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ジギタリスの意味すること

2012-07-03 21:12:15 | イギリス一周 花の旅

 エデン・プロジェクトが予想外の短時間で終了し、時間に余裕が出てきました。

 

 いつもは植物園で、3~4時間があっと言う間に過ぎるので、今日もスケジュールが消化できるか心配したのですが・・・・

 

 さて、次の目的地はランズ・エンド(Land's End)、つまり「地の果て」です。

 

 ナビに導かれ、最初は道幅の狭い一般道を走りました。

 

 

 イギリスでは何処へ行っても、このような田舎道は、両サイドのほとんどが石垣か生垣で囲まれています。

 

 はじめは、道路をガードする為と思ったのですが、しばらく見ているうちに、この石垣や生垣は、道に沿って作られた訳ではなくて、その内側の畑の境界線をなすと気づきました。

 

 今更ですが、高校の世界史で、イギリスの「囲い込み」(たしかエンクロージャーだったか)を習ったことを想い出しました。

 

 そして、そのような場所で、何処にでも目に付くのがジギタリスです。

 

 

 ジギタリスという植物は、強心配糖体という成分を持つ有毒植物です。

 

 道の両側の石垣が農地の「囲い込み」であるならば、それは羊の放牧地そのものなので、毒草としてのジギタリスを羊が食べることを避け、ジギタリスが繁茂したと考えます。

 

 この後、二週間に亘って見てきた、イギリスの光景をご紹介しますが、ジギタリスの花が群れ咲くような、イングランドからスコットランドに及ぶ田園風景の特徴を、ブログを書きながら私は、今改めて理解し始めました。

 

 もう一度、「囲い込み」を調べ直しました。

 

 第一次の「囲い込み」は、16世紀に毛織物が繁栄して、羊毛需要が増加し、生産性を高める為、地主が小作農の土地を囲い込んだのです。

 

 囲い込み運動は、土地を失った者を植民地へと移動させるベクトルになったと説明されます。

 

 やがてそれが世界史の中で、様々な歯車を回し始めました。

 

 すっかり忘れていました。

 

 世界史の勉強なんて、受験が終われば、忘却の彼方へ消え去ると思いましたが、役にたつこともあるようです。

 

 ちょっと、整理してみます。

 

 「イギリスの田舎道で私は、イギリス全土に、ジギタリスが路傍に群れ咲く姿を見かけました。それは石垣の中で飼われる羊が、年余に亘って食べ残した影響と考えます。羊は毒を持つジギタリスを食べません。そして牧羊地内は人が除草し、石垣の外側に芽生えたジギタリスは放置され、その現象が数百年余に亘って繰り返され、イギリスの農村風景を飾る」 という推論が成り立ちます。

 

 

 旅の最中では分からなくても、記録を整理し、初めて理解できることがありそうです。  

 

  そんなこともあるので、旅を終えた後で、こうしてブログにまとめる作業が楽しいのです。

 

 

 ドライブはやがて、道路幅が広くなり、レジャーボートを牽引する車などが目に入り始めました。

 

 海が近いのでしょうか、それとも湖でもあるのでしょうか?

 

 この先に何が現れるのか、興味は膨らむばかりです。

 

 

  

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確かに、新しいかもしれない

2012-07-03 18:39:03 | イギリス一周 花の旅

 展望台を降りて、さらに進んで行くと、粗雑な作りを意図したようなトタン屋根のバオバブバーなるものがありました。

 

 そこに バオバブ 1ポンド と掲示されています。

 

 その隣には 水 1.3ポンド

 

 え! バオバブは水より安いの?

 

 

 

 バオバブってあの星の王子様にでてくるバオバブですよね?

 

 ジュースにするような実が稔るのでしょうか?

 

 売り子に聞いてみようと思ったのですが、「本当にバオバブなの?」(It's truly baobab?)では失礼かな?

 

 「これって何?」(What's this?)かな?

 

 何て聞こうかな・・・ と考えましたが、

 

 兎にも角くにも、彼女が詳しい知識を持っようには思えなかったので、

 

 結局、「一杯、下さい」(Please、 one cup.)となってしまいました。

 

 

 ほんのり甘くて酸っぱくて、多少青臭い味がしました。

 

 帰国してから、「バオバブ ジュース」でネット検索すると、現地ではバオバブの果実の粉を水に溶いて飲み物にするらしく、どうやら本物だったようです。

 

 その他にも、意味不明の小屋が幾つかあって、家族連れが物珍しそうに歩いたり、

 

 

 

 原始宗教を思わせるディスプレーがあったり、

 

 子供向けのお話を聴かせる催しがあったりとか

 

 

 

 それら善し悪し、の議論は別にして

 

 これって植物園なの?

  

 

 どうやら、私が期待したのとは別ものだったようです。

 

 となれば、長居は無用ですから、早々に退散させて頂くことにしました。

 

 

 

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エデン・プロジェクトって?

2012-07-03 15:27:34 | イギリス一周 花の旅

 エデン・プロジェクト(Eden Project)はイギリス最南西部のコンウォール半島にある、世界最大の温室を有する21世紀型植物園です。

 

 

 「世界最大の温室」「21世紀型の植物園」この二つのキャッチフレーズを持つ施設に、植物園マニアの私が訪れないわけがありません。

 

 ポーツマス近郊から250km程を走り、朝10時の開園と同時に園内に入りました。

 

 この植物園はプリマス(Plymouth)とペンザンス(Penzance)の中間付近に位置し、以前は陶土の採掘場だった所に、巨大な温室を建てて、2001年に開園しています。

 

 

 大型の温室ドームは二つあって、一つは熱帯雨林ドーム、もう一つは温帯性気候ドームとなっています。

 

 

 エデン・プロジェクトに入った時は、まだ小雨が降り続いていました。

 私は、園内を無料運行する、旅客トレーラーで温室へ移動しました。

 

 

 旅客トレーラーが斜面に設置された通路を下って、温室近くの降車場に着くと、周囲に白い花を咲かせたカラー(オランダカイウ)や馴染みのあるトリテレイアなどが、訪問客を出迎えてくれます。

 

 

 

 期待に胸躍らせ、熱帯雨林温室に入って行きますと、入口のすぐ横に大きなスペースのカフェテリアが設けられていました。

 

 

 大きな温室ドームの天井付近に展望台のようなものが設けられ、そこへ向かって階段が伸びていました。

 

 湿度一定に保つために、園内に水流を絶やさぬ工夫が施されていました。

 

 

 

 遊歩道の脇にトーチジンジャームッセンダなどの熱帯植物が花を咲かせています。

 

  

 

 水をかぶる岩壁全体に、黄色いアリアケカズラが見事な花を咲かせていました。

 

 

 

 しかし、各々の植物に、しっかりと名札が付けられていないのが腑に落ちません。

 

 植裁の仕方も、何となく雑です。

 

 熱帯雨林の雰囲気を表現するために、大きな椰子やシュロなどが植裁されていますが、植物の種類はそれ程多くはありません。

 

 特に興味を引く植物や珍しい花もないので、足はどんどん前に進みます。

 

 そのうち、先ほどの展望台への入口と思う場所に人が並んでいるので、私もその最後尾に立ちました。

 

 どうやら熱帯雨林展望台と呼ばれるようです。

 

 現在、その場所の温度は25°であることが示されていました。

 

 

 私が並んだのを見て、係の人が近づいて来ました。

 

 「英語が分かりますか?」と尋ねられたので、「ええ、少しは」と答えると、手にした印刷物を示されました。

 

 

 

 そこには、

 

 あなたは高血圧の薬を服用していますか? 重篤なめまいを経験したことがありますか? 動悸を感じますか?

 

 などの事項が赤字で記されていて、「該当することがあればお知らせ下さい」とありました。

 

 目を通して、首を横に振ると、「OK、それではここで待っていて下さい」

 

  展望台に登っていた人達が降りてきて、入れ替わりに、今度は並んでいた私たち10数人が階段を登って行きました。

 

 

 

 展望台は、金属のすのこで作られた六角形の床が天井から吊り下げられています。

 

 

 

 登る時に階段がゆらゆらと揺れて、結構な高度感があります。

 

 見下ろすと、さっき並んでいた場所に次の人達が列を作っていました。

 

 鉄格子のような床の間にデジカメのレンズを差し込んで、真下を撮しました。

 

 

 

 安全確保の為でしょうか、係員の女子が二人居たので、許可を得て、記念写真をパチリ。

 

 

 ここは完全に遊園地気分です。

 

 

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イギリス南海岸を走る

2012-07-03 11:15:27 | イギリス一周 花の旅

 6月15日は、ブライトン(Brighton)とポーツマス(Portsmouth)の中間点付近の農村地区で朝を迎えました。

 

 昨晩は十分に疲れていた為か、9時過ぎに寝袋に潜り込むと、朝まで熟睡しました。

 

 朝、車の屋根を叩く雨の音で目を覚ましました。

 

 寝るとき、風を伴う雨が窓を濡らしていたので、雨は一晩中降り続いていたかもしれません。

 テントだったら熟睡できなかったと思います。

 

 私は30歳の頃まで野山を歩き回り、北海道で冬山の雪洞に寝るような生活を続けていましたから、屋根のない場所で寝ることに何の抵抗もありませんが、流石にこの歳になると、雨の露営は、体にかなりの負担が掛かったはずです。

 

 もっとも、昨日は夕方から雨が降っていましたので、体を伸ばすスペースが車内に確保できなければ、テントは張らずに、B&Bかホテルを選択していたと思います。

 

 

 昨日は事前に調査したリストを元に、町や観光名所などを、気の向くままに訪ね歩きました。

 

 車旅行のメリットを最大限に生かし、時刻表に囚われないきままな旅を存分に楽しむことができました。

 

 しかし、二週間のスケジュールで、スコットランド最北端を訪ね、主な植物園を訪問し、名所旧跡も一通り見たい、という欲張りな計画は、昨日の経験から、どの程度スリムアップすべきかの見当が付きました。

 

 先を急ぐ必要がありそうです。

 

 そんな訳で、今日は朝4時半に車をスタートさせました。

 

 イギリスは日本人の認識以上に緯度が高く、ロンドンの北緯51°は樺太の中央部とほぼ同じです。

 

 夏の朝は4時ぐらい、夜は10時過ぎまで明るいので、このメリットを最大限に活かしたいと思います。

 

 

 

 車に搭載されたナビのコツや癖も、一日でほぼ理解しました。

 

 スピード監視カメラが近づくとナビが警告しますが、それでも全てを教えるわけでもなさそうなので、油断は禁物です。

 

 今日の最終目標地をランズ・エンド(Land's End)に定めました。

 

 そして、エデン・プロジェクト(Eden Project)も外せません。

 

 途中にポーツマス(Portsmouth)、サウザンプトン(Southampton)、トーキー(Torquay)、プリマス(Plymouth)という町々、そしてモティスフォント・アビー(Mottisfont Abbey)などというバラ園など、気になる場所は沢山あるのですが、それらは涙を呑んでカットしました。

 

 ナビはポーツマス郊外の M27から A36へと車を誘導し、森を抜け、緑の丘を走り、最初の目的地エデン・プロジェクトを目指します。

 

 

 相変わらずの小雨模様ですが、私は雨が嫌ではありません。

 

 多分、この辺で畑作が成り立つのも、メキシコ湾流がもたらす雨が相当貢献しているはずです。 

 

 昨日の白亜の痩せた土地に比べ、今日の景色は豊かです。

 

 車は片側三車線の高速道路に入り、距離を稼ぎ始めました。

 

 

 走り始めて約3時間半、空腹を覚えたのでガソリンスタンドに入り、車にガソリンを入れ、コーニッシュパイで朝食を済ませました。

 

 そして、今夜の夕食の為に、ワインも一本買っておきます。

 

 

 

 車窓の両側に、広々とした放牧地と畑が広がり、アザミやフウロソウの仲間が路傍に彩りを添えています。

 

 

 

 そして、牛の暮らしが最優先と思える道を進むと、

 

 

  エデン・プロジェクトに到着しました。

 

 

 

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ブライトンのヒロインは誰?

2012-07-03 06:39:20 | イギリス一周 花の旅

 雨のセブンシスターズで、草原と湿原の道を90分ほども歩いてきました。

 

 車に戻り、ウオーキングシューズの中で足指を動かすと、グチュグチュと水の音がしました。

 

 ズボンも膝から下はびっしょりで、気温はそれほど低くないのですが、足全体が冷え切っていました。

 

 暖かい飲み物と思いますが、それは望むべくもありません。

 

 イギリスは日本のように、あちこちに飲み物の自販機があるわけではないのです。

 

 ズボンを履き替え、裸足に濡れた靴を履いて、本降りとなった雨の中へ車を走らせました。

 

 

 セブンシスターズにユースホステルがあることをネットで確認していたのですが、既に18時半を過ぎていました。

 

 私は日本でもユースホステルを使ったことがなく、会員ではありますが、システムが良くわかりません。

 

 探すのも面倒なので、今夜は早々に、車中泊を決意しました。

  

 ですが、今から寝るには時間が少々早すぎます。

 

 少しでも旅の距離を稼ぎたいので、次の町のブライトン(Brighton)を目指すことにしました。

 

 ブライトンに関して、ガイドブックに次のような記述があります。

 

 「‐‐‐暮れなずむ空にブライトン・ピアのネオンが輝き、とてもロマンティックだ‐‐‐」 

 

 今からブライトンへ向かえば、タイミングはピッタリです。

 

 ブライトンはイギリス海峡に面した人気のリゾートタウンだそうです。

 ロンドンから近く、ロンドン子にとってブライトンは幼い頃から慣れ親しんだ海辺の町として、特別な思い入れがあるそうです。

 

 夕暮れの雨に煙るブライトンが見えてきました。

 

 

 ブライトンの街に入り、シーライフセンターに向いました。

 

 リゾート地を象徴する観覧車があります。

 

 哀愁を漂わせる、季節外れの雰囲気が、イングリッドバーグマンが出てくる映画の1シーンのようで、とっても素敵です。 

 

 季節外れの観光地には、想像力を刺激する不思議な魅力があると思いませんか?

 

 

 そして、ガイドブックの一節にあった、ブライトン・ピア。

 

 536mの桟橋に小さな遊園地や、ゲームセンター、カフェテリアなどが設けられているそうです。

 

  

 

 時間的に、もう少し遅いほうが、ネオンが映えたかもしれません。

 

 でも、ここを舞台にしたラブストーリーを書けば、甘く切ない青春物語が生まれそうです。

 

 あなたなら誰をヒロインに想定しますか?

 

 え! 草笛 光子? 

 

 お、お生まれは何年でしょうか?

 

 

 さて、ブライトンには国王ジョージ4世が1822年までに、40年の歳月をかけて建てた、離宮があります。

 

 このロイヤル・パピリオンとともにブライトンはリゾート地としての地位を築いてきたのだそうです。

 

 日本で云えば、葉山や須磨といったイメージでしょうか。 

 

 

 既に19時を過ぎたので外観を確認しただけですが、インド、イスラム風の様式を取り入れた風貌と、中の壁画や使われている食器類も贅を尽くしたものばかりだそうです。

 

 さて、今日はもうこれが限界です。

 

 朝5時から動き始め、カンタベリー、ドーヴァー、サムファイア ホエー、ライ、ヘイスティング、セブンシスターズ、ブライトンと見て歩きました。

 

 イギリス一周の花旅として、良好なスタートが得られた一日でした。

 

 最後に、今日の行程を地図で確認しておきます。

 

 

 

 ムムム・・・ 今日の移動距離は赤線部分だけ!

 たったこれだけ!!

 

 イギリス本島を海岸線に沿って北上するつもりですが、目算で、今日の移動距離を7倍しても、スコットランドの最北部に届きそうもありません。

 

 全部で二週間の予定ですが、もっとペースを上げなければ無理かもしれません。

  

 

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