エデン・プロジェクトが予想外の短時間で終了し、時間に余裕が出てきました。
いつもは植物園で、3~4時間があっと言う間に過ぎるので、今日もスケジュールが消化できるか心配したのですが・・・・
さて、次の目的地はランズ・エンド(Land's End)、つまり「地の果て」です。
ナビに導かれ、最初は道幅の狭い一般道を走りました。
イギリスでは何処へ行っても、このような田舎道は、両サイドのほとんどが石垣か生垣で囲まれています。
はじめは、道路をガードする為と思ったのですが、しばらく見ているうちに、この石垣や生垣は、道に沿って作られた訳ではなくて、その内側の畑の境界線をなすと気づきました。
今更ですが、高校の世界史で、イギリスの「囲い込み」(たしかエンクロージャーだったか)を習ったことを想い出しました。
そして、そのような場所で、何処にでも目に付くのがジギタリスです。
ジギタリスという植物は、強心配糖体という成分を持つ有毒植物です。
道の両側の石垣が農地の「囲い込み」であるならば、それは羊の放牧地そのものなので、毒草としてのジギタリスを羊が食べることを避け、ジギタリスが繁茂したと考えます。
この後、二週間に亘って見てきた、イギリスの光景をご紹介しますが、ジギタリスの花が群れ咲くような、イングランドからスコットランドに及ぶ田園風景の特徴を、ブログを書きながら私は、今改めて理解し始めました。
もう一度、「囲い込み」を調べ直しました。
第一次の「囲い込み」は、16世紀に毛織物が繁栄して、羊毛需要が増加し、生産性を高める為、地主が小作農の土地を囲い込んだのです。
囲い込み運動は、土地を失った者を植民地へと移動させるベクトルになったと説明されます。
やがてそれが世界史の中で、様々な歯車を回し始めました。
すっかり忘れていました。
世界史の勉強なんて、受験が終われば、忘却の彼方へ消え去ると思いましたが、役にたつこともあるようです。
ちょっと、整理してみます。
「イギリスの田舎道で私は、イギリス全土に、ジギタリスが路傍に群れ咲く姿を見かけました。それは石垣の中で飼われる羊が、年余に亘って食べ残した影響と考えます。羊は毒を持つジギタリスを食べません。そして牧羊地内は人が除草し、石垣の外側に芽生えたジギタリスは放置され、その現象が数百年余に亘って繰り返され、イギリスの農村風景を飾る」 という推論が成り立ちます。
旅の最中では分からなくても、記録を整理し、初めて理解できることがありそうです。
そんなこともあるので、旅を終えた後で、こうしてブログにまとめる作業が楽しいのです。
ドライブはやがて、道路幅が広くなり、レジャーボートを牽引する車などが目に入り始めました。
海が近いのでしょうか、それとも湖でもあるのでしょうか?
この先に何が現れるのか、興味は膨らむばかりです。
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