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ミステリーとしても一級品!『暗幕のゲルニカ』by原田 マハ

2021年09月11日 | 小説レビュー

『暗幕のゲルニカ』by原田 マハ 

~ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。
MoMAのキュレーター八神瑶子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。
故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。
ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑶子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。怒涛のアートサスペンス!「BOOK」データベースより
 
原田マハさんの作品は、どれも面白く、読みやすく、そしてタメになります!
 
そして、今回の『暗幕のゲルニカ』ですよ!ピカソのゲルニカ自体が大変有名な作品であり、ピカソの代表作とも言えるので、この作品自体は知っていましたが、この小説を読んで、ピカソのが制作に傾けた情熱、平和への想いが込められた作品だったんだろうなと思いました。
 
実物は、縦349 cm × 横777 cm ですって!
 
京間と団地間、また江戸間とは若干のサイズの違いはありますが、6畳間の縦が350cmぐらいなんですね。横が250cmとすると、六畳間が3部屋続きである18畳の大広間を想像してください!そんな巨大壁画を約1か月で完成させたんですって!
構図を決めるのには時間がかかったみたいですが、描きだしたら早いんですね
 
いずれにしても、この大作『ゲルニカ』を巡る、国際的なミステリー小説に仕上がっている今回の作品は、最後にはアッと驚く仕掛けが用意してあり、ミステリー作品としても一級品です。
 
ぜひとも楽しんで読んでください。
 
★★★☆3.5です。