shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

白山テント泊お花見ハイキング その③ 観光新道前編

2022-08-02 05:30:17 | 山行・旅行
その②で、標高1250mの別当出合から、標高1680mの別当坂分岐まで登ってきた。ここで白山禅定道(旧越前禅定道)が合流する。
白山には古来3つの禅定道(登山道)があり、そのうち越前国の白山平泉寺(福井県勝山市)を起点として御前峰を目指す道が越前禅定道だ。白山観光協会が発行する公式パンフレットによると、観光新道は別当出合を起点として室堂を終点としているが、ここからは旧越前禅定道が観光新道と名前を変えて使われている。
一方、旧越前禅定道のうち、市ノ瀬から別当坂分岐までの間は、名前を白山禅定道と変えたという訳だ。
いずれにしても、観光新道のうち景色が良くてお花も楽しめる尾根歩きはここからだ。

■1日目(7月23日、雨のち曇りのち晴れ) 1枚目の地図参照。コースタイム5時間50分。
別当出合→別当坂分岐→(観光新道)→殿ヶ池避難小屋→黒ボコ岩→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→(エコーライン)→エコーライン分岐→(南竜道)→南竜山荘→南竜ヶ馬場野営場(泊) (赤字部分が今日ご覧いただく範囲。)




雨に濡れた尾根道だが、よく整備されていて滑りやすい岩もほとんどない。
道の両側に咲くお花を楽しみながらゆっくりと登る。


ハクサンシャジン(キキョウ科ツリガネニンジン属)は、ツリガネニンジンの高山型変種とされてきた。しかし両者の決定的違いは無く、変種として認めない説もあるようだ。
観光新道で多く観られる植物のひとつだ。


シモツケソウ(バラ科シモツケソウ属)も観光新道でたくさん見られ、木本のシモツケ(バラ科シモツケ属)と並んで見られるところもあるが、今回ツーショットは見なかった。


こちらはオンタデ(タデ科オンタデ属)の雄株のようである。御嶽山(おんたけさん)で最初に発見されたことからこの名がついた。
立山にはオンタデもウラジロタデもあるが、白山にウラジロタデはない。逆に白馬岳にはウラジロタデだけがある。


こちらの低木は、ミヤマホツツジ(ツツジ科ホツツジ属)だ。白山にはツツジ科の低木が多くある。


ノリウツギ(アジサイ科アジサイ属)が現れた。標高の低い所でも見ていたので、この樹木の垂直分布幅は大きいようだ。


ゴゼンタチバナ(ミズキ科ミズキ属)が現れた。ゴゼンタチバナの名は白山の御前峰に由来している。


ヨツバヒヨドリ(キク科ヒヨドリバナ属)はこの尾根の東側に多く群生していた。


仙人窟と呼ばれる岩の間をくぐると、室堂まで3kmの標柱があり、さらにすぐに七ツ坂の標柱が現われる。
ここまでで室堂までの距離の半分を過ぎたことになるが、今日は時間に余裕があるので数字は気にせず歩いていた。
 

この辺りから多く観られたのがミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属)だ。
平地のダイモンジソウより全体が小さく、葉や花茎に毛がほとんどないのが違いとされている。
白山の亜高山帯で咲いているのは、すべてミヤマダイモンジソウと考えてよい。


この辺りでもきれいなクガイソウ(オオバコ科クガイソウ属)がぽつぽつ見られた。


こちらはシナノオトギリ(オトギリソウ科 オトギリソウ属)のようである。
シナノオトギリと同属のイワオトギリとの違いは花だけを観ても分からない。
葉に黒点が多いものがイワオトギリだが、写真を拡大して観たところ黒点が目立たないので、シナノオトギリのように思えた。


こちらはハクサンオミナエシ(スイカズラ科オミナエシ属)だ。数は多くないが、毎年この辺りで観られる。


イブキトラノオ(タデ科イブキトラノオ属)も観光新道に多い花だ。
かつて観光新道で一面に咲くイブキトラノオの大群落を観たが、今回はそこまでの群落は見なかった。


最後はキヌガサソウ(シュロソウ科キヌガサソウ属)。
名前は、放射状に並ぶ葉の様子を奈良時代の高貴な人にさしかけた衣笠に見立てたことに由来する。
観光新道でこの花が咲いているのを見ると、殿ヶ池避難小屋が近い。


殿ヶ池避難小屋には9時35分に到着した。重い扉を開けて中に入ったが、誰もいなかった。
ザックを下ろし、窓を開けて換気した。雨具を脱いでハンガーに架け、湯を沸かしてコーヒーを淹れた。
すると下からの登山者が入ってきた。日帰りで周回するらしい。

この日は朝食を買い忘れていた。コンビニへ寄っておにぎりを買うつもりが、寄れなかったのだ。
そこで昼食を朝食に回し、不足する食料を山小屋で調達することにした。おにぎり2つ分の荷物が軽くなった。
最近はカップ麺やレトルトご飯だけでなく、おかずや嗜好品も山小屋で買える。
山小屋にとってもそれが経営の一助になるのなら、登山者は積極的に使っていけばいいように思う。いかがなものだろうか。

白山テント泊お花見ハイキング その④ 観光新道後編 に続く。
コメント (12)
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