古物商  showa 土花亭

          効率性や利便性だけで埋め尽くされた今の時代。少しだけ時計の針をゆっくりと進めてみませんか。

時計修理について

2014年12月01日 | 時計

時計ばかり続いて恐縮ですが本来、時計修理屋でもないただの古物商。

でも、たまに時計の修理依頼が紛れ込んだりもします。

先日の「イングラハム八角時計/USA製」の件もあり、当店の商品なら未だしも人様のモノとなると

気を使います。

しかし、今回も依頼主から「どうしても」と頼まれ、現物を見せられると「何とかしてあげたい」と

思ってしまうのは古い機械モノ好きの性でしょうか・・・。

さて、今回の不動時計は「明治時計製丸型17インチ/OCUPIED JAPAN」

風防ガラスは割れて欠品、振り子無し、巻き鍵無し。

ムーブメントは完全固着、風切車破損、等々・・・。

ご覧の通り、油は青くなり固体化し完全に固着状態です。(あっ!モノクロ写真で分りませんよね)

いつものルーティンで固着は改善され、時計側は問題なく蘇るも時打ち側は色んな問題に突き当たる。

時打ちはするものの「風切車」の破損を修理後も上手く調子が出ない。

増してや、正時や半時の位置で時を打たないという、たまにある症状を持つ。

何とかそれらを改善し、テスト用振り子からいよいよ本振り子を装着し直しロングランテストへとステップアップ。

その間に風防ガラスを新調する。

通常、当時のガラス風防は2mm厚以下を使用されているものが多い。

現在の流通ガラスは3mm以上が普通で、2mmガラスとなると希少となります。

今回は何とか2mmガラスを探し当て新調出来ました。

先ずベニヤ板でフレームから型をとりガラスに移し替えカットして行きます。

そして、修理が終わった「明治時計製丸型17インチ/OCUPIED JAPAN(1945~1952製)」

修理依頼者の希望により木枠は蜜蝋磨きにとどめ手を加えず、風防フレームもあえて磨いておりません。

文字盤の状態は元から良かったためクリーング程度で見事に蘇ったため、剣は再塗装を施す。

 

しかし、人様の時計の修理は気を使います・・・。

 

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