オリンピックが終了しました。私たちの多くはまだその余韻の中にいます。すでに選手たちも自国に帰りましたが、世界各地で、オリンピックに纏わるエピソードが報道されています。たまたま入手したものをご紹介してみたいと思います。
昨日(8月13日)シンガポールの新聞を見ていたら、オリンピックに関連するいろんな記事が出ていました。シンガポールの代表的新聞である“The Straits Times”に出ていた記事です。
100メートルハードルで金メダルに輝いたジャマイカのパーチメント選手は、準決勝のレース当日、誤って競泳会場に向かってしまったのですが、たまたまそこにいたボランティアがタクシー代を出してくれたので、何とか競技に間に合ったという話です。後日、パーチメント選手はこの女性を探し出し、タクシー代を返済して、決勝で獲得した金メダルを見せ、ジャマイカのユニフォームを渡して感謝を伝えました。一連の様子を収めた動画がこちらです。
https://www.instagram.com/tv/CSRl4aqhYXP/?utm_source=ig_web_copy_link
この記事によれば、そのボランティア(実際はボランティアではなく、近畿日本ツーリストが委託したオリンピック関係スタッフのようですが)の女性の名前は“Trijana”(トリヤナ)で、日本人とセルビア人のハーフ。パーチメント選手のツイッターを見たジャマイカの観光大臣のエドマンド・バートレット氏(Edmund Burtlett)は、Trijanaさんにジャマイカ旅行をプレゼントすることをオファーしたとのことです。そしてそれに答えて、Trijanaさんが、ジャマイカのユニフォーム姿をインスタグラムにアップしたのですが、それが上の新聞に出ていた写真です。この話題、世界中に拡散されています。
こちらにもその記事が出ています。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/trijana_jp_61164842e4b07b9118a9de85
この記事以外にも、ネットを見ていると、各国選手から日本への感謝、ボランティアの対応に感動したとのコメントなどが数多く寄せられています。招致活動の時の“Omotenashi”が実証されたということですね。
また、メダルを獲ったインド選手が凱旋した様子もシンガポールの新聞の記事になっていました。一ページ全部がインドの記事です。インド国内では大フィーバーになっていますね。
そしてこちらは、本国シンガポールの記事。シンガポールは、残念ながら一つもメダルを獲れませんでした。そのためネットで選手への誹謗中傷が拡大しているので、シンガポールのハリマ・ヤコブ大統領が警鐘を鳴らし、選手に対しては、「オリンピックで頑張った皆さんは我が国の誇りです」と一人一人に語りかけたということです。
また、女子アーチェリーで金メダルに輝いた韓国のアン・サン選手が、韓国で誹謗中傷を受けているというニュース。何と「短髪」であるからという信じられない理由です。金メダル剥奪を迫っているとのこと、何と恐ろしいですね。
また、新聞に出ていた記事ではないですが、女子砲丸投げで金メダルを獲得した中国の鞏立姣選手に対し、中国中央テレビ(CCTV)は鞏選手を「男性的な女性」と形容し、「いつ結婚して子どもを持つのか」、「女性の人生の計画」があるのかどうかなどの質問をして顰蹙を買っているというのもネットで話題になっていました。日本の元野球選手が女子ボクシングに対してテレビで行なった問題発言もありましたが。
さらに、別のニュースで、台湾の人気スターの「小S」こと徐熙娣(ディー・スー)が地元の台湾選手ばかり応援する投稿をSNSにあげていたことから、中国での大手スポンサー契約が解消になったというのがありました。
中国本土で人気の芸能人は、もともと台湾とか香港の人が多かったので、有名ブランドのアンバサダーにも数多く起用されているのですが、オリンピック が関係するとこういうところにも問題が出てくるのですね。
ここで取り上げたのは、ほんの一部です。いいエピソードもあれば、悲しいエピソードもあります。日本はコロナ感染拡大と、経済への打撃でいろいろ大変ですが、オリンピックの余韻と波紋はじわじわと世界に広がっています。日本のいいイメージも広まっていてくれることを祈ります。