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精工舎スリゲルシリーズの救出(後に29号と判明)

2017年05月03日 | 時計

出先で珈琲を飲みに入った「古道具と珈琲屋」さんで売りに出されていた精工舎のスリゲルシリーズ。

このスリゲルはたまに写真で見たことはあるのですが、カタログ上にものってなく多分、昭和初期頃になり

モダン路線に転換した頃の「スリゲル20号後半」の時代と思われる。

現状では時計側の発条に問題があり、時計修理屋に出すと相当な費用が掛かるということで

ジャンク品として安値で売られたいた。

早速、救出し持ち帰り修理に取り掛かる。

機械自体は綺麗な状態ではあるものの時計側の発条(ゼンマイ)に確かに問題がありゼンマイが巻けない。

かと言ってゼンマイが切れてはいない。。。

小一時間ほどの格闘の末、何とか修理を終えゼンマイを巻く。

(この段階で決して巻き切ってダメです。長年、伸びきったゼンマイを一気に巻くと切れる場合があるため。)

慣らし運転中にケースや文字盤のクリーング。

ケース裏には精工舎の時計にたまに見られる「意匠登録出願中」の焼き印。

セルロイド製文字盤のベース部の裏面には「昭和23年9月21日」の書き込み。

これについては時代が合わず多分、修理過程における日付けの書き込みと思われる。

ケースにセットし壁に掛けた状態での調整及び慣らし。

先ほども書いた通り、大正期から始まった「スリゲルシリーズ」も昭和初期に入ると宮飾り等も廃止され

飾りの部類も取り除かれ、シンプルかつモダンなデザインへと移行して行く。

セルロイド製の文字盤や振り子、そして欅製のケースは受け継がれるものの、特徴的なユンハンス型の剣などは

シンプルな物へと変換。

どちらかと言うと振り子室の扉にデザインの場を求めてゆく傾向となった戦前の昭和初期。

下は昭和8年の精工舎のカタログ(スリゲル24号~28号)

この辺りの時代の筈が中々、この機種がのっているカタログが見当たらない。。。

精工舎スリゲルシリーズ:セルロイド文字盤・八日巻き・時打式/製造:昭和初期

※後にスリゲル29号と判明。

 

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