アマゾンに注文していた映画『ハンナ・アーレント』のDVDと3冊の本が届いた。マルガレーテ・フォン・トロッタ監督がハンナ・アーレントの映画化を思い立ったとのは2002年12月、脚本家のパメラ・カッツと共にニューヨーク市内をバスで移動中の時だった。映画化にあたって、アーレントの著作、書簡などを全て読み、ニューヨーク時代のアーレントの友人や関係者への聞き取りを行う一方、資金調達のためにクランクインできたのは9年後の2011年10月16日。と解説にあった。
マルガレーテ・フォン・トロッタ監督は「アーレントの生涯と仕事の重要な部分は映画の中で割愛したくありませんでした。かといって、よくある伝記映画みたいに生涯のエピソードをあれこれ紹介するような構成にもしたくありませんでした」とインタビューに答えている。脚本家のパメラ・カッツとの間で何度も交わされたアーレントの生涯のどの部分を映画化すべきかの意見交換こそが、アーレントのいう「思考の能力」そのものではないかとインタビュー映像を見て感じたことである。
映画はアイヒマン裁判の前後4年間に絞り込まれて映画化されていた。活動の大半を思考が占めている「思考する女性」をいかに描くかという難しい課題を、思考する能力を自ら放棄したアイヒマンと対比させることで克服したように思う。
実際のアイヒマン裁判記録の映像を使ったことで、轟々たる避難を浴びたアーレントが指摘した「アイヒマンの無思考性と悪の凡庸」の本質が表現できていた。とは言っても、私自身、全くアーレントについて何も知らない。代表的な著作『人間の条件』を購入したが、一目見て難解な書物であることがわかった。ただ、個人と組織、国家のありようにつては20代の頃よりずっとこだわってきていることなので彼女の書物の中に考えるヒントがあるのではという期待はある。
そのために、矢野久美子さんと仲正昌樹の書かれた本を手引きとして、じっくり付き合っていきたい。
マルガレーテ・フォン・トロッタ監督は「アーレントの生涯と仕事の重要な部分は映画の中で割愛したくありませんでした。かといって、よくある伝記映画みたいに生涯のエピソードをあれこれ紹介するような構成にもしたくありませんでした」とインタビューに答えている。脚本家のパメラ・カッツとの間で何度も交わされたアーレントの生涯のどの部分を映画化すべきかの意見交換こそが、アーレントのいう「思考の能力」そのものではないかとインタビュー映像を見て感じたことである。
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実際のアイヒマン裁判記録の映像を使ったことで、轟々たる避難を浴びたアーレントが指摘した「アイヒマンの無思考性と悪の凡庸」の本質が表現できていた。とは言っても、私自身、全くアーレントについて何も知らない。代表的な著作『人間の条件』を購入したが、一目見て難解な書物であることがわかった。ただ、個人と組織、国家のありようにつては20代の頃よりずっとこだわってきていることなので彼女の書物の中に考えるヒントがあるのではという期待はある。
そのために、矢野久美子さんと仲正昌樹の書かれた本を手引きとして、じっくり付き合っていきたい。