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「母の日」が「母の月」になった今年の5月

2020-05-06 17:03:06 | 故郷

母の日は通例では5月の第2土曜日なので、今年は5月の10日なのですが、今年は、新型コロナで非常事態宣言が出ているのを受け、5月10日の一日だけでなく、丸ごと一月を「母の月」とすることになったのだそうです。日本の花き業界の9団体で構成される日本花き振興協議会からの情報でそれを知りました。たまたま花について検索していたからわかったのですが、どれだけの人がこのことを知っているのかよくわかりません。少なくとも私にとって、これは寝耳に水でした。

「母の日」というのは、諸説ありますが、1907年の5月12日にアメリカのアンナ・ジャービスという女性が、亡くなった母に白いカーネーションを贈ったのが起源だと言われています。やがて5月の第二日曜日が母の日であると決められて、日本もそれにならったのだそうです。30カ国以上がこの日を母の日としているのですが、イギリス、アイルランドは3月だし、イスラエルは2月、中東諸国は春分の日としているし、フランス、スウェーデンなどは5月の最終日曜としています。タイは8月12日、ロシアは11月最終日曜、インドネシアは12月22なんですね。世界的には割とバラバラです。

母の日というと、日本では赤いカーネーションが定番ですが、世界的には、これまた色々あるんですね。日本も最初は母親が健在の場合は赤、亡くなっている場合は白のカーネーションだったらしいのですが、差別になるというので、赤に統一されたのだとか。



カーネーションの国も多いのですが、オーストラリアは何と菊。オーストラリアでは5月は秋で、菊の花が盛りなのだそうです。そして、菊は英語では「クリサンセマム」(Chrysanthemum)、言葉の最後に”mum”の音が。英語では、母親を、マムと呼びますが、アメリカ式のスペルが”Mom”で、イギリス、オーストラリアスペルが”Mum”なんですね(発音は同じ)。



菊というと、日本では、天皇家を象徴する恐れ多い花だし、白の菊は葬儀の時の花でこれまた神聖な感じがします。日常的には、何となく敬遠したくなる花なのですが、実は菊の花も、色や形が多様化しているようです。私の故郷は愛知県の渥美半島の田原市なのですが、花の生産額では日本一の都市です。また昔から、温室で栽培する「電照菊」が有名でした。戦後まもなく始まった「電照菊」のおかげで、田原市と豊橋市で、日本全体の菊の生産の3割を占めているのだそうです。こちらは、日本夜景遺産にも選ばれた渥美半島の温室の風景です。



田原市の市役所の農政課の知り合いに聞いたら、菊の花も最近はオシャレになってきて、丸っこい「マム」と呼ばれている花とかも人気だということでした。今年は、新型コロナの影響で、式典や葬儀なども自粛となり、花の生産者は大変な影響を受けているとのことです。飲食関係のお店の補償とか話題にはなりますが、花は投資金額を大きいし、売れなければ、日持ちもしないので、誰にも喜ばれず枯れていくだけです。花の買い手がつかず、花の出荷量は日々減少。売れ残った花が日々大量に廃棄されてしまう「フラワーロス」が問題視されています。せっかく誰かを喜ばせようとして咲いてきた花が、大量に廃棄されるという現実はとても悲しいものがあります。

花の販売で生計を立てている人々を助けるためにも、地元の生産者を助けるためにも、また、母親に感謝の気持ちを伝えるためにも、そして、花の廃棄を防ぐためにも、花を贈るというのはいかがでしょうか?幸いにも、今年は、母の日が31日間に拡張されたので、今週焦って手配する必要はありません。

さらに、今年は長距離の移動を自粛するということで、帰省したくてもできなかった人が多いのではないでしょうか。また、行楽シーズンでありながら、家に閉じこもることを余儀なくされた皆さんも多いのではないでしょうか。花で帰省しようというキャンペーンも行われています。



ステイ・ホームにも、そこに花があると安らぎがあり、ストレスも解消されるのではないでしょうか?今は、いろんな人が、いろんな状況で困っています。もしも、花が何かの助けになれるとしたら、花もどんなにか嬉しいのではないかと思います。

こちらは、地元田原市の道の駅のサイトです。こちらでオンラインで花を贈ることが可能です。これ以外にも、オンラインで花を贈れるところはいくつかありますが、皆さんよろしくお願いいたします。

https://tahara-michinoeki.com/product-category/tahara_ouen


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