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こんな読後感は初めて!「パレード」by吉田修一

2015年11月02日 | 小説レビュー
~都内の2LDKマンションに暮らは男女四人の若者達。上辺だけの付き合い?私にはそれくらいが丁度いい」。
それぞれが不安や焦燥感を抱えながらも、“本当の自分”を装うことで優しく怠惰に続く共同生活。
そこに男娼をするサトルが加わり、徐々に小さな波紋が広がり始め…。
発売直後から各紙誌の絶賛を浴びた、第15回山本周五郎賞受賞作。「BOOK」データベースより


同僚からすすめられていた「パレード」を何の先入観もなく読み始めました。

2LDKのマンションで共同生活を送る男女四人(途中から五人)の物語です。

登場人物の男女それぞれに物語があって、「○○○○編」というように、短編集のようで繋がっているストーリーです。

とても個性的なルームメイト達ですが、薄い絆で、互いに干渉しすぎることなく、淡々とした日々が過ぎているように見えます。

が、それぞれに意外な内面を隠し持っていて、細かい事件が起こるので、物語にドンドン引き込まれていきます。

そして、最終章では「ええっ!」ってビックリすることになるんですが...。

結局、何にも解決されませんし、ウヤムヤのまま終わっていきます。

普通の小説なら「なんやねん!物語を広げるだけ広げて、何にも解決してへんやん!」って、なるんですが、この「パレード」には、そんな感情はわいてきませんでした。

むしろ「これで良かったんちゃう?」と、思ったぐらいの不思議な読後感です。

吉田修一さんの「さよなら渓谷」と、「パレード」を立て続けに二作読みましたが、「ドロドロ」と「サラサラ」のような、全く別の人が書いたように思えます。

まぁ、色んな意味でオススメします。

★★★☆3.5ですね。