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旅行記、世相独言

ナイル・エクスプレス - アスワン&ギザ - (異文化体験41 五千年の時空を超える旅7)

2014年05月05日 16時23分01秒 | 異文化体験_アフリカ
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ナイル・エクスプレス ―アスワン&ギザ― 2008.12.22-12.23

 始発駅アスワン駅を午後5時に出発する「ナイルエクスプレス」。二人用コンパートメントを一人で占有する。ギザまでは、およそ12時間少々の旅。コンパートメントの設備はそれなりに整っているが、満足に機能するわけではない。幸い電源コンセントは生きていたので、VTRとデジカメの充電開始。各車両に車掌が張り付いて夕食やベッドメーキング等のサービス提供をしてくれる。

           
(左)アスワンからギザへ およそ900km 12時間の旅     (中)アスワン駅     (右)ナイル・エクスプレスの上り時刻表

            
         ナイルエクスプレスは、客車13両(各車両10室)とクラブ(ラウンジ)カー1両の構成

   
         (左・右)二人用コンパートメントの内部                    車内夕食の肉料理


 夕食後は、特段することもなく早々とベッドに横になって、5000年の時空を超えて古代エジプトの時代を空想する。
 それにしても、今まで見てきた数々の神殿のあのスケール感はどこから来るのだろう?
 エジプトはケメト(黒い土地:ナイル流域)とデシュレト(赤い土地:砂漠)が全ての国である。決して高い山や比較対象となる自然物はない。とすれば、この環境があのスケール感と何らかの関係があるのだろうか。砂漠の嵐やナイルの反乱は少々のものはすぐに掻き消してしまう。何も道具のない人力だけが頼りの時代に知恵と巨石と流動性の高い砂を駆使し、あのような巨大建造物を創った人々に畏敬の念を禁じえない。


        
(左)善王オシリス、イシス女神、ホルス神         (右)エジプトの神々(地球の歩き方(2008-2009)エジプトより。)

 古代エジプト人の「人間」とは、「カー、バー(霊魂)、影、名、肉体」の5つから成るという観念である。カーは、生命力を表す霊で、人間とカーは双子で生まれる。肉体が滅びてもバーは生き延びるがゆえに、ミイラが作られるようだが、「古代エジプト人の世界 村上笙子著」によると神話の世界のミイラの起源「オシリスとイシスの物語」だそうだ。

  ナイルに沈みかけたイシス神殿

 「善王オシリスは弟セト神に人気をねたまれだまし討ちにされ、海に流された。遺体の一部は妻のイシス女神のもとに戻るが、今度はセト神によってバラバラにされ、エジプト国内にばら撒かれた。傷心のイシスは妹ネフティス女神や知恵神で魔法の使えるトト神等、親しい神々に助けられ、夫の遺体を探し求める。やがて生殖器だけを残して集めることに成功。生殖器はナイルの魚に食べられたことになっている。イシスは死んだオリシスの肉体と交わり、ホルス神を生んだ。夫の肉体を集めたイシスは山犬の神アヌビスに白布を使ってもとの身体に作り上げてもらった」

 そんなことを本で読んだり、空想の世界を巡っている間に、いつしか眠ってしまったようだ。

        
(左)朝食                            (右)夜明け前のギザ駅に到着

 車掌が起こしにきたのは、午前5時前。朝食が配られる。といっても、パンとジュースだけの朝食だが。午前5時半、夜明け前のギザに到着。
 今日は、待望のピラミッド見物の一日だ。




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