時計としての機能を修理したところで、お次は木製外箱のレストア作業へ。
案外、こちらの方が手間が掛かったりもしますが、先ずは古い塗料を全て剥がす作業から。
一部、カケや欠損部分があった個所は木パテで修正を同時に掛けます。
そして、オイルステインを拭取り塗装の上、新しいクリアーニスを塗って終了です。
後は、内部の機械部分を組み込めばレストアも終了となります。
最も機械造形美が際立つセレクトピン部分。
今回は風防リムとセレクトピンのリムは磨いて金属の素地のまま仕上げております。
背面のエンブレムは珍しく良い状態を保たれていましたので見栄えも良いです。
当時の特許番号もはっきり読み取れます。
後、電源ケーブルは安全上、現在の物に取り換えましたがプラグ部分は珍しいマツダ純正オリジナルで
よく観察すると刻印が打ってあります。
そして、以前ご紹介した個体と並べてみます。
今回、レストアした個体にはメインスイッチが側面に装備されてないことが分ります。
どちらが古いかと考えると当然、メインスイッチがない方が古いと考えるのが普通ですかねぃ。
まぁ~どちらにしても70年は裕に超えている電気時計。あくまでも電化製品ですから
たまにプラグをコンセントに差し、楽しむ程度が妥当なのかも知れません。
マツダ セレクトスイッチ電気時計/昭和11年(1936)から戦前(1940)頃まで発売
戦争と共に電気の供給が不安定となり製造販売中止。