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フィッシュガードの群来

2012-07-08 11:33:09 | イギリス一周 花の旅

 ペンブルック(Pembroke)の町を抜けると、雨足が更に強まってきました。

 

 

 しかし、しばらくすると雲の下に明るい空が覗きます。

 

 地形の変化に応じて、雲の流れが変わるようです。

 

 牧草地の中へ、開放感に溢れる道が、旅情深める曲線を描いていました。 

  

  

 その先に待っていたのがフィッシュガード(Fishguard)の町です。

  

 この街もパステルカラーでした。

 

  

 街に入ってから、気分のままにハンドルを操り、住宅街の中に続く路地へ入って行きました。

  

 こんな時はナビを止めて、散策でもするような気分で、車をはしらせます。

  

  

 街は台地の上にあり、住宅街を抜けて坂を下ると、海岸に出ました。

 

 波打ち際に水溜まりを見せる、砂利敷きの小さな駐車スペースがありました。

  

 車を停めて、小雨の中を波打ち際へ足を運ぶと、目の前をフェリーが遠ざかって行きます。

  

 フェリーの行く先は、多分アイルランドでしょう。

 

 

  

 台地の上にフィッシュガードの街が見えていました。

 

 フィッシュガードという名は漁村を想わせます。

 

 しかし、この外洋に面した漁業の町は、海辺を避けて、見晴らしが効く丘の上に、用心深く居を構えます。

 

 それなりに、訳がありそうな光景です。 

  

  

 再び街を貫く幹線道路へ戻り、進路を北へ進みました。

 

 街外れで坂を下ると、その先で古風な石橋が待っていました。

 

 

 石橋を渡ると、数えるほどの家々が肩を寄せ合って、海と川と台地の狭間で小雨に濡れていました。

 

 その地区で下町(Lower town)の表示を目にしました。

 

 どうやらこの場所がフィッシュガードの旧町区のようです。

  

  

 漁村の雰囲気に浸された家並が、寂しく佇んでいました。

 

 日本でいえば、伊豆半島西海岸の、海に迫る山稜から小川が海に流れ出す狭間の井田、北海道の暑寒別岳が海に落ち込む崖にはりついた浜益、そんな寒村が思い出されます。

  

 50mほどの短い路地を抜けると、小さな河口が、狭い入江に注ぎ込んでいました。

 

  

 そこには案の定、砲台が置かれ、

  

  

 据えられた岩の上では、魚が群れをなしていました。 

  

 岩に嵌め込まれたプレートには、それらが鰊と記されていましたから、魚の群れは「群来」そのものです。

 

 だとすれば北海道の浜益村と瓜二つではありませんか。

  

                         岩の上の鰊の群れ

 

 

 下町フィッシュガードから坂道を登り、台地の上に出ると、細い入江を挟んだ新市街が望めました。

 

 

  

 足元では、シシウドにも似たセリ科の白い花とキンポウゲの黄色い花が、朴訥な面持ちで海を眺めていました。

  

  

  

 下町に宿を求めればきっと、群来に湧いた古の話と、漁師達が砲台を操った、夜を徹する勇猛な問わず語りの物語が、聞けたに違いありません。

 

 

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ペンブルックの白いサンザシ

2012-07-08 09:01:24 | イギリス一周 花の旅

 テンピー(Tenby)から西へ10kmほど車を走らせた場所に、ペンブルック(Pembroke)という町があります。

 

 この町はアイルランドとフェリーで繋がっています。

 

 フェリー乗り場には数台の車が時間を待っていました。

 

 

 海岸に沿って、優しい雰囲気の家並みが続いていました。

 

 

 そう、そう、私はこの町で車にガソリンを給油しました。

 

 イギリスはガソリンの値段が高くて、今回の旅(2012年6月)では、1リットル平均が135ペンス程でした。(1ポンド135円換算で1リットルが180円を超えます)

 

 日本と同様にガソリンスタンド(イギリスではペトロール・ステーションと言います)は全国津々浦々にありますが、個々のスタンド毎に価格がまちまちで、高い所は140ペンスを超え、安いと130ペンスのスタンドもありました。

 

 今回の私のような走り方だと、最低でも一日に一回は50リットルを超える給油が必要となります。

 

 なんで、ガソリンスタンドの電光掲示板に示されたガソリン価格に注意し、安い場所では、車のタンクに多少残っていても、こまめな給油を心がけました。

 

 私がこの町で給油したことを記憶しているのは、今回の旅で一番安い1リットル129ペンスだったからです。

 

 日本でも同様ですが、フェリー港への出入り口とか、中核都市でのバイパス合流地点などに、お得なガソリンスタンドを見かけます。

 

 私はこの時、イギリスでガソリンの小売価格に影響を与える要因が、日本と共通することを認識しました。

 

 何だか、流通における経済法則が再確認できた気分で、ちょびっと、にんまりのペンブルックだったのです。

  

 少々ケチ臭い話になりましたが、ペンブルック一番の印象がガソリン価格と言うわけではありません。

 

 

 先ほどのテンピーは、海岸が美しい町でしたが、この町はお城と、それを囲むお掘りのような川が印象的でした。

 

 

 15世紀半ば、弱冠15歳の伯爵夫人マーガレット・ポーフォートは、このお城でエドモント・チューダーとの間にヘンリーという男児をもうけました。

 

 これが後のチューダー王朝の始祖ヘンリー七世です。

 

 ヘンリーは14歳までこの城で育ち、夫人はチューダー王朝成立の後で、各分野の論客文人を集め、ケンブリッジにクイーンズカレッジを開くことになります。

 

 城の対岸に遊歩道が設けられていました。

 

 

 小雨降る遊歩道を、犬をつれた婦人が散策し、その道の石垣でサンザシが、インテリジェンスな趣で白い花を咲かせ、緑の葉に雨を滴らせていました。

 

  

  

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テンピーはイタリアの装い

2012-07-08 08:13:43 | イギリス一周 花の旅

 ナビは幹線道路のラウンドアバウトを外れ、市街地への道を告げました。

 

 

 住宅街の細い一方通行を進むと、車は突然海岸を見下ろす小高い丘の上に出ました。

 

 どうやらここがテンピー(Tenby)のようです。

 

 海は引き潮です。

 

 砂浜の先に見えるのはセント・キャサリン島(Ynts Catrin)でしょうか。

 

 

 南へ、砂の海岸が穏やかな曲線を描いています。

 

 昨日見てきた、ランズ・エンドと陸続きのイギリスの海岸とはとても思えません。

 

 

 天候が悪く、写真のできが良くないので、実際の印象を正確に伝えられませんが、ゆったりと砂浜が広がる海岸は、まるで明るく陽気なイタリアの海を見ているかの如くです。

 

 

 街に明るいパステルカラーに彩られた家々が並び、陽気な雰囲気を盛り立てていました。

 

 先入観としての、イギリスのイメージを大きく裏切る装いです。

 

 

 ノルマン人が、中世にヴァイキングの襲来に備え、断崖海岸に城壁を築き、入り込む湾に突堤を築いて、港にしたのがテンピーの町だそうです。

 

 今は観光の町として人気を集めているそうです。

 

 

 

 色彩豊かで、お洒落で可愛いい光景を至るところで目にします。

 (写真が暗くて御免なさい)

 

 

 

 城壁が囲む、旧市街の通りにカフェーやお土産屋さんが並んでいます。

 

 こんな雨降る日でも、観光客がお茶を飲んだり、ウインドーショッピングにそぞろ歩く姿を目にしました。

 

 

 

 お天気の良い日にもう一度、ゆっくり訪ねてみたいと思わせる町でした。

  

 

 

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