ルーカス・ドン監督の「Girl/ガール」に続く2作目の監督作です
処女作ではトランスジェンダーでバレリーナを目指す主人公の少年が女性として生きる決意をするためになんと自らの手で男性自身を切ってしまうという衝撃的な作品でしたが、この作品も深読みするならこの映画の根底にはLGBTQへの問題提起が行われていたような気もするのですが・・・・
処女作ではトランスジェンダーでバレリーナを目指す主人公の少年が女性として生きる決意をするためになんと自らの手で男性自身を切ってしまうという衝撃的な作品でしたが、この作品も深読みするならこの映画の根底にはLGBTQへの問題提起が行われていたような気もするのですが・・・・
やはりこの作品も他者との違いに悩み、苦しむ少年たちの葛藤を描いているものの、今作では処女作ほどの衝撃はないものの、じんわり見てるこっちに訴えてくるLGBTQとはまた違った
大人になった人なら誰でも一度は通過して成長してきたはずの何気ない成長期の一過程を描いてるだけなんですが
見る人によって様々な重い思いもともなってくるような作品でした。
子供の頃、とても大好きな友達というか友達以上の幼なじみがいたとしよう
同じ境遇で家族同士も付き合っていたとする。
でも成長するに従って集団生活の学校でその友達との関係を周囲から奇異な目で見られ、時代的に二人の中はゲイとかと言ったような奇異な目で見られたらあなたならどうしますか
そう見られるのが嫌でその幼なじみから離れようとするのが人として当然の行動になるんではないでしょうか
そして親密な関係がだんだん薄くなって付き合う学友たちも変わってくる
人はそれを成長の証って見るんだと思うし自分もそう思うように自分を言い聞かせるわけで
一方なんの言葉もなく離れられてしまった方はどうなるんでしょうか
主人公のレオはいつも一緒にいる、親友のレミとの関係を、クラスの女子から“カップルなの?”と聞かれたことが妙に恥ずかしくて、レミとの距離を置き始める。
仲間外れになることを恐れて、新しい友達と仲良くし、それまでやってなかったアイスホッケーチームに参加して自然とレミから離れて行くようになるものの
主人公のレオはいつも一緒にいる、親友のレミとの関係を、クラスの女子から“カップルなの?”と聞かれたことが妙に恥ずかしくて、レミとの距離を置き始める。
仲間外れになることを恐れて、新しい友達と仲良くし、それまでやってなかったアイスホッケーチームに参加して自然とレミから離れて行くようになるものの
心は常にレミのことを気にはしてるのだが日常の行動は疎遠になって行く
やがて、そんなレオに衝撃の問題が起きるその衝撃の激しさは半端ないのだった
映画では細かく描かれていませんがレオは自殺してしまったようで
自分が彼から離れて彼を突き放したのが原因だろうって幼い心に傷を負わされたレミ
そんなレミを見守る大人たちの彼に寄り添う姿がさらに彼のこころの傷を大きくして行く
しかし自責に苛まれても何も言えないレミにも無情にも月日は流れて行くのですが
レオの親も自分の親も何も言わないことが余計にレミを苦しめて行く
ついに耐えきれずにレミはレオの母親に“自分が突き放したから”って告白してしまうのだが
果たしてレオが自死した理由は誰も知る由もないわけで
男として成長して行くレミ
そんな彼に友情以上の思いを抱いていたのかもしれないレオ
彼は音楽に傾倒して行くことで生きることを選んでいてレミと向かう以外は
ひょっとしたら性同一性障害だったかもって言う描かれ方もしており
思春期の悩みとしてそこいらも原因があったかも知れないようなって言う含みを
監督の処女作から思い描くこともできるような作品でした。
2022年製作、ベルギー・オランダ・フランス合作映画
ルーカス・ドン共同脚本・監督作品
出演:エデン・ダンブリン、グスタフ・ドゥ・ワエル、エミリー・ドゥケンヌ、レア・ドリュッケール、ケヴィン・ヤンセンス、イゴール・ヴァン・デッセル、マーク・ワイス