内鈴目覚ましの初期型コロナの次の機種として昭和10年代に登場した「ニューコロナ」。
埃まみれで外装も汚れた状態でshowa土花亭へ。
しかし、弱々しいものの辛うじて実働状態。
早速、ムーブメントを覗く。
クリーングと注油が終わった状態。
流石にこの時代の精工舎のムーブメントは目覚まし時計とは言っても一切、妥協はしていない。
約75年もの歳月の間に軸受をポンチで絞め、メンテナンスされた形跡が写真でもお分かり頂けるでしょうか?
それほど、昔は時計に対する持ち主の心構えが今とは違い、大切にされていたことが伺える。
そんな先人のためにも出来るだけ綺麗に磨き上げる。
特記すべきは、当時の「NEW CORONA」の文字盤(他に夜光銀、夜光蛇目)の内、
この「夜光黒干支」のみが「NEW CORONA」と表記すべきところが「SEIKOSHA」となる。
(これについての理由は不明)
流石に70年以上にも及ぶ経年により夜光塗料は劣化しておりますが、ご覧のように状態は良い。
当時のカタログより。
裏蓋の錆は出来るだけ取り除きましたが、点錆びは残っております。
精工舎NEW CORONA 夜光黒干支/昭和10年代後期: 非売品