shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

白山テント泊お花見ハイキング その⑨ 御前峰登頂(後編)

2022-08-09 05:25:44 | 山行・旅行
その⑧では、室堂まで登ってきた。
5時55分に鳥居をくぐり白山比咩神社の祈祷殿に参拝する。御前峰山頂までのコースタイムは40分だ。


今一度、2日目の行程を見ておこう。計画では南竜からお花松原を往復し、再び南竜に泊まるつもりでいた。ところが実際は下記のようになった。
理由は後ほど説明する。
■2日目(7月24日、快晴のち曇り) コースタイム9時間35分。
南竜ヶ馬場野営場→(南竜道)→エコーライン分岐→(エコーライン)→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→白山室堂→御前峰→お池めぐり分岐→大汝峰下の分岐→(中宮道、途中まで)→大汝峰下の分岐→お池めぐり分岐→白山室堂→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→(エコーライン)→エコーライン分岐→(南竜道)→南竜ヶ馬場野営場→(油坂)→油坂の頭→(石徹白道)→御舎利山分岐→別山→御舎利山分岐→チブリ尾根避難小屋(泊)
(赤字部分が今日ご覧いただく範囲。)

地図はハイキングマップ(白山ベストガイドから引用)と、YAMAPの歩跡(2日目途中から3日目終了まで)を併せてご覧いただきたい。
 

さて、御前峰山頂に至る道もよく整備されている。道の両脇にはたくさんのお花が咲いていた。後述するがこれには人手が関わってきている。
ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)。


ミヤマキンポウゲ(キンポウゲ科キンポウゲ属)。


ミヤマクロユリ(ユリ科バイモ属)。先にクロユリと書いたが、山渓ハンディ図鑑8を見るとミヤマクロユリに該当するので、それに従うことにする。




60~70年ほど前の写真を見ると、室堂周辺にテントが多数張られていた。また聞いた話では、燃料としてハイマツが伐採されていたようだ。
私が初めて白山に登ったのは半世紀あまり前だが、室堂周辺でミヤマクロユリの群落を見た記憶はない。
室堂周辺では1973年より植生の復元事業が行われてきた。先ず登山道が整備され、登山道以外への立ち入りが禁止された。裸地にワラやムシロが敷かれ、植物の種が播かれた。
播種された植物種として、ヒロハノコメススキ、コバイケイソウ、オンタデ、ハクサンボウフウが使われたようだ。
次に、植物の移植も行われた。この移植工にはヒロハノコメススキが使われたようだが、コメススキ、ショウジョウスゲなど他種の草本が混入したとのことである。
近年、室堂周辺のハイマツも復活し、また播種や移植された植物以外の、ミヤマクロユリやハクサンコザクラの数が増えているのを見ると嬉しいものだ。

さて、ペースを維持して登っていく。
ウラジロナナカマド(バラ科ナナカマド属)。


振り返ってみよう。別山を背景にした室堂の定番のショットだが、山頂からの展望よりこの辺りからの眺めが好きだ。
すぐ後に団体客が登ってきていた。追いつかれないようにしよう。


クルマユリ(ユリ科ユリ属)。


真上から見るとこんな感じ。


イワツメクサ(ナデシコ科ハコベ属)。




イワギキョウ(キキョウ科ホタルブクロ属)。


ミヤマゼンコ(セリ科エゾノシシウド属)。


高天原(標高2585m)まで登ってきた。一息つきたいところだが、団体客が来ているので足を止めず進んだ。
 

6時35分、御前峰(標高2702m)に登頂。コースタイム通りの時間だった。先ずは山頂の奥宮にお詣りする。


大汝峰(標高2684m)を背景にした定番ショットだ。意外と山頂は人が少なかった。
お日の出を山頂で見た人たちは、既に下山している。それに室堂では、この時間が朝食のはずだ。


振り返っての1枚。背景に北アルプスが見える。


別山と手前の室堂平。この時点では、この日のうちに別山まで行くことになるとは、思ってもみなかった。


山頂を去してお池巡りコースへ進む。
剣ヶ峰(標高2677m)。ここへは登山禁止となっている。


大汝峰(標高2684m)。2つの池に挟まれるようにして登山道が見える。


再び剣ヶ峰。お池巡りコースはザレ場が続き、浮き石も多いので注意して歩く。


振り返って御前峰の北西斜面。


油ヶ池。


紺屋ヶ池には雪が残っていた。


ベンガラに従って雪上を進む。


油ヶ池と御前峰。


翠ヶ池。


イワカガミ(イワウメ科イワカガミ属)。緑色の葉を見ると鋸歯が少なくコイワカガミかと思ったが、赤色の新しい葉を見ると鋸歯の数が多いのでイワカガミだろう。


翠ヶ池と背景の北アルプス。右端は乗鞍岳、中央右よりに槍・穂高連峰、左よりに剱・立山連峰が見える。白山でもっとも好きな景色の一つだ。


三たび剣ヶ峰。


翠ヶ池近くの、チングルマ(バラ科チングルマ属)の群落。イワカガミが混じっている。


御前峰。


四たび剣ヶ峰。


お池巡りコースを離れ、中宮道へ向かう。正面は御前峰の御宝庫。


まもなく大汝峰下の分岐だ。まっすぐ進むと大汝峰、左折すると大汝峰を巻いて七倉山へ、中宮道はここを右折へする。


中宮道に入ってしばらくは平坦な道を歩く。


ミヤマタネツケバナ(アブラナ科タネツケバナ属)。


大汝峰の東斜面から雪渓となり、これがヒルバオ雪渓に続いている。


登山道はその南を進む。


途中で2人の女性とすれ違った。中宮道を歩いてきたのかと尋ねると、お花松原へ行こうとしたが急斜面なので引き返したとのことだった。
急斜面は承知だが、少し不安になった。
イワツメクサ(ナデシコ科ハコベ属)だ。


登山道が雪渓に向かって急降下していく辺りで、シナノオトギリ(オトギリソウ科 オトギリソウ属)が数多く咲いていた。




さらに進むとヒルバオ雪渓に大量の雪が残っていた。


ヒルバオ雪渓を越えると、その先に中宮道が続いているのが見えていた。そしてその先にさらに雪渓があった。どうやらその辺りがお花松原のようだった。


雪渓に至るには急斜面を300mほど下らなければならない。その後に雪渓のトラバースだ。そこを越えてもお花松原はまだ雪の下かもしれない。
既に斜面を50mほど下っていたが、ここはどうやら引き返した方が良さそうだと思った。さっきの女性たちの方が決断が早くて賢かったように思えた。

今回の計画では3日目が長い。天候や疲労の状況によっては別山を諦めて、砂防新道で別当出合に下りることも視野に入れていた。
ならば、お花松原を諦めて今日のうちに別山へ向かい、チブリ尾根避難小屋で泊まるのはどうだろうか。
そうと決まればここに長居は無用だ。私は来た道を引き返した。
白山テント泊お花見ハイキング その⑩ 別山への道 へ続く。


8月10日は植物クロスワード(26)です。
白山テント泊お花見ハイキングの続きは、8月13日に再開します。
コメント (12)
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