明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

MajiでKoiする街中華 武蔵境『末広』

2024年03月05日 | 中華食堂
はたらけど はたらけど猶(なお) わが生活(くらし) 楽にならざり ぢっと手を見る
上記は、石川啄木の有名な短歌だが、ロクに働いていない私の生活が、楽になるワケもなく、
最近ようやく、無駄な出費を減らそうと考え始め、真っ先に思い浮かんだのが、食事中の飲酒。
東洋経済オンラインの記事によると、サラリーマンの平均昼食代が624円という時代に、
ほぼ無職の私が、ビールやウーロンハイを追加し、ランチで2千円くらい使うのは、さすがに図々しい。
今後は、昼夜関係なく酒とメシをはっきり分け、居酒屋や飲み会ではガンガン飲むが、食事の際は酒を控えようと決意!

ところがつい先日、そんな私の決意をいきなり揺るがしかねない、恐ろしいお店を知ってしまった。
そのお店とは、この回の最後に「ミニねぎ豚丼」を紹介した、『中華料理 末広』


1969(昭和44)年創業の老舗食堂で、住所は三鷹市だが最寄り駅は武蔵境。ただし、徒歩だと20分くらいかかる。
西武多摩川線・新小金井の方が少しだけ近そうだが、乗換が面倒だろうから、JRユーザーには武蔵境を推奨する。

駅からのアクセスに反し、かなりの繁盛店らしいので、初訪問時は夜営業の開店前に到着したら、すでに若者客ふたりが並んでいた。
店頭には、昔懐かしい料理サンプルがあるが、一部商品は実際のサイズと異なるので、気をつけよう(後述)。


開店数分前になると、女将さんが入口ドアを開け、「お待たせしてすみませんでした。カウンター席へどうぞ」と迎え入れてくれた。
待ち客の存在と、女将さんの丁寧なあいさつで、噂どおりの名店だと確信。そして、入店後も期待は裏切られなかった。
店内はカウンター7席と、4人テーブル席がふたつ。テーブル席は広くないので、大人4人だとキツそうだ。

メニューを撮影したので以下で掲載。
まずはめん類。「ラーメン」500円など、現在も昭和価格を維持してらっしゃる。


各種定食や一品料理、チャーハンなどご飯もの。


麺類、ワンタンとのお得なセットメニュー。


最後に、サイドメニュー・スープ・飲み物。アルコール類が豊富で、ビールだけでも5種類用意されている。


「まずはビール!」といきたいところを、冒頭で決意表明したとおり、なんとか我慢し、
注文したのは、大好物の「餃子」400円に、ちょっと珍しい「玉子スープメン」600円と「ミニねぎ豚丼」のセット250円。
働いているのは、女将さんと現店主の旦那さん、そして先代の奥様、つまり大女将の3名。
旦那さんは調理に専念し、女性ふたりが調理補助や接客を担当。厨房には岡持ちが置いてあり、以前は出前もやっていたようだ。
しばらくすると、まずは玉子スープメンが登場。


こちらが横アングル。右脇に見えるのは、府中本町『天下一』のときも読んでいた、「ナニワ金融道」だ。


繁盛店ゆえ、待つこともある末広さんだが、漫画もたくさん置いてあるので、読みながら完成を待とう。
その直後に、餃子とミニねぎ豚丼もやってきたので、さっそく食べ始める。


ミニねぎ豚丼は、この前語ったように、刻んだチャーシュー&ネギを、ゴマ油やタレで和えたものだが、全然ミニではなく、食べ応えがある。


焼き色の揃った餃子は、立川の『四つ角飯店』と同様、具材が細かく刻まれており、味自体も似ていた。


そして、玉子スープメンは、塩味の透明なスープに、炒り卵や野菜を加えてある。
麺はちょい柔らかめの中細麺。スープを吸ってさらにウマくなる。


具材は玉子、キクラゲ、玉ねぎ、人参、ピーマン、竹の子など。「玉子スープ」450円という商品も、たぶん同内容だろう。


ねぎ豚をスープに加えたり、反対に玉子を丼に乗せたりと、トレードを楽しんだのち、全部たいらげた。


3つとも美味しくボリューミーなのにお手頃価格。さらには女将さんの明朗かつ丁寧な応対も素晴らしい。
四拍子揃った中華食堂に感激しつつ、多摩地区にあったのに知らなかった、今までの自分が悔しい。

別の料理も気になり、数日後に再訪問。店頭で少しだけ待ち、前回と同じカウンター席に案内された。
なお、この日私の隣に座った常連風のおっさん客は、「チキンライス」600円の大盛を頼んでおり、しばらくするとオレンジ色の山が登場。
「中華丼」に使用するような、すり鉢状の器に、一般的なチャーハンの3倍以上のチキンライスが盛られている。
おっさんはすごい勢いで食べ終えたが、メニューには「大盛」の価格は記載されていない。
気になったので会計に耳を澄ませたところ、女将さんが「700円でーす」だって。
+100円であの盛り具合とは…末広さんには、もっと若い頃に出会いたかったよ(泣)。

ネットで予習したところ、チキンライスだけでなく、ご飯ものはだいたい山盛りで、定食はご飯もおかずもたっぷり。
“当店人気NO.1”の「タンメン」620円も、『ラーメン二郎』のように野菜がてんこ盛りで、
私がこの日頼もうとしていた、好物のKTI=「玉子とキクラゲ炒め」650円も、モヤシが大量に入る様子。
なので注文時、女将さんに「モヤシ少なめにできますか?」とたずねたところ、「では、少なめでお作りします」と承諾してくれた。
なお、一緒に頼んだのは、ライスや麺類ではなく、「す、すみません、キリンラガー(600円)も…」であった。
【食事中に酒は頼まない】という決意は、早々と瓦解(恥)。意志の弱い私を許しておくれ。
なお、ビールは大瓶で、お通しのポテサラ付きなので、600円は安い。


先客の調理が重なっており、キクラゲ玉子炒めは、しばらく待つことになった。
減らすのはモヤシだけでいいのだが、女将さんの口調だと、全体的に少なくなりそう…と心配していたところ、
運ばれてきたのが、下記の商品。「これで少なめ!?」(笑)と、思わず笑ってしまう量である。


横アングルだと、さらに凄さがわかる。これより多い普通サイズの量と、それなのに650円という価格に震撼。


左手にビールグラス、そして右手でハシを握りしめ、いざ「大物」に挑んでいく。
大量のモヤシをかき分けていくと、玉子もたっぷり隠れていて嬉しい。


ビール2本を費やし、一般的なお店のKTI以上の量を食べたはずだが、まだ1/3くらい残っている。
ここでビールはやめ、シメとしてご飯とラーメン500円を頼むことに。
当初は「半ライス」170円の予定だったが、念のため女将さんに量を確認したところ、
さっき紹介した全然ミニじゃない、ミニねぎ豚丼用の器を使うらしいので、「小ライス」120円に変更。
小ライスの器は、ひと回り小さかったのだが、出てきたご飯は、ご覧のようにてんこ盛り。一般的なお店の並ライス=200グラムくらいありそうだ。


ほぼ同時にラーメンが登場。チャーシュー、メンマ(太めと細めの2種)、わかめ、ナルトと、500円だけど具材は豊富である。


まずは全然小じゃないライスを、残ったKTIと一緒に食べていく。
半分くらい食べたところで、ラーメンのわかめなども乗せ、ミニKTI丼を作成。見た目はイマイチ(私のせい)だが美味しい。


ラーメンは、正統派の醤油スープで塩分控えめ。麺は玉子スープメンと同じものだと思う。
ご飯と並行して食べていたつもりなのだが、気付いたら麺が増えてる!? 


店主が勝手に替玉を追加…するワケはなく、元々の麺が多く、スープを飲んで減った分、増えたように見えたのだろう。
KTI、ごはん、ラーメンをどうにか食べ終え、腹パンパンの状態でお会計。帰路は往路より、約5分余計にかかった(苦笑)。

そしてつい数日前、初訪問から1ヶ月ほどしかたっていないが、早くも3度目の訪問。
この日は食事メニューのみ注文で、「ワンタン」550円と「ミニカレー丼」のセット250円に、「ミニかつ丼」400円も追加。
半チャーハンはないのに、かつ丼や親子丼の縮小サイズがあるのは面白い。
最初に来たのが、そのミニかつ丼。ちゃんとスープとたくあんも付いてきた。


和風出汁と玉子でとじた、カツは決して小さくなく、横アングルで見れば、ミニではなく立派なかつ丼である。


その直後に、ミニカレー丼も完成。かつ丼にも乗っていた、グリンピースが懐かしくていいね!


最後にワンタンが登場。かつ丼は食べかけだが、揃ったところで集合写真。


一瞬、食べ切れるか心配になったが、どれも味がいいのでスルスル胃に収まっていく。
ラーメンと同じ醤油味スープに入ったワンタンは、具ナシの昭和風ではなく、生姜風味のお肉がパンパンに詰まっている。


少し食べてから、単独画像を撮っていないことに気付いたが、ワンタンは計10個入っていた。


カレー丼は、人参やじゃがいもが入る家庭的なタイプ。かつを乗せて「ミニかつカレー」にしてみた。


ハシ、スプーン、レンゲを駆使し、ガツガツとたいらげ「ごちそうさまでした」。1200円で腹イッパイ、そして大満足である。

さっきも書いたが、味、量、価格、接客のすべてが素晴らしく、酒類も含めメニュー豊富で、衛生面も問題なし。
前回紹介した、白糸台の『やすいみ~と』と同様、末広さんも「混んでいる」以外は欠点が見当たらない…
あ、ひとつあった。「ミニ」「小」「少なめ」が信用できないこと(笑)。店頭の料理サンプルも、実際の量より明らかに少ない。
無論、お店に悪気はなく、「お客さんにお腹一杯になってもらいたい」という真心を、客としては素直に受け止めたい。
末広→広末から連想した、今回のブログタイトルは我ながら下劣だと思うが、お店のファンであることは事実なので、
僭越ながら、末広さんの末広がりな発展・繁栄をお祈りさせていただき、本稿の締めとする。



中華料理 末広
東京都三鷹市深大寺2-35-26
JR及び西武線武蔵境駅から徒歩約18分、西武線新小金井駅の方が少しだけ近そう
営業時間 11時~15時、18時~20時(ラストオーダー)
定休日 火曜、第一第三月曜
※容器代+30円で持ち帰りも可能
※※品切れ早じまいもある模様
コメント
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