「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

高さ制限越える土地を受け、知事「隠していたわけではない」、県幹部「さすがに土が盛られたとはいえない」

2008-10-24 20:15:07 | 静岡空港
昨日までに、立木だけでなく、高さ制限を超える可能性のある土地の存在が明らかになったのを受けて今日の新聞では関係者のコメントが並んでいたが、朝日新聞の県幹部の一人の発言「さすがに土が盛られたとはいえない」が県の体質を象徴している。
この責任逃れできる理由があれば絶対責任を認めないという不都合な真実の否認姿勢が「木が生長して伸びた」との知事の発言にもつながっている。
しかし、進展もあった国も県も未だ責任は認めていないものの、制限表面に抵触する問題の存在自体は認めたことで地権者の土地への立ち入りが認められ県による測量が昨日から始まったからだ。そうはいっても、伐採や土地の改変について決着したわけではもちろんない。
ただ、これにより、どの程度制限表面を超えているのかなど、話し合いの前提となる事実関係ははっきりする。

次は29日の県議会全員協議会。議会がしっかり県の説明責任と知事が認めていない二重(収用誤りとその隠ぺい)の過失責任を追及し、現に責任をしっかり取らせれば状況は変わってくる可能性がある。これがまさに議会に科された踏み絵。存在意義だけでなく開港の成否も問われることになった。

事業認定取消訴訟の準備書面で国と県が問題の存在自体は認めたことでもあり、ここでこの制限表面問題の場所を整理しておこう。
問題の個所が分からないという方のために最初にYahooの航空写真地図をリンクする。

http://map.yahoo.co.jp/pl?type=scroll&lat=34.800507&lon=138.16488613&sc=1&mode=aero&pointer=on

この航空写真中央が問題の立木(茶畑の左側の縦一列)の中心である。
空港建設地は写真右側に当たる。
航空測量のミスというが、はっきり立木は確認できる。
問題は、茶畑横の一列を残して後ろ側(空港とは逆側)の立木は収用対象であるという点だ。そちらの立木の方が空港から遠くしかも低いからだ。
続いて写真と同じ方向で表示した収用図面を見てもらいたい。


分かりやすく4色に区分しているが実際は、収用地、使用地、残地の3種類に分けられる。残地は言葉どおり収用対象から外れた部分(収用から残った部分)ということだ。

最初に問題とされた立木は茶畑横の黄緑部分であるが、さらに問題になっている可能性のある土地がS71地点(10月21日ブログhttp://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/281.htmlの写真の赤白の棒の立っている地点=青い杭の地点)付近から右に茶畑残地のふち沿いの盛り土部分である。

航空写真と見比べれば素人でも残地(収用対象外地)の形、特にS98地点を頂点とした三角形領域が異常と気づく。
これだけで、県の収用責任者や国の事業認定の責任者がしっかりチェックしていれば容易に発見できたはずの収用誤りであり、杜撰にして無責任ということが一目瞭然であろう。いったい誰がどのようなチェックをしたのか?専決者はどのような責任を果たしたのか?

知事や県は問題の存在を1年以上も前に認識しながら、地権者に対して問題の存在を一貫して否定し地すべり対策をさせてほしいというだけで月日を浪費してきた。いや、正しくはミスを隠ぺいするために県民に知られる前に解決しようと地権者に圧力をかけ続けてきたが安易な希望は当然のことながら結局失敗に終わったという方が適切だろう。
人は圧力や鼻先の人参で動く人間ばかりではないことを井の中の蛙の役人達には理解できなかった。
当闇奉行所としては、収用の範囲のミスそのものよりもこちらの方が重大な責任を負うべき事実であると裁く

29日には議会の追及を受ける以前に、県には自主的な説明責任とこれら一連の過ちの責任をとってもらいたいものである。
県も国も、日本だけでなく世界経済が崩壊しようとしているときに、開港を延期しようがしまいがお荷物確実なこんな空港に組織のエネルギーを取られている時ではないはずだ。