素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

『もとの黙阿弥~浅草七軒町界隈~』(井上ひさし作)を大阪松竹座で

2015年09月07日 | 日記
 井上ひさしさんが、初めて大劇場での商業演劇に挑んで書き下ろされ、昭和58年に初演、平成17年に再演された『もとの黙阿弥』が9月1日から9月25日まで大阪松竹座で上演されている。昨日、久々に道頓堀に足を運び観てきた。雨模様であったが、相変わらずの人の流れであった。
  井上作品はいつものように予備知識ゼロで見ることにしている。3年前に見た『芭蕉通夜舟』がそうであったように、見終わってからどさっと宿題をもらう。芭蕉については今だに学びが続いている。かなり芭蕉については自分の中で深まってきたと思っている。このタイミングで再演があると嬉しいのだが一人芝居に果敢にチャレンジした坂東三津五郎さんが亡くなってしまった。果たして代わりの人は出てくるのだろうか?と世の無常をあらためて感じ入る。

 それはともかく、『もとの黙阿弥~浅草七軒町界隈~』もたくさんの宿題をもらってきた。時代設定の明治20年はどんな時代だったのだろうか?歌舞伎狂言作者河竹黙阿弥とはいかなる人か?タイトルの『もとの黙阿弥』は故事名言の「もとの木阿弥」が念頭にあったと思うが、はて何を意味するのか?など喜劇に大いに笑った一方で頭の中ではわからないことがグルグルまわり難しい顔をして劇場を出たのである。

 それらについては日を改めておいおい書いていきたい。

 芝居の中身の他に主な出演者が多彩な分野から集まっていることも興味あるところだった。歌舞伎の片岡愛之助、女優の貫地谷しほり、床嶋佳子、関西ジャニーズJr.の浜中文一、モデルから転身した大沢健、劇団出身の酒向芳、渡辺哲、劇団新派の波乃久里子、宝塚歌劇団出身の真飛聖、大衆演劇の早乙女太一とさまざまな分野で存在感のあるメンバーによる化学反応も劇にエネルギーをもたらす。

 予想外の面を見せてくれたのが早乙女太一だった。これが収穫。テレビドラマでよく見ている床嶋佳子の声は好きだったが、舞台の立ち姿も綺麗だと思った。もともとはクラシックバレエで賞に輝き活躍していたというプロフィールを見て納得。
コメント
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