明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

ウマいのに激安な天ぷらで一杯 三鷹『すーさんち』

2017年12月23日 | 居酒屋・バー
以前も書いたが、江戸時代の寿司や天ぷらは、庶民が屋台で軽くつまむような、安価な食べ物だったそうで。
現代ではどちらも高級店のイメージの方が強く、特に天ぷらは、『てんや』のような天丼チェーンこそあるものの、
串カツ屋のように、揚げ立ての天ぷらだけをツマミに、お手頃価格で飲める店は、かなり少ない。
甘辛いソースをつける串カツも好きだが、お出汁のきいたツユで食べる天ぷらも、私は同じくらい好きなのだ。

そんなある日、三鷹駅南口をプラプラ歩いていたら、ちょっと気になる店を発見。
店外に貼ってあったメニュー表を見ると、天ぷらをウリにしているようで、店内カウンターはお客さんで埋まっている。
その、気になるお店の名前は『すーさんち』
帰宅し、「三鷹 すーさんち」でネット検索してみたところ、ほとんど情報がなく、食べログにもまだ投稿がない。
前回の立川『竹や』でも書いたように、食べロガーが来ない店はイイ店という持論に従い、
数日後、さっそく入ってみることにした。

店内はカウンター席のほか、奥にはテーブル席もあるようだ。
お店を切り盛りするのは、若い男性店主のすーさんと、バイトの女の子。
まずはドリンクを注文しようとメニューを見れば、飲み物も食べ物も、立ち飲み屋レベルの安さ。
こちらが主なドリンクメニュー。サワー類は個人店とは思えない安さ。


こちらはフードメニューの右側。120円の天ぷらや100円台の一品料理がそろう。


一応、左側に行くほど値段が上がっていくが、それでも海老天180円、たこぶつ300円と破格。


これらのメニューの他、日替わりメニューとして、店主のきまぐれ料理や、季節の天ぷらなどが黒板に記されている。
この日はまず、白ホッピーセットと天ぷら各種、それにすぐ出てきそうな煮込みをオーダー。
すぐにホッピーが提供され、続いて「もつ煮」250円と一緒に、生姜と大根おろし入りの天ツユが運ばれてきた。


臭みのない煮込みをつまんでいると、メインの揚げ立て天ぷら4種が登場。


右から「ぴーまん」「玉ねぎ」「まいたけ」「半熟卵」、どれも120円。串カツみたいに安いね。
続いて、180円の上等ネタ(?)である、「えび」と「きす」が揚がった。


断っておくが、私は高級店の天ぷらは食べたことはないし、天ぷらへの知識はさほどない。
それでもあえて言うが、ここの天ぷら、美味しいよ
120~180円という価格を考えると、失礼ながら、油も食材もごく普通のものを使っていると思うんだけど、
油切れはよく、衣はサクッと揚がっていて、中の天タネも、野菜は野菜の味、海老は海老の味がちゃんとする。
悪いけど、某天丼チェーン(さっき名前出したな…)の海老なんて、海老の味がしないよね。
その後もすーさんちには足繁く通い、片っ端から天ぷらを食べていった。こちらは「豆ふ」と「鶏ささみ」。


豆腐の天ぷらは珍しいね。なおこちらでは、山梨直産の替わり豆腐も、各種350円で提供している。
続いては「えのき」、「長いも」、日替わりメニューの「春菊」に、「いか」。


長いもは1個食べちゃったので、実際は2個。春菊は揚げるとクセがなくなり、お子ちゃまな私でも美味しく食べられた。
こちらは「かぼちゃ」と、すでにひと口かじった(失礼)「ブロッコリー」。緑黄色野菜も食べなきゃね。


最後は、「魚肉ソーセージ」と「えび」「ぴーまん」。


私のおススメ上位三傑は、えび、ぴーまん、春菊かな。えびは毎回頼んでいる気がする。
天ぷら以外でのおススメは、下の「きゃべつ・塩ダレ」120円。味付けは「みそ」や「ソース」も可能。


他では、日替わりメニューだがいつもある気がする「自家製鶏ハム」。値段は200円か、250円だった。


どちらもサッパリしているので、天ぷらの合い間につまむのに適している。
食事類は「白飯」と「もつ煮飯」と「たぬき飯」の3種があり、先日はたぬき飯350円を選択。


白飯に、たぬき=揚げ玉と、ネギ、おかか、生姜を盛り付け、天ツユをかけて完成。
「よ~く混ぜて食べてください」と指南されたので、言われた通りグチャグチャに混ぜて食べた。
おおっ、生姜とネギがいい仕事している。たぬきうどんのうどんをライスに替えたような、面白い味だ。
今度『はなまるうどん』で、似たようなモノを作ってみようかな。

何度か通い、顔も覚えてもらったようなので、ある日、まだ忙しくなる前の時間帯に、店主すーさんと話してみた。
以下でインタビュー形式で会話を再現する。Qが私で「」内がすーさんね。

Q ここの天ぷらは美味しいんですけど、どこかの名店で修行を?
「イヤイヤ、学校出て居酒屋で働いて、こうしてお店を持てるようになったけど、自己流ですよ」
Q 自己流なんですか! それにしても、天ぷらもお酒も、安すぎるのでは?
「以前、日野駅の近くで立ち飲み屋の店長をやっていて、その時の値段をほぼ維持しているんで」
Q 今は立ち飲みではないし、三鷹という土地柄、もう少し値上げしてもいいのでは?
「これでも酒類は上げたんですよ…50円くらい。まあ確かに安いと思うけど、日野時代のお客さんも来てくれるので」

ハナシは逸れるが、吉祥駅北口出てすぐの場所にも、立ち飲みの天ぷら屋が今年開店した。
やはり、「天ぷら飲み」の需要はあるようだが、ここは酒も天ぷらも、だいたいすーさんちの倍か、それ以上しやがる。
生ビール600円に海老天300円。立ち飲みのくせに暴利だねえ
結構マスコミにも取り上げられているようだけど、みんな、行っちゃダメだよ。
さて、ここからはまた、さっきの続きに戻る。

Q 日野から来る方もいるようですが、そういえばこちらのお客さんは、マナーの悪い人はいませんね。
「それは…やっぱり三鷹という土地柄でしょうね」
なるほど。このお店は、安さにつられてくるような若者客は少なく、むしろご高齢のお客さんが多い気がする。
ただし彼らは、ギャンブル場にいるようなダメ人間タイプではなく(笑)、分別をわきまえた紳士淑女である。
三鷹は確かに、隣りの吉祥寺や、日野・立川あたりと比較すると、落ち着いた印象のある町で、
もちろん貧しい人が住むエリアでもなく、常連客の大半はそこそこお金持ってそうな雰囲気だし、
彼らは「安く飲めるから」ではなく、「こちらのお店が好きだから」飲みに来るのだろう。
すーさん自身は、おそらくまだ20代の若者だが、この若さで人生の先輩たちを引き寄せるのは、
彼自身に魅力があることの証明に他ならない。



すーさんち
東京都三鷹市下連雀3-19-16
三鷹駅南口から徒歩約7分
営業時間 月~金16時~23時、土・祝日15~22時
定休日 日曜
※ドリンクのお替わりは、同じジョッキならば10円引き
コメント (4)
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