古物商  showa 土花亭

          効率性や利便性だけで埋め尽くされた今の時代。少しだけ時計の針をゆっくりと進めてみませんか。

明治丸型17インチ時計/Occupied Japan

2014年11月10日 | 時計

レストアも終わりご紹介できるようになりました「明治丸型17インチ時計」(直径約43センチ)。

振り子は手持ちの振り子を改良し装備。

時打ち調整棒は手持ちのムーブメントから移植。

一旦、試運転のため振らせてみると半打ち(30分)が「6」の位置ではなく32分表示辺りで

打つことが発覚。

この調整には結構、手間取りましたが今では長針が真下へ来た時、「6」の位置で打つように

なりました。

剣留めはどうしても手持ちが無く、六角ナットにワッシャーを挟み装着。

剣(短針、長針)共、塗装で仕上げております。

時計を正面から見て、6時~12時の木枠には多分、長年の陽当りのせいか塗装が剥げ

劣化が観られましたのでボカシ塗装を施す。

8時あたりの木枠に写真の通り、木の収縮によるハジキが観られます。

いつも思うのですが「Meiji」のロゴはいいですね。

丸時計で一番の人気は「明治時計」であるのは、そのせいかも知れません。

そして悩むのが「寄贈ネーム」の取り扱い。消すのか残すのか・・・。

その判断はその字体と残存率によります。今回は残存率はほぼ100%。字体も良いので

残すことにしました。そして文字盤の出来る限りのクリーングを施す。

そして何より、この時計の特徴である「MADE IN OCUPIED JAPAN」

終戦後、占領下であった日本が「MADE IN JAPAN」を名乗れなかった1945~1952年の間に

作られた時計であることを証明しております。

かと言って、当時の時計は高価な物。

一般の住宅ではなく、何処かの公共的な建物(学校や役場等)の工事を請け負った工務店(河端工務店)が

完成竣工の折に寄贈したものと想像がつきます。

明治丸型17インチ時計/Occupied Japan:¥34,000-(送料別)  

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精密化学天秤/白井度量衡器製作所製

2014年11月06日 | 雑貨

修理も無事に終わり、この場でご紹介出来るようになった「白井度量衡器製作所製:精密化学天秤」。

先ずは「上皿の持ち手欠損」の修理。

片方の持ち手から型を取り、樹脂で再生して行きます。ここで注意しなければいけないのは

天秤を観察された方はご存じかと思いますが、実は受け皿と上皿は左右の指示がございます。

(理屈からいえば上皿については左右同じ質量、重さだと思うのですが・・・)

この天秤の場合は左が「1番」で右が「2番」。つまり、左右どちらでも良いわけではなく位置は

固定となり必ずしも左右同じ質量、重さではないということ。

樹脂で再生した後に上皿が左右釣り合うように再生した樹脂を削って行きます。

確実に重さが揃ったところで完成です。

次は「前面ガラス扉用ロック金物」の再生。

今回はゼンマイ式柱時計の振り竿を使って再生して行きます。

形的には前扉右側枠のノコギリ形状に合わせます。

そして装着。当然、マイナスビスにて固定です。

通常、精密化学天秤の場合、前扉は全開にはせず写真のように上皿のみを受け皿に載せたり

取り出したりする作業が常ですので、このロック機能は必需です。

この精密化学天秤の専用分銅は珍しく全て揃っているようです。

各所のディテールは非常に精密で出来が素晴らしいです。

当然、医療用秤としての使命があった「精密化学天秤」。今では「薬博物館」などでしか目にすることが出来ません。

しかし、今では「秤」自体の人気が高く、お部屋の片隅に何気なしにインテリアとして飾られる方も目にします。

その中でも「木枠ガラスケース」のものは小さな木製家具的な趣もあり人気が高いですね。

白井度量衡器製作所製:精密化学天秤(年代不明)/¥25,000-(送料別)

※上皿について、鼈甲かセルロイドかの判別は出来ませんでしたが、いずれかの物だと思います。

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明治丸型17インチ時計/Occupied Japanレストアへ

2014年11月03日 | 時計

丸型大時計では一番人気の明治時計製が入荷したのですが相当、手を加えなければいけません。

振り子、剣留め、時打ち調整棒、他欠品状態に木丸ケースの約半分に塗装劣化の17インチ(約43センチ)です。

針も短針長針とも錆びてボロボロ。寄贈ネーム入り文字盤等々・・・。

でも、「Occupied Japan」なんですよね・・・。終戦後間もない時期、「日本製(made in Japan)」を

名乗れない時代に生まれた大時計。

何とかして上げなければ・・・。

文字盤裏には1965年3月、蜂屋時計店の文字が書かれてます。

ムーブメントを確認すると時計側のゼンマイが交換されているようなので、きっとその時のものなんでしょう。

もし、この蜂屋時計店がかの有名な山形の「蜂屋時計店(明治14年創業)」であるとすると

恐れ多くて触る気もしないのですが、よくよく観ると「南町」の文字。

これは水戸市南町にある分家の「蜂屋時計店(創業昭和2年)」と思われます。 

「蜂屋時計店」:http://www.kodokei.com/ot_029_4.html

近いうちにレストアへ入ります。

 

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