今日は予報に反して一日中曇りで気温も20度を下回っている。立冬から数日経ったがとても冬などとは言えない。第一紅葉がまだ十分ではない。来週の3連休あたりが見所であろう。これから新宿の病院に問診と検査の再予約に向かう。東京23区の最北部からだとかなりの距離である。ノンビリと構え、帰りには一人吟行と洒落込みたい。夕食は非正規雇用の哀しさで金券ショップにお世話になるがまた牛丼と豚汁になりそうだ。アカシアのロールキャベツはまだ遠くにある。 五円玉を拾ふ秋燕の贈り物 まほろば
マツコデラックスの虚空に遊ぶ懐手* 生きていたいアナログの空落葉焚く 病葉の散るスピードに燕去る 赤紙の黄ばむ月日の懐中手 懐手せずとも出郷の空紅し つぶやきシローの呟き秋燕の空つづく UFOの儚さ後の十三夜 蔦紅葉母をたずねて三千里 一葉落つ二葉落つ人生の機微つのる また生きて三鬼が奔るこの世の月*
ニュートウキョーのハンバーグランチ赤門祭* 僕の恋人東京へ行っちち いま最果て 続いていくまた反転す瀕死の我 ヨーヨーのピタっと止まり秋暮るる* 火のようなもの食べて訣れのことば吐く 二十世紀の誰も知らなない秋日記* ツベルクリン反応が陽性に秋の蝶* 鏡月に張り付く秋蝶の遥かな死 二百三高地の高倉健は凍死せず スサノヲの世紀の恋に宙(そら)揺らぐ
東京浅草の鷲(おおとり)神社の酉の市(一の酉)は大変な賑わいであった。18時に入谷駅に到着すると駅内に酉の市の客向けの張り紙がしてあり、地上に出ると鷲神社方向に長い人の列が出来ていた。列の中に昨年の大きな掻きこめ飾りを掲げた人々がコンスタントに混じっている。入谷方向に20分ほど進むと浅草国際通りの外れに出る。眼前には提灯の明かりが溢れていた。信号を渡ると社前までの長い人の列が待っていた。そこに加わること1時間やっとのことで鷲神社の酉の市に辿り着くことが出来た。それほど広くは無い境内の所狭しと掻きこめ飾りの出店がひしめき合い、その間隙を縫うようにして人の列がまた続いていく。とりあえず本殿前で参拝を簡単に済ませ、この日の目当ての【なでおかめ】を捜した。するとまた常時30名ほどの人の列である。境内の一角にひっそりと安置されている姿をイメージしていただけに驚きは半端ではなかった。やっとのことで私の順番が来ると私はこの【なでおかめ】を御祭神のひとつと見做し二礼二拍手の後慣例通り顔の要所を撫で、諸病平癒と大願成就の祈願を果たした。・・《続く》 なでおかめはたましいのいろ酉の市* まほろば
今日は久し振りに雲ひとつ無い秋晴れの一日である。もうしばらく室内で暖まりシャワーを浴びてJR駅まで歩く。ここで所用を済ませ予定通り地下鉄に乗る。上野の二つ手前の入谷駅で降りて20分ほど歩くと浅草国際通りの入谷交差点に差しかかる。そのすぐ右手千束側に鷲神社がある。今日11月10日は午前0時から翌午前0時までが酉の市(一の酉)である。名物なでおかめが社務所脇に置かれている。私の目当てはこの巨大おかめ面に他ならない。もちろん神道の徒である私は祭神への御挨拶は欠かさない。その上でのこのなでおかめ面との邂逅である。大御神の導きにより【母なるもの】に出逢い今年1年の安寧への感謝と来る1年への決意を文字通り母へ伝えるのである。 母なるものをかあさんと呼ぶ酉の市 まほろば