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野の花が咲く場所

2012-07-20 18:42:34 | イギリス一周 花の旅

 エリボール湖(Loch Eriboll)が海に口を開けた場所を回り込んで、西の方角へ向かいました。

  

 海を右手に見ながら、坂道を登ります。

  

  

 エリボール湖では水の蒼さに息を呑みましたが、この高台から見下ろす大西洋の碧さには言葉を失います。

  

  

 振り返えると、エリボール湖からの蒼い水塊が北の海に流れ広がっていました。

  

   

 このような場所に暮らすうちに、スコットランドの人々の瞳が青く染まるのでしょうか。

  

 ここには、どんな暮らしがあるのでしょう。

 

 今になって思えば、B&B(民宿)にでも泊まって、地元の人とコミュニケートすべきだったかな、と後悔しています。

   

   

 その先にスムー・ケイヴ(Smoo Cave)という、海水と地下水が石灰岩の地層へ複合的に作用し、侵食された洞窟がありました。

   

  

 駐車場に車を停め、崖を下りると、3~4階建てのビルの高さ程の洞窟が口を開けていました。

  

  

 入口に近付くと、ゴムボートを使った洞窟内ツアーがあるようです。

 

 二人の女性がヘルメットを被って、参加者が増えるのを待っていました。 

  

  

 周囲にオオイヌノフグリや、始めて見る野草がピンクの花を咲かせています。

  

 

  

 私の興味は洞窟よりも花なので、洞窟内ツアーには参加せず、周囲の崖に育つ植物を眺め歩きました。

  

 この洞窟周辺のように、羊が入り込めない場所では、多彩な植物が生育し得ることを確認しました。

   

 そして羊が入り込めない、放牧に使えない場所に樹木が育ちます。

 

 先程見てきた、エリボール湖畔の民家があった背後の断崖には、樹木が茂っていました。

  

   

 私は「ヒースという地形は、人が家畜を数百年、数千年という歳月に亘って放牧し続けることで作り上げた可能性がある」と考え始めました。 

 

 

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息を呑む湖の青さ

2012-07-20 10:56:12 | イギリス一周 花の旅

タンの浦を対岸に渡りきると、荒涼たる台地の上に道が伸びて、

  

  

 碧い細波の揺れる湖沼が点在していました。

  

  

 大雪山の五色ヶ原などに見る光景とそっくりです。

  

 しばらく走ると、目の前にベイン・スピオネィー(Beinn Spionnaidh)と思われる山稜が見えてきました。

  

  

 このような場所をヒースと呼ぶのでしょうか。

  

 ハリエニシダが澄み渡った大気の中で黄金色の花を咲かせていました。

  

 ハリエニシダは全ての葉が針状になっていて、競合する植物に比べて葉の面積が狭い為に、光合成の効率が悪いそうです。

    

 そう思って観察すると、ハリエニシダが花を咲かせているのは、少々盛り上がった、太陽光線をより多く受けられる場所です。

 思い返えせば、此処へ来るまで、ハリエニシダが繁茂していたのは、南向きの良く陽の当たる斜面だけだった気がします。

 

  

 北西ハイランドジオパーク(North West Highlands Geopark) のディスプレーが建っていました。

   

 調べてみると、北西ハイランドジオパークはこの辺り一帯から、ネッシーで有名なネス湖西岸までを含むそうです。

   

  

 そして、その先にエリボール湖(Loch Eriboll)が姿を見せました。

  

  

 アード・ニーキー(Ard Neakie)と呼ばれる個性的な島が砂州によって陸と結ばれていました。

 この島には1890年代まで、対岸とを結ぶフェリーの出発港があり、その時のフェリー関連の建物が、まだ島に残っていました。

 また、島の左手には1870年頃に、この辺で大量に採掘された石灰を焼く窯の跡が見えています。 

  

  

 道は下りながら湖の南端に向かいます。

  

  

 アード・ニーキー島の砂州が綺麗な曲線を見せていました。

  

 言葉では表現できぬ程の水の青さに息を呑みました。

  

  

  

 車を停めて、青から碧に、そして蒼へと、刻々と表情を代える湖の色を堪能しました。

   

  

  

 湖畔に一車線の道が伸びて、島が湖面に浮かんでいます。

  

 

  

  やがて道はうねりながら斜面を登り、

  

 

  

 潅木茂る岩壁に、へばりつくように建つ、民家の横を通り過ぎました。

  

   

 まるで、知床の海岸で番屋を見ているような錯覚を覚えます。

  

  

 湖の南端を回り込んで、牧羊地が広がる湖畔の西を走り抜けます。

   

  

 岩陰に身を潜めるような民家を眺め、

  

  

 そして、湖が海と繋がる場所の、波静かな浜を見納めにして、北の湖に別れを告げました。

  

  

 

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