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スコットランドの荒野

2012-07-18 16:34:20 | イギリス一周 花の旅

 ジョン・オグローツ(John O'Groats)を出発して西に進路をとり、最北の町サーソー(Thurso)へ向かいます。

 

 とは言っても、私にとってサーソーはナビ上の暫定目的地にすぎません。

 

 湖水地方の失敗の経験から、予定ルートに沿って、小刻みにナビへ目的地を入力することにしました。

  

  

 振り返ると、湾を挟んでジョン・オグローツが見えます。

 

 風もない青い海が、穏やかに目の前に広がっていました。

 

 道路の両側は放牧地です。

  

  

 私はスコットランドの荒野というイメージを勘違いしていました。

 

 私は北海道の釧路湿原や苫小牧周辺の原野のように、人の手が加えられていない、荒れ果てた草原のようなイメージを持っていたのですが、今まで見てきたスコットランドの荒野は殆どが放牧地だったのです。

  

 

  

 一見、人の手が加わっていないような場所であっても、天然の草原ということではなさそうです。

  

 一時間もしないで、サーソー(ガイドブックにはサーゾーと記載)の街に入りました。

  

 サーソーは人口約9千人の町で、1200年代中頃まで、オークニー諸島のノース人に支配されていたそうです。

 

 サーソーという名はノース語で「牛の飲料水」を意味するのだとか。

  

 

  

 街を外れると、海岸添いの道からオークニー諸島のホイ島が見えていました。

  

 オークニー諸島のメインランドには5千年前の集落遺跡があるそうです。

 

 人類が大地の自然に手を加えてきた歳月は、相当長期に及ぶようです。

  

  

 6月のスコットランドの空と海と緑は抽象画のような美しさを見せていました。

  

  

  その抽象画の中に、人々が積み上げた石壁が直線を描いていました。

   

  

 

 

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二つ目の「最初で最後」

2012-07-18 14:15:47 | イギリス一周 花の旅

 ウイック(Wick)からイギリス本土最北の地、ジョン・オグローツ(John O'Groats)まではもうすぐです。

 似たような光景の中に道は続きます。

  

  

 路傍にハマダイコンの花が咲いていました。

  

  

 そして、その先に火を放たれた荒野が、黒い姿で丘をなしていました。

  

  

 一見して、人の手が加えられていないように見える大地も、実は家畜を飼う人が管理する場所だったのです。

  

  

 火の放たれた放牧地にハナダイコンの咲く道が伸びて、

  

  

 やがて、前方に青い海が見えてきました。

 遠くに島影が見えます。

 

 

 そして、6月20日 11AM イギリスに来てから丁度一週目にして、イギリス本土最北端の地ジョン・オグローツに辿り着くことができました。

 

 海を背にした標識には「ランズエンド 874マイル(約1400km)」の文字がよみとれました。

  

  

 ここからは北のオークニー諸島へ渡るフェリーが出ています。

  

 その、フェリー乗り場の受付の窓ガラスに「ファースト&ラスト(最初で最後)」の文字が見えます。

 

 

 ムムム、その文言は何処かで見た記憶があります。

  

 そう、そう、ランズエンドのセネン村にある「イギリス最後の宿」に掲げてあった看板と全く同じフレーズです。

  

  

 そうなんですか。

 はからずも私は、イギリスの「最初で最後」の二か所の地に立てたことになります。

  

 日本に例えれば、鹿児島の佐多岬と稚内の宗谷岬の間を走りきったようなイメージでしょうか(絶対距離は倍以上違いますけど)。

  

 

 一種の達成感に包まれ、私は何とも言えない至福の時を味わっていました。

   

 

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北の町 ウイック

2012-07-18 12:46:04 | イギリス一周 花の旅

 ウイック(Wick)の街に入りました。

 ウイックとは北欧語の「vík」(湾)に由来し、以前は鰊漁の町として栄えたそうです。

  

 

  

 思っていた以上に大きな街でした。

 ウイック川の両側に、人口7千人強の市街が広がっていました。

  

 

 

 ゴミ一つ落ちていません。立て看板も目につきませんでした。

 商店街やパブが立ち並んだ一角がありました。

  

 

   

 スコットランド教会 ウイック・セントファーガスは2009年に2つの教会が合併してできた、新しい教会のようです。

  

  

 なだらかな坂の先で、川が河口となる場所に港が築かれていました。

 しっとりと落ち着いた雰囲気で、好感の持てる街です。

  

 

 

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大地と雲の表情に心奪われる

2012-07-18 07:51:14 | イギリス一周 花の旅

 今回のイギリス旅行は二年越しの企画となります。

 昨年、アメリカを車で横断しましたが、当初はイギリス旅行を考えていました。

  

 しかし、イギリスは植物園やガーデン、その他の史跡などが多く、事前の調査が間に合いそうもなかったので、「アメリカ大陸横断 花の旅」というシンプルな目標へ変更した経緯があります。

  

 アメリカは車で横断したので、今度のイギリスは自転車で巡るアイデアも本気で検討しました。

 

 しかしイギリスは、比較的に治安は良いほうですが、盗難には十分な注意が必要なようです。

  

 ネットで検索したホームページやブログで、イギリス自転車旅行で、タイヤだけ盗まれたとか、写真を撮ってる1~2分の間に、停めておいた自転車ごとなくなった等々の記事を読んで、「自転車で旅して、植物園に寄って花の写真を撮る」などという計画は、肉を背負ってハイエナの群れに飛び込むようなものだと諦めました。

  

 そんなですから、車を運転していても、「ここを自転車で走ったら、どんなだろうか」と、ついつい考えてしまいます。

  

 

  

 ブローラ(Brora)の街を過ぎたあたりで、前方に低い丘のような地形が見えてきました。

  

  

 緩やかな坂道を登って行きます。

 車なら何でもない道路ですが、自転車だと、こんなふうにタラタラと続く坂道は嫌でしょうね。

  

  

 道路の左斜面いっぱいに黄色いハリエニシダが咲いていました。

 右下の斜面にも繁茂しています。

  

  

 道路のすぐ横を鉄道が並走しています。 

 この鉄道はヘルムズデール(Helmsdale)から内陸へ入り、北の外れで二つに分かれて一本はサーゾー(Thurso)へ、そしてもう一本は、再びこちら側の海辺の町、ウイック(Wick)へと繋がっています。

  

  

 自転車だと辛そうなアップダウンを繰り返し、道路は海岸線に沿って続いて行きます。

  

  

 海は穏やかで、これが海なの? と思うような不思議な静けさで広がっていました。

  

  

 平坦な場所では、道路のすぐ横が牧場です。

  

  

 そんな道を走り続けて、

  

  

 大地と雲の仕草に心奪われながら、果てない空の下を、北へ向かって走り続けました。

 

  

   

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ハイランドを一周します

2012-07-18 07:35:13 | イギリス一周 花の旅

 インバネス(Inverness)を朝8時に出発しました。

 

 もっと早く出発したかったのですが、ホステルのフロント業務が朝8時開始なのでチェックアウトが遅れました。

  

 でも、御蔭さまで、たっぷりの休養もとれて、体調は万全です。

 

 時間つぶしに、朝のインバネスをお散歩する時間も持てました。

 

 おまけに、今朝はピカピカの快晴です。

  

  

 今日の予定はスコットランド最北のハイランドと呼ばれる地域を、海岸に沿って一周すること。

 

 それだけです。後は何も考えていませんでした。

 

 何しろ、ガイドブックにも殆ど情報が記されていないのです。

  

 海沿いに、道路がぐるり通じていることは地図で確認しましたが、ルート上に町らしきものが殆ど見当たりません

  

  

 まずは幹線道A9を海岸に沿って北東へ進みます。

 

 当面の目的地はジョン・オグローツ(John O'Groats)

 

 絶好のドライブ日和です。

 

 道路の両側には緑の牧草地が続き、牛がのどかに陽を浴びていました。

 

 この辺は、羊ではなくて牛が放牧されています。

  

  

 信号も交差点もない道が真直ぐに、白い雲の浮かぶ彼方へと続いていました。

  

  

 時折、小さな町に入りますが、つかの間に通り過ぎます。

 

 北海道の名寄から稚内への国道を思い出しました。

 

 雰囲気がよく似ています。 

  

  

 それにしても、イギリスは全国津々浦々、何処へ行っても家は全て石造りです。

 

 実は、現在進行形でログハウス建築の計画を進めており、今回の旅で色やデザインの参考となる民家を見たいと期待したのですが、全くの思惑違いでした。

 

 

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