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感染列島 パンデミック・イブ 』by吉村 達也

2020年04月04日 | 小説レビュー
『感染列島 パンデミック・イブ』by吉村 達也 (著)

~約10年前にその脅威が確認されたH5N1鳥インフルエンザ―かつてない強毒性のウイルスが変異を遂げて人を宿主としたとき、人々は多臓器不全を起こして死に至る恐怖のパンデミック(地球規模の爆発的感染)に襲われる!映画「感染列島」につながる第一のパニックは、決して近未来のフィクションではない。まもなく起こる現実だ。「BOOK」データベースより


コロナウイルス感染症の蔓延により、時まさに、感染列島と化しつつある日本・・・。思わず図書館で借りてしまいました。

とっても読みやすい本で、あっという間に読み終わりました。映画化もされている本作ですが、はっきり言って駄作と言えるでしょう。

鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)から変異した、人間が感染すると、ほぼ即死ともいえる毒性の強い新種のウイルスによる脅威を描きつつ、その感染源には、ムンクの叫びという名画がキーとなっており、さらにはフランスに留学経験のある出版社に勤めるヒロインと、売れっ子ミステリー作家の主人公との恋、そして、その血族には有名政治家、大病院の院長。舞台はヨーロッパ、東京、京都祇園、北海道、沖縄など、これでもかという要素を入れまくっております。

まぁ、これだけ入れ込むと、その結果「何を描きたかったん?」ということになりますわね

書評でも酷評されており、ある方のレビューにも・・・、

「要はタイトルから期待する相当の緊迫感がないのだ。主題が恋なのか、絵画に秘められた謎なのか、H5N1型ウイルスなのか、パンデミックのパニックなのか、どれかに絞って欲しかった。」

とあります。まさに同意見です

言いたいことはたくさんありますし、突っ込みどころも満載ですが、「感染症は恐ろしい。日本の感染症対策は万全なのか?」ということを改めて考えさせられる作品であることは言えると思います。

★★☆2.5です。