明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

アウェイでも通ってしまうハイカロリー食堂 国分寺『淡淡』

2020年12月25日 | 中華食堂
コロナ騒動を一瞬でも忘れたい、華やかで胸躍るクリスマスの日。
それなのに、拙ブログはハイカロリー食堂の紹介(苦笑)。昨年はペヤングについて語っていたし。
お店は、国分寺にある『淡淡』さん。ガッツリめしの食堂として、地元の腹ペコ学生やガテン系職人、
はたまた近隣に住むメタボ親父(私だ)たちから、長年支持されている食堂である。

場所は、駅北口を出て東へ向かい、濃厚家系ラーメン店『武道家』さんを過ぎたちょっと先。
餃子酒場『谷信』さんと同じ建物(ホテル)の1階部分に、店舗がある。
名物は「肉あんかけチャーハン」や「焼肉丼エッグ」。ご飯の量も一般的なお店より多い。


目玉焼きが乗る焼肉丼エッグは、過去に食べたことがあるので、最近の写真はない。
代わりに、2年ほど前に登場した、「焼肉丼スクランブルエッグマヨ」720円の画像を掲載する。


おそらく、目玉焼きバージョンと味付けや使用食材は同じだと思う。
マヨネーズのかかった炒り玉子の下には、濃いタレで味付けされた豚焼き肉。
あの「すた丼」でさえ、少しはネギが入るのに、こちらは本当に肉だけ。


無論、生野菜サラダなども付かない、潔い男メシである。それが原因か、女性客はほぼ来ない
淡淡さんは、飲んだあとのシメには少々(かなり、か)重いので、数年に一度利用するのみだったが、
最近は、西武線で隣駅の一橋学園『なにや』さんで、チャーシューを購入した帰りに、ランチで利用することが増えた。

※何度でも書くが、なにやさんのチャーシューはべらぼうにウマい

先日は、もうひとつの名物である「肉あんかけチャーハン」+チーズ870円を頼んでみた。


横からのアングルはこちら。わかりづらいが、結構な大盛である。


さっきの肉+玉子+マヨに負けず劣らない、「肉+チャーハン+チーズ」というわんぱくな組み合わせ。


ひき肉は、濃い味のタレで味付けされており、チーズと合わされば見た目どおりの超こってりメシだ。
そんな濃厚メシの口直しに…ならないのが付け合わせのスープ。
ラーメン用スープの流用だと思われるが、ご覧のように、油が浮いたぎっとりタイプ。


肉&チーズ、そして下部のチャーハンもしょっぱいのに、ギトギトのスープでトドメを刺される
食事中も食後も、異様にノドが渇いたため、セルフサービスの飲料水を飲みまくった。

その次の訪問は、13時過ぎの入店でランチタイムのピークを過ぎていたため、
「ビール」530円と「ギョーザ」300円を注文し、得意の昼酒を楽しんだ。


ビールは中瓶、餃子は1人前6個。この日は焼き色がやや薄いが、300円とは良心的価格。
そういえば、最初の方で載せた、焼肉丼など名物メニューの裏面も、ここで紹介しておく。


「タンタンラーメン」とは担々麺ではなく、お店の屋号から名付けたもので、ネギラーメンみたいな商品だった記憶がある。
「ラーメン」単品がなかったり(昔はあった)、トッピングの先頭が「マヨネーズ」30円なのも面白い。
餃子を食べ終わりそうな頃、シメとして「四川風焼きそば」650円を追加オーダー。


キャベツ、モヤシ、ニラなどの野菜に豚肉少々を細麺と絡め、ピリ辛調味料で味つけしてある。
シメにもビールのツマミにもなる料理で、我ながらいいチョイスだった。

そして本日、なにやさんでチャーシューを購入した帰りに、久々にランチで利用。
注文したのは「チャーハン+ラーメン」690円。いまどき、ラーメンだけでも700円超えが当然なので、破格である。
あと、クリスマスでもW炭水化物を選ぶ自分が、実に男らしいと思う。
この日は、いつもいるバイト君が不在で、忙しいランチタイムにもかかわらず店主のひとり営業。
あのバイトめ、クリスマスだからって店をサボって、彼女とイチャついてやがるな(※あくまで、私個人の推測です)。
店主はチャーハンなど大量の炒め物の合間に、会計、配膳、食器洗浄までやるハメになり、少々気の毒だった。
客足が絶えぬ中、店主は5~6人分のチャーハンや麺類を一気に作り、テキパキと配膳。
こちらがその、「チャーハン&ラーメン」だ。


実はチャーハンだけ先に来たので、上記画像は、ひと口食べたあとラーメンと一緒に撮影したものである。


淡淡さんでは「半チャーハン」にあたる量だが、一般的なお店の並と、あまり変わらない量である。
具材は玉子、ネギ、チャーシュー、そしてメンマを細かく刻んだものも混ざっている。
チャーハンは過去にも何度か食べたことがあり、味が濃いのは知っていたが、
店主の孤軍奮闘だったこの日は、時折、メチャクチャしょっぱい部分があったりした。
まあ、その部分は「当たり」だと思うことにして(?)、ムシャムシャ食べ進めたけどね。
その代わり、ご飯はパラパラで「これぞチャーハン」とうなる好仕上がり。さすがはプロである。

一方こちらは、現在はメニューにないラーメン単品。茹でた白菜が入るのは珍しい。


白菜の他はモヤシ、メンマ、ネギでチャーシューは見当たらず。まあ、お得価格のセットだし文句はいえない。
スープにはたっぷりの背脂が浮いているものの、塩分自体は控えめ。
ただし、しょっぱいチャーハンで普段以上にバカ舌になっていたため、本当に「塩分控えめ」なのかは自信なし。
ひとり営業で大変そうな店主の、ちょっと手が空いたスキを見計らい、お会計をお願い。
「ごちそうさまです」と挨拶して退店したが、「メリークリスマス!」とでも告げればよかったかな。
「うるせえ、今はそれどころじゃねえ!」って怒られそうだけど(笑)。

繰り返しになるが、こちらのランチタイムは、最近は男性店主とバイトらしき若い店員のふたり回し。
店主は終始、忙しそうに鍋を振っているが、注文など最低限の受け答えはしてくれるし、
さっき書いたように「うるせえ!」などと怒鳴ったことは当然ない。また、接客担当のバイト君も愛想は悪くない。
では、なぜ今回のブログタイトルに「アウェイ」の文字を入れたかといえば、
淡淡さんは早稲田実業の近所であり、野球部御用達らしいから、である。

長くなるので省略するが、日大三高野球部の大ファンとしては、早実野球部はどうしても許せない存在である。
世間のイメージはともかく、早実野球部は以前、三高との試合で何度か、アンフェアなプレイを仕掛けてきたのでね。
くわしくは、小林信也氏の著書「高校野球が危ない!」を読んでいただきたい。
小林氏は、カツラ愛用者なのが残念だが(←余計なコトを書くな)、尊敬するライターのひとりである。

幸か不幸か、私自身は早実野球部の連中と店内で遭遇したことはない。
だがしかし、淡淡さんには厨房を囲むカウンター席と、厨房から離れたテーブル席があり、
うっかりテーブル席に座らされると、下記画像のような早実野球部のペナントや、


歴代OBのサイン色紙が飾ってあるのを目の当たりにしなくてはならない。

※別の位置に、ハンカチ王子のもあったけど、あえて撮影せず

これは要するに、阪神ファンが巨人軍のグッズを眺めながら、メシを喰うようなモンである。屈辱!
ただ、こちらの安くて味濃くてハイカロリーなメシは、その屈辱を耐え忍んででも食べる価値があるのも事実。
なので私は今後も、なるべくカウンター席が空いているときを狙い、淡淡さんでメシを喰うつもりだ。
今度もしテーブル席になったら、こっそり三高ペナントとすり替えよう…というのは怒られるのでやめておく。
そもそも、国分寺の飲食店では、早実野球部のサイン・ペナントの掲示率は高いので、イラ立っても仕方ないのだが。

むしろイラ立ったのは、先日の秋季東京都大会の三高野球部の試合ぶりだ。
決勝まで進出したのはいいけれど、よりによってあんな結果になるとは…(嘆)。
日大三の試合については、近日中に振り返る予定である。



淡淡
東京都国分寺市本町2-4-5 千成ホテル「味の名店街」フロア内
国分寺駅北口から徒歩約3分
営業時間 11時~14時半、18時?~21時?
定休日 日、祝ほか不定休
※上記の夜の営業時間は推定です
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カップ麺を出す中華食堂!? 高尾『リバティ』

2020年10月22日 | 中華食堂

昨年、母校野球部の試合を観戦するため、八王子球場に足を運んだ。
母校は快勝し、試合後は一緒に観戦した先輩と、西八王子駅近くのチェーン系居酒屋で祝杯。
いかにもチェーン店らしい、クオリティの低い接客と料理(案の定、すでに閉店した模様)に不満を抱き、
ひたすら安い酒をがぶ飲みし、結構酔っぱらったところでお会計。
先輩は帰宅したが、ろくにツマミを喰わず腹が減っていた私は、近くの中華食堂でメシを喰うことにした。
そのお店の名前は『リバティ』。西八王子駅から高尾方面へ、てくてく歩いていくと見つかる。


こちらお店を知ったのは、多摩地区のラーメン店を紹介している有名ブログにて。
そのブロガーが掲載したメニュー表に、ちよっと興味を引く商品があったのだ。
まずはメニュー表を掲載。初訪問以降、消費税率引き上げやコロナ禍もあったが、現在もこの価格を維持なさってる。


上記が麺類で、こちらはご飯ものや単品料理など。


メニュー表の上部分に、横山弁護士引っ越せおばさんの画像があるのも気になるが、


私が、先述のブログで注目したのは、表の一番下にあったメニュー。


セットにすると カップラーメン付で 150円増し!
要するに、ご飯ものに+150円でカップラーメンが付いてくるという、衝撃のセットなのである。
山小屋や海の家、あるいは私の人生初バイトである雀荘(←初バイトがここかよ)などでは、
カップ麺を提供することはあるが、中華食堂で出すとはビックリだ。

店内はカウンター席のみで、店主男性のひとり営業。
すでに酩酊していたくせに、びんビール500円と「餃子」450円を注文。
待っている間、多数の漫画が設置されたコーナーから、昔懐かしい「ビー・バップ・ハイスクール」を拝借。
このあたりは、いわゆる昔ヤンチャだった人種が多く、他の客にナメられないよう、この漫画を選択したのだが、
そもそも、いいトシこいて「ビーバップ」を読んでいる方が、かえってみっともない気がする。
まずはビールが提供され、しばらくすると餃子が焼き上がった。やや大ぶりサイズが5個。


正直、ビールのせいで酩酊から泥酔モードに突入したため、具材などはあまり覚えていないが、おいしかったことは保証する。
酔ってはいるけど、カップ麺の正体を確認すべく、「スタミナ丼」と「カップラーメンのセット」850+150円を追加注文。
日清「カップヌードル」か、それとも安っぽいマイナー商品か…不安と期待(?)の中、出てきたのがこちら。


カップラーメン=マグカップに入った自家製ミニラーメンであった。
考えてみれば、プロの中華屋さんが、カップ麺を出すはずないよな。
カップラーメンは、醤油スープに、ネギとモヤシと刻んだ肉に麺。読んでいたビーバップと一緒に記念撮影。


スタミナ丼は、肉多めの肉野菜炒めを、濃口のタレで味付けたものがたっぷりと盛られている。


写真がヘタでわからないだろうが、ご飯も具材もかなり多い。なので、咀嚼しているうちに、どんどん酔いが回ってきた。
酔って記憶をなくす前にと、先にお会計を済ませた。それぐらい、泥酔していたのだ。
時間はかかったが、大盛のスタ丼も、付属のカップ麺も、なんとか食べ終えた。
「すみません…お会計…」という私に、「もういただいてますよ」と笑顔で応じてくれる店主に、
「ああ、そうでしたね、すみません」と謝りながら退散。この日の私、酔いすぎだ。
さっき書いたように、店主も昔はワルかったかもしれないが(失礼)、丁寧な調理と応対をしてくれ、好感が持てた。
帰りも西八王子駅まで歩き、中央線に乗り込んだ途端に爆睡。西八王子から立川は約14分の距離だが、
当然のように寝過ごしてしまい、気づいたときは新宿。乗車から約1時間経過していた(泣)。

リバティのカップ麺(←この表現は誤解を招くか)の謎は解けたが、他にもウマそうなメニューがあったので、
最近もちょくちょく通っている。なお、さきほどは「西八王子駅から歩いてすぐ」のような記述をしたが、
それは大きな間違いで、シラフで歩いても26分かかった
帰りに高尾駅へ歩いてみたら約10分で着いたので、JR利用者はそちらのルートを推奨する。 ※一番近いのは京王線の狭間駅
最近はコロナ対策で、客席の間にアクリル板が設置されている。値段が変わってないのは先述のとおり。
以下で、最近食べたメニューを紹介していく。なお、繰り返すが撮影の技術が未熟なゆえ、
実際の料理は、画像よりもだいぶ多いと解釈していただきたい。

こちらは、カップではなく、丼に入った「チャーシューメン」880円。


カップラーメンのときは気づかなかった、背脂がたっぷりと入る、私好みのビジュアルだ。
大量の背脂の割には、スープ自体はそれほど濃くなく、むしろあっさりした味わい。
チャーシューの下に隠れた麺は、自家製のストレート。これが妙に量が多く、啜っても啜っても減らない。


チャーシューはもちろん美味しいし、食べ終えたあとは相当な満足感が得られる。
続いては、ビールのおつまみに頼んだ「とりとピーマン炒め」750円。


鶏肉、ピーマン、タケノコと、チンジャオロースに似た食材構成で、炒め具合や味付けも絶妙。
しかも、実はこのお皿がかなり大きく、『餃子の王将』で出す一品料理の1.5~2倍の量がありそう。
リバティさんは全体的に大盛りなので、ひとり酒には向かないかもしれない。

先日は「おつまみ唐揚」450円をオーダー。値段が手頃だしネーミングからも、そんなに多くないだろうと予測。
で、出てきたのがこちら。甘酸っぱいタレと刻みネギがかかるユーリンチー風…というか、やっぱり多い!


『日高屋』にも「おつまみ唐揚げ」というメニューがあり、これは普通サイズの唐揚げが3個(240円)。
一方、リバティさんのは、さっきの「とりピーマン」と同じサイズの鶏肉を流用していると思われ、
一般的なサイズより小さいが、おそらく30個分くらい使用している。推定、日高屋の唐揚げ10個分である。
ビールが3~4本空いてしまいそうな量だが、最近は飲んだあと食べられなくなっているので自重。
この日のシメは、お店の屋号がついた「リバティメン」830円。店主に「辛いですよ」と念を押された。
しばらくして、カップラーメンとは比較にならず、チャーシューメンよりもデカい丼がやってきたではないか。


汁なしタイプなので、例のマグカップに入ったスープがついてきた。
上からのアングルがこちら。人参、ニラ、玉ねぎ、シイタケ、豚肉を炒めたものに、刻み海苔が添えられる。


丼に顔を近づけてると、唐辛子を炒めたような辛い匂いがする。食べてみると、結構しんどいレベルの辛口だった。
だが、麺がかなり多いので、ちょっとの具材+たっぷり麺で食べ進めることが可能なのだが、今回もやはり麺が減らない。
チャーシューメンの倍、麺を2玉(普通の店の3倍に該当)使っているのでは? 丼がデカいワケだ。
マグカップスープに麺を付けたり、さっきのおつまみ唐揚を具材に加えたりして、なんとか全部食べ切った。
麺類は+100円(ご飯ものは+50円)で大盛りになるそうだが、私には絶対無理。

最後に紹介するのは、デザートの「杏仁どうふ」200円。ここでもマグカップが大活躍だ。


生クリームが注がれた杏仁豆腐で、油っこい料理の口直しに最適。値段が安いのもありがたいよ。

以上、リバティさんの料理をいくつか紹介してきたが、どれも味ヨシ量ヨシの逸品揃いである。
少なくとも、「カップ麺を出す変な店」という印象は薄れたはず…そんな失礼な印象を抱いていたのは私だけか。
店主は炒め物が得意なようなので、次回は「チャーハン」を食べたいが、「上海ヤキソバ」も気になるね。

そういえば、今月18日(前日が雨天で延期のため)から、秋季東京都高校野球の本大会が開幕。
我が母校日大三は、初戦を13-3(3点も取られるなよ…)で勝ち上がり、2回戦・ベスト32に進出。
次戦は今度の土曜24日、八王子球場で行われる予定なので、帰りに寄ってみようかな。
リバティさんも三高野球部と同様、末永く応援していきたいお店である



中華そば リバティ
東京都八王子市東浅川町528-7
JR高尾駅から徒歩約10分、西八王子駅からは約26分、八王子市民球場からは約36分 京王線狭間駅からは推定約5分
営業時間 11時半~14時、17時~23時
定休日 水曜、その他不定休あり
※夜の営業時間は、店主に教えてもらったので間違いないです


※※残念ながら、閉店なさった模様です
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懐かしの「どさんこ」で食べる 西武柳沢『どさん子』

2020年09月20日 | 中華食堂
以前、つけ麺大王出身の早稲田『大王ラーメン』を紹介したとき、
“つけ麺大王とは、『どさん子(娘)』と並ぶ「昭和の懐かしラーメンチェーン」の一角で…”と記したのだが、
実は私、どさん子については近年まで、「昔、そういう名前の店があちこちにあった」程度の知識しかなかった。

私の地元・立川市にも、今から40年以上前、現在ウインズがあるあたりに、店舗があった記憶がうっすらとある。
だが、私はそのお店に入ったことはなく、唯一の利用が、やはり今はもうない神奈川県相模原市の淵野辺店。
高校時代、淵野辺が我が母校・日大三の最寄り駅だった関係で、同級生3人でたまたま立ち寄ったのだ。
この数時間前、3人のうちひとりが、クラスの女子に交際を申し込むも玉砕してしまったため、
どさん子ラーメンを食べながら、「ほら、ラーメン喰って元気出せよ」と、私と友人で彼を慰めたのだ。
内心ではふたりとも「ヒヒヒ…ざまあみやがれ(笑)」だったのだが。
ちなみに、そのとき食べた味噌ラーメンは、しょっぱくて全然ウマくなかった記憶しかない。

さて、そのどさん子グループは、『どさん子』『どさん娘』『どさん子大将』の三派がある。
どうやら、元はみんな一緒だったのだが、いろいろあって分かれたらしい。その後、さらにいろいろあって、
どさん娘はどさんこではなく、「どさんむすめ」と読ませるようになったらしい。それは知らなかった!
私がのけぞるほど驚いた(←昭和の表現)上記情報、みなさんの感想はいかがだろうが。
1.知っていた 2.知らなかった 3.どうでもいい  
…まあ、集計するまでもなく、99%の方が3を選択するだろうが。
先述した立川南口と淵野辺の店は、子か娘か記憶なし。だいぶ昔のことなので、ネット検索してもヒットせず。
ちなみに立川駅の北口、現在の泉体育館の近くに、かつて『どさん子大将』があったそうだ。

最近はすっかり見かけなくなった、本家『札幌ラーメン どさん子』。HPで調べたところ、都内の現存店舗は9店。
他にフランチャイズもあるのだろうが、9店舗とは少ないね。内訳は、7店が23区内にあり、
残るふたつが、西東京市の西武柳沢と新島。多摩に1店舗しかないことと、新島に支店があることにビックリ。 
淵野辺店の記憶はほとんどないので、初めてのどさん子を味わうべく、西武柳沢に向かった。

西武新宿線に乗り、人生で初めて下車した西武柳沢駅。
駅前で最初に見た光景が、シャッターの下りた建物の数々。日曜日とはいえ、18時台にこれはさみしい。


お目当ての『どさん子 柳沢店』はすぐに見つかった。


店内はL字カウンター席のみ。厨房には、息の合ったおじちゃん店員がふたり。
卓上メニューはこちら。麺類の一番先頭(右端)はやはり、お店自慢の「札幌みそラーメン」だ。


この他、チャーハンや各種定食、さらに麺類+ご飯もののお得なセットもある。
まずは、ビール中びん640円に、“おすすめ品”の「柳沢餃子」350円と「えび餃子」420円を注文。
まずはベーシックな柳沢餃子。中身は肉多めで、ややパサついている。
    
※右の画像はクリックで拡大

一方のえび餃子は、「エビカツ」の中身に野菜を加えたようなタイプ。私はこっちの方が好き。
    

どちらも味は淡泊なので、卓上の醤油や、おろしニンニクを加えた方がよさそうだ。
ビールを2本飲み終えシメをオーダー。どさん子自慢の「みそラーメン」にするべきだろうが、
私の注文は「コーンスープラーメン」620円。味噌汁よりコーンスープが好きなのでつい…。
出てきたのがこちら。見た目は確かにコーンスープだ。


まずはレンゲでスープをひと口…おおっ、なかなかウマいぞ!
コーンの甘味と加えられた塩分、それにスープの旨味が加わり、違和感のない商品に仕上がっている。
麺は、札幌ラーメンらしく、黄色くて縮れているヤツを想像したが、普通の中細麺だった。


具材にメンマやチャーシューはなく、コーンと人参とグリンピース。あと缶パセリかな。
冷凍食品のミックスベジタブルっぽい具材に、自家製とは思えぬコーンスープ、
さらに麺も平凡なのだが、基本のスープがいいのか、全体的にうまくまとまっている。
なるほど、このスープならどんな味でも合いそう。当然、味噌を溶いてもウマいはずだ。

コロナ騒動のせいで数ヶ月間隔が空いたが、再び西武線に乗りどさん子へ。
それぞれの席の間には、密にならないようプラスチックの衝立が設置してあった。
ただ、これは可動式らしく、客が勝手に動かしたのか、右端の席だけ異様に狭くなっていた(苦笑)。
この日は、ホワイトボードに記載してあった「角煮」370円でビールを飲んだ。


上の白髪ネギをよけたのがこちら。ラーメンのトッピングや定食にもなる角煮は、なかなかウマかった。


ハシゴする予定なので、酒はやめてシメのお食事。ハシゴするのにメシを喰うなって?
この日の注文は今度こそ、どさん子自慢の「札幌みそラーメン」…ではなく、


上記は「札幌カレーラーメン」670円であった。味噌汁よりカレーソースが好きなのでつい…。
具材はコーン、もやし、メンマ、ワカメ、ネギに、スープに沈んでいるひき肉が少々。
さらに、いつものように、残った角煮がゲスト参加。よく見ると、カレーのせいでスープが黄色いでしょ。


ひと口めは意外と辛いが、クセになる味わい。モヤシと一緒に、ズズッと麺をすする。
麺だけでなく、ベースのスープも、おそらくコーンスープラーメンと同じ。
カレーに負けず、むしろ辛味や香りを引き立てている。さっきも書いたけど、基本のスープがいいね!
気付けば、麺や具材だけでなく、カレースープも全部飲み干していた。
失礼ながら、実際に食べるまでは、時代遅れのラーメンを出しているのではと疑っていたが、
どさん子は、今食べてもイケる
むしろ、飲んだあとや、最近の濃厚ラーメンが苦手な方には、ぴったりのテイストかも。

退店後、西武柳沢駅の上りホームから、どさん子のすぐ隣の店舗を撮影。


看板は「やきとり かっぱ屋」のままだが、現在は『台湾小料理屋 美華』らしい。
だが、店内からはスナックのように、おっさんが歌うカラオケが思いっきり漏れており、もはやナニがナンだか(笑)。
駅前はさみしく隣店は怪しく(失礼!)、好立地とはいえないけれど、どさん子柳沢店様、今後も頑張ってください。
次回は必ず、写真の「札幌みそラーメン」をいただきますので!

※どさん子HPから借りてきた

あと【どさんこ巡りシリーズ】、いつか第2弾を、『どさん娘』か『どさん子大将』でやる予定なのでよろしく。



どさん子 柳沢店
東京都西東京市保谷町3-11-4
西武新宿線西武柳沢駅より徒歩約40秒
営業時間 11時半~15時半、17時半~21時
定休日 木曜
※営業時間は訪店時(8月下旬)のもの
※どさん子HPのメニューとはだいぶ異なっています


追記 残念ながら、2022年1月9日で閉店なさったようです
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幻の逸品「とつげきラーメン」 代々木八幡『天下一』

2020年07月05日 | 中華食堂
タイトルの「とつげきラーメン」の前に、『天下一』というお店について説明しておく。
天下一とは、マニアが通うような店ではないが、そこそこメジャーなラーメンチェーンであり、
拙ブログで何度も取り上げた、こってりラーメンでおなじみ『天下一品』と似た名前だが、別グループである。

※2ヶ月前、久々に地元立川店で食べた、「サービス定食・コーン増し」

最盛時は、天下一とは異なる屋号のお店を展開したり、他のグループも傘下に入れるなど勢力を拡大。
以前、この記事の冒頭でちょっと触れた、ラーメン評論家の石神秀幸が監修したガイドブック内の座談会では、
「関東のラーメン店のトップは、実は天下一グループかも」と語られている。
現在は、『すき家』で有名なゼンショーグループに入ったようだが、HPによると、
いまも『天下一』の屋号で営業している、ゼンショー直営店はわずか5店舗。しかもメニューなどは一切掲載しておらず、
やむなく、サイト下記の「天下一公式サイト」をクリックすると、別の屋号のラーメン店に飛ばされる手抜きぶり。
アンチすき家の私にとって、ますますゼンショーが嫌いになる、ヒドイ扱いである。

私が天下一を知ったのは、今から30年ほど前。
幡ヶ谷駅前の居酒屋で飲んだあと、近くにあった幡ヶ谷店に入ったのが最初で、その後も何度か飲みのシメに利用。
以降も人形町(閉店)、新橋、門前仲町、飯田橋、代々木などの支店にも足を運んでおり、
ちゃんと数えたわけではないが、天下一には通算70回以上訪問していると思う。

以下で、天下一の主な特徴を上げる。メニューや価格は各店舗で異なるが、下記については私が知る限り共通のはず。
○メニューが豊富で、ラーメン店というか中華食堂
麺類だけでも醤油、味噌、塩、担々、つけ麺、焼きそばと多彩。ご飯ものや定食などのメニューも揃っている。
○全体的にボリューミーで味濃いめ
大部分の料理が、量も味つけも若者・肉体労働者向けであり、シラフで食べたらキツかった。
○麺類を注文すると、半ライスがサービス
今でこそ、家系ラーメンなどでよく見かけるサービスだが、どの時間帯でもご飯が付く店は、30年前は希少であった。
○焼餃子がジャンボサイズで、「半餃子」というメニューがある
私が通っていた頃の幡ヶ谷店は、餃子1人前=「大餃子」が6個500円、「半餃子」は3個280円だった記憶がある。
○「ホンコンラーメン」というメニューがある
具のない醤油ラーメンの上に、豚肉とキャベツを甘じょっばいタレで炒めたものと、目玉焼きが乗る、
要するに「ホイコーローラーメン」である。参考画像として、飯田橋『えぞ松』の「回鍋肉玉麺」を掲載。


他にも、「ラーメン餃子専科」の看板、深夜0時までの営業なども挙げられるが、これらは幡ヶ谷など一部限定であった。
そしてもうひとつ、私が勝手に全店共通だと思っていたのが、
○「とつげきラーメン」というメニューがある、だ。
私がとつげきラーメンを食べた記憶のある店は、幡ヶ谷と新橋、そして今回紹介する代々木八幡店のみ。
ただし、幡ヶ谷店は数年前に閉店し、新橋店は今は提供しておらず、代々木八幡店が最後の砦となる。
なお、代々木八幡店はゼンショーHPに載っていないので、どうやら無関係の模様。

昨年の今頃、久々に新橋店に入ってみたところ、とつげきラーメンがメニューから消え、
さらに餃子が690円に値上げしていた(物価的にはおかしくないが…)のにショックを受け、
数日後に代々木八幡店を初訪問。JR代々木駅から徒歩で向かったら、予想以上に遠くて疲労困憊(苦笑)。
ノドが渇いたのでまずは生ビール450円、そして大餃子=こちらの名称では「ジャンボ餃子」を注文。
こちらが料理メニューの一部。そうそう、6個450円くらいが天下一餃子の価格だよ。

※チンジャオロースが意外と高い

しばらくして、餃子が焼き上がった。ひと口では食べ切れない大きめサイズだ。


中身はこんな感じ。野菜多めのオーソドックスなタイプ。


大きさ比較のため、爪楊枝も置いてみたが、あまり意味ないかね。
なお、麺類メニューはご覧のとおり。先述したように、バリエーション豊富でしょ。


真ん中のやや下にホンコンラーメン、そして右の上から2番目に、とつげきラーメンの表記がある。


ここまであえて明かさなかった、幻の逸品こと「とつげきラーメン」の正体とは、
「餃子の具 玉子とじスープ」ラーメンのことであった!
書いてしまえば簡単だけど、一般的な中華食堂では、まず見かけないメニューだよね。
メニュー表の説明に補足すると、スープは塩味で、メンマやチャーシューなどの具材はなし。
餃子の中身(肉・ニラ・キャベツなど)だけをふわふわ玉子でとじ、塩スープに泳がせる。
私が若い頃は、天ぷらソバに天ぷらを追加するかのこどく(前回日記参照)
とつげきラーメンに半餃子or大餃子を追加し、無料のご飯と一緒にガツガツ食うのが常であった。

生ビールを2杯飲み干し、3杯目と同時のタイミングで、久々となる「とつげきラーメン」700円をオーダー。


正直、見た目はハデではないし、いわゆる「インスタ映え」とは対極な料理である。
いざ食べてみたところ、「ホラ、やっぱりおいしい……けど何かが違う!」と感じた。
まず、スープに浮かぶ溶き玉子が少ない。おそらく、玉子の溶液を、中華のお玉で1回すくっただけでは? 


幡ヶ谷店は倍のお玉2回分はあったはず。玉子好きとしてはやはり、もうちょっと欲しい。
もうひとつの理由として、塩スープが進化している
以前の化学調味料丸出しのスープから、魚介ダシ(貝のダシも?)の効いた、良質なスープに変わっていたのだ。
最近の流行に合わせたのだろうが、個人的には、以前の下品な味の方が好きだったな。
だいたい、餃子の中身を玉子でとじて麺に乗せるなんて、上品とはいえない調理法だしね。
最後は、いつもやったように、余った餃子も仲間入りさせ、全部食べ切った。


過去の記憶とはやや異なったが、天下一さんは餃子自体のクオリティが高いので、結局は満足してしまうのであった。
とにかく私は、この「とつげきラーメン」という料理が好きで、『餃子のO将』でのバイト時代には、まかないで自作したことも。
ただ、O将の餃子にはラードがたっぷり含まれているため、完成品は舌が焼けるほど熱々であった。
数年前には自宅でも、とつげきラーメン(サッポロ一番 塩らーめん使用)を自作し、ガラケーで撮影。


見た目はよろしくないけど、サッポロ一番独特のチープな麺と餃子がマッチして、そこそこ美味しかったよ。

なお、私が知る限り、天下一の店舗で餃子がもっとも安いのは、飯田橋店だと思われる。


上記画像の撮影当時で6個290円、現在でも300円らしい。この大きさでは破格でしょ。
ちなみに飯田橋店は、数年前には年頭の1月2日にも営業しており、驚くことにランチサービスまで実施していた。
下記の「味噌バターコーン+半チャーハン」で590円。ひょっとして、前日の元日も営業していたかも?

※味は価格相応

そんな飯田橋店、そしてとつげきラーメン最後の砦である代々木八幡店も、
今日「食べログ」を見たら、どちらのお店も掲載保留=閉店の疑いありとなっている。
まさかと思い、代々木八幡店に電話してみたところ、「お客様の都合で、通話ができなくなっております…」の案内が。
とつげきラーメンは、本当の意味で「幻の逸品」になってしまうのか!? 

追記 9月5日に食べログを再確認したところ、代々木八幡店も飯田橋店も、掲載保留の表示が消えていたのでひと安心。


追記2 代々木八幡店は残念ながら、2021年8月28日で閉店しました


天下一 代々木八幡店
東京都渋谷区富ヶ谷1-53-3
小田急線代々木八幡駅、地下鉄代々木公園駅より、それぞれ徒歩約1分 JR代々木駅からは徒歩約36分…
営業時間11時~0時
定休日 不定休
※飯田橋店の住所は東京都新宿区揚場町1-13
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100周年、そしてその先も。 立川『四つ角飯店』-後編-

2020年04月24日 | 中華食堂
前回に引き続き、私の地元立川の老舗中華食堂『四つ角飯店』さんを紹介。
今回は移転前、本当に四つ角にあった旧店舗時代を振り返ってみる。後編が過去というのも妙だが、許しておくれ。
移転前の営業は2013年1月末まで。営業最終週は、大行列ができていた。

私が初めて四つ角飯店さんの存在を知ったのは、小学生になったばかりの頃。
母親との買い物帰り、たまたまお店の前を通りかかり、お土産餃子を買ってもらった、と記憶している。
当時は1人前200円で、現在と同様、5の付く日は半額の100円だった。
その後も、何度か夕飯のオカズとして餃子を買ってもらったり、成長した頃には、ひとりでお店に行ったことも。
訪問するのはもちろん餃子半額の日で、注文するのは餃子2人前とライス、以上!
ライスの値段は覚えていないが、確か100~150円くらいだったはずで、お会計は300~350円となる。
母親からメシ代として500円もらい、お釣りをちょろまかすのが常であった。

その後は、市外で遊ぶことが増え、社会人になってからはラーメン屋を巡るようになり、利用回数が減少。
四つ角飯店さんだけでなく、中華食堂にはあまり興味を示さなかった、あの頃の自分を叱ってやりたい。
再び、通うようになったのは、サラリーマン生活に見切りをつけ(会社に見切りをつけられた、ともいえる)、
フリージャーナリストというか無職に転身した、21世紀の初頭から。食堂で飲む楽しさを知ったのも、この頃だ。
仕事はないしお金もないが、ヒマはある。そんな私をいつでも温かく(?)迎え入れ、昼酒とメシを提供してくれたのが、
基本年中無休、さらに中休みナシの四つ角飯店さんだったのだ。
前編でも書いたが、ちょうどこの頃、立川駅周辺の開発が進み、私の望まぬ方向に進んでいく街の風景に反し、
ガキの頃と変わらぬ渋い外観で、四つ角にたたずんでいる、こちらのお店が、たまらなく愛おしかった。

昔は、撮影する習慣がなかったため、私が保持している旧店舗の画像は下記の旧ガラケーで撮影したものだけ。

※手前のおばちゃんが通り過ぎてから撮影すればいいのに…

見づらいだろうが、看板には「1日1食中華食」「餃子の日 毎月5日15日25日」と、現店舗に引き継がれたコピーが躍り、
「謝謝」の文字が入ったのれんがある入口の右側には、「餃子」ののれんが舞う、テイクアウト専用窓口があり、
お持ち帰り餃子を求める客の行列が、画像の外まで続いている。ちなみにこの日は、12月25日だった。
年内最後の5の付く日=半額とはいえ、クリスマスに餃子で行列!?
実は、客の一部はクリスマスではなく、年末年始のために、生餃子を大量(20~50人前)に買い込んだようだ。
撮影直前まで、彼らの買い物や会話を、間近で見聞きしていたのだから間違いない(←お前も並んでたんじゃねえか)。

入口脇に持ち帰り用窓口があり、そのすぐそばに餃子の焼き場があるのは、旧店舗も現店舗も共通。
ただし、現店舗は厨房内に焼き場があるのに対し、旧店舗は、厨房が店内奥にあり、餃子焼き場は独立していた。
結果的に、換気が不十分で、客席にも油が飛び散るため、床や壁は結構ベタベタであった。
マズいことに、「ほぼ年中無休・中休みナシ」なので、正直、清掃も行き届いてなかったはず。
さきほど「昔と変わらぬ渋い外観」と記したが、要するに、店内外ともにキッタナイお店だったのである。
ただ、そのキタナさというか乱雑さが、居心地の良さを醸し出していたともいえる。※あくまで個人の意見です

ここで、ちょっと話題を変えて。かつて存在した従業員について。
5の付く日はとにかく餃子の消費量が多く、店員さんたちが休む間もなく餃子を包んでいるのは、今も昔も一緒。
だが、旧店舗時代は、ベテラン店員が瓶ビールを飲みながら餃子を作成しており、
自分だけでなく、若いバイト店員たちの分までグラスを用意し、「いいから飲め飲め」と注いで回っていた。
繰り返すが、こちらのお店に中休みはなく、客(=私)の前で行われていた行為である。

創業昭和2年の老舗ゆえ、以前はこの店員だけでなく、後述する店主よりも年長と思われる方が数名働いていたが、
中には残念ながら、「昭和の悪しき時代の飲食店」を体現する、勤務態度の店員もいた。
厨房で、くわえタバコのまま中華鍋を振る職人、なんてのはマシな方。
あるとき、私が入店したところ、瓶ビールと飲みかけのグラスを前に、すでに赤ら顔の先客と目が合った。
そいつは、私に向かってなぜか「いらっしゃい」と声をかけてきたが、メンドーな酔っぱらいかと思い無視。
ホールの店員さんも、他の客の応対をしていて私に気づかず、空いている席に勝手に座って待っていたところ、
さっきの酔っぱらいが席を立ち、厨房の方から水の入ったグラスを持ってきて、私の席に置き、
「ご注文が決まったら呼んでください」だと。オメエ店員だったのかよ!
客席での休憩も、賄いを食べるのも仕方ないとして、賄いがビール、それも酩酊するほど飲むのはいかがなものか(笑)。

しかし、一番マズかったのは、リーダー格の店員。接客はさほど問題ないが、アイドルタイムは常にしゃべり続けている。
当然、部外者である私が客席にいても、一切気にせず、だ。あるときは休憩時間に近所の雀荘で遊んでいたらしく、
「いや~参った参った。5万切って8万待ちのリーチかけたんだけど、出ねぇでやんの。ガハハハハ」だと。
どんな手役だがわからんが、彼がやったのは、しょーもない引っ掛け手である(麻雀知らない人、ゴメン)。
さらに別の日は「おい、今日19時から4名、席予約な」と業務連絡…と思いきや、そのあとがイカン。
「ホラ、この前来た女4人組。あいつらまた来るんだよ。しっかしなあ、普通4人いりゃあ、ひとりくらいはカワイイのがいるのに、アイツら全員中の下…いや、下の下の下でゲゲゲの鬼太郎だな。ガハハハハ…(以下、延々と続くが略)」
これね、文字にするとイマイチだろうけど、生ライブ(笑)で聞いた私には、メチャクチャ面白かったんだよ。
リーダーの「いかにもおっさん」的な声と口調での、流れるような客の悪口の組み合わせが絶妙でね。
口に含んでいたビールを、つい吹き出しちゃった。それを見たリーダーも、客の私にウケたからか、嬉しそうな顔しやがんの。
飲食店の店員が、客の悪口を吹聴するなんてご法度だが、面白かったのでヨシ。※あくまで個人の意見です
なお、上記で説明してきたダメ店員たちは、移転後はほぼ姿を消した…あ、ひとりだけ残っているか(笑)。
まるで、香港映画に出てくる場末の飯屋のような、乱雑な店内にいかがわしい店員。
そんな移転前の店舗は、今思えば実に魅力的だった。※しつこいけれど、あくまで個人の意見です

ここで、そんな四つ角飯店を長年支えてきた、店主である高橋淳さんの画像を掲載。


2011年、アスペクト発行「餃子グルメ パーフェクトガイド」より。四つ角飯店が載っていたので買ってしまった。
写真左側には、「三代目店長の高橋さん。日本一の呼び声も高い。」との解説がある。
実際は高橋さんは四代目で、日本一とは、「中華料理技術コンテスト 餃子の部」で金賞を獲得したことを指しているようだ。
この中華料理技術コンテスト、一応検索してみたが、それほど大規模な組織ではない。
以前紹介した、茗荷谷『札幌軒』の「全国丼グランプリ」と似たような団体なのかな。
ただし、四つ角飯店さんの餃子は、いつ見ても美しい形状をしており、金賞獲得に異論はない。

今さらだが、ここで旧店舗時代にガラケーで撮影した料理の画像を紹介する。画質の悪さはカンベン。
まずは、現在はメニューにないつけ麺。正式名は「肉つけめん」だが、そんなに肉は多くない気も。


値段は覚えてないが、「普通のラーメンを麺とスープに分けただけなのに、ラーメンより200円上乗せ」だった記憶がある。
続いて、こちらも現在はメニューにない「オムライス」850円(税抜)。奥に見えるのは「餃子」と「水餃子」だ。


オムライスはウマかったので、なくなったのは残念。「天津飯」があるし頼む人は少ないのかな。
そしてこちらは、お店自慢の「餃子」を2人前。焼き色が揃っているのは、さすがは「金賞」獲得商品。


気のせいかもしれないが、この頃の餃子の方が、今よりも野菜の旨味が強く、ウマかった印象があるのだが。

冒頭でも触れたが、旧店舗閉店の直前は連日、長~い行列ができていた。
廃業ではなく、あくまで一時休業なのだから、並ぶことねえのに…と思っていた私だが、
「近隣で再開予定」から、1年以上経過しても復活の気配がなく、このまま滅亡か、と心配し始めたある日。
飲んだ帰りの深夜0時過ぎ、立川市の某ラーメン店で食事をしていたら、酔ったおっさん客の団体が来店し、
ラーメンとサイドメニューのご飯ものをガツガツと食べていた。そのうちのひとりが、高橋店主だったわけで。
店主、飲んだあとのラーメン+ライスは、身体に悪いですよ(←お前が言うか)。
すかさず「お食事中すみません、四つ角飯店の方ですよね」と声をかけ、「再開はいつですか?」とたずねたところ、
「来月に再開します。場所はこちらです」と、新店舗の住所が記載された、高橋さんの名刺をいただいた。
「ありがとうございます。必ず行きます!」と伝えてその場は別れ、新店舗で再び挨拶させていただき、
「以前よりメニューは減った(先述のオムライスなど)けど、その分、今のメニューに原価をかけている」こと、
「餃子は、季節によって野菜の配合を変えている」ことなどを教えてもらった。味が変わったと感じたのはそれが理由かな。

現在は若い店員さんが増えたが、高橋さんが不在でも、皆さん飲酒などせず、マジメに働いている。
お店も清潔で、お店の雰囲気は明らかに、現在の方が良くなっている。私個人の好みはともかく(苦笑)。
店内の様子はこんな感じ。カウンター席はないため、ひとり客でもテーブルに案内される。


夜は大勢で飲む団体客も多く、通常ならもっと混雑していて、こんな撮影はできない。早く収束・終息してほしいね。
せっかくなので、現在の料理も紹介。ガラケー写真ばかりでは申し訳ないので。
こちらは「肉と玉子の炒め」780円。私の大好きなKTI=きくらげ玉子炒めだ。


ピーマンも大きいが、豚肉は特にデカい。まるで焼肉定食のお肉だ。


KTIは旧店舗で食べたことがあるはずだが、今回の方が明らかに満足度が高い。少しずつ進化しているのだろう。
シメは初めて食べる「広東麺」880円。とろみのある熱々あんかけスープで舌をヤケドしないよう、慎重に食べていく。


具材はキャベツ、豚肉、きくらげ、人参、チンゲン菜にエビ、うずら。


醤油ベースのスープと、豊富な具材の旨味が重なり、なかなかおいしい。
意外とキャベツが多かったため、お腹いっぱいになったが、汁を少々残したのみで、ほぼたいらげた。
次回は、ちょっと気になった「汁なし担々麺」を食べてみよう。汁なしだからテイクアウトもOKかもね。

多少の空白はあるが、私の人生でもっとも長い間通い続けている飲食店。それが四つ角飯店さんだ。
立川の街を見守り続けて90余年。2027年には創業100周年を迎える
無論、その後も110年、120年、150年…とお店は続いていくはず。イヤ、続いてもらわなくては困る。
私はたぶん、あと80年くらいしか生きられないが(?)、死ぬ間際も、ここの餃子で一杯やれたらいいな、と思う。



四つ角飯店
東京都立川市曙町1-16-5 (旧店舗は立川市曙町2-2-17)
JR立川駅から徒歩約3分半
営業時間 月~金 11時~23時 土日祝は22時まで ラストオーダーはそれぞれ30分前
定休日 元日、ほか不定休
※日野にも同屋号のお店あり


※2020年4月以降は、しばらく11~20時営業(酒類は19時ラスト)、
日曜は定休、あるいは早じまいの可能性がありそうです
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街の変遷を見守り続けて90余年 立川『四つ角飯店』-前編-

2020年04月15日 | 中華食堂
近年、市外在住の方から「立川、ずいぶん変わったね」「きれいになった」と、よく言われる。
確かに、JR立川駅の周辺は、以前と比べると大幅な変貌を遂げた。
改札を出れば、「ペディストリアンデッキ」とかいう大きな歩道ができ、巨大なアーチまで建設され、
駅の真横にはモノレールが走る、近未来都市的(←陳腐な表現)な光景が広がっている。
エスカレーターやエレベーターを降りた先には、新たなビルや施設ができ、居酒屋や飲食店などが入った。

私がガキの頃はまだ、駅周辺はごちゃついていて、時折いかがわしい人間も闊歩しており、
小学校の先生にも、駅には近寄らないよう指導されていたが、今考えると、その原因は立川競輪だよな(苦笑)。
ただ、そのごちゃついた商店街の中には、市民に愛されたお菓子屋さんやトンカツ店などもあったのだが、
それらは「駅前開発」の名目で、大部分が立ち退きを強いられ、街から姿を消した。
替わって入ったのが、先述した居酒屋や飲食店だが、それらのほとんどはチェーン店。
周囲もパチンコ店、ドラッグストア、コンビニで固められ、正直つまらない街に生まれ変わってしまった。
見栄えはよくなり、機能性も向上したのかもしれないが、私自身は、今の立川駅周辺は好きになれない。

そんな、駅北口を出て西方面に向かうと、『ヤマダ電機』などが入る「立川タクロス」という施設がある。
ここにはかつて、「第一デパート」というカルトな百貨店が存在し、並びには青果店や鮮魚店などもあり、
さらにその先の四つ角には、その名のとおり『四つ角飯店』という中華食堂があった。
創業はなんと、昭和2(1927)年。東京でも屈指の老舗食堂である。
こちらも、開発を理由に立ち退きとなり、2014年10月、旧店舗からも近い現在の場所に移転し、営業を再開。
その間、約1年8ヶ月の休業があったものの、93年もの間、街の変遷を見守ってきた。
立川市民はもちろん、近隣住民にも、長きにわたって愛されてきたお店なのである。

こちらがお店の脇に設置してある看板。いつもながらダメな写真でゴメン。


旧店舗からのキャッチコピー「一日一食中華食」とともに、
こちらの名物「毎月5日15日25日 餃子の日 半額デー」が提示されている。
5の付く日は、1人前税込330円の「餃子」が、半額の165円になるため、毎回店頭に行列ができる。
お客の大半が持ち帰り希望で、生餃子を10人前・20人前と購入していく、おばちゃん客もよく見かける。
テイクアウトは何人前でもOKだが、店内での食事は、半額の日はひとり2人前までとなる。
こちらがその餃子だ。毎回、焼き色も形も揃っていて、美しい仕上がりである。


この餃子は、従業員の方々がせっせと包んでいるのだが、まるで機械で製造したのかと思うほど、丁寧である。
『餃子のO将』(←イニシャルにした意味なし)で習った、テキトーな包み方で自作する私も、見習うべきだな。
中身はこんな感じ。細かく刻まれた肉や野菜に、秘伝(?)の調味料やハチミツなどが加えられているらしい。


そして、毎週水曜日は「水餃子」330円も半額になるのだが、こちらは汁物なので、持ち帰りは不可だと思う。

※ラー油とコショウをかけるのが好み

5の付く水曜日は双方とも半額になるが、店内で食べる場合はやはり、併せて2人前までだ。
餃子自体は、「焼」と一緒のモノだが、スープが付く分だけ水餃子の方がお得な気がする。
どちらの餃子も、定額の330円でもじゅうぶんお得な一品だ。

なお、現店舗は席数も減ったこともあり、夜の時間帯はけっこう混雑していることが多く、
最近は「餃子半額デー」以外の昼にお邪魔し、日が沈む前の酒を楽しむことが多い。
以降で、これまでに食べてきた四つ角飯店さんのメニューの一部を、掲載していこう。

まずは、以前チラッと紹介した、巨大な角煮を乗せた「四つ角ラーメン」1100円。


お店の屋号がついているし、麺類メニューでは一番上の目立つ場所に記載されているため、
「普通のラーメンかと思い頼んだら、妙にボリューミーなのが出てきて、店員に文句を言う客」を、2度見かけた(笑)。
その後は、メニューに「特製角煮入り」の文字が入ったため、そのようなクレーマー(?)は減ったはず。
なお、いわゆる普通のラーメン=「中華そば」は、移転当時が490円で、現在は600円だ。

食べてみると、やはり豚角煮の存在感がスゴイ
以前「スマホより大きいサイズ」と説明した角煮は、中華風の味付けが施されており、
醤油味のスープやチンゲン菜、そしてご飯ともよく合う。なので「半ライス」170円を追加し、自家製「角煮丼」を作成。


ハシとレンゲを止めることなく、ズルズル、ガツガツと一気に食べ進めるべし。
角煮は定食1100円や単品990円もあり、さらに単品は「ダブル」1880円もある。ダブルは相当な量だろう。
下記画像は、ガラケーで撮影した、餃子と「肉とニンニクの芽炒め」730円。当時は630円くらいだった。


あと、奥に写っている「びんビール」は550円で、ウーロンハイやハイボールなどは390円~。焼酎ボトルもあったはず。
ニンニクの芽のシャキシャキ感が、柔らかいお肉とマッチしている。なお、一杯やるときに餃子は必須。
このときは確か、15時台に訪問したはず。こちらのお店は中休みナシなのがありがたい。

先日、四つ角飯店を取り上げたネット記事「多摩てばこネット」を発見。※当ブログより、よっぽどためになる内容です
読んでみたところ、「餃子が無添加」であり、「角煮は350グラム以上」あり、「麻婆豆腐の豆腐を変えた」ことなどを知った。
店主曰く低価格のスーパーではなく、豆腐屋さんから仕入れた手作り豆腐で麻婆豆腐を作ると、「味も食感も全く違う」とのこと。
以前は、低価格スーパーで仕入れていたのを告白しているのが気になるが(笑)、新・麻婆豆腐には興味津々。
なので、食べに行ってみたところ、おおっ、確かに豆腐の食感が全然違う!


よくある麻婆豆腐は、豆腐が口の中ですぐに崩れる(とろける、とは違う)けど、この豆腐はうどんのようにコシがある。
ひき肉やタレとの絡みもいいし、お豆腐屋さんのを使用しただけで、こんなに違うのか、と驚かされた。
こちらの麻婆豆腐、単品だと930円。以前より少し値上げしたけど、その価値はある。
ちなみに、私が食べた写真の料理は、実は数年前に加わった、「カレー麻婆豆腐」980円だったりする。
もう一度、画像を見てもらえればわかるが、普通の麻婆より赤くなく、黄色というか茶色っぽいでしょ。
「こんなに違うのか」と驚くのも当然であるが、豆腐の歯応えが違うのは事実なので、次回は普通のを食べるつもりだ。
あと、この日気づいたのだが、カレーと麻婆って、そんなに相性が良くない気がする(苦笑)。

※別注の餃子にも、タレとして利用

実は四つ角飯店さんは、「チャーハン」も絶品である。普通のは680円で、「ミニ(半)チャーハン」が430円。
先日、私が食べたのは「海老チャーハン」780円。写真のように、大きなエビが5尾も乗る。


わかりづらいが、一般的なお店と比べると、1.5~2倍くらいの量がありそう。


チャーハン自体は、ほどよい味加減で、お米もパラリと仕上がっており、しつこさもなく一気に食べられる。
実は、最初の方で紹介した、餃子と水餃子(ついでにビール)も、同じ日に食べており、


それでも残さず食べ切ったのだから、本当に「一気に食べられる」のだ。「喰いすぎだ!」と叱らないでおくれ。
シメには麺類を選ぶことが多く、チャーハンは詳しくない私だが、ここのは、他人にも自信を持っておススメできる。
まだ食べたことのない、自家製XO醤を使用した「究極のチャーハン」980円もきっとウマいんだろうな。

最後に、時勢を考慮し、つい最近利用した際の、テイクアウト料理も掲載。
定番の餃子2人前と、「レバニラ炒め」(900円)だ。容器代がかかるため、料金は店内と同一。

※上のパック、撮影前に2個つまみ喰い



チャーハンのところでも記したが、全体的に量が多めなので、レバニラも普通のお店の2倍近くあると思う。
「テイクアウトで飲食店を助けよう!」という運動が一部で始まっているようだが、
ぜひ四つ角飯店さんも、持ち帰り候補のひとつとして、頭に入れておいてもらいたい。

私が、こちらを利用し始めてから、もう30年以上の月日が流れた。
駅周辺だけでなく、かつて通っていた個人経営のお店も、次々と閉店を余儀なくされ、
いつの間にか、私が物心ついたときから営業している飲食店は、ほぼなくなってしまった。
唯一残った四つ角飯店さんには、永遠に営業を続けていただきたい。

そういえば、今回のブログタイトル、「前編」となっているのにお気づきだろうか。
次回「後編」では、移転前の四つ角飯店さんについて語ってみようと考えている。
写真は極めて少なく、あってもガラケー画像だが、カンベンしてほしい。



四つ角飯店
東京都立川市曙町1-16-5
JR立川駅から徒歩約3分半
営業時間 月~金 11時~23時 土日祝は22時まで ラストオーダーはそれぞれ30分前
定休日 元日、ほか不定休
※日野にも同屋号のお店あり


※2020年4月以降は、しばらく11~20時営業(酒類は19時ラスト)、
日曜は定休の場合があるそうです
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滝山五丁目の夕日 東久留米『珍来』

2020年02月14日 | 中華食堂
前々回の日記で、麻布の『登龍』というお店の餃子は、1人前(5個)2100円もしやがる、と嘆いた。


そんな、恐ろしい価格の店がある反面、餃子1人前200円、しかも10個! という、
令和の時代に昭和価格を維持しているお店もある。それが、今回紹介する『珍来』さん。
住所は東久留米市の滝山だが、最寄り駅は西武線の小平駅。それでも徒歩で約24分と、そこそこ距離がある。
近隣団地などの住民のため、長年にわたり安価で温かい料理を提供してきたお店なのだ。

「珍来」という屋号の中華料理店は各地にあり、埼玉や北関東地区には、同名のチェーンもあるが、
こちらの珍来さんは、個人経営、というか家族経営のお店で間違いない。
少し前には、店主が体調を崩し、一時的に休業していたそうだが、西武柳沢で『ピリカ』というお店を営んでいた、
店主の弟さんが自分の店を閉め、珍来さんに移籍し、腕を振るうようになったそうだ。
それらの詳細については、こちらの記事を参照してほしい。
主に多摩地区の飲食店を、穏やかな眼差しでとらえた素晴らしいブログであり、珍来さんの存在もこちらで知った。
拝見させていただくたびに、自分のブログの下品さが恥ずかしくなる。

下品といえば食べロガー。ここ珍来さんへの投稿は6件。
「自分で焼いた方がウマい」と、わざわざお持ち帰りの餃子を焼いた画像を何枚も投稿しているバカがいた。
安価で餃子を販売してくれた、お店の心遣いを踏みにじってまで、自分を誇示したいのか。 
「女性定員」(※店員の間違い)なんてマヌケな誤字も見受けられるし、知性も品性も欠けているのだろう。
何度でも書くが、食べロガーはこういうお店に来るな!
なお、誤字については私も人のことはいえないので(苦笑)、気をつけなくてはイカンね。

さてここからは、実際に珍来さんで飲み食いした時の様子を紹介していこう。
初めて訪問したのが平日の夕方。入口には「滝山名物 特製手づくり餃子 200円」のお知らせが。


下に置かれた「ガンガン商い中」の木製看板もいいね。
店に入ると、近所の常連らしき先客が数組、ホールにお母さん、厨房には店主兄弟。
まずはびんビール、焼餃子、水餃子を注文。ビールは大瓶で550円。無料お通しの枝豆が出てきた。


まずは「焼ギョウザ」200円が登場。やや小ぶりだけど、本当に10個だ!


アンは野菜主体で、間違いなく自家製の餃子。ほどよく味がついており、醤油やラー油はなくても大丈夫。


野菜を刻んだり、アンを包む手間などを考えると、200円ではほとんど儲けは出ないだろう。
続いて「水ギョウザ」450円が登場。写真ではわかりづらいけど、丼がデカい!


たっぷりの醤油ラーメン風スープの中に、「焼ギョウザ」と同じ餃子が、やはり10個も入っている。


途中で、スープにラー油やコショウを加えて味の変化を楽しむ。
たま~に、かじった瞬間に皮のすき間から侵入した熱々のスープが口内に飛び出す、
小籠包状態の危険物(?)が混ざっているので、気をつけるべし(笑)。

すぐに大瓶が空き「すみません、ビールもう1本ください」。計20個もあるので、まだまだ楽しめる。
他の酒類は生ビール450円、酎ハイはサービス価格で400→300円。あと紹興酒もあるようだが、価格は不明。
店内にはテレビはなく、有線やラジオなどのBGMもないが、時折隣のスナックから、カラオケ曲が聞こえてくる。

けっこう満足したが、餃子とビールだけで帰るのは惜しいので、お食事もしていくことに。
オーダーしたのは「タンメン」550円と「チャーハン」600円。ふたつも喰うなよって?
ちなみに、お店のメニューがこちら。クリックすると大きくなるよ。
    

「焼ギョウザ」の上には「鍋貼児」と中華風の表記もある。「肉ネギイタメ」は「爆肉」って表すのか。
「五目ウマニ(八宝菜)」は1100円と、餃子と比べると高く感じるが、昔の中華食堂は、一品料理はこれくらいの価格だったよ。

しばらくして、チャーハン(炒飯)が、スープとともにやってきた。


玉子、チャーシュー、グリンピースと具材は少数精鋭。ただし、味はしっかりついており、満足度が高い。


続いてタンメン(湯麵)も運ばれてきた。塩ラーメン風の白湯スープにたっぷりの野菜。


さっきの水餃子でわかっていたが、やっぱり丼が大きい、そして深い。


チャーハンと比較すると、タンメンはやや味が薄め。野菜からけっこう水分が出ているのかな。
濃い味が好きな私は、チャーハンの方が気に入ったが、高血圧で野菜嫌いでもある私は、タンメンを選ぶべきだろう。
レンゲで米粒をガツガツかきこみ、ハシで麺をズルズルすすり、時にはスープをズズッと飲み干す。
ビール2本に酎ハイ、餃子を20個をたいらげたあとだったので、食べ切るのに時間はかかったが、
タンメンのスープを少し残した程度で、ほぼ完食。おかげでお腹がタプタプになったが。
お会計をお願いすると、私の暗算より少し安い。どうやら、料理は外税で酒は内税らしい(多分)。
隣のスナックから聞こえる歌のボリュームが大きくなっていく中、「また来ます」と告げて店をあとにした。

それから数日後、日曜日のお昼に再訪。お目当ては、お得なランチ「麻婆トーフ定食 アゲギョーザ付」500円。
麻婆豆腐と、メニューにない揚げ餃子が気になってね。しばらくしてやってきたのが下記写真。


たっぷりの麻婆豆腐に、揚げ餃子4個に千切りキャベツ、ご飯にスープにお新香。500円とは思えないボリュームである。


やや黒っぽい麻婆豆腐は、テンメンジャン由来なのか、意外と甘口。大きめにカットされた豆腐は存在感あり。


揚げ餃子にはケチャップが添えてあり、ラビオリみたい。多めのキャベツには卓上のソースをかけた。
「揚」も同じ餃子を使用しているのだろうが、「焼」や「水」とはまったく異なる印象になるのが面白い。

麻婆が半分、餃子が2個、お新香が少し残っているが、ご飯がなくなったので、ここで瓶ビールを追加。
順序がおかしい気もするが、昼酒の誘惑には勝てず
おかずも全部食べ終わり、ビールも飲み終えたところで、またまた順序が変かもしれないがシメのお食事を。
注文したのは、前回醤油味(水餃子)と塩味(タンメン)のスープを味わったので、今回は「味噌バターラーメン」。
壁のメニューには見当たらないが、同価格だった「バターラーメン」650円がそれに該当するのかもしれない。
味噌ラーメンは、すり鉢状の大きな丼で出てくるのを、先客が食べているのを見て知っていたが、
いざ到着してみると、やっぱりデケエ!


具材はモヤシ、コーン、ワカメ、ひき肉、ネギ、そして四角形のバター。具を炒めてスープで煮込むのではなく、
黄色いちぢれ麺でもないため、いわゆる「北海道スタイル」ではないが、これはこれで懐かしい味噌ラーメンだ。


食べた感想は、バターが意外と多く、見た目に反し味噌テイストがかなり濃い
ランチ定食+ビールのあとだったので、麺は食べ切ったが、モヤシとコーンを少々、さらにスープを残してしまった。
この日のお会計は1810円。ただでさえ安いのに、10円以下は切り捨てのようだ。
せっかくなので、お持ち帰り生餃子(冷凍)も追加購入。200円+外税8%で216→切り捨て210円だって。

※近くの公園のベンチで撮影

数日後、自宅で焼いて、おいしく食べさせていただいた。もちろん、自分で焼いた画像などは投稿しない。

餃子をつまみ、ビールをあおり、周囲の酔客や隣店の歌声に耳を傾け…お会計は格安。
昭和にタイムスリップしたような、緩やかな時の流れを体感すべく、私は今後も珍来さんに通うことだろう。
個人的に、小平~東久留米周辺は未知のエリアなので、もっと探索してみたいね。



珍来 
東京都東久留米市滝山5-12-23
西武線小平駅から徒歩約24分 駅から直角に進むと30分以上かかる
営業時間 11時~20時 
定休日 木曜
※ランチ定食は14時まで
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早い、ウマい、量が多いホイコーロー! 飯田橋『えぞ松』

2020年01月25日 | 中華食堂
以前チラッと紹介した、飯田橋駅近くの老舗食堂『インドール』。
カレー店みたいな屋号なのに、なぜか生姜焼きを推していて、実際にウマかった。
   

そんなインドールさんが、突然閉店してしまったのが昨年の春。


閉店挨拶の「皆様御機嫌よう」のひと言に悲壮感はなく、爽快感すらある。
インドールのおじちゃんおばちゃん、どうかいつまでもお元気で。ごきげんよう。

インドールの閉店は残念だが、大丈夫。すぐ隣には、これまた歴史ある名店『えぞ松』がある。
「えぞ」が付くのだから、サッポロラーメンがウリかと思いきや、一番人気のメニューは「ホイコーロー」
以前紹介した、「肉丼」が名物の茗荷谷『札幌軒』と同じパターンだ。

※写真は炒め肉+チャーシューの「ブーブー丼」

来店客の6割が注文していると思われる、ホイコーロー定食720円の写真がこちら。


名称は定食だが、要するに「ホイコーローライス」である。私は「生玉子」50円を追加して食べる。
ヨコからのアングルがこちら。いつもながらヘタな写真で申し訳ないが、結構な盛り具合である。


私の推測では、ご飯の量は450~500グラム、上のホイコーローも300グラム以上はありそう。
ネット上の意見はまちまちなので、客によって量を変えている(デブには多め、とか)のかもしれない。
食べてみると、テンメンジャンなどの中華調味料ではなく、和風味噌ベースの味付け。
回鍋肉というか「豚肉とキャベツの味噌炒め」という印象。確か『餃子の王将』の回鍋肉も、そういう名称だったな。
実際、具材も肉とキャベツだけで、味付けもシンプルなのだが、それでもメシが異様に進む
生玉子を混ぜ、卓上のおろしニンニクや豆板醤、さらに紅ショウガで味を変えれば、量が多くてもスルスル食べられる。

通は「ホイ」と呼ぶらしい、えぞ松ホイコーローの調理法は、以下の通り。
まずはスープで、ひと口大にカットされた豚肉とキャベツを短時間煮込み、スープだけ元の鍋に戻す。
火の通った肉とキャベツを、味噌ダレと一緒に強火で一気に炒め、メシをよそった大皿に盛りつければ完成。
最初に油ではなくスープで火を通すため、油っぽくなく、スープの旨味も加わる…はず。
さらに、その調理用スープは、お椀に注がれワカメとネギを足し、定食用スープにも生まれ変わる(※さっきの写真を参照)。
客が「ホイ」をオーダーしてから出てくるまで、私が見てきた限りでは最長でも3分。
あるとき、着席するなり「ホイコーロー!」と注文した若者が、後ろを振り返り、壁に貼ってあったメニューを眺め、
再び厨房の方に振り返りながら、「あ、やっぱりチャーハンに変更…」と言いかけたときには、
すでに完成したホイの大皿が、目の前に置かれていた(笑)。その間、約8秒。無論、店員も変更には応じない。
8秒で出てきた理由は、計3人前の注文なら5人前などと、常にオーダーより多めに調理しているから。
あ、書き忘れていたけど、席はカウンターのみで、基本、店員はふたり体制で接客、調理、会計などすべてをこなす。
客とはもちろん、店員同士ですら会話を交わすことは少なく、寡黙というか正直不愛想だが、職人らしくて私はけっこう好き。

えぞ松さんは、ホイコーローだけでなく、どの料理も一般サイズより多め。
たとえば、こちらは、ホイ+目玉焼きを醤油ラーメンに乗せた、「回鍋肉玉麺」820円。


画像だと、目玉焼きが小さく見えるが、そうではなく丼がデカいのである。
上記メニューに半ライス100円を追加すれば、ミニサイズのホイコーロー定食とラーメンが同時に楽しめていい。


こちらは、「意外とウマい ラーメン屋のカレーライス」と店頭でオススメしている「カレーライス」650円+生玉子。

※私が食べたときは590円だった

見ての通りかなりの大盛ゆえ、お皿からカレーソースが、ついでに玉子の白身もあふれてしまった。


カレーはドロッとしていて、何日か寝かしたような濃厚な仕上がり。人参やお肉もたっぷりの家庭的なタイプ。
コクがあるのは、水の代わりに、さっき説明した「ホイコーロー調理スープ」を使用しているからでは?
他にも、チャーハンや麻婆丼を食べている客を見たことあるが、どちらもかなりの量だった。
特に麻婆丼は、回鍋肉玉麺の写真と同じ器を利用しているため、ホイよりキツそうだ。
なので、サラリーマンや女性客は、「ご飯少なめ」と注文する方が多い。まあ、女性客はほとんど見かけないが。
つい最近、味噌ラーメンの麺を豆腐に変える「糖質オフ&タンパク質プラス」メニューを始めたようだが、
そんな糖質なんぞを気にする客は、そもそも、えぞ松に来ないのではないかね。

お酒は、びんビールに日本酒だけ、おつまみメニューは「ぎょうざ」370円の他は、チャーシューとメンマ程度。

※数年前に、ガラケーで撮影

飲みのアテとして選ぶなら、ホイなど定食類の単品がベストかな。ウーロンハイもあればいいのに。
なお、駅の向こう側にある支店(そっちが本店)は、もつ煮込みなどのつまみがあるらしい。

えぞ松の看板メニューは、早い、ウマい、量多いホイコーロー定食で間違いないが、
私がひそかに推奨したいのが、「焼肉定食(豚)」930円だ。
カッコ豚、とあるのは「牛(ぎゅう)焼肉定食」950円という別メニューと区別するため。カッコぎゅう、も親切だね。
そこそこ値段もするから、きっとバカ盛りなんだろうな…とビビりながら注文し、出てきたのがこちら。


ご飯の量こそ一般的だが、千切りキャベツのマヨネーズ、そして主役である豚焼肉がめちゃくちゃ多い。


いったい何枚入っているのか、数えながら食べてみることにした。
なお、お肉1枚のサイズは、それほど大きくない。たぶん、ホイコーローと同じ豚肉を使っているのだろう。


味付けは、ホイの味噌ダレとは異なるけれど、こちらのタレも甘じょっぱく、やっぱりメシが進んでしまう。
15枚食べ終わった時点がこちら。以降も、ちょっと汚い画像が続くがカンベンしてくれ。


大きくない、とはいえ15枚。普通の焼肉定食なら食べ終わっている量だが、まだまだ残りはたっぷり。
なので、この時点で早くもご飯をお替わり。画像左上の空いた茶碗が、その証拠だ。
ライス単品は200円だが、お替わりライスは100円だった記憶がある。サービスしてくれたのかな?
あとね、マヨネーズと合わさったタレが、これまた絶品でね。このタレだけでもメシが喰えるよ。
食後の日雇い労働さえなかったら、もう1杯お替わりしていた。それくらい、この焼肉定食が気に入ったのだ。
こちらが30枚経過。ご飯も2杯食べ終えたが、それでもお肉が残っている!


しつこいが、このあと仕事さえなければ、ビールで流し込んだのに…。数分後、すべての肉を食べ切った。
結果、えぞ松の焼肉定食(豚)、お肉の合計枚数は39! 
肉だけでも推定300グラム、玉ねぎとタレもあるので、実際は400グラム以上だろう。ごちそうさま!

私が尊敬しているライターの鈴木隆祐さんは、自著「東京B級グルメ放浪記」にて、
えぞ松のホイは、コンディションが整わないと挑めないヘビーな食事、と苦労しているのを認めつつ、
「でも、男の意地で、ご飯少なめなんて絶対に頼めない」と断言しておられる。
まったくもって同感だ。私も死ぬまで、ここのホイコーローと焼肉の両定食を、残さず食べる男でありたい。



えぞ松 神楽坂店
東京都新宿区神楽坂1-14
地下鉄飯田橋駅から徒歩約1分、JR飯田橋駅からは徒歩約2分(信号待ちの時間含まず)
地下鉄神楽坂駅からも徒歩約8分
営業時間11時~23時 
定休日 水曜、年末年始
※食べログの営業時間情報は誤り、飯田橋駅を挟んだ向こう側に本店がある


追記 建物老朽化のため、2020年2月末で閉店となるそうです。
追記その2 本店の方も、2021年12月に閉店とのこと。さみしいですね…。
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「住みたい街」の懐かし系中華食堂 吉祥寺『のぶちゃん』

2019年12月05日 | 中華食堂
雑誌などでよく見かける「東京 住みたい街ランキング」。
リクルート社の不動産情報サイト『SUUMO』の2019年度調査によると、
東京都民が選ぶ「関東住みたい街(駅)ランキング」、第1位はやはり吉祥寺であった。
以下は恵比寿、目黒、新宿…と、人気のありそうな街や駅が続くが、
8位になんと、私の地元立川が入っていてビックリ! 「住みたくない街」の間違いではないのか?
立川がランクインした時点で、信用度に疑問符が付く(失礼)調査となったが、
吉祥寺がトップなのは、過去の実績からも、間違いないだろう。

私自身も、吉祥寺で働いていた時期もあり、この街の魅力は知っているつもりだ。
渋谷や新宿など都心へのアクセスがよく、商店街が充実していて買い物に困らず、井の頭公園など自然もある。
飲食店も、ナウなヤングが喜びそうな、オッシャレ~な料理を出すお店が多い。
ただし、上記のお店は、小馬鹿にしたような表現でもおわかりだろうが、私自身は苦手。
料理や内装など、とにかく見た目重視で、やたらと値が張る店を、駅周辺ではよく見かける。
マスコミやバカな女(←やや偏見)には受けがいいのだろうが、中身がともなってない気がするんだけど。

なので、私が自信を持っておススメできる=過去に拙ブログで紹介した吉祥寺のお店は、
『うどん白石』と、同じくうどん店『イチカバチカ』のみ。イチカバチカ吉祥寺店は閉店してしまったが。
    
※写真左から、うどん白石の「ざるうどん」、スタミナうどん=「スタどん」、「うカロニサラダ+味玉」

私が好きな、安くてウマくて、愛想のいい店員さんが働く食堂は、この街にはないのだろうか…
そんな私の嘆きを打ち消してくれたのが、中華食堂『のぶちゃん』


写真がヘタすぎてわかりづらいだろうが、正式名は『スタミナラーメン のぶちゃん』のようだ。
吉祥寺らしからぬ渋い外観のお店にもかかわらず、実は駅から(頑張れば)徒歩5分の、五日市街道沿いにある。
初めて入ったのが2年前だが、ラーメン400円、餃子250円、最高値のチャーシューメンでも700円と、
これまた吉祥寺らしからぬ安価であり、しかも、10月の増税後も値段は据え置き!
そんな、価格を抑えて頑張っているお店に対し、ある食べロガーが「社食と比べると割高」だと。
お前みたいなドケチのクソ野郎は、一生社食でメシ喰ってろ!
私がハンセン氏だったら(前々回の日記参照)こんなヤツ、ウエスタン・ラリアットで首を折ってやるのに…。
それにしても、どんなに投稿者の少ないお店(のぶちゃんは6件)でも、必ずバカが混ざっている、
食べロガーのレベルの低さには、あきれるしかないな。

閑話休題。ここからは、のぶちゃんで食べたメニューの紹介ね。
初訪時に、まず注文したのがビールと餃子に、八宝菜の単品。
ビールは中びんで450円。無料のお通しとして、柿ピーかザーサイかキュウリの漬物から1品選択できる。

※キュウリにしてみた

こちらが「餃子」。均等な焼き色を見ただけで、間違いないのがわかる。


食べたらやっぱり期待どおり、野菜多めのしゃっきりタイプ。これで250円は破格だ。
続いて登場したのが「八宝菜」の単品550円。定食だと680円だ。


具だくさんの食材をタレで炒めてあり、一般的な八宝菜と違いトロみはないが、これはこれでおいしいね。
飲んで食べて満腹になったので、そろそろシメを。この日は「油そば」500円を選んでみた。


同じ武蔵野市には、油そばの元祖とされる『珍珍亭』(最寄り駅は武蔵境)があるが、
あちらよりも麺が細く、ナルトではなくカマボコを使っており、タレの味もそんなに濃くはない。
飲んだあとのシメには、ちょうどいい塩梅だった気がする。
あと、これまでの料理にもあったけど、食器の「のぶちゃん」の文字がいいね! 昔は出前をやっていたのかな。
食後は、私が尊敬するグルメ王のサイン色紙があったので、撮影させてもらった。

※現在は、隣に別人のサイン色紙も飾ってある

石塚さんがおっしゃるとおり「まいうー」だったので、今後も通おうと決意し、お店を出た。

再訪時は、別の店で飲んだ帰りだったので、アルコールはやめてお食事だけ。
注文したのは、石塚さんが色紙で絶賛していたラーメン+チャーハン。ただし、チャーハンは半分にしておいた。


醤油味の「ラーメン」は400円。増税後もこの価格を維持しているのは先述の通り。


こちらの「半チャーハン」は300円。全チャーハン(そんな言葉はないが)だと500円だ。


ラーメンは見た目に反し、想像以上にコクがある…というか、実にウマい!
しょっぱすぎず、もちろん薄くはなく、絶妙な旨味のスープと、細い麺がマッチしている。
こういう「昔懐かしいタイプ」の醤油ラーメンでは、閉店した新宿思い出横丁の『若月』が好きだったが、

若月の「手打ちしょうゆラーメン」

現存するお店では、のぶちゃんのラーメンが、味・値段ともに最高評価だ。
さすがは、住みたい街ナンバー1・吉祥寺のお店だね(←関係ないだろ)。
ラーメンの味が薄く、その分チャーハンの味つけが妙に濃い店はよくあるけれど、
ここは反対に、チャーハンは塩分控えめだったので、バランスがいいかもしれない。

それから数日後、今度はビールとホイコーローの単品550円をオーダー。


お店の表記は「回鍋」なのだが、もちろん肉は入っている。たっぷりのキャベツとネギ少々が、
甘じょっぱいタレと絡み、酒がすすんで困る。途中でウーロンハイ300円にチェンジ。
シメには「カレーライス」500円を選択。中華屋さんのカレー、意外と好きなんだよね。


カレーにはラーメンのスープも使用しているのかな? 業務用ではない旨味があった。

最後に紹介するのは、最近訪問したときに食べた、お店の屋号にもなっている「スタミナラーメン」530円。


ニラ、モヤシ、人参、豚コマにニンニクも少々。スープはピリ辛のラーメンだった。
あと、箸置きがいつもと違い、お魚さんだった。スタミナラーメン仕様? 違うか。


スープはやや薄口な印象だが、野菜不足で塩分過多かつ高血圧の私には、ちょうどいいかもしれない。
といいつつ、スープを全部飲み干しちゃったけど

以前は、深夜0時過ぎまで営業していたのぶちゃんは、最近は22時には閉店するようになった。
スタミナラーメンを食べた日は、たまたまかもしれないが、いつもの女将さん(彼女の名がのぶちゃん)は不在で、
若い男性ふたりで営業していた。バイトには見えなかったが、息子さんなのかな?
今では吉祥寺では貴重となった、安ウマ中華食堂であるのぶちゃんさんには、
無理せずのんびり、末永く営業してくださることを願ってやまない。



スタミナラーメン のぶちゃん
東京都武蔵野市吉祥寺東町1-18-18
JR吉祥寺駅東口(アトレ側)からなら徒歩約5分
営業時間 12時~22時
定休日 水曜
※定休日は、文末の若い男性に聞きました
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値引きの多い明朗中華食堂 三鷹『大黒屋 三谷店』

2019年08月05日 | 中華食堂
母校野球部が敗れた。しかし、いつまでも落ち込んではいられない。
こんなときは、ウマいもん=餃子でも喰って元気を出すに限る。
最近よく通っているのが、三鷹駅北口から少し歩いたところにある、『大黒屋』さん。


近くに大黒屋という屋号のお店がもう一軒あり、三谷(さんや)通り商店街にあるこちらは、三谷店を名乗っている。
一方の大黒屋さんの方が、単品メニューは多いのだが、回鍋肉などは千円超えと、ちょいと高級。
比べたところ、餃子も三谷店の方が50円安かったので、こちらを選んだ。いつもながらセコイだろ。
※追記 近所の大黒屋は閉店しました

お店に入ると、元気なおばちゃんが「いらっしゃい」とお出迎え。厨房のおじちゃんとはご夫婦かな。
店内はコの字カウンター…ではなく、左側の席は奥まで続いているので、「しの字」カウンターだ。
最初の訪問時は、まずは「餃子とびんビールのセット」を注文。
単品だと餃子が350円、ビールは500円だが、セットにすると小鉢が付いて830円と、少しお得になる。
すぐにビールと「シラス、ワカメと野菜のサラダ」(商品名は私が勝手に命名)が運ばれてきた。


想像より小鉢が豪華でありがたい。しばらくすると、餃子が焼きあがった。1人前は5個。


見た目、焼き加減は申し分なし。そして、いざ食べてみたところ、おおっ、ウマいぞ!
皮の厚さや具材の旨味はちょうどよく、肉と野菜のバランスもいい。
強烈なニラ・ニンニクやあふれる肉汁といった、派手なインパクトこそないけど、欠点のない高品質の餃子。
野球で例えるならば、走攻守三拍子そろったプレイヤー。打つしか能のない、我が母校N大三とは大違いだ(泣)。
当然のように「すみません、餃子のお替りください!」だ。ついでにウーロンハイ350円も追加した。

最初に頼んだ「餃子+ビールセット」は、店内壁の貼紙に記してあったのだが、
別の場所に、「餃子1人前350円、2人前だと650円(=50円引き)」と書かれた小さな貼紙を発見。
しまった、もっと早く気付けばよかった。次回は、餃子は最初から2人前注文しよう。
この日は、別の店で飲み食いした帰りだったので、餃子とお酒だけでお会計。
おばちゃんが素早く計算し「1300円です」だって。えっ? 安すぎますよ。
以前も書いたが、常に金欠の私は、計算しながら飲むビンボー臭い習性が身についてしまっている。
私の暗算では、ビールセット830+追加餃子350+ウーロンハイ350で1530円のはず。
おばちゃんに確認したところ、「大丈夫、これで合ってますよ」と言い張るので、
「じゃ、じゃあ遠慮なく…」と、ありがたく受け入れ1300円だけ支払い退散。
おじちゃんが焼いた餃子はウマいし、おばちゃんの接客も素晴らしい。気に入ったので再訪決定。

2回目の訪問では、餃子2人前とビールを注文したところ、最初にまたまた小鉢が。


この日は山芋のサラダだったが、どうやら酒類を頼んだ客には、必ず小鉢が付いてくるらしい。
続いて、大きなお皿で2人前=10個の餃子が登場。ウホッ、ここの餃子はやっぱりウメエ!


ビールからウーロンハイに替え、それも飲み干したところで、この日はシメの食事をオーダー。
選択したのは、店内貼紙にあった「本日のサービス品 広東麺570円」。※通常は670円
大黒屋さんは、生姜焼きなどのメイン料理に、餃子3個かミニ麻婆豆腐などが付く、日替わり定食も人気が高いが、
同じく日替わりで麺類の一品を、サービス価格で提供している。というかこのお店、値引きサービス多いね。

しばらくして、広東麺が運ばれてきた。


アンの下の麺を撮影しようとしたら、やはり熱々の湯気でレンズが曇った。


湯気なしバージョンがこちら。豊富な具材、細ちぢれ麺、醤油ベースでとろみのあるスープ。


天津飯と同様、広東にあるのか定かではないが、これぞ街中華の広東麺だ
勢いよく麺を啜ったため、舌をヤケドしたが、美味しかったので問題なし。すっかりお腹イッパイになったのでお会計。
ビール500+餃子2人前350+300+ウーロンハイ350+広東麺570=2070円のはずだが、
おばちゃんによると「1870円です」。なぜだ!?
さすがに今回は、「前回もそうでしたけど、安くないですか?」と食い下がったのだが、
おばちゃんによると「今日はビールがお得ですし…とにかく、つけ忘れはないですよ」とおっしゃる。
結局今回も「そうですか…」と、サービス価格を甘んじて受け入れ退散。なんだか申しわけないな。

「goo辞書」で明朗会計という言葉を検索すると、まずは「明朗」という言葉が出てきて、
【内容をはっきりと示して、うそやごまかしがないこと】の解説とともに、用例として「明朗会計」が出てくる。
内容をはっきり示してはいない、大黒屋さんの場合はどう表現するんだ? 「不明朗会計」か。
とはいえ、インチキ会計の店(例:大森『富士川』)とは違い、逆に安くなっているのだから、この言い分は失礼だ。
ちなみに、「明朗」には【こだわりがなく、明るくほがらかなこと】という解説もある。
こっちの意味なら、いつも明るく、あまりお金儲けにこだわってなさそうな、大黒屋のご夫婦にピッタリだ。

そんな不明朗会計だけど明朗なご夫婦が営むお店に、先日は飲んだ帰りに訪問。
日が沈む前から飲んでいたので、お酒はやめて、「ラーメン+ミニチャーハンのセット」770円をオーダー。
ちなみに単品だと、ラーメン470円(安い!)、ミニチャーハンが360円なので、60円お得。
こちらがラーメン。醤油味のオールドファッションなタイプだ。


そして、こちらがミニチャーハン。ミニとはいうが、要するに半チャーハンだ。


ラーメンはやや薄味だが、チャーハンが意外と濃い味だったので、バランスは良いといえる。
お会計を済ませ、お店を出たところで、入口ガラスの隅っこにある貼紙に気付いた。


あまりの興奮に手が震え、ピンボケしてしまったが(←毎度のことじゃねえか)、
ビール500→400円、ウーロンハイ350→300円、(ウーロンハイ)2杯目から50円引き、とある。
こんなところに、不明朗会計の謎を解くカギがあったとは!?
おばちゃんは「今日はビールがお得」とおっしゃっていたが、たぶん毎日安いのだ。

改めて、計算をやりなおしてみると、
最初の訪問、ビールセット830+追加餃子350+ウーロンハイ350=1530円ではなく、
ビール400+餃子2人前650+ウーロンハイ250=1300円という計算式が用いられたと思われる。
普通の店では、餃子を1人前ずつ2回頼んでも、「2人前で50円引き」は認められない場合が多い。焼く手間もかかるしね。
さらに、「ウーロンハイは2杯目から50円引き」というのも、ウーハイを2杯飲んで、ようやく成立すると思うのだが、
まずビールを飲んで、2杯目にウーハイを頼んでもOK、というのは珍しい。

2度目の訪問も、ビール500+餃子2人前350+300+ウーロンハイ350+広東麺570=2070円ではなく、
同様にビール400+W餃子650+ウーロンハイ250+広東麺570=1870円が正しいようだ。
悩んでいた数式(?)が解けた喜びで、帰りの三鷹駅への道中、スキップを踏んだことを告白しておく(←キモイね!)
それにしても、さっきも書いたが、大黒屋さん値引き多すぎ!

最後に訪問したのが、冒頭で触れた母校野球部が敗れた直後、つまりつい最近のこと。
すでに他の店でヤケ酒を飲み、泥酔気味だったので、この日の注文は軽めに、
餃子1人前とウーロンハイ(※この日の小鉢は冷奴)、


そしてデザートに「ミニカレーライス」360円を頼んでみた。


ミニカレーはスープ付き(味噌汁も選べる)で、価格の割には量が多く、味も良かったのでシメに最適。
気になるお会計、私の暗算では餃子350+ウーハイ300+ミニカレー360=1010円だが…
おばちゃん「はい毎度。1010円です」。よかった合ってた!

とにかく、元々安いにもかかわらず、さらに値引きの多い大黒屋・三谷店。
全国各地にある、同名の金券ショップグループも、ぜひ見習ってほしい。
今年の夏も関西方面に行くので、「青春18きっぷ」を、もっと安く売ってくれ。



大黒屋 三谷店
東京都武蔵野市西久保1-6-17
三鷹駅から徒歩約7分
営業時間 12~15時、18~22時(多少の前後あり)
定休日 木曜
※持ち帰り冷凍餃子、10個300円もおススメ!
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