今年もコカコーラがクリスマス向けのコマーシャルを放映しています。グローバルキャンペーンですが、英国の広告代理店が制作し、ニュージーランドで撮影されています。このコロナの時期にスケールの大きな撮影です。
まずは、このコマーシャル映像のストーリーをざっと紹介しておきましょう。
車で遠くまで仕事に出かけるお父さんに、娘が駆け寄ってきて、手紙を手渡します。それはサンタクロースへの手紙。住所は、地球の北極となっています。実際、サンタクロースの存在を信じる欧米の子供達は、この住所で手紙を出すことも多いみたいですね。ボランティアで返事を返す郵便局員もいるらしいですが、最近では、アラスカや、北欧で、サンタクロースの郵便サービスをやっているところもいろいろあるみたいですね。サンタクロースの住所は、世界的には"North Pole"(北極)となっています。
このお父さんの仕事場は、海上の風力発電用の風車のようです。
ランチなのでしょうか、お父さんがコカコーラを飲んだ後、ふと思い出して、ランチボックスを見ると、リンゴ、みかん、ビスケットと一緒に、娘から託されたサンタクロースへの手紙が…
娘の願いを叶えなければと思ったお父さんは、自分で北極まで手紙を届けることを決意します。が、そこからは苦難の連続。ボートが沈んで、遭難したり…
大変な旅になるのですが、お父さんは、何とか北極のサンタクロースの家を発見します。
しかし、近づいてみると…
「クリスマスにつき閉店中」の看板がかかっています。しかし、がっかりしているお父さんの背後に、やってきたのが大きな車。
お父さんはその車に招き入れられ、どこかに向かうのですが、到着した場所は、実は娘の待つ自分の家。
車の運転手から手紙を手渡されます。それは娘がサンタクロースに宛てた手紙。そこに書かれていたのは…
「サンタさん、クリスマスには、パパを家に帰してください」というメッセージ。
それが娘のサンタクロースへのお願いであったのを知るお父さん。家から娘が出てきて抱き合う二人。
そして「今年のクリスマスは、あなたにしか与えられない何かを与えてください」というメッセージ。
最後に、その車を運転していたのは実はサンタクロース自身であったというのがわかります。
今年はコロナで普通のクリスマスとは違うのですが、大げさなプレゼントよりも、あなたのプレゼンス(あなたが存在すること)が一番の贈り物になるということですね。困難を超えて生き延びることが一番のプレゼントになるということです。
それでは、映像をご覧いただきましょう。2分30秒の作品です。
必要以上に大げさな映像なのですが、これを作った広告代理店はロンドのワイデン+ケネディ(Wieden + Kennedy London)。先日ご紹介したアマゾンのグローバルキャンペーンの広告代理店は、Lucky Generalsというロンドの会社でした。こうしてみると、ロンドンはやはり、クリエイティブの世界的ハブなんですね。
そして、この映像の監督をした人は、タイカ・ワイティティ(Taika Waititi)というニュージーランドの有名監督だったのです。ニュージーランドは、コロナの感染も早期に収束し、撮影もできるようになっていました。ストーリーとしては、ちょっとやりすぎの感じがありますが、娘の思いと、父親の思いをつなぐサンタクロースがヒーローのような感じですね。
このタイカ・ワイティティという人、調べてみたら数年前に、ニュージーランドのものすごいセーフティビデオを作っていた人でした。
「ホビット」の世界ですね。ニュージーランドは、「ロード・オブ・ザ・リング」など数々の映画のロケ地となった場所です。「ラストサムライ」もニュージーランドがロケ地ですね。しかしこのビデオ、セーフティビデオなのにスケールがすごい!さすがタイカ・ワイティティです。
今年はコロナで大変な一年でしたが、みなさまにとってよいクリスマスでありますように。
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