映画さんぽ シスタマゴの徒然日記

映画大好きな姉妹が、最近観た映画のレビューや日々の出来事を気の向くままに綴っています♪

彼女が消えた浜辺

2011年01月18日 | 映画
<ストーリー> 映画.comより抜粋

第59回ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞したイランのミステリー。セピデーは離婚したばかりの男友だちに紹介しようと、幼稚園の教師エリを誘い、カスピ海沿岸へバカンスに出かける。美しい浜辺にある古い別荘にたどり着き、穏やかで楽しいひとときを過ごす。しかし翌朝、エリはこつ然と姿を消し、浜辺では子どもがおぼれていた。捜索が始まり、セピデーはエリのことを名前以外、何も知らなかったことに気づく。





イラン映画といったら、アッバス・キアロスタミのような淡々とした作品しか知らない私

けれどこの映画は、宗教的な服装を除けば、およそイランを感じさせない物語になっていました。

ある時、突然失踪したエリという女性をめぐって、彼女について謎だった部分が次第に明らかになって行くのですが、それと同時に人間の身勝手さや都合の良さが浮き彫りになって行きます。




彼女は海に溺れてしまったのか、何も言わず一人で帰ってしまったのか、それとも何かの事件に巻き込まれてしまったのか、出演者も観客もわからないまま物語は進みますが、手掛かりになる、エリの携帯が見つかったところから心理劇のような展開になって行くのです。

さきほど“イランを感じさせない”と書いたけれど、物語の核の部分は、まさに“イランならでは”という感じでした。恋愛や結婚に対する価値観の違いが、如実に表れていました。

ネタバレになるから詳しくは書けないけれど、これがもし日本やアメリカだったら、こういう展開にはならなかったんじゃないかと思います。


エリを連れてきたセピデーの最後のセリフに、ある種のやるせなさを感じたラストでした。





ところで、この映画の中に『みなしごハッチ』という字幕が出てくるのですが、もしかしてイランでこのアニメをやっているの?つくづく日本のアニメって世界に浸透しているなぁ



原題:About Elly
監督・脚本:アスガー・ファルハディ
撮影:ホセイン・ジャファリアン
音楽:アンドレア・バウアー
製作国:2009年イラン映画
配給:ロングライド
上映時間:116分


<キャスト>
ゴルシフテ・ファラハニ
タラネ・アリシュスティ
シャハブ・ホセイニ
メリッラ・ザレイ
コメント
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