素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

言葉との出会い・「がんと心」より

2015年09月09日 | 日記
 秋雨前線の動きに気を取られていたら台風18号がいつの間にか接近してきたという感じだった。いつもに比べて事前の情報は少なかったように思われる。ニュースを見ていると鳥羽市の様子が再三映像で流されていた。志摩の実家が気になったので10時過ぎに電話を入れたが元気そうな母の声が聞こえ安心した。実家の方は鳥羽ほど風雨ともひどくなかったと言っていた。伊勢の叔母からもその前に安否の電話があったみたいで、伊勢市のほうは五十鈴川下流で浸水の被害が出たそうだ。来週の木、金と実家に帰る予定なので天気の回復を願っている。

 旅行やちょっとした用事などがあり、9月に入ってから落ち着いてジムに通えなかった。今日は12:20からスタジオでピラティスのレッスンに入り、夕方までの3時間余りじっくりと取り組むことができた。思いっきり汗を流すとスカッとする。

 アークトレイナーを使い有酸素運動のステップをやりながらノジュール9月号を読んでいると、「帯津良一先生のときめき養生訓」という連載で心に残る言葉と出会った。このコラムは毎月楽しみにしているが今月は「がんと心」がテーマである。

 その中で、がんの心理療法として世界的に評価の高いサイモント療法を考案したO・カールサイモント博士の講演での言葉を紹介している。

 『がんを克服するためには 絶対に生き抜くぞ、治ってみせるぞという強い信念が必要です。でも、それだけ考えていたのでは執着になり、かえって逆効果です。執着にならないためには、絶対に治るぞという心の中にいつでも死ねるぞという心を同居させることが大切です。この二つの心が絶妙のバランスをとって同居できた時、自然治癒力が発露するのです。』

 これは内田樹さんがよく言っている武道用語の『居着く』に通じるものがある。本来は恐怖や緊張のあまり足の裏が地面に貼り付いて身動きならない状態を指すのだが、武道以外にも広くとらえると「ある対象やある文脈に意識が固着して、それ以上広いフレームワークへの切り替えができなくなってしまうこと」となる。視野の狭い、発想の転換ができない状態に陥ると言っても良い。

 武道に限らず、教育であれビジネスであれ恋愛であれ、人間と人間が出会うときは、「先に居着いた方の負け」だと内田さんは『勝負』の基本構造を説く。

 自分の体(健康)と向き合った時も同じではないかとO・カールサイモント博士の講演での言葉を読んで思った次第。
コメント
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