明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

ランチでお世話になった、飯田橋界隈の安ウマそば店

2020年08月26日 | そば、うどん
以前チラッと書いたけど、私は週に数度、都内で日雇いの仕事をしていた。
よく派遣されたのが、飯田橋にあるオフィスで、昼メシは当然、この界隈の飲食店を利用することになる。
立川市在住のくせに、このあたりの飲食店のブログ記事が多いのは、そのためである。
ただし、さきほど「仕事をしていた」と過去形で記したように、その日雇い労働は、現在はやっていない。
理由は、派遣会社の社長とケンカしたからという、わかりやすい事情によるものである。
私を昔から知っている方なら、「またかよ! 職場で揉めて辞めるの何回目だ!?」とあきれているだろうが、
今回は珍しく、私はほとんど悪くなく(社長が頭を下げた)、一応、円満退職ということになっている。はず。
揉め事についてはまた別の機会に譲り、今回はあの頃食べたおソバ屋さんという、
いたって平和的な題材で、ブログを書いてみようと思う。

ランチ休憩は60分。私は運動不足解消のため、なるべくオフィスから離れた場所まで歩き、飲食店を選択していた。
ところが、ごくまれに目的のお店が、混雑や謎の臨時休業などの理由により入店できないことがあり、
そんなときに助けてくれたのが、早い、安い、ウマい、立ち食いソバ店であった。
そのうちのひとつが、以前紹介した『豊しま』さんである。

※豊しまさんの「厚肉そば」

今回紹介するのも、失礼ながら期待せずに入店したところ、予想以上に良店だった3軒である。
まずは、地下鉄江戸川橋駅からほど近い『山吹』さん。こちらは、連日客足の絶えない人気店である。
ソバやうどんの味もさることながら、「かつ丼」などのご飯ものも美味しいと評判。
中でも人気を集めているのが、店頭に提示してある、麺+ご飯のお得なセットメニュー。
たとえばこちら、かけうどんとカツカレーのセットは、なんと560円!

※私が食べたときは540円であった

揚げ玉無料なので、たぬきそばにもなる「かけうどん」は、単品だと320円。
正式名「ヒレカツカレー」は単品500円、ハーフサイズだから250円くらいかと思うだろうが、
このボリュームは絶対にハーフではあるまい。560円というのは破格なのである。
うどんも、茹で立てっぽい歯応えで美味しかった。大半の客がソバを頼むから、うどんは注文次第茹でるのかな。

また、昨年1月には、お正月らしいトッピング「揚げ餅」を、期間限定で販売していた。
貼り紙には「白米・玄米 各1個100円」との説明があり、券売機に「揚げ餅」ボタンはなく、店員さんに100円玉を渡す。
希望は玄米餅なのだが、店員さんはたずねてくれなかったから、白米餅が出てくるのかな…と思ったら、
両方出てきて感激! 各1個100円とは、それぞれ1個ずつ、計2個で100円という意味だったのか!


左のやや茶色っぽい方が玄米餅、右が白米餅。どっちもウマかったよ。
ちなみに注文したのは、「天丼」と「かけうどん」のセット+「揚げ餅」で660円。


新年早々のトリプル炭水化物、実にめでたいね!
こちらのお店は、朝6時からの営業だが、モーニングセットはさらに安いらしい。

続いての紹介は、住宅街っぽいところにポツンとある『稲浪(いなみ)』さん。
山吹さんは完全立ち食いだが、こちらにはイスもある。初訪問時は、下記のメニューを食べた。


2年前のことなので記憶が定かではないが、460円というメモが残っていたので、そこから判断すると、
「かけうどん」280円+「大盛」30円+「かき揚天」90円+「いなり」60円かと思われる。
大盛30円、いなり寿司60円は安い! しかもいなりは、値段以上のウマさ。※「いなり」90円説もアリ 
あと、レモンが付いてくるのも珍しいよね。途中で絞ると、かき揚げがフレッシュになった気がした。
こちらの名物は、珍しい野菜の天ぷら。春菊は他の店でもたまに見かけるが、
パクチー、明日葉、空心菜の天ぷらを置いているソバ屋は、あまりないだろう。
あと、卓上の七味などの他にも、薬味コーナーには、店主自家製の多彩な薬味が設置されている。
さっきの写真にも、丼の右側あたりに、緑色のブツが少し散りばめてあったはず。
右下のはオクラかと思ったら、青唐辛子を刻んだヤツでやんの。激しくムセたのでわかったよ。
別の日には、卓上の一味と、刻み紅生姜を乾燥させたモノ(正式名称不明)を大量にかけてみた。


刻み紅生姜の乾燥は、ペヤングの薬味でも見たことはあったが、実物を目にしたのは初めて。
当然、ペヤングのよりもウマい(ごめんよペヤング)。これって、カレーとかにも合いそう。
画像を見ると、刻み紅~(後略)は、赤唐辛子のタネみたいなのも混ざっているな。なるほど、辛かったワケだ。
この日頼んだのは、「かけそば」280円+「玉ねぎ天」90円+「コロッケ」90円で460円。やっぱり安い。


しいたけはサービス。小さい竹輪やこんにゃくが付く場合もあるとか。こういうささやかなオマケは好きだ。
お店の場所は、飯田橋駅から北上し、以前紹介した餃子店『PAIRON(パイロン)』の十字路を右折だ。

最後は、地下鉄後楽園駅の方がちょっと近い、やはり繁華街からは少し脇に入った『器庵(きあん)』さん。
ちょっと変わった屋号なのは、こちらは本業が陶器屋さんだから。
店内にも、値札付きのお皿がいくつか置いてある。ソバを喰ったついでに、皿も買っていく客はいるのかな?




こちらは奥にテーブル席もあり、立ち食い店ではないが、「かけそば」280円~など、お値段はやはり格安。
最初の訪問時に注文したのは、もりうどんとの「麻婆丼セット」550円。ソバ店で麻婆豆腐とは珍しい。


こちらの麻婆丼、見た目はフツーだし、実際食べてみても、よくある業務用っぽい味だったけど、

※ソバ用薬味のネギをもらった

実はこれ、自分でご飯と麻婆をよそるのである。これは画期的!
麻婆をよそるコーナーには、カレーもあり、別の客がたっぷりとカレーとライスを盛っていた。
このコーナーは、厨房の死角にあるため、何度もよそる輩がいるのでは? と心配になった。
といいつつ、次回は私もカレーとのセットにして、たっぷりよそってやろう…という野望を抱いた。
ちなみに、うどん自体もスルスルと食べ切ったけど、特に印象はなかったかなあ。


さて、それから数週間後、「カレーセット」をかけそばでオーダー。価格は500円。
カレーを超大盛でよそる予定だったが、下記画像のとおり、常識範囲の盛りになってしまった。


ちゃんと、死角を利用し、ご飯は大量に盛ったのだが、カレーソースが、なんと空っぽだった!
厨房からは死角ゆえ、店員さんも当然気づかず。最後のヤツ、ちゃんとお店の人に報告しろよ!
こういう、次の人のことを考えない、自分本位のヤツが多いから、世の中よくならないんだよな…って、
自分もついさっきまで、お店の損失を考えず、大盛りにしてやろうと考えていたくせに。
仕方なく、空いたカレーソース容器を厨房に持っていったところ、店員さんが「どうもすみません」と謝りながら、
ちょうど1人前のカレーソースを補充したくれた。あ、やっぱり1人前ね…。
1人前でも、ご飯はバカ盛りなので、お皿から少しこぼれてしまった。

※カレーソースの下にもご飯あり

実は、かけそばにもこっそりぶっかけて、カレーそばにしてやろうと企んでいたのだが、
それは明確なルール違反だから、みなさんも絶対にやらないように!
ちなみに(ご飯だけ)大盛カレーライスは、案の定ご飯が余ったため、卓上のキュウリのキューちゃんを利用して食べたよ。
あと、かけそばは、麺のコシとツユのコクがちょうどいい塩梅で、悪くなかったな。
会計時、食べログの投稿には、居酒屋風のツマミを記したメニュー表もあったので、
お店の方に聞いてみたところ、「昔はやってましたが、今は団体さんの予約がない限りは…」とのこと。それは残念。
でも、食べログ「メニュー」によると、昨年の増税後も値上げせず、頑張ってらっしゃる様子。
今度器庵さんに行く機会があったら、お皿も1枚くらい買って帰ろうかな。

仕事はないしコロナ騒動はあるしで、飯田橋界隈は今年になってから、まだ1度も訪れていない。
最近の価格については、先述したように食べログの「メニュー」への投稿画像を参考にさせていただいた。
親愛なる(大笑)食べロガーの皆さん、どうもありがとう!
お前らが、お店の迷惑も考えず垂れ流している、くだらねえ批評文や点数評価は見るに堪えないが、
住所や価格などのデータだけは、そこそこ参考にしているぞ。
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「おウチ」で食べる手打ちうどん 新小平『福助』

2020年07月16日 | そば、うどん
前回日記の最後の方で予告したように、今回は手打ちうどんのお店『福助』さんを紹介する。
お店の場所は小平市で、最寄り駅は西武線の青梅街道なのだが、おそらく駅名より街道名の方が有名なので、
「青梅街道のどこだよ!?」と突っ込まれるのを避けるため、あえて二番目に近い新小平駅をブログタイトルにする。
かつては清瀬に店舗があったが、数年前に自宅を改装した現店舗に移転したと聞いた。
いざお店に向かってみると…おお、外観はまさに自宅だ


入口脇に看板もあったので、ここが福助さんで間違いない。「営業中」の貼り紙があるドアから、さっそく入ってみる。


中に入ると、やっぱり店舗ではなくおウチそのもの。玄関で靴を脱ぎ、奥に向かって歩いていく。


見知らぬ方のお宅に入った後ろめたさから、なんとなく無言のまま、抜き足差し足で歩いてしまう。
これではまるで、空き巣に入った男である。実際はやったことないけど(←本当か?)。
しばらくすると、存在に気付いてもらえたようで、「いらっしゃいませー」の声がかかり、ひと安心。
奥の室内には厨房があり、カウンター席とテーブル席もあるが、やっぱりどう見ても自宅だ。
なお、店内では料理以外の撮影は禁止されているので、内観の写真がないことをご了承願いたい。

昼のピークタイムは過ぎていたので、テーブル席に案内された。
この日は、お得意の日が沈む前の酒としてビール中びん550円と、
おつまみ兼うどんの具材として、玉子・かしわ2個・ちくわの「天ぷら盛合わせ」300円、
そしてメインのうどんは、メニューにおすすめと赤字で記載してある、「ざるうどん」を注文。
うどんは、讃岐風で文字通り真っ白な「白うどん」と、武蔵野風でやや褐色がかった「田舎うどん」の2種があり、
さらに小(2玉)600円から、中(3玉)・大(4玉)・特大(5玉)まで、+100円でひと玉ずつの増量が可能。
つけ汁も普通の「冷や汁」の他、+50円で「肉汁(熱いつけ汁)」など3種を用意。私は「田舎うどん・小・肉汁」を選択した。
厨房ではご夫婦が協力して調理をしており、完成した料理は、女将さんが運んでくれた。
最初にビール、続いて天ぷら、うどんと差がなく運ばれてきたが、せっかくなのでまとめて撮影。

※ざるうどんには野菜=糧(かて)が付きます

田舎うどんはネーミングのとおり、荒々しく力強い麺で、噛み締めるたびに小麦の風味を感じる。


ひと玉約170グラムなので、計約340グラム。全然(小)ではないので、少食の方は注意。
肉汁は、鰹ダシの効いた関東風の黒いツユに、お肉とネギがたっぷり。田舎うどんとの相性も良好だ。


天ぷらは私の好きな3種だし、それぞれ単品で頼むより100円お得なのもありがたい。


卓上の「カレー塩」を付けたら、面白い味になった。うどん屋さんにしては、珍しい調味料が置いてあるね。


入店直後は正直、よそのおウチに上がりこんだみたいで、やや居心地が悪かったが、
女将さんの接客もよかったし、なにより天ぷらもうどんも美味しかった。
特にうどんは、もうひとつの「白うどん」や、別のつけ汁も試してみたいので、当然のように再訪を決意。

数ヶ月後に訪問し、やはり日が沈む前のビールと、「半熟玉子天」100円、日替わりメニューから「舞茸天」150円を注文。


うどんは、白うどんの小に、「手搾りゆず果汁入り冷汁」650円を選択してみた。


見た目ではわからないだろうが、ツユにはゆず果汁由来の酸味があった。
味玉天の残りを添えた白うどんは、田舎うどんとはタイプこそ違うが、コシの強さは共通。


一般的な讃岐風うどんが、すすったときの表現がツルツルだとすると、このうどんはヅルヅルだ。
このニュアンス、わかってもらえるだろうか…書いている私自身も、実はよくわかっていないのだが(恥)。
白うどんも素晴らしかったが、私は田舎うどんの方が好みかな。
だが、福助さんのうどんメニューは「つけ」だけでなく、「ぶっかけ」や温かい「かけ」もある。
商品によっては、白うどんが上回ることもあるはずなので、いろいろ試してみたい。
なお、紹介した2種のうどんは、現在の価格で表記したが、訪問時は今より50円安かったことを付け加えておく。

先日、久しぶりに訪問した際は、この時勢ゆえ、入口に消毒液が置いてある。


先述したように、料理以外の撮影はNGなのだが、しずかちゃんがかわいかったので、つい撮ってしまった。
この日は、ビールと一緒に、日替わりメニューの「ハモの天ぷら」300円と自家製の「焼豚」300円、

※ハモは鱧の漢字表記だったかも

さつまいも、大葉、ナス、シシトウの「野菜天盛合わせ」200円(安い!)をオーダーした。


焼豚は提供時に、「バルサミコ酢を使っていますので酸味があります」と女将さんから説明があった。
酸味といってもイヤな酸っぱさはなく、ほのかに香る程度なので、酢が苦手な私も大丈夫だった。
肉厚なハモの天ぷらには、少しだけ塩を付けて食べた。こういう、旬の食材の天ぷらはいいね!
この日のシメは、前回日記でも紹介した、「月見うどん」650円を田舎うどんで。


【玉子が汁に混ざらないよう、最初に汁だけ全部飲み、残った麺と玉子を絡めて、釜玉風にして食べる】
上記の「マツコ式月見うどんの食べ方」(※前回参照)を実践すべく、熱々の汁を飲みまくったのだが、
このツユが、べらぼうにウマい!
関東風の濃いダシと、関西風の滋味あるダシを足したような、今まで味わったことのないツユだ。
著名うどんブロガーさんの記事で、福助さんのかけうどんを見たときは、関西風の薄いダシだったし、
うどんに詳しく、福助で食べた経験もある方にも画像を見てもらったが、「前はこんなに黒くなかったと思う」とのこと。
武蔵野風の田舎うどんを選択したから、関東風の黒いツユを混ぜたのだろうか。
ということは、白うどんで注文したら、薄口ダシで提供されるのかな。近いうちに再訪して確かめなくては。
でも、この日の黒いツユもまた味わいたいし…となると次回は双方、つまり「かけ」を2杯喰わなくてはな。

おウチのような店舗で、家庭的な雰囲気の中、プロの味を提供している福助さん。
コロナ感染者が再び増加傾向にある中、再度「ステイホーム」と叫ばれることがあっても、
ここなら「ハイ、ちゃんとウチにいますよ」と言い訳できるから大丈夫だろ(←それはダメなのでは)。



手打ちうどん 福助
東京都小平市小川町2-1307-20
西武線青梅街道駅から徒歩約6分、JR新小平駅から徒歩約11分、西武線一橋学園駅からも徒歩圏内
営業時間 11時15分~15時 14時半ラストオーダー
定休日 月、火(祝祭日は営業)
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月見うどんの玉子を味わう最高の方法

2020年07月12日 | そば、うどん
以前、日野のうどん店『どんたく』を紹介したとき、
「生玉子を崩すタイミングは、一生を費やしてでも研究すべきテーマだな」と記した。

※どんたくさんの「びっくりうどん」の画像


※こちらは玉子を崩したところ

玉子の黄身を「キミちゃん」と呼んで愛でている私は、これまでにも何度か「生玉子崩し画像」を掲載してきた。
住宅街の中華ダイニングバー・高田馬場『玲音』の「たまごカレーごはん」。




そういう店で、私は食べたい…中神『木偶の坊』の「クリーミーカレーうどん」。




+50円のトッピングで幸せになれる、新秋津『木曽路』の「天ぷらうどん+玉子+コロッケ+きつね」。




玲音さんのカレーごはんや、木偶の坊さんの汁なしカレーうどんは、米や麺が受け止めてくれるが、
木曽路さんのようなかけうどんだと、黄身ちゃんがツユに溶けこんでしまうため、
崩すタイミングによっては、大部分がツユと一体化してしまい、玉子の意味がなくなる悲劇も。
とにかく、月見うどん(そば、ラーメンも)の玉子を、じょうずに食べ切るのは難しい
最近は温泉玉子を出す店も増えたが、生玉子を育てる楽しみを味わえないのが、マニアとしては物足りない。

そんな、月見うどんの研究に、昼夜を問わず没頭していた(←ややオーバー)ある日、
たまたまつけていたTV番組で、マツコ・デラックスさんが月見うどんの食べ方を語っていた。要約すると以下のようになる。
「玉子が汁に混ざらないよう、最初に汁だけ全部飲み、残った麺と玉子を絡めて、釜玉風にして食べる」
共演者に「そんな食べ方するのアンタだけだよ」などと突っ込まれていたが、視聴していた私は、
「その手があったか!」
と、↑ブログ文字を最大にするくらい、たいそう感激したものだった。
さっそく、この「マツコ式(敬称略)月見うどんの食べ方」を、実践してみることにした。

まずはカップうどん界のベストセラー・東洋水産の「マルちゃん 赤いきつね」。


生玉子を入れ熱湯を注ぎ、5分間待って完成。玉子に火が通り、おいしそうだ。


いつもは麺と具材を食べて、最後に残ったスープを飲み干すのだが、今回は逆に、スープだけ先にすすっていく。
これまで、人生で何度も食べてきた「赤いきつね」だが…こんなにしょっぱかったっけ? 
スープだけ先に飲んだからか、普段の1.7倍くらい(わたくし比)塩分がキツい気がした。
なんとか飲み干したのがこちらの画像。麺は少し食べたが、お揚げと玉子には、まだ手を付けていない。


ここから、玉子を割ってかき混ぜて、釜玉うどん風にして食べる。


少しだけ残ったうどんスープが、麺に絡んでいるので、本物の釜玉のようにダシ醤油を加える必要はなし。
熱々スープを飲むのに時間がかかった分、麺もほどよく柔らかくなり、食べやすくなった。
うどんツユと釜玉の双方が楽しめ、さらに玉子も存分に味わえる。マツコ式、なかなかいいね!
ただし、次回「赤いきつね」でやるときは、粉末スープを少し減らそうと、個人的に思ったよ。

続いては、うどんではないが、やはり玉子を乗せるのが前提となっている、日清の「チキンラーメン」。


中央のくぼみに生玉子をセッティングし、さらに一橋学園『なにや』さんのお持ち帰りチャーシューを追加。
本題から逸れるが、「なにやチャーシュー」はメタクソにウマいので、今では月イチで購入している。
お湯をかけ、フタをして、3分後に完成。ここからスープだけ飲んでいく。


チキンラーメンのスープは、いつもと同じに思えたが、やっぱりちょいとしょっぱい。
赤いきつねのときも薄々感じていたのだが、私自身がトシをとり、身体が濃い味を受け付けなくなったのだろうか。
実際、血圧も高いし、塩分は控えなくては…といいつつスープを飲み干す有言不実行。


ここから玉子を崩し、釜玉風にして食べると、しょっぱい麺と黄身ちゃんが絡み、ちょうどいい感じ。


御存知のとおり、チキンラーメンは最初から麺に味(スープ)がついているので、追加ダレは不要。
スープを飲まずに捨てても、釜玉ラーメンとして成り立つ気もするが、そんなもったいないことは、私にはできない。

既製品の次は、実店舗の月見うどんでマツコ式を試してみることに。
向かったお店は、なにやさん同様、拙ブログでは何度も紹介してきた、東村山のうどん店『こげら』さん。
メニューにない「月見うどん」を注文したら、かけうどん(並)300円+生玉子50円で350円だった。


さすがは専門店。塩分のキツイ即席麺のスープとは違い、
こげらさんのうどんツユは、ほどよい塩分とじんわり浸みいる旨味。
その気になれば、何リットルでも飲めるね
いつも注文している、エビス缶ビール300円(激安!)のツマミとして、大部分のツユを飲み干し、

※途中でうどんも少し食べた

よ~くかき混ぜて、自家製(?)釜玉うどんを完成させる。太めのうどんと、少し火が通った玉子との相性は抜群。


ダシ醤油で食べる、こげらさんの釜玉うどんもおいしいけど、絶品ツユも味わえるマツコ式も悪くはないね。

つい最近は、小平市にある人気うどん店『福助』さんでも、「月見うどん」650円でマツコ式を試してみた。


うどんは「讃岐風」と「武蔵野風」を選べるが、この日は武蔵野風をチョイス。やや褐色で小麦の味が強いのが特徴。
こちらのかけうどんは、なかなか量が多く(麺は350グラム)、その分ツユも多いため、飲み切るのに時間がかかった。
そのため集中力を欠いたのか、混ぜる前に玉子を崩してしまうエラー。


「愛しの黄身ちゃんよ、許しておくれ…」と心の中でつぶやき、残った釜玉風うどんを、ズルズル一気にたいらげた。
ただし、これまで何度も通い、店主とも顔見知りなこげらさんとは異なり、
まだ数回しか訪問しておらず、お店の方ともほとんど言葉を交わしたことのない福助さんでは、
気持ち悪い食べ方をする不審な客として警戒されたかもしれない。反省。

以上、お店の方に怪しまれるかもしれないが、「マツコ式」は、試してみる価値はあるかと。
私自身は今後も、うどん店だけでなく、生玉子があるラーメン店でも実践してみるつもりだ。
ツユに溶けることなく、ほんのり火が通った玉子を、麺とともにすべて味わえる、
最高の食べ方を考案・教授していただいた、マツコ・デラックスさんに感謝したい。
同世代のマツコさん、お互い健康に気をつけ(笑)、長生きしましょう。
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+50円で得られる幸せ 新秋津『木曽路』

2020年07月02日 | そば、うどん
東京西地区では屈指の昼酒エリアである、東村山市の秋津に、先日久々に足を運んだ。
秋津で昼酒といえば、安くてデカい串焼の立ち飲み店『野島』さんだ。
入店すると、いつもの「あ、正田さんお帰り~」の声がかかる。いったい、何人の客の名前を覚えているのだろうか。
久しぶりに頼んだ串焼がこちら。つくねはともかく、レバーなんて、串を持つ部分がないくらい巨大だ。

※このサイズでも、1本90円である

さきほどの掛け声の主であり、長年、お店を仕切っている女性店員、通称「おネエさん」に聞いたところ、
コロナ騒動中も、営業時間こそ短縮していたものの、休業はしなかったそうだ。
こちら野島さんは、どんなに混雑していても、来店客は絶対に入店させる。
10人ほどの幅のカウンター席にも、毎回20人ほど詰め込むのが特徴で、
最高で27人も入れたことがあったらしい。スゲエ! ※下記画像はイメージ


「三密」が気になる昨今の情勢を鑑みると、「スゲエ」などと喜んではいられないのだが、
この日の野島さんのカウンターには、終始10人前後の客入り。
普段の満員電車のような状況は避けられ、その代わりに、お持ち帰りの注文がジャンジャン入っていた。
近所の常連は、例の巨大串焼(持ち帰りは1本100円だが、現在は90円との噂)で、家飲みを楽しんでいるのかな。

秋津エリアは、野島さんの他にも素晴らしい飲み屋が多く、ついつい食べすぎ・飲みすぎてしまうため、
シメの食事はほとんど食べない。ラーメン屋も、私が嫌いなチェーン店が大半だしね。
かつては、新秋津駅の近くに『味彩』という熊本ラーメンの店があり、そこは何度か利用していた。
ラーメン1杯500円、のちに600円で「2玉まで替玉無料」という、某博多ラーメンチェーンのようなサービスを実施しており、
その割には味も良かったため(末期はやや劣化していたが)、閉店したのは残念であった。

現在、唯一シメに利用しているのが、新秋津駅を出てすぐの場所にある、立ち食いソバ店『木曽路』さん。


昭和48(1973)年、武蔵野線及び新秋津駅の開業と同時にオープンし、今年で47年目。
外観はチェーン店のようだが、調べてみたところ、どうやらここ秋津にしかないようだ。
利用するのは数年に1度と、足繁く通っているわけではないが、個性的で応援したくなるお店なのである。
その理由のひとつが、「わかりやすい価格設定」だ。
メニューはそばとうどんの双方があり、夏は「冷やし」もあるが、普段は温かいタイプのみで「もり」はない。
ベースとなるのは、たぬき、きつね、月見、天ぷら、コロッケ、わかめの6種なのだが、
驚くことに、上記6種はすべて同額! しかも各トッピングは+50円! ホラ、わかりやすいでしょ。
下記は、数年前に撮影したガラケー画像だが、当時は「天ぷらそば」が300円で、さらに天ぷらとコロッケを追加。


わずか400円で胸やけ…ではなく、幸福気分(?)と満腹感が得られるのである。
天ぷらは見てのとおり、カップうどん「どん兵衛」に入っているような、チープな品質。
また、コロッケも自家製ではなく市販品だが、それでもいまどき+50円は安すぎる
私がもう少し若かったら、+450円で「天ぷら10個そば」を注文し、SNSに画像を投稿し、ヒンシュクを買っていたことだろう。
6種の他にも、カレー、とろろ、鴨南蛮などもあるが、こちらはさらに50円増し。ご飯ものとして、おにぎりやミニ丼もある。
ちなみにこちらは、以前紹介した飯田橋の『豊しま』さんと同様、立ち食いソバ店なのに、「かけそば・うどん」がない。
頼めば作ってくれるだろうが、おそらく、たぬきやきつねなどと同額のはず。ならば「かけ」ではもったいないね。
なお、長年300円の価格を維持してきた木曽路さんだが、数年前に350円に値上がりし、現在は380円となった。


それでも、トッピング50円は守られているのが素晴らしいし、3品入る「スペシャル」ならば、さらに50円お得だ。
外出自粛要請が出る前に食べたのが、下記の「天ぷらうどん+玉子+コロッケ+きつね」。


バカ丸出しの注文ゆえ、店員さんも困惑していたが、これだけ具だくさんで530円は破格。
どうせなら、たぬきとわかめも追加して、家系ラーメンなどでよくある「全部乗せ」にすべきだったか。
うどん自体は、昔ながらの立ち食い店らしい、コシのないタイプ。説明し忘れたが、そばも同様だった。


ツユは、鰹節が主体と思われる関東風の濃いダシだが、木曽路さんのは同業店と比較すると、やや薄口な印象。
もっとも、私の場合はトッピングを入れすぎるため、ツユの味が薄まった可能性もあるが。
また、以前は普通のいもコロッケだったが、この日はカレー風味のコロッケであった。カレー好きとしてはうれしい。


終盤では、玉子ちゃんをやさしく崩し、麺と絡めて食べる。ああ、キミ(黄身)はいつだって美しい…。


たくさんの油分が溶けだした、ツユはさすがに残したが、麺や具材はすべて食べ切り「ごちそうさま」。
「毎度ありがとうございます」と返答してくれた店員さんは、物腰の柔らかなおじちゃん。
彼の丁寧な接客も、私が木曽路さんを支持する理由のひとつだ。
早朝から夜間まで、長時間営業のお店だが、私が客のときは、いつもこのおじちゃんが働いている気がする。
大丈夫か、と心配するのは余計なお世話だろうか…余計なお世話だね。※おばちゃん店員もいる様子

さて、冒頭のように野島さんで一杯やった日、別の店でも飲み酩酊しながらも、数ヶ月ぶりに木曽路さんを訪問。
この日は、「紅生姜天うどん」430円に「まかない丼」200円を注文。どちらも食べたことのないメニューだ。
ふたつだけあるイス席に座り、壁を見上げたところ、「冷やし」が始まっているのに気づいたので、変更してもらった。


冷やしは、基本のうどん+70円で450円。紅生姜天は、普通の天ぷらに+50円なので、500円となる。
まずは「まかない丼」が出てきた。店員さんの休憩時間の食事から、レギュラーメニューに昇格したのだろう。


わかめ、たぬき(天かす)、高菜、紅生姜、ネギがご飯に乗る。お茶碗ごとレンジで温めたのか、触ると熱々であった(苦笑)。
味の方は、まあ想像したとおり。しばらくして、麺を冷水で締める手間がかかる、冷やし紅生姜天うどんが完成。


具材は紅生姜天の他は、わかめ、紅生姜、海苔、うずら玉子、ネギ。右奥のまかない丼との食材ダブりが多い! 
特に紅生姜のせいで、全体的に紅(くれない)に染まってしまったではないか。
それでも、ホカホカご飯をほおばり、サクサク天ぷらをかじり、締められコシが出たうどんをツルツルすすり…
満足・満腹で「ごちそうさまでした」。個人的には、熱々のまかない丼に、生玉子をプラスしたいね。
例のおじちゃんも「毎度。(冷やしを)お待たせしちゃってすみません」だって。気にする程度ではないのに。
他に客がいなかったので、最近の営業時間などをたずねたところ、
最近は朝5時から夜22時までで、日曜は20時まで、とのこと。
客足については、夜の時間帯がだいぶ少なくなったようだ。秋津全体の飲み客も減っているようだから、仕方ないかね。

コロナ騒動の以前から、街の定食屋さんや中華食堂の閉店が相次ぐ中、
実は個人経営の立ち食いソバ店も、富士そばなどの有名チェーン店やコンビニなどに押され、ここ数年でだいぶ姿を消している。
そういう私自身も、立ち食い店を利用することは減り、お酒やツマミが豊富な専門店に行くようになってしまった。
日本発祥のファストフード文化である、「立ち食いソバ・うどん」の灯を消すことのないよう、
今後はなるべく、利用回数を増やそうと思っている。いい店があったら教えてほしい。
価格によってはトッピングもするが、+50円なんてお店は、令和では木曽路さんだけではないかね。



木曽路
東京都東村山市秋津町5-13-33
JR新秋津駅から徒歩約15秒、西武線秋津駅からは徒歩約5分
営業時間 5時~0時 ※最近の営業時間は文中のとおり
定休日 年末年始
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「一反もめん」のような幅広うどん 国立『ひもかわ桐生』

2020年06月18日 | そば、うどん
このブログで何度か紹介している、東村山のうどん店『こげら』さんが、営業再開したのでさっそく食べてきた。

※こげらさんは最近、営業時間が11~13時、水木定休に変わったのでご注意を

上記画像は「かけうどん」の中400円。休業前と変わらぬ安さとウマさに大満足。
こげらさんのうどんは元々太いのだが、さらにぶっとい麺が、丼の左側を占めているのをおわかりだろうか。
撮影がヘタでわかりづらいと思うので、以前食べた「ざるうどん」の画像を再掲載する。


この極太麺は、うどんの玉を切ったときに、少しだけ余る端っこの部分である。
当然、すべてのうどんに入るわけではなく、いわば黄身が2個入った卵のような、ラッキーアイテム(?)である。
以前から、この一反もめんのようなうどんだけを集めて、思う存分かじりつきたいと思っていたのだが、

(C)水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション

それをかなえてくれるお店を発見。それが、今年4月にオープンした、国立の『ひもかわ桐生』さん。
群馬県桐生市では、「ひもかわうどん」と呼ぶ平べったいうどんが、ご当地グルメとして定着しているそうだ。
桐生と聞けば、競艇場が真っ先に浮かぶ私だが(恥)、素晴らしいうどん文化もあったんだね。
こちらのお店では、その桐生ひもかわうどんをメインに、ソースかつ丼やもつ煮など、群馬名物の料理も用意している。
店内に入ると、女性店員が「いらっしゃいませ、お好きなお席へどうぞ」と明るくお出迎え。
厨房に職人風のおっさんでもいるのかと思いきや、働いているのは意外にも、若い男女4人。
対等に会話していたので、上下関係はわからなかったが、とりあえず楽しそうでうらやましかった
そんな、店員さんたちへの嫉妬心を打ち消し、卓上のメニューを確認し、ビールとおつまみを注文。
びんビールはエビスの小で350円。ビールグラスは、ちょっと変わった形だった。


他のお酒のメニューは、レモンサワー、ハイボール、各種日本酒や焼酎など。
ふと店内を見回すと、窓際の床にカラフルな花びらと、なぜかサイらしき動物の置物が。


これも桐生名物なのだろうか。もちろん、コミュニケーション能力のない私は、店員さんに質問できず。
しばらくすると、もつ煮の小、正式名は「群馬県注目のモツ煮」(小)250円がやってきた。


店員さんの「器が熱いのでお気をつけください」の忠告通り、ムチャクチャ熱かった。この器ごとレンジで温めたのかな?
もっとツユだくの方が好みだけど、味自体は悪くなかった。次回頼むときは(大)450円にしよう。
続いて、もうひとつのおつまみ「とり天タルタル」350円がやってきた。

※遅れてサービスのお通しもきた

これまたヘタな撮影でわかりづらいが、とり天ぷらの上には、玉子多めのタルタルソース。
一般的な天ぷらより揚げ色が薄く(多分、油を変えたばかりだと思う)、白いタルタルと重なって見えるではないか。
天ぷらもタルタルも、味がちょいと薄く感じた。うどんメニューに「とり天タルタルぶっかけ」というものがあり、
濃い味付けのツユをぶっかけて食べる、そちらの料理に合わせて、わざと薄口にしてあるのかもしれない。

ビールをもう1本お替わりし、「提供に20分ほどかかる」そうなので、同時にシメのうどんもオーダー。


15分ほどで、ひもかわうどんと手打ちうどんの「あいもり」700円がやってきた。


つけうどんは「手打ち」が550円、「ひもかわ」が650円。麺量はどちらも300グラムで、あいもりは200グラムずつ。


いよいよ待望の「ひもかわ」を、ツユにつけて啜っていく、というか噛み切っていく。


予想はしていたが、うどんとは思えぬビジュアル。一見、お餅みたいだね。
200グラムとのことで、ひもかわは2本しかなかった。次回はひもかわうどんだけを食べようと決意し、退散。
なお、あまり期待していなかった「手打ちうどん」が、ちょうどいい歯応えとコシで、
さらにつけツユが、個性的なうどんに負けない濃口で、なかなかウマかったことを付け加えておく。

数日後、別の店で飲んだ帰りに訪問。注文したのは、かけうどんの「カレー」をひもかわで。価格は950円。
店員さんに「こちらの商品、生クリーム乗りますが大丈夫ですか?」と確認されたので了承する。
数分後、メニューに「噂の真っ白な」というサブタイトルが付いていた、クリーム入りカレーうどんが登場。


クリームの上にはピンクペッパーも。おっさんには似つかわしくないメニューである。
もちろん、カレースープの中には、例の一反もめんうどんが待機しておられる。


メニューのどこかに「上州もち豚使用」と書いてあった記憶があるのだが、そのお肉がゴロゴロ入っていた。

※ただし、カレーに溶け込んだのか、肉自体の味はナシ

カレースープは元々辛くなく、クリームを溶けばお子様でも安心して食べられるレベル。私は七味を大量にかけた。
なお、ひもかわうどんは情け容赦なくハネまくるので、私のようにハシを使うのがヘタな方には、
店内の「ご自由にお取りください」コーナーに設置してる、紙エプロンの使用を推奨しておく。

つい最近、3度目の訪問時は、立川市の自宅から徒歩でお店に向かう。約30分と、散歩にはちょうどいい距離だ。
オーダーしたのは、つけうどん「肉汁」のひもかわ850円。400グラムの大も同料金だが、普通にしておいた。
ひもかわは500グラムの特盛までだが、手打ちの方は、1000グラムの極盛、1500グラムの宇宙盛まである。
どうせなら、ひもかわの宇宙盛に挑戦してみたいものだが…たぶんダメだろうな(理由は後述)。
注文後、しばらくしたら、厨房からいい匂いが漂ってきた。ガキの頃から慣れ親しんでいる、関東風の濃いダシの香りだ。
しばらくして、女性店員がツユをよそり、男性店員がうどんを盛りつけ、「肉汁ひもかわ」が完成。


いつものように、一反もめんをハシでつまみあげ、熱々の肉汁ツユが入った器に沈める。


いざ食べてみると、最初に食べたときの冷たいツユもよかったけど、この肉汁もなかなかイケる。甲乙つけがたいね。
肉汁には豚肉、玉ねぎ、そしてシイタケも入っている。けっこう具だくさんだ。


途中で、備え付けのショウガを入れたり、レモンを絞ったりして、味を変えるのもオススメ。
そういえば、レモンは毎回付いてくるが、できればスライスではなく、絞りやすいカットの方がありがたい。
なお、この日のひもかわは4本だった。普通サイズは300グラムのはずなので、1本=100グラムではないようだ。
10本くらい余裕で食べられそうな気がするが…あとでお腹の中で膨れるのかな?
この日はふたりしか見かけなかったが、若い男女店員に見送られて退散。

うどんは個性的かつ味も良く、店員さんたちの応対も悪くないひもかわ桐生さんだが、
いかんせん、コロナ騒動の最中に開業したため、現時点では客足に恵まれていない印象。
一応、テイクアウトメニューもあり、もつ煮やソースかつ丼などを販売しているようだが、
うどんは手打ちのみで、お店の看板商品である自家製ひもかわは、伸びてしまうため持ち帰りは不可らしい。
販売すれば売上増になるはずだが、品質に納得できない商品は売らないという、その心意気は大事だし、支持したいよ。
さっき触れた、ひもかわは店内商品も500グラムまでなのも、それ以上はおそらく、品質面で提供できないのだろう。

ただし、いろいろ試行錯誤はしているようで、最近、下記のメニューが新登場した。


2500円とはお高いが、上州もち豚のしゃぶしゃぶ&ひもかわうどんは魅力あるので、そのうち試してみるつもり。
個人的には、野菜抜きで2000円くらいにしてもらえれば万々歳なのだが。
今後も、メニューなどの変化はありそうだが、東京の多摩地区で、ひもかわうどんが食べられる貴重なお店ゆえ、
若い店員さんたちの奮闘を、陰ながら応援していきたい。



ひもかわ桐生 国立店
東京都国立市中1-18-36
国立駅から徒歩約4分
営業時間 11時半~15時、16時~21時
定休日 月曜


※追記 国立店は閉店し、芝大門に移転したようです
※追追記 2023年9月に、今度は池袋に移転したようです

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日野橋の先の「びっくりうどん」 日野『どんたく』

2020年05月12日 | そば、うどん
前回日記で記した通り、本日5月12日、日野橋が約7ヶ月ぶりに通行可能に

※日野側から撮影

破損した箇所だけを交換したようで、下記画像の歩道が黒い部分が、新しくなった箇所だ。


その取り換えた部分の端と端の地点には、お清めの塩が撒いてあった。


なんとなく、お塩に向かって手を合わせて拝んでから、歩を進めた。
日野橋を渡り切った先には、以前ちょっと触れたように、『秋月』という小さな食堂もあるが、
この日はもう少し先まで歩き、モノレールの甲州街道駅の先にある、うどん屋さん『どんたく』で食事をすることに。


上記画像は、だいぶ前、夜営業の時間帯に撮影したもの。イラストのように手打ちうどんがウリのお店だ。
店内に入るとすぐ、製麺用のスペースがあり、期待が高まる。


本日食べたメニューを紹介する前に、どんたくさんの名物メニューを紹介。
その名物とは「がっかりうどん」。確か“見てがっかり 食べてびっくり”のようなキャッチコピーがあったはず。
こちらがその、がっかりうどん850円。なるほど、麺とネギとワサビだけで、「見てがっかり」だが、


うどんの下には、牛肉&玉ねぎ、味付け玉子、カマボコ、きつね、ワカメ、キュウリとたくさんの具材が!

※別添えの冷たいダシ汁をかけて食べる

あえて具材を隠すとは、まさしく「食べてびっくり」の面白い商品である。
このがっかりうどん、以前は1日限定20食とのことだったが、現在は30食になったようだ(お店のメニュー表より)。
実は私、こちらのお店を訪れるのは、年に1度くらいなので、以下で紹介したことも、今では変わっているかもしれない。

あるときはまず、瓶ビール(当時は確か600円)を注文し、「かきの天ぷら」650円で晩酌。


ビール以外にも、九州の焼酎や日本酒なども多数用意してあり、夜は飲み客も結構見かける。
おつまみも、天ぷら各種や唐揚げなどの他、サラダにおでん、福岡の郷土料理「筑前煮」などもある。
なお、店名の『どんたく』からもおわかりだろうが、店主の出身地は福岡県だそうだ。

この日はシメに「麦切」700円をオーダー。要するに大根抜きの「ぶっかけうどん」だ。


刻み揚げ、おかか、ネギ・ショウガと、具材はシンプルだけど、シメにはぴったりのうどんであった。
そういえば、福岡・博多のうどんは、メチャクチャ柔らかいはず(詳細はこちら)だが、
こちらのは決して柔らかくなく、むしろ程よいコシがある
温かいうどんも試してみたくなり、次回訪問時は、かけうどんを食べてみることに。
かけだけではさみしいので、数あるご飯ものとのセットの中から、「牛たぬき丼セット」1050円をチョイス。

※セットは冷たいうどんも可能

かけうどん(単品550円)は、価格を考慮するとこれでもハーフサイズなのかな? それにしては結構な量だ。 


麺はやっぱりコシがあり、私の好みに近い硬さであった。透明なうどんツユは、やや薄味に感じた。
しかし、そう感じた理由はおそらく、この牛たぬき丼(単品850円)が想像以上にしょっぱかったから。


さきほどのがっかりうどんにも入っていた、牛肉と玉ねぎの煮込みに揚げ玉を散りばめ、さらに玉子でとじてある。
見た目は開花丼に近い料理だったが、いざ食べてみたら、揚げ玉の存在感が強い!
牛肉などの具材を煮込むときに、濃厚なダシ(かけではなく、ざるうどんのツユ?)を使用していると思われるが、
そのダシを揚げ玉がガッチリ吸ってしまい、かじると「めんつゆ」のような味が、口いっぱいに広がる。
牛肉ではなく、まさか揚げ玉が主役とは…意外とウマかったけど、ノドが乾く味だったね。
なのでついつい、サービスのお茶だけでなく、うどんツユもゴクゴクと飲み干し、すっかりお腹いっぱいに。
どんたくさんも最近、テイクアウトを始めたようだけど、牛たぬき丼はたぶん、冷めた状態でもおいしいと思う。
あと、紅ショウガも付けてもらえたら、さらにありがたいね。

その後はコロナ騒動もあり、久々の入店となった本日。
店員さんにお願いされ、入口に設置された消毒用アルコールを両手に吹きかけたのち、テーブル席に案内された。
皆さん、もう忘れかけていたと思うが、ここでようやく、今日食べたメニューの紹介となる!
注文したのは、最初に紹介した、がっかりうどんの姉妹品(?)である「びっくりうどん」850円。
待っている間、店内の壁に貼ってあった、かつて雑誌に紹介されたときの記事を読んでいたところ、
「うどんは讃岐風」という店主のコメントを発見。だから柔らかくないのか!
しばらくしてびっくりうどんが到着。具材は、キュウリがないのと味玉が生玉子になった以外は、「がっかり」とほぼ同じ。


それより、写真がヘタでわかりづらいが、丼自体がかなりデカく、普通のお店の倍くらいの量だ
このうどんと比較すると、前回の「牛たぬき丼セット」のうどんは、やはりハーフサイズだったのか、と思わざるを得ない。
まずは、中央の生玉子ちゃんに肉やワカメをかぶせてフタをし、余熱で温める状態にしたのち、うどんを食べ始める。
ツユは前回と同様、最初は薄く感じたが、食べ進めていくうちに、塩分が強くなっていく印象。
そういえば、ここまでうどんのアップがなかったので紹介。手打ちらしく不揃いなので、いろんな食感が楽しめる。


半分ほど食べ進めたのち、半熟に育てた玉子ちゃんを崩し、牛肉と絡めて食べる。うひょうひょ、やっぱりウマい!


うどんだけでなく、そばでもラーメンでも、生玉子を崩すタイミングは、一生を費やしてでも研究すべきテーマだな(?)。
麺と具材をたいらげ、ツユを少々残した状態で「ごちそうさま」。量が多かったので、食べ終えるのに時間がかかったよ。

会計時、店員さんに最近の営業時間をたずねてみたところ、
現在、夜営業はやっていないが、近日、20時閉店で再開予定とのことだ。
お店を出て、膨れたお腹をさすりながら、再び日野橋を渡り、ゆっくり歩いて帰宅することにした。
日野橋・市営球場から柴崎体育館へ向かう遊歩道の途中に、写真の小さな石段があるのだが、


そこの脇に、色鮮やかな黄色い花がたくさん咲いていたので、ついつい撮影。


ネットで調べてみたところ、この花は「キショウブ・黄菖蒲」らしい…たぶん。
花言葉は「幸せをつかむ」「信じる者の幸福」「私は燃えている」などなど。
今の時勢を意識し、「信じる者の幸福」
を大々的にアピールし(←文字を大きくしただけ)、今回の結びとしよう。



手打うどん どんたく
東京都日野市日野1352-6
多摩都市モノレール甲州街道駅から徒歩約2分、JR日野駅からは推定徒歩約15分
営業時間 11時~14時半、17時半~21時 火曜は昼のみ 
定休日 水曜
※アクセス以外は、お店のパンフレットより転記
※2020年5月12日現在の営業時間は、文中に記載の通り
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『こげら』さんの安ウマうどんを自宅で

2020年04月04日 | そば、うどん
以前紹介した、東村山市のうどん店『こげら』さんには、その後もたびたび通っている。
いつもは店主ひとりの営業だが、先日訪問した際は、女将さんもお手伝い。
女将「ご注文は?」 私「釜玉うどんの並にれんこんとちくわ、あと缶ビールもお願いします」。
女将「天ぷらがれんこんとちくわ、あと釜玉にビールの並でーす」。店主「ビール並ってなんだよ(笑)」。
最近、めでたく結婚20周年を迎えたおふたりのやりとりを、常連客は「夫婦漫才」と呼んでいるらしい。
フォローしておくと、女将さんは食材管理やお客さんのお見送りなどは、メチャクチャ丁寧である。

前回日記にも掲載したが、こちらが「釜玉うどん」並300円と、「れんこん天(かじりかけ失礼)」&「ちくわ天」各100円。
上の方にひっそりと写っているのが、300円と破格のエビス缶! ※缶ビールはプレミアムモルツもあり、そちらも300円


ついでに「かけうどん」小200円に期間限定商品「餅の天ぷら」100円を追加。ダブル炭水化物、いいね!

※実は、缶ビールもお替りしている

食後、さらにお持ち帰り用の茹でうどん(1玉100円)とダシ(約300ccで100円)もお願いした。


ダシを入れる容器は、自分で用意していく。また、うどんは3玉のはずだが、明らかに3玉以上あった。


※追記 お持ち帰りサービスはお店のご厚意なので、対応できない場合もあります

さっそく、家族で「かけうどん」にして食べ、余った分はお店での助言通り、冷凍した。





※炒り玉子とおろしショウガを入れてみた

もちろん、店主が提供する、切りたて・茹でたてうどんにはかなわないが、この味を家庭で楽しめるのはありがたい。

外出自粛要請により、飲食店での食事すら批判される時勢だが、テイクアウトなら問題ないだろう。
というわけで、こげらさんの安ウマうどんは、これまで何度も持ち帰りで楽しんでいたため、この機会にまとめて紹介してみる。
初めての持ち帰りでは市販の「めんつゆ」を使用。昨年の大晦日も、年越しそばと一緒に、めんつゆに浸してズルズルすすった。
  

2度目の持ち帰りで、初めてめんつゆ以外を使用。選んだのは、私の大好きな「サッポロ一番 塩らーめん」の粉スープ!


よく、「世界三大スープ」として、トムヤムクン、ふかひれスープ、ボルシチが挙げられるが(ブイヤベースの場合もあり)、
私はそれらより素晴らしいスープをふたつ知っている。そのうちのひとつが、このサッポロ一番塩スープだ!

まずはこげらうどんを再度茹でて温め、軽く水で洗っておき、薬味や具材を用意する。


ネギと揚げ玉は100円ショップで買った安物だが、チャーシューは一橋学園の名店『なにや』さん自家製の逸品である。


とにかく、ここのチャーシューは私の知る限りナンバー1なので、また改めて紹介する。
その後、熱湯に粉を溶いた、世界三大スープのひとつ(笑)を丼に注ぎ、麺や具材を盛りつけていく。


こちらが完成版。食べてみたところ、うどんもスープも大好きだし、当然ウマいのだが、なんだか予想通りの味。


1+1が10にも20にもなると思ったのだが、麺と汁に一体感がなく、あくまで1+1=2という印象。
その後、店主に持ち帰りうどんの調理についてたずねてみたところ、「一度茹でてあるので、煮込んだ方がいい」とのこと。
そうか、うどんとスープをあとから合わせるのではなく、一緒に煮込めばよかったのか。
なお、うどんと薬味が余ったので、自宅で作ったカレーをかけて食べてみたところ、


揚げ玉とネギはともかく、ぶっというどんと、トロミのある家庭のカレーの相性は、なかなかよかった。
その次に持ち帰った際は、アドバイスに従い、煮込みタイプのうどんを作ってみることに。
ダシとして選んだのは、これまた100円ショップで購入した、クリームシチュー!

※ローソンストア100 バリューラインの「大盛クリームシチュー」

いきなり双方を鍋に入れて加熱。どうも、水分が足らない気がするので、水を追加。


大好きな生玉子も投入し、しばらく待つと麺から水分が出てきた。水は入れなくてよかったようだ。


完成品を丼に盛りつけ、スライスチーズを1枚置いてみた(右下の方)が、写真がヘタで、わかりづらいね。


玉子&チーズ入りのクリームシチュー煮込みうどん、見た目は悪いが、食べてみたら結構おいしい。


この、オマケとして数本混ざっている、うどんのはじっこ=超幅広うどんを噛みしめるのが快感なんだよ。

以上、いくつか試してみたけど、太くてムチムチのこげらうどんは、腹持ちもよく、どんなスープ(?)とも合う。
今後は、煮込みタイプということで、具だくさんの「鍋焼きうどん」や、それこそお鍋のシメにも使用してみたい。

ただその前に、先日購入したうどん玉が、まだ冷凍庫に残っており、そのうどん用に、本日あるものを購入した。
それこそ、さきほどサッポロ一番塩スープのときにチラッと触れた、世界三大スープに匹敵するもうひとつのスープ、


拙ブログで何度も紹介している、『天下一品』のこってりスープだ!
初めて持ち帰りスープを買ったが、500円もしやがった。すっかり意識高い系だな、最近のテンイチは。
無敵のこげらうどん+魅惑のテンイチこってりスープ。絶対ウマいだろうなあ。
上記のうどんは、天下一品シリーズで近いうちに報告しよう。

さっきも書いたが、“不要不急の外出自粛要請”により、多くの個人経営の飲食店が、ピンチに陥っている。
私の知人のお店も、週末を休みにしたり、営業自体をやめたところもある。
個人的には「不要な外食はない!」と思っているが…あんまりこういうコトは言わねえ方がいいのかな。
私は今後も、飲食店の利用を(ひそかに)続けるつもりである


手打ちうどん こげら
東京都東村山市富士見町2-6-72
西武線小川駅から徒歩約15分、東大和市駅から徒歩約18分
営業時間 11時~14時(売り切れによる早じまいあり、夜営業は現在お休み)
定休日 水曜、その他不定休
※持ち帰りうどんは基本、茹でタイプのみ。繁忙時は対応できない場合もあり
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そういう店で 私は食べたい 中神『木偶の坊』

2020年02月02日 | そば、うどん
雨にも負けず 風にも負けず…
東にいい飲食店があると聞けば、すぐに駆けつけ飲み食いしまくる、
そんな私が今回紹介するのは、JR青梅線の中神駅近くにある、手打ちうどん店『木偶の坊』さん。


のれんをくぐり店内に入ると、カウンターと4人テーブル席がふたつ。壁にはなぜかギターが展示してあった。
「いらっしゃいませ!」と大声で迎えてくれた、男性店主がひとりで切り盛りしている。
「お好きなお席へどうぞ」と案内され、カウンター席でメニューブックを開くと、
最初のページに宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」が。店名は、この詩に出てくる「デクノボー」から得たのだろう。
自他ともに認める木偶の坊(=役に立たない人。気のきかない人。 goo国語辞書より)の私は共感する屋号だ。
お酒や一品料理もあったが、まずはお店自慢のうどんを食べようと思い、つけうどんの「肉汁(豚肉)」を注文。
店主は「ハイ、かしこまりました!」とハッキリとした声で返事をし、さっそく調理を開始。
国産の小麦粉だけで打つ自家製うどんを茹で、具材である豚肉を炙り…肉汁うどん850円が完成。


やや茶色っぽい麺は、手打ちならではの不揃いタイプ。一般的な並盛の1.5倍くらいか。


毎度のごとくヘタな撮影のつけ汁は、炒めた豚肉やネギを、さらに弱火で煮込んで仕上げていた。


さっそくつけ汁に浸して喰ってみると…おおっウマい! 
小麦の風味がする歯応えの強いうどんと、濃い味付けのツユや豚肉との相性は抜群。これは素晴らしいうどんだ。
一発で気に入り、お会計時「美味しかったです。また来ます」と告げると、「ありがとうございます!」の大声。
朴訥という表現が当てはまる店主だが、ちょっと声のボリュームが大きい気がする(苦笑)。
ちなみにこの日も、その後の再訪も、私は毎回、自宅から片道45分の距離を歩いている。
電車を使えば、立川から15分もあれば着くのだが、健康面を考慮し、雨ニモマケズ、風ニモマケズ、通っている。

その後は、ツマミで一杯飲んでうどんでシメたり。以下でこれまでに注文してきた料理を紹介していく。
下記以外にも、焼うどんや温かいツユで食べるかけうどん、海苔巻き+サンマの「秋刀魚のまんま」というご飯もの、
さらには要予約のコース料理まである。店主はレパートリー豊富のようだ。

びんビールが600円、ウーロンハイ480円(少し値上げしたかも?)、種類豊富な日本酒や焼酎は450円~。
アルコール類には300円のお通しが付く。写真は山菜とお揚げを炊いたもの(料理名不明)だ。


まずは「鴨のつくね焼き」550円。つくねの間のシイタケと、右下の味噌ダレが鴨肉とよく合う。


こちらは、注文が入ってから野菜を刻み、さらに粉と水を混ぜてコロモを作る「かき揚げ」500円。


わかりづらいけど、結構なビッグサイズで、プリプリの海老が3尾入っている。塩と天ツユの双方がついてくるのも嬉しい。


もうひとつ揚げ物。これは「鶏のから揚げ(台湾風)」650円。


上記写真右下にある粉が、台湾風のヒミツらしい。シナモンのようなハーブのような…五香粉っていうんだっけ?


私の大好きな「もつ煮」は冬季限定で500円。右はお通しのスパイシー手羽揚げ。


煮込みは野菜もたっぷり入る濃厚タイプ。煮込みすぎてなくなったのか、汁っ気が足りない気がした。
お通しも含め、すべての料理が他の店では食べられない、店主の個性を加えたひと皿に仕上がっている。
店主独自のセンスは、もちろん麺類にも散りばめられている。

こちらは、「クリーミーカレーうどん」850円。


真ん中に卵黄、周囲に生野菜、そして汁なしタイプという、予想外のビジュアル!
後日聞いたら、「鶏カレーうどん」というのが、いわゆる一般的なカレーうどんらしいが、こっちの方が珍しくていい。
うどんをバターで炒め、さらにチーズも入っているので、洋風っぽい仕上がり。黄身を崩すと、さらにおいしい。


続いて紹介するメニューは、まず生卵、刻み海苔、ネギにダシ醤油がやってきて、


あとからうどんに乗せて食べる。そう、TKGのうどんバージョン「卵かけうどん」550円だ。

※一味も振りかけてみた

釜玉とは違い、うどんは締めてあるので、歯応えがある。半分ほど食べて、さらに玉子を追加(たぶん100円)。


カロリー過多だが、私は黄身が大好きなのでね。ちなみに、替玉子だけでなく替玉=麺のお替わりもできるようだ。
卵かけうどん、飲んだあとのシメにピッタリかもしれないね。

忙しくないときに、店主とお話しさせていただいた。なお、店主はこちらの質問には答えてくれるが、
普段は店奥のテレビで流れている、音楽の録画映像を凝視していて、相手してくれない(苦笑)。
店主は、おソバ屋さんや給食調理などを経て、うどんに目覚め、自分のお店を出すことにしたそうだ。
昭島市の中神で開業したのは、うどんやそばを打つのに重要な、水質の良さが理由とのこと。
確かに、昭島市は昔から、人間のガラは悪いが水はいいのである。立川市民に言われたくないか。
あと、店内壁にギターが飾ってあるのはやはり、昔ギタリストだったから。見た目の印象とは違うなあ。
さっき触れた音楽の映像も、私は不勉強で知らなかったが、有名ギタリストのものが流れているらしい。

そして、つい最近訪問した際は、女性の従業員が加わっていた。どうやら、この日から働き始めたらしい。
初出勤ながら、「かき揚げ美味しいですか?」などと声をかけてくれる。店主からは話しかけられたことないのに!
私よりもだいぶ若いが、私より間違いなく社交性があり、接客業は向いていると思う。いい人材を確保したものだ。
「今後ますます繁盛するのでは?」という私の問いかけに、店主は「イヤ~そうなるといいのですか…」とあくまで控えめ。

この日のシメは、まだ食べたことのないソバを希望し、メニューにない「うどんとの合い盛り」を作ってもらった。
ソバも自家製で、茹でる前は双方とも150グラムずつとのこと。結構多いが、なんとか食べられそうだ。
まずはうどんを、続いて茹で時間の短いソバが釜に入れられ、同時に盛りつけられ完成。

※ツユも特別に温めてもらった

う~む、合わせて300グラムとは、茹で上がったら500グラムくらいになるのかな?


さっそく食べてみたら、おおっ、木偶の坊さんはソバもウマい!
ちょっと前に、川口の『因業屋』さんで経験した、温める十割ソバも気に入ったけど、
キュッと冷やして、のど越しを楽しむソバも、やっぱりいいもんだね。
そんなソバをツルっと手繰ったあとに、うどんをガブリと噛み締めるのも、これまたたまらないね。 
さらに、「もり専用」のツユも、温めたからさらに味が強まり、ソバやうどんに負けない。合い盛り大正解だ!
「ここはソバもウマいですね!」と絶賛し、気分良くお会計をお願いし、伝票を確認したところ、
合い盛りは普通の「もり」と同額の700円。私「申し訳ない!」 店主「いえいえ」。
ただし、ビールを2本飲んだのに、バイト女性が1本の価格600円で足し算していたので、それについては自己申告。
店主「すみません、おっしゃる通りビールは1200円でした…」 私「いえいえ」。ドケチの私だが、会計はちゃんと払うよ。

雨にも負けず 風にも負けず…
自家製のうどんもソバもおいしく、一品料理にはそれぞれ個性が光り、
社交性ある女性従業員がいて、マジメで腕が良く、「木偶の坊」という表現には当てはまらない店主がいる。
サウイフミセデ ワタシハタベタイ
というわけで、私は今後も、木偶の坊さんにせっせと(徒歩で?)通うのであった。



お食事処 木偶の坊
東京都昭島市中神町1134-42
JR中神駅から徒歩約3分、立川駅からは徒歩約45分
営業時間17時~23時
定休日 日曜


※残念ながら、2023年7月で閉店なさったようです
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太すぎるうどんと奥が深すぎる店主 川口『因業屋』

2020年01月19日 | そば、うどん
川口市に、ものすごく太いうどんを出す、一風変わったお店があることを知った。
その店名は『因業屋』(いんごうや)。なるほど、屋号自体も変わっている。
店名通り、頑固で意地悪なオヤジがいるのかと、ネットでこのお店について調べてみたところ、
屋号の由来について店主が、“「因業」は本来、悪い意味ではない”と語っていたようだが、
それがどんな意味で、どのサイトなのかは忘れてしまった(「食べログ」でないのは確か)。
とにかく、おっかない店ではないようなので、ぶっというどんを食べに川口へと足を運んだ。
お店は、基本年中無休だが、ごくまれに臨時休業もあるらしい。私が初訪問した日がそうだった(泣)。

2度目の訪問となった先日、今度はちゃんと営業していたので、入店することができた。


店内はカウンター5席にテーブル席。厨房にいた男性店主が「いらっしゃい。お好きなお席へどうぞ」と迎えてくださったので、
調理の様子がうかがえる、カウンター席に座らせてもらう。店内清掃は行き届いており、不潔感はなし。
銀色の髪を後ろで束ね、一見怖そうにも感じる店主だが、声のトーンは柔らかだった。
お店のメニューはこちら。写真がヘタなのはいつものことなのでカンベン。まずは麺類。


表記は「そば」だが、ほとんどのメニューが「うどん」にできるようだ。裏面には、お酒やおつまみ類。


そば・うどん店には珍しくワインが豊富で、チーズやサラミなど、ワイン向けのつまみも用意してある。
最近、飲んだあとの食事がツラくなってきたので、酒類は頼まず、いきなりカレーうどんを注文。
店主は調理中にもたびたび、「今日はこれから寒くなるそうですね」などと話しかけてくれた。全然因業オヤジではないぞ。
カレーソースの入った鍋を、ヘラを用いて一定のリズムで何度も何度も丁寧に混ぜ合わせ、
芳香が店内に充満し、店主の手が止まりようやく完成…と思いきや、太いうどんが茹で終わらない様子。まあ当然だわな。
その後、ようやくうどんが丼に盛られ、肉うどん用の具材を煮た鍋(?)から、お肉と煮込み汁をお玉で1杯ずつすくう。
そこへ、さきほどのカレーソースがたっぷりと注がれ、ネギを飾って完成。これが「かれいうどん」1000円だ! 

※わかりづらいけど、丼は深くてデカいサイズ

右側にチラリと見えるモチみたいなのが、例の超スペシャル極太うどんだ。ガキみたいな表現でスマン。
「けっこう辛いですよ」と店主が忠告してくれたが、他に告げるべきことがあるのでは(笑)。
ダシで割らず、ほぼカレーだけでドロドロ状態のスープから、うどんをすくってみた。


ハシとの比較でおわかりだろうが、普通のうどんの8本分くらいの太さで、それが3本入っている。
写真に収めるべく持ち上げたら、カレーが衣服に跳ねまくり。どうにもイキのいいうどんである。
別アングルがこちら。こうして見ると、うどんというより穴子の白焼きのようだね。


うどんをすするのではなく「かじって」みると、小麦の甘い味がした。無論、中心が生、なんてこともない。
なお、店主の忠告通り、カレーは本当に辛かったが、あとから旨味がジワジワくる、クセになる辛さであった。
私がカレーうどんと、文字通り格闘している間、店主は黙々と、メニューにない料理の仕込みをしていた。
その仕込みを気にしつつ、穴子みたいなうどんと肉を食べ終わり、残るはスープだけ。
丼に口を付けて飲もうとしたら(レンゲなどはない)、カウンター越しに「よかったらどうぞ」と、そば湯が出てきた。


そのタイミングで店主に、「カレーも辛くて美味しいですが、とにかくうどんがスゴいですね!」と感想を述べたところ、
「これが本当のうどんなんです」とおっしゃり、さらに「よそのは麦で作った麺でして、うどんのどんではないんです」。
うどんのどん!? 初めて耳にした言葉だ。
「それって、漢字で書く饂飩の飩ですか?」とたずねたが、曖昧な返答しかいただけなかった。
うどんの歴史をたどれば、どんor飩の意味がわかるのだろうか。とりあえず、今の私にはサッパリわからない。
ただ、ここのうどんが、奇をてらったものではなく、店主の信念がこめられた商品であることは理解できた。
あと、「よそのは麦で作った麺」という発言も、あくまで店主の個人的意見であり、自身のうどんに誇りはあれど、
「ウチは本物で、よそは偽物」というような、他店を批判するようなニュアンスでなかったことは断言しておく。
この御方が、同業者を罵り己を上に見せるような、器量の狭い方じゃないのは、会話しただけで理解できた。

とにかく、こちらの店主は、ひと言で表すのが難しい。熟練、洒脱、枯淡、達観、大胆…どの言葉も当てはまる。
そんな奥の深い方と、もう少しお話ししたいと思い、順序が逆だが、ここでびんビールを追加注文。
奥の冷蔵庫から、好きな銘柄を自分で選んで取り出し、店主が鉄製のコップと栓抜き、お通しの揚げたソバを出してくれる。


冷蔵庫の脇には、旅行関連の書籍が多数。そういえば、店内にはワインの空きボトルの他、世界中のお土産らしきものが多数。
店主に「旅行とかお好きなんですか」とたずねてみたら、「そうですね。だからたまにお店も休む」とのこと。
旅行といっても、私の「大阪西成ツアー」のような小規模なものではなく、過去には7ヶ月も休んだことがあるらしい。
「今年の5月にも、1ヶ月くらいフランスに行ってきます。知り合いにそば打ちを頼まれちゃって」。
どうやら、世界中に大勢の知人がいるようだ。店主の人間的深みの理由がわかった。 

そういえば、びんビールのおつまみを紹介していなかった。このとき私が注文したのは水餃子。
さっき、「メニューにない料理の仕込みをしていた」と記したが、その料理こそ餃子であった。
餃子には目がない私が「それは裏メニューですか?」とたずねたら、「イヤ、夕飯のおかず(笑)」だって。
あとでご夫妻で食べるらしい。「餃子お好きですか。よかったら少しお分けしましょうか?」という店主の申し出に、
「ぜ、ぜひいただきます」と遠慮せず食べさせてもらうことに。我ながら、初入店のくせに図々しいと思う。
こちらがその「この日限定・本来はまかないの水餃子」(特別価格500円)。うどんダシで煮込んであり熱々だ。


中身はたっぷりのお肉に、粗目に刻んだ白菜、玉ねぎ、ニラ。玉ねぎの甘みとシャキシャキ感が心地よかった。
写真はないが、「これも使ってください」と、ワインの空きびんに入った、自家製ラー油も垂らしてみた。
そういえば、おそば屋さんなのに、自家製ラー油があるのは珍しいね。

ビールと餃子で、もはや満腹状態だったのだが、上の行で書いたように、ここはおそば屋さんである。
実際、因業屋さんはそばをウリにしているようなので、「せっかくなので、もりそばもお願いします」。
すぐに、ツユと、薬味のわさび、大根おろし、ネギが提供され、その後、冷水で締められたそばがやってきた。
こちらが「もりそば」800円。大きな平皿に、予想以上にたっぷりのおそばが盛られている。


食べきれるかな…と心配していた私に、店主が「残り半分になったら言ってください。温めなおします」と不思議な提案。
よくわかってない私に対し、「ウチのそばは、温めると10倍うまくなるから」だって!
要するに、ラーメン店の「つけ麺・熱盛」のようなものらしいが…10倍ってのは楽しみ。
店主が打った自家製の十割そばは、一般的なものより太めで、平べったくフェットチーネのよう。
普段私が食べている、乾麺や立ち食いソバとは一線を画す、蕎麦粉本来の味がする麺であった。
このままでもじゅうぶん満足できるのだが、提案通り半分食べ終えたところで店主に合図すると、
もう一度麺を茹でる網(=てぼ)にそばを入れ、サッと湯通しし、湯切り後は水で締めず、そのままお皿に再度盛りつけ。
「まずは、ツユに付けず、そのまま食べてください」の指示に従い、まだ温かいそばを口に含んだところ、
「あっ! 全然違う!!」
10倍かどうかはともかく、そばの香りが増幅している。こんなの初めて食べた!
店主によると、「歯触りやのど越しを楽しむなら冷やしですが、蕎麦粉の風味を楽しむなら温かいのに限ります」。た、確かに…。
「日本酒が冷やより燗の方が美味しいのと同じです」。あ、それは私も聞いたことある。「いい酒蔵の杜氏は温めて飲む」って。
ここで私が「普通のおそばだと、ここまで美味しくなりませんよね?」とたずねたら、
「そうです。うちの十割そばだから温めても美味しいんです!」と、誇らしげに答えてくれた。
満腹だったにもかかわらず、大盛りのそばを全部食べ切り、さきほど、カレーうどんのときにも出てきた、
そば湯が再度登場し、ツユに入れて飲み干し、ごちそう様。


こちらの食器は、陶芸家に作ってもらう特注品らしく、このお皿もそうなのだが、先日、何枚かまとめて割ってしまったらしい。
写真のお皿に茶色い線が入っているのは、継いだためである。ただ、安易に捨てないところに、器への愛情を感じるね。
うどん、そば、ワイン、食器、旅行の書物…それに、まかない餃子(笑)。お店の随所に、店主の心が反映されている。
ほんの数時間の滞在で、これほど心地よい気分になったお店は、久しぶりだった。

お会計後、今度は牛肉を煮込み始めた店主。もちろん、それらしき料理はメニューに見当たらない。
聞いてみたら「このあと、“ワインを飲む会”があるので、そのための料理」だそうだ。
こちらのお店では、ワイン愛好家が集まり、イベントを開催することがたびたびあるそうだが、
「これは、近江牛のA5ランクで作るすき焼きで、今日の会費はひとり2万円」。あ、私には手が出ない会ですね(苦笑)。
あの御方が作る高級牛肉のすき焼き、絶対ウマいだろうねえ。

お店を出ると、さっき語っていたように、いまにも雪が降りそうな低気温だったはずだが、
魅力あふれる店主とのトークで、お腹以外も満たされ、心身ポカポカだった私は、全然寒くなかった。
次回は、おつまみでゆっくり飲んで、シメにおそばを食べさせてもらおう。
そういえば、「うどんのどん」についても、くわしく教えてもらわなくては!



因業屋
埼玉県川口市中青木1-11-28
JR川口駅から徒歩約13分、西川口駅からは徒歩約28分
営業時間 12時~15時、18時半~22時
定休日 基本、年中無休だが臨時休業あり
※来店前に要連絡、とのこと
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老舗蕎麦店の意外な名物 飯田橋『翁庵』

2019年10月12日 | そば、うどん
ここ数年、にわかうどんファンと化した私は、ソバを食べる回数がだいぶ減ってしまった。
このブログでも、うどん店は何度も取り上げているのに、ソバ屋さんは、
十割ソバが安価で食べられる、いわゆる路麺店の『嵯峨谷』さんと、

※この画像を撮影した、水道橋店は閉店

真っ黒なツユに興奮の厚肉が乗る、立ち食い店の『豊しま』さんのみ。


おまけに、写真のとおりどちらのソバも、チャーシューや巨大な肉などが鎮座しており、
真の蕎麦愛好家が見たら、「こんなのは邪道だ!」とお怒りになるようなメニューである。

しかし、今回紹介するお店は、立ち食いでも激安店でもなく、本格的なソバ屋さんである。
お店は神楽坂にあり、創業は明治17年(1884年)という老舗で、屋号は『翁庵』。シブいね。
神楽坂の老舗なんて、いかにも高級そうなお店は、普段なら真っ先に避ける私だが、
こちらには、店頭で表示していた「名物メニュー」に惹かれ、吸い寄せられるように入店してしまった。
店頭に記してあったその料理とはズバリ、「翁庵名物 かつそば」であった。
結局は、またもや蕎麦愛好家に怒られそうなメニューである(笑)。

入店すると、店内はテーブル席と小上がり席のみで、ひとり用のカウンター席などはなし。
「そちらへどうぞ」と、ホール係…あ、こういう店は「花番」って呼ぶんだっけ。
その、花番のお姉さんに、ひとり客なのにテーブル席へと案内され、ちょっと恐縮。
こちらのお店はうれしいことに、平日のランチタイムは生玉子のサービスがあり、卓上に用意されている。
名物のかつそばを「冷やし」でオーダーすると、すぐに冷奴と薬味とソバ湯がやってきた。


熱いお茶をすすり、豆腐をかじりつつ待っていると、いよいよ「かつそば・冷」880円(増税前)が登場。


想像以上に大きめのとんかつだ! かつの厚さがわかるように、ヨコにしてみた。分厚すぎず、ちょうどいい。


「冷やし」なのでツユは少なめ、麺は白っぽく、クセのないタイプ、具材は小松菜のみ。
気になる、かつとツユとソバの相性は…おお、悪くないぞ。
そういえば、カツ丼もソバツユ(に近いタレ)で味付けるのだから、合うに決まってるよな。
少し食べ進めたところで、私の大好きな玉子ちゃんを投入。ますますカツ丼に近くなった。


玉子を、かつやソバに絡めて食べれば、ウへへへ…と笑いたくなるウマさである(←ナニ言ってんだ)。
調子に乗って、玉子をもう1個もらい、丼に割り入れた直後、


花番のお姉さんが飛ぶようにやってきて、無言で玉子を補充し引き返すではないか。
「何個も使うなよ」&「常に見張ってるぞ」という強烈なプレッシャーだ(笑)
どうやら、生玉子サービスは、1個までにしておいた方がいいようで…。
結局、食べたときは真夏だったのに、冷たいソバと一緒だったので、かつを重く感じず最後までおいしく食べられた。
あと、食べたときは真夏だったのに、お姉さんが怖かったので、ひんやり涼しく感じた…というのはウソだ。
お会計でも当然、苦言も呈されず普通に接してもらったので、「また来ます」と告げて退店。

数日後、ランチタイムに再訪。ここ翁庵は、毎月5の付く日は「かつそばデー」でかつそばが500円になり、
8が付く日は「いなりずしデー」で、いなりずしがサービスされる ※両日とも玉子サービスはなくなる
この日はいなりずしデーだったため、注文後には薬味や冷奴と一緒に、おいなりさんが提供された。


今回のオーダーは、「かつそば、温かいのをうどんで」。一応うどん好きだからね。価格は冷やしと同額。
しばらくすると、かつうどんのかけ、が登場。相変わらずとんかつが大きい。


丼のサイズはこの通り。そこそこ深めで、けっこう量多いよね。


さっそく食べてみたら…うどんが柔らか~い! ランチタイムゆえ茹で置きなのかな。


あと、ツユが温かいから、かつを揚げる油の匂いもダイレクトに感じてしまった…。
後日、ネットでの評判(当然、食べログは除く)を調べたところ、やはり「かつそばは冷やし」という意見が多かった。
そもそも、お蕎麦屋さんなのだから、素直にそばを選択すべきだったな。

そしてつい先日は、夜の時間帯にお邪魔し、一杯やってからソバで締める、いわゆる「蕎麦前」をたしなむことに。
ちゃんとした老舗店での蕎麦前は、ほとんど経験がなく、「オレも大人になったなあ…」と感無量。
1970年代生まれの分際で「大人になった」は、我ながら遅すぎると思うのだが。
こちらが、翁庵さんのお食事メニュー。増税後なので「かつそば」は900円になっている。


粋で大人な私が選んだ酒とつまみは、びんビール、もつ煮込み、エビクリームコロッケ。

※画像上の方に見えているのは、サービスの冷奴の器

もつ煮はともかく、クリームコロッケは蕎麦前に合わない気がしないでもない。
でもさあ、枝豆や板わさに500円なんて払いたくねえし、玉子焼きは930円とそこそこ高かったし…。
なにより私は、クリームコロッケが大好きなのだ! いいトシこいて、野暮で幼稚なボクちゃんを許してほしい。
ビールは中びんで、確か680円だった。まあ老舗だし神楽坂だし、この価格は仕方ない。
もつ煮630円やクリームコロッケ500円は、値段相応というか、量的には神楽坂ではむしろ安いかも。
味も悪くなかったが、どちらも自家製ではない気がする(違ったらゴメンなさい)。
ビールをもう1本お替りし、まだまだ飲めなくもないが、金銭的な理由(切実)もあり、シメのおソバを注文。
注文したのは、一番ベーシックな「もり」650円。
数分後、茹で立てのソバが、薬味、ツユ、蕎麦湯とともに運ばれてきた。


だいぶ前に食べた、神田の超有名蕎麦店のもり(せいろう)は少なくてガッカリしたが、ここの量は普通かちょい多めかな。
蕎麦通は、麺の先にちょっとだけツユをつけるそうだが、私はいつもでっぷり浸し、一気にすする。
ひと口食べた感想は…「ムムっ、想像以上にウマい!」だ。
ソバは先述したように、白っぽいやさしい味わいだが、ツユがすごい。


見た目は当然、よくあるツユなのだが、濃くてしょっぱいのに、しっかり甘くて、おまけにコクもある。
このコクの成分は…? ゴマやクルミのような風味も感じたのだが、私はバカ舌ゆえ、気のせいかも(←オイオイ)。
甘口ツユを好む私にとっては、こちらのツユは、今まで食べてきたおソバ屋さんの中では一番好きだ。
よせばいいのに、もつ煮込みのタレも取っておいて、行儀悪くひと口つけて食べてみたら…


悪くはないが、ソバツユにはかなわない。まあ当然だわな。
可能ならば、あのもりそばを一気に3人前ほど食べてみたいが…それだと1950円もかかってしまう。
『富士そば』みたいな超大盛(「富士山盛り」って名前だっけ?)があればいいのに。

かつ&そばという斬新な組み合わせを推奨し、ランチでは生玉子のサービスもある、
「老舗だけど一風変わった店」という失礼な評価をしていた翁庵だが、肝心のそばがウマいのには驚かされた。
立ち食い、学食、あるいはカップ麺と、ちゃんとしたお店で食べた機会は少なく、
「ソバ経験値」は相当低い私だが、ここ翁庵さんのもりそばは、自信を持っておススメできるよ。
もちろん、名物のかつそば(冷やし)も、ぜひ食べてもらいたいね。



神楽坂 翁庵(おきなあん)
東京都新宿区神楽坂1-10
地下鉄およびJR飯田橋駅から徒歩約1分~2分(信号待ち時間は含まず)
地下鉄神楽坂駅からも徒歩約7分、牛込神楽坂駅からも多分そのくらい
営業時間 月~金 11時~15時、17時~21時半くらい 土 11時~17時半
定休日 日、祝ほか年末年始など
※5の付く日の「かつそばデー」は平日限定
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