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『アミダサマ』by沼田まほかる

2019年12月17日 | 小説レビュー
『アミダサマ』by沼田まほかる

~幼子の名はミハル。産廃処理場に放置された冷蔵庫から発見された、物言わぬ美少女。
彼女が寺に身を寄せるようになってから、集落には凶事が発生し、邪気に蝕まれていく。
猫の死。そして愛する母の死。冥界に旅立つ者を引き止めるため、ミハルは祈る。「アミダサマ!」―。
その夜、愛し愛された者が少女に導かれ、交錯する。恐怖と感動が一度に押し寄せる、ホラーサスペンスの傑作。「BOOK」データベースより


沼田まほかる氏の作品は好きなんですが、これは少し趣が違って「ホラーサスペンス」とのことでした。
割と好きなジャンルなんで、プロローグから「グンっ」と引き込まれました。

しかしながら、段々とイマイチ感が漂い始め、「大丈夫かこれ?」と不安になりながらも、沼田さんの文章が上手なので、最後まで読みきることが出来ました。

結論から言うと、駄作の部類に入ると思います。ミハルの思念や行動の謎が謎のままで、お母さんも、村の人もおかしくなっていくんですが、その原因がぼやけていて、なんとも伝わりません。

だいたい、どんな作品でも、レビューの評価は、ある程度偏った評価になるんですが、(例えば、★5が20%、★4が30%、★3が40%、★2が10%で、★1が数%という感じです)この作品は、レビューを見てみても、★1~★5までが20%ずつぐらいの割合で綺麗に分かれていて、こんなに綺麗に分かれているのは珍しいですね。

色々な要素が含まれている作品ですし、面白みも多く、感心する内容もあるのですが、それによって、一つひとつのテーマが薄くボヤけてしまっているように感じ、「結局、何を伝えたかったんやろ?」と思わずにはいられません。

期待が大きい作者さんだけに残念でした。

★★☆2.5です。