明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

完全無欠の中華屋さん 八坂『宝来屋』

2022年01月03日 | 中華食堂
明けましておめでとうございます。今年も拙ブログをよろしくお願いします。
年明け一発目は、タイトルどおり完全無欠の中華食堂『宝来屋』を紹介。
このお店の存在も、普段愛読している、こちらのブログで知った。ありがとうごさいます。
「宝」は、正しくは難しい旧字らしいが、最近の店看板が「宝来屋」となっているので、その表記に従わせていただく。


まずはメニュー写真から掲載。こちらが「麺類」に「スープ」、


そしてこちらは「ご飯類」に「一品料理」など。


「ラーメン」350円「チャーハン」450円など、どの料理も安すぎてビックリした方もいるだろう。
私もそのひとりだったが、お店を訪問してみたところ、さらに驚かされることになったのである。

過去に何度も告白してきたが、いいトシこいて万年金欠状態の私は、安く飲み食いできるお店が大好きで、
このブログでも今まで、安価で居心地のいい飲食店を、たくさん紹介してきている。
そのようなお店に共通しているのは、店主に儲ける気がないこと(笑)。
他にも、店が古くて汚い、アクセスが悪い、量が少ない、人件費や食材にお金をかけていない=接客や味がイマイチなどと、
なんらかの短所があったりして、お店側もそれに薄々気づいているため、値段を抑えているケースもあるはず。
実際、以前ここで紹介した某店のマスターは、「ウチは駅から離れているし、安くしなきゃ客は来ないよ」とボヤいていた。
あと、値上げしない理由として、「メニュー表の価格を書き直すのがメンドくさい」という店主もいた(笑)。
失礼ながら、ここ宝来屋さんが安い理由も、上記のどれかが当てはまると思っていたが、
そのすべてが否定されたのである。これが驚かずにいられようか!

前置きはこの辺にして、実際に食べた料理を紹介していこう。
初訪問は昨年9月。緊急事態宣言により、酒類提供が禁止されていた時期だった。
注文したのは、大好きな「餃子」300円と、「五目ワンタンメン」650円。


焼き色も盛りつけも美しい餃子は、メニュー表の表記どおり「野菜たっぷり」。


なにも付けずに食べるとやや薄味だが、意外とニンニクが効いている。醤油を少々使用した。

そしてこちらが、ナルトやカマボコなどで顔をかたどった、五目ワンタンメン。


普通のラーメンでも650円以上する時代に、五目かつワンタンまで付くとは!
ちなみに、チャーシューメンも550円。あえて名前を出すが、立川の『鏡花』なんて、1500円も取りやがるのに。
この値段なら、味に文句は言えまい…と失礼な感情を抱きながら食べ始めたところ、
「なんだこりゃ! ウメエじゃんか!!」と、心の中で絶叫。
塩味のスープは、懐かしくも深く、旨味たっぷりなのに軽やか。こんなすごいスープは久々だ。
ワンタンは、6個すべてに肉が入っていた。昭和時代なら大半は「具ナシ」だったのに(苦笑)。お店の誠実さを感じるね。


あと玉子が味玉でなく、三鷹『中華そば みたか』と同様、注文後に茹でるタイプなのも、家庭的で面白い。


見た目も味もいい餃子に、具だくさんでバカウマの五目ワンタンメン、量も少なくないのに、これで計950円とは!?
食事中は感激するどころか、「このクオリティでなぜ安い…?」と悩んでしまったくらいだ。

働いていたのは、ご夫婦と思われる男女。旦那さんだけでなく、奥さまも厨房で鍋を振る。
好連係で、厨房と接客を入れ替わることも多々。私の注文を取りに来たのも、旦那さんであった。
客が途切れないため、発する言葉は最低限だが、挨拶はちゃんとしてくれたし応対自体は丁寧。
しかもこちら、近隣に出前もやっており、時折旦那さんがヘルメット姿で出ていく。大変だなあ。
来客や出前の注文が多く、日々忙しいはずなのに、営業終了に清掃しているのか、店内は清潔に保たれている。
各座席には、手製と思われるカラフルなシートがかぶせてあり、


しかも、テーブルごとに異なる模様だったりする。こういう、ちょっとした工夫は好きだな。


店内はキレイだが、お店の歴史自体は古く、壁にいくつか展示してある過去写真によると、開業は昭和35(1960)年!

※右下に「S35」の表記あり

創業60年超ということは、店主夫妻は二代目か三代目のはず。私よりは年上だろうが、まだまだお元気そう。
「儲ける気はない」と達観するほどの年齢ではないと思うので、安価な理由がわからない。
なお、お店の最寄り駅は西武線の八坂。メジャーな駅ではないが、歩いて数分の距離である。
以上、宝来屋さんは安いのに味も量も接客も清掃面もアクセスも問題ない、素晴らしいお店なのである。

こんな良店、一期一会で済ませるのはもったいない。緊急事態宣言が明けると、早くも2度目の訪問。
壁の貼紙にあった「ビール」500円を注文し、珍しいソース味の「ニラレバ炒め」500円をツマミに飲む。

※ビールはラガーの中瓶、他の酒類はない模様

ソース味のニラレバは未経験だったが、麺抜きの焼きそばみたいであった。もちろん、炒め具合はバッチリ。
ビールを2本飲み、シメのお食事へ。ご飯ものの中から、あえて非中華の「玉子丼」450円、
そして、前回の五目ワンタンメンが絶品だったため、付属のスープを同じ塩味の「野菜スープ」300円に変更。


中華屋さんで「スープ」を頼んだのは、人生初かもしれない。それだけ、ここの塩味スープが気に入ったのだ。
「サッポロ一番 塩らーめん」もそうだけど、私は黄緑色のスープが好きなんだ。
ただ、てっきり小さなお椀で出てくるかと思ったら、結構な量だった(苦笑)。これでは「タンメンの麺抜き」だ。


あと、黒いスプーンが妙に飲みづらい…と思ったら、どうやら丼用スプーンだったらしい(恥)。
その玉子丼は、タマネギやシイタケが入りインゲンが乗る、和風テイストであった。


3度目は、初めてランチタイムに訪問。コロナ禍ゆえ他人同士の相席はさせず、テーブル席にひとりで座ることに。
お店に申しわけないので、ふたり分食べて、けれども長居はせずとっとと食べて帰ることに。
注文したのは、「チャーハン」450円と「カタヤキソバ」550円。まずはチャーハンとスープ、


そしてほぼ同時に、太麺のカタヤキソバと辛子が到着。550円とは思えぬ盛り具合だ。


チャーハンは、八角形のお皿ではなく、一品料理に使うようなお皿に盛られて登場。


しっとり系の仕上がりで、細切れチャーシューではなく、ひと口大の豚肉を使っているのは珍しいかも。
一方のカタヤキソバは、中華丼などに使うような深みのあるお皿に、こんもり盛られていた。


かかっているアンは、私の好きな塩ダレベース。ただ、当然のように熱いし見てのとおり量は多いし、
しかもチャーハンもあるしで、食べ切るのに時間がかかってしまった。

※途中で、「あんかけチャーハン風」にしてみた

あまり行く機会のない八坂だが、宝来屋さん目当てに4度目の訪問。ほぼ月イチペースだ。
オーダーしたのは、ボリュームがスゴイと評判の「豚肉丼」600円。


丼に「これでもか!」といわんばかりの豚肉と、半熟玉子が盛られている。横アングルがこちら。


具材はネギなどの野菜はなく、肉と玉子のみという潔さ。国分寺『淡淡』の「焼肉丼エッグ」を思い出させる。
味付けは醤油主体で中華というより和風。途中で黄身ちゃんを崩し、先述した黒スプーンで一気にかき込む。


妙にツユだくなので気付いたけど、このお肉は牛丼屋の豚丼のように煮込んである。


「焼肉丼」ではなく豚肉丼というネーミングはそのためか。卓上の七味だけでなく、紅生姜も欲しくなったよ。
食べ終わると結構な満腹になったが、せっかくなので、こちらの最安麺メニュー「ラーメン」350円を追加。


小さなノリ、チャーシュー、メンマにナルトと、一見すると懐かし系東京ラーメンだが、
麺をすすると、中華風調味料のような香りがする。ご飯ものに付いてきた醤油スープとは、似て非なる印象。
チャーシューも焼いてから煮込んだような…? 価格の割には手間がかかってるよ。
この醤油ラーメンをベースにした、あんかけの「カントンメン」やピリ辛の「ネギメン」も試してみたいね。

さて、ここまで4度訪問し、五目ワンタンメン×餃子、ビール×ニラレバ炒め、玉子丼×野菜スープ、
チャーハン×カタヤキソバ、豚肉丼×ラーメンと、魅力的な商品を5組紹介してきたが、
どの組み合わせも千円以下なのにお気付きだろうか。
他にもカツ丼×ラーメン、カレーライス×チャーシューメン、ワンタンメン×野菜炒め×ライスなんて組み合わせもある。
いずれにしても、令和の時代に千円でじゅうぶん満足できる食堂は貴重だろう。
皆さんもぜひ、千円札を握りしめ宝来屋さんに足を運んでほしい。もちろん、千円以上飲み食いするのもOKだ。



宝来屋
東京都東村山市美住町1-6-31
西武線八坂駅より徒歩約6分(踏切、信号次第) JRなら新小平駅から約32分
営業時間 11時~14時半、17時~18時半くらいまで
定休日 木曜、年末年始
※品切れ早じまいあり、年始は1月5日からの営業
コメント (2)
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