街では、たとえ新幹線が開通したとしても人は通過するばかりで、さらに寂れてしまうと断言できます。情緒のある温泉街の再建を望みます。

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嬉野に来てから、この嬉野と佐世保を結ぶ路線バスがあることを知りました。予定を変更して、佐世保に向かうことにします。佐世保バーガーがあるしね。こういう思いつきで行動できるのもひとり旅の愉しみではないかな。翌朝、嬉野のバスターミナルから佐世保行きの西肥バスに乗り込みました。車両は日野ブルーリボンです。およそ1時間ほどで佐世保駅に着きました。

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佐世保駅から商店街を通り抜け、市街地のはずれに来ました。戦前から、呉、舞鶴、横須賀と並ぶ軍港の町である佐世保には、米軍が駐留するとともに、海上自衛隊の基地があります。軍港を見下ろす丘の上にひときわ背の高い建物が「海上自衛隊佐世保資料館」。ここでは旧海軍から現在の海上自衛隊まで、海の守りをわかりやすく紹介しています。現在の自衛隊の置かれた微妙な立場からか、客観的な歴史認識の展示内容となっており、妙に弁解めいた靖国神社の「遊就館」と違って好感が持てます。入館は無料だが、玄関の受付で名前と居住県の記入を求められます。ふと思ったのだが、ここに北朝鮮と書いたら入館を許されるのでしょうか?

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館内には艦船模型など、非常に興味深い展示物があるものの、展示物の撮影が禁止されているので瞼に焼きつけるだけ。最上階の展望所からは、護衛艦が停泊する佐世保基地が遠望できる。軍港を写真に収めるなんて世が世なら連行され、悪くすると銃殺モノでしょうに…平和のありがたさを噛みしめます。

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資料館の前のバス停から、頻繁に走る佐世保市営バスに乗って佐世保の中心街へ。ここを走るバスは比較的古いタイプが多いな。やってきたのはいすゞのキュービックです。

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佐世保は想像以上に賑わった町。人通りが多いな。中心街で佐世保バーガーのお店を見つけて入ってみると、混み合っているので30分待ちとのこと。「ハンバーガーに30分も待てるかい!!」イラチな関西人気質が災いし、早くも佐世保バーガーを諦めてしまいました。たかが30分、どうして待てないのでしょうかねぇ。後で考えると惜しいことしました。かなり後悔。

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代わりにもうひとつの佐世保名物であるレモンステーキを駅弁にした「元祖レモンステーキ弁当」を買って、特急列車の車内で昼食としました。これはこれでけっこうイケる。

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この特急「みどり」で、再び佐賀県に戻って武雄駅に着きました。長崎新幹線は、この駅から分岐する予定のため、駅はその準備の高架工事の真っ盛りです。しかし新幹線自体はなかなか着工できないでいるらしい。

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武雄の共同湯の門前には比較的小規模の旅館が並んでいます。歓楽的な要素がない温泉街はしっとりとして落ち着き払っています。お湯の質も申し分ないし、ここはひとり旅や家族連れに向いている温泉街と感じですね。宿泊地の選択を間違ったかもしれません。

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武雄温泉駅から再び特急「みどり」で佐賀に向かいます。特急は快速を飛ばし、30分ほどで佐賀駅に着きました。佐賀駅のバスターミナルで佐賀空港行きのバスを待つ間、しばらくバスウォッチング。各地に向けて頻繁にバスが発着しています。その中に福岡行きの西鉄バス「わかくす」号が…ネオ麦茶かぁ…

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佐賀市営バスが空港に向かいます。城下町である佐賀の市街は静かで落ち着いているが、少し寂しい。市街を抜けると広大な平野地帯。田園が広がっています。

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大阪上空の大雨のため、飛行機の到着が遅れ、したがって出発も遅れるとのこと。存在意義の問われる佐賀空港内のレストランで、時間つぶしに佐賀の珍味を焼酎とともにいただきます。左からアミエビの塩漬け、佐賀牛のたたき、練り物です。

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ようやくたどり着いた飛行機は、大急ぎで機内整備をし、乗客を乗せます。機体は現在のプロペラ機の主流、ボンバルディアQ400 です。この飛行機、静かで乗り心地も上々。出発が遅れたせいで、伊丹への到着がかなり遅れてしまいました。これなら新幹線で帰ったほうが速かったですね。

  • 訪問日:2006年8月21~22日
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