週1回「学年だより」を発行するようになったのは教員生活15年目に入った時だった。以来、そのスタイルは退職するまで続いた。「2月は始動の月」というタイトルは毎年変わることなく2月の最初の号につけてきた。
私の青春時代、サントリーのブランデーのラベルにあった「V.S.O.P」は、大人を感じる憧れ的な存在だった。後で知ったのだが、 このアルファベットはブランデーのクラス分けの表示で、透明感のある琥珀色に由来する熟成感の高さをあらわしている。「V.O」「V.S.O」「X・O」なども同じく英文の略号で等級を示しているが、商品によっては「ナポレオン」「エクストラ」などと表示するものがあり、国際的に統一された基準はないようだ。
ブランデーの「V.S.O.P」は、【Very:非常に、Superior:優良な、Old:古い、Pale:透きとおった】の略語だが、これをもじって「学校で通信活動を継続するには「V.S.O.P」を恐れるな」といった人がいた。同じことの繰り返しを恐れて、「新しい話題を!」と考えてしまうとネタ切れになって挫折してしまう。「生徒にまた言っていると思われるようになるぐらいでいいのだ。だって本当に大切なことは多くないし、不変だから」と一人の校長先生の朝礼での話を例に出された。
その校長先生は、登下校時に交通安全の大切さを伝えるため毎回「右見て、左見て、もう一度右見て 道路は横断」とジェスチャーを入れて話し続けたという。入学以来ずっとこの話を聞かされてきた子どもたちはいつのまにか同じような所作で道路を横断するようになっていた。という笑い話のような話である。まさに『Very Special One Pattern』、「V.S.O.P」を恐れるなですよ。
極端な話であったが、一面の真理をついていると思い、肩の力が抜けたような気がした。1月は新年を迎えた月、3月は卒業の月、4月は入学、新生活が始まる月という中で、2月は谷間のような存在だった。生徒に2月とは?をどう伝えるかと考えた時、「始動」という単語がひらめいた。
プロ野球のキャンプが解禁となるのが2月1日、来たるべきシーズンに向けて新チームが準備を開始する。私立大学の一般入試が始まる。私立高校の一般入試の出願も2月の声とともに本格化する。4月からの新しい学生生活の場を決めるために動き出す。中1であれば中堅学年として、中2であれば最高学年としての生活に備えての助走を開始する月ととらえればいい。
そういう思いをもろもろ込めて「2月は始動の月」となった。
「日本の七十二候を楽しむ~旧暦のある暮らし~」(東邦出版)には、新暦の1月30日~2月3日頃は大寒~鶏始めて乳す(にわとりはじめてにゅうす)~とあった。鶏が卵を産み始める頃。という意味で、かつては今と違って温度管理のされていない放し飼いの環境だったので鶏の産卵期は、春から夏にかけてだったと解説があった。納得。
私の青春時代、サントリーのブランデーのラベルにあった「V.S.O.P」は、大人を感じる憧れ的な存在だった。後で知ったのだが、 このアルファベットはブランデーのクラス分けの表示で、透明感のある琥珀色に由来する熟成感の高さをあらわしている。「V.O」「V.S.O」「X・O」なども同じく英文の略号で等級を示しているが、商品によっては「ナポレオン」「エクストラ」などと表示するものがあり、国際的に統一された基準はないようだ。
ブランデーの「V.S.O.P」は、【Very:非常に、Superior:優良な、Old:古い、Pale:透きとおった】の略語だが、これをもじって「学校で通信活動を継続するには「V.S.O.P」を恐れるな」といった人がいた。同じことの繰り返しを恐れて、「新しい話題を!」と考えてしまうとネタ切れになって挫折してしまう。「生徒にまた言っていると思われるようになるぐらいでいいのだ。だって本当に大切なことは多くないし、不変だから」と一人の校長先生の朝礼での話を例に出された。
その校長先生は、登下校時に交通安全の大切さを伝えるため毎回「右見て、左見て、もう一度右見て 道路は横断」とジェスチャーを入れて話し続けたという。入学以来ずっとこの話を聞かされてきた子どもたちはいつのまにか同じような所作で道路を横断するようになっていた。という笑い話のような話である。まさに『Very Special One Pattern』、「V.S.O.P」を恐れるなですよ。
極端な話であったが、一面の真理をついていると思い、肩の力が抜けたような気がした。1月は新年を迎えた月、3月は卒業の月、4月は入学、新生活が始まる月という中で、2月は谷間のような存在だった。生徒に2月とは?をどう伝えるかと考えた時、「始動」という単語がひらめいた。
プロ野球のキャンプが解禁となるのが2月1日、来たるべきシーズンに向けて新チームが準備を開始する。私立大学の一般入試が始まる。私立高校の一般入試の出願も2月の声とともに本格化する。4月からの新しい学生生活の場を決めるために動き出す。中1であれば中堅学年として、中2であれば最高学年としての生活に備えての助走を開始する月ととらえればいい。
そういう思いをもろもろ込めて「2月は始動の月」となった。
「日本の七十二候を楽しむ~旧暦のある暮らし~」(東邦出版)には、新暦の1月30日~2月3日頃は大寒~鶏始めて乳す(にわとりはじめてにゅうす)~とあった。鶏が卵を産み始める頃。という意味で、かつては今と違って温度管理のされていない放し飼いの環境だったので鶏の産卵期は、春から夏にかけてだったと解説があった。納得。