前回の「手回し計算機/TIGER Calculating Machine基本型(戦前)が入荷」の後、先ずは外装を外し
固着でガチガチのギア類を解く作業から。
まぁ~、酷いものです・・・。全ての可動部が動きません。
欠品についてはお決まりの小さなマイナスボルトぐらいで、後は問題無さそうな雰囲気。
いくら基本、先ずは壊れない「タイガー計算機」とは言え、ここで無理にレバーを廻したりすると取り返しの
つかないようになるため、これでもかの注油後、数日放置し少しづつ加減をしながら可動部を動かしながら
機能確認も兼ねて動かして行きます。
そして、固着が解け機能が確認できたところで外装のお化粧直し。
左下映るゴム足は御覧の有様のため新品の代用品を用意。各ボルト類は洗浄後に磨きを掛けてあります。
前面上カバーの文字類が薄くなっていたのでこの後、墨入れ補色を施しそして組付け。。。
この個体の面白い所はカバー右下の表示が英語表記の「TIGER 」であるところ。
通常はカタカナで「タイガー」です。
このことについては理由は分かりませんが、後年(戦後)の「TIGER 」表記には「6×7×12」は存在しないため
後年の機種からの移植は考えられず、オリジナルであることは間違いないようです。
背面のカバーはこの時代特有のカタカナ表記の「タイガー」と各特許番号表示になっています。
毎回、申し上げますが兎に角この「戦前基本型」は小さくて可愛くもあります。
戦後から段々とダイアイル桁数も増えて行きましたので、単純に考えて「6×7×12」は戦後の「10×10×18」等の
約半分近くの桁数ですから、幅も半分強しかありません。
現状、計算機能も問題ない「虎印」の「TIGER Calculating Machine基本型(戦前)」になります。