『マークスの山 上・下巻』by髙村薫
~「俺は今日からマークスだ!マークス!いい名前だろう!」―精神に「暗い山」を抱える殺人者マークス。
南アルプスで播かれた犯罪の種子は16年後発芽し、東京で連続殺人事件として開花した。
被害者たちにつながりはあるのか?姿なき殺人犯を警視庁捜査第一課七係の合田雄一郎刑事が追う。直木賞受賞作品。「BOOK」データベースより
小説好きなら、誰もが一度は耳目に触れたことのある作品名だと思います。そして髙村薫氏の名前も見たことがあるでしょう。
上下巻あわせて750ページのミステリー大作です。殺人犯であり脅迫者である水沢(マークス)と、それを追う刑事・合田の物語です。
読んでいくうちに犯人の目星はすぐに立ちます。「さて、これを警察がどのうように追い詰めていくのか?また、チーム『M・A・R・K・S』の抱える闇と謎をどう解き明かすのか?という意味ではミステリー小説といえるでしょう。
しかし、読み終えた後の納得感は少なく、時間だけを浪費させられたというような徒労感がありました。
なんせ登場人物が多い。特に警察関係者の変なニックネームが出てくる度に緊張感が削がれ、盛り上がりに水を差します。
またチーム『M・A・R・K・S』のRがわからず、最後までモヤモヤしましたが、林原をリンバラと読ませるとは、不親切であると思いました。
色んな登場人物にそれぞれ味付けをしており、セリフや行動にも余計な描写が目立ち、色んな要素が混ざり合って、何の味かわからなくなってしまうような、まさに焦点がボヤけた感じがしました。
もっとシンプルに、もっと大胆に、対立軸を際立たせると良かったのかも知れません。広げすぎた為に、こぼれた荷物も多く、伏線も回収されず、水沢が脅迫に至った経緯や、最後のネタばらしが故人の遺書によって暴かれる形など、結末ありきの展開に少々強引さを感じました。
期待が大きかっただけにエンディングもイマイチで落胆の方が大きかったです。
★★☆2.5です。
~「俺は今日からマークスだ!マークス!いい名前だろう!」―精神に「暗い山」を抱える殺人者マークス。
南アルプスで播かれた犯罪の種子は16年後発芽し、東京で連続殺人事件として開花した。
被害者たちにつながりはあるのか?姿なき殺人犯を警視庁捜査第一課七係の合田雄一郎刑事が追う。直木賞受賞作品。「BOOK」データベースより
小説好きなら、誰もが一度は耳目に触れたことのある作品名だと思います。そして髙村薫氏の名前も見たことがあるでしょう。
上下巻あわせて750ページのミステリー大作です。殺人犯であり脅迫者である水沢(マークス)と、それを追う刑事・合田の物語です。
読んでいくうちに犯人の目星はすぐに立ちます。「さて、これを警察がどのうように追い詰めていくのか?また、チーム『M・A・R・K・S』の抱える闇と謎をどう解き明かすのか?という意味ではミステリー小説といえるでしょう。
しかし、読み終えた後の納得感は少なく、時間だけを浪費させられたというような徒労感がありました。
なんせ登場人物が多い。特に警察関係者の変なニックネームが出てくる度に緊張感が削がれ、盛り上がりに水を差します。
またチーム『M・A・R・K・S』のRがわからず、最後までモヤモヤしましたが、林原をリンバラと読ませるとは、不親切であると思いました。
色んな登場人物にそれぞれ味付けをしており、セリフや行動にも余計な描写が目立ち、色んな要素が混ざり合って、何の味かわからなくなってしまうような、まさに焦点がボヤけた感じがしました。
もっとシンプルに、もっと大胆に、対立軸を際立たせると良かったのかも知れません。広げすぎた為に、こぼれた荷物も多く、伏線も回収されず、水沢が脅迫に至った経緯や、最後のネタばらしが故人の遺書によって暴かれる形など、結末ありきの展開に少々強引さを感じました。
期待が大きかっただけにエンディングもイマイチで落胆の方が大きかったです。
★★☆2.5です。