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転んでボグワーツ魔法学校

2012-07-05 22:24:53 | イギリス一周 花の旅

 ミナック・シアターに到着した時に、小学生の体験学習が行われていたので、私は入場を待たされ、見学を終えた頃は17時近くになっていました。

 

 この付近には、入場できる観光施設や庭園はないので、昨日のスローペースを挽回する為にも、移動距離を稼ぎ、明日に備えることにしました。

 

 ミナック・シアターを離れてしばらく、「囲い込まれた牧草地」の狭間を走りました。

 

 

 やがて、大型トラックが行き来する幹線道路に入り、

 

 

 片側二車線の高速道路に出て、

 

 

 やがて、その道が三車線となって、目的地のブリストル(Bristol)が近づいてきました。

 

 

 明日はウエールズに行く予定だったので、ブリストルからブリストル海峡を跨ぎ、最短距離でウエールズに入ろうと、ナビの目的地にチェプストウ(Chepstow)という町を入力しました。

 

 しかし、ブリストルの郊外を過ぎても一向に橋が見えてきません。

 

 

 高速道路は駐車禁止です。 

 

 変だな? と思っても、車を停めて地図を確認する場所が無いので、そのまま走っていると、やがてナビに「グロースター」(Gloucester)という町名が標示されました。

 

 

 え グロースターと言えば、ブリストルからバーミンガム(Birmingham)への途中に位置する町です。

 

 何故? と思いましたが、ようやく見つけたガソリンスタンドに車を停めて確認すると、ナビはブリストル海峡を大きく迂回して、グロースターを経由してチェプストウへ向かう道を選択していたのです。

 

 後から推測すると、ナビは有料道路を通らない設定となっていたようです。

 

 ブリストル海峡を跨いでウエールズに入るセバーン橋は有料道路だからです。

 

 しかし、既に20時20分を過ぎていました。

 

 これ以上無理して、事故でも起こしたら元も子もありません。

 

 今日はこの街で夜を過ごすことにしました。

 

 でも、転んでも只では起きないぞと考え、

 

 せめてもと、グロースター大聖堂を探し、そのお姿をパチリ。

 

 これは、「ハリーポッターと賢者の石」でボグワーツ魔法学校として、撮影に使われた大聖堂です。 

 

 それにしても、緯度の高いイギリスの6月は、20時を過ぎてもこの明るさです。

 

 

6月15日 の位置

 

  

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ミナック・シアター 断崖劇場

2012-07-05 12:57:32 | イギリス一周 花の旅

 ランズ・エンドの近くに、以前から気になっていた場所があります。

 

 ランズ・エンドから約5kmほど南東へ向かった、海を見下ろす断崖に、ロウェナ・ケイド(Rowena Cade)という女性が50年の歳月をかけて、たった一人で作り上げた石の劇場です。

 

 

 先に説明したように、この辺りはイギリス最南西部のコーンウォール半島の先端で、周囲には獏とした平原が広がる辺境の地です。

 

 

 劇場左手のポースカーノ湾はコーンウォール地方を代表する砂浜のビーチですが、この日は波が荒れ狂っていました。

 

 

  

 日本で言えば襟裳岬か能登半島の先端のような場所に、しかも急傾斜の岩の断崖に、一人の女性が手押し車で石を運び、ドリルで石版を彫り、1983年に90歳で亡くなるまで、一人で野外劇場ミナック・シアター(Minack Theatre)を作り続けたのです。

 

 

 ロウェナ・ケイドは演劇を単に人々に観せるだけのものとは認識していなかったと思います。
 
 
 そうでなければ、人里離れた、こんな辺境の地に劇場を作ろうなんて考えなかったはずです。
 
 
 更に、ロウェナ・ケイドが作業を始めた1933年頃、世界は大恐慌の真最中で、欧州ではムッソリーニやヒトラーが台頭し、その後は第二次世界大戦に突入していった時代です。
 
 
 いったい彼女は何を考えながら、石の劇場を作り続けたのでしょか。
 
 
 イギリス人の逞しさと、自分の信念に忠実な生き様に、改めて驚かされました。
 
 
 そして今、この野外劇場では6月~9月に1日2回、一流の劇団による実際の公演が行われています。
 
 
 
  
 
 劇場は、今でも後継者によって、完成を目指し、継続した作業が続けられているそうです。
 
 
 客席上部に2012年と刻まれた石段を見つけました。
 
 
 
 
 そして、車椅子用の客席も用意されていました。
 
 
 
 
 劇場最上段の客席の上に花咲く庭が作られ、ちょっとしたスペースにベンケイソウのような赤紫の花が風に揺れていました。
 
 
  
 
  
  

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ランズ・エンドは風の岬

2012-07-05 05:32:53 | イギリス一周 花の旅

 ランズ・エンド(Land's End:地の果て)に到着しました。

 

 

 強烈な風が、休みなく海から吹き付けていました。

 

 まともに立って居れないほどです。

 

 見下ろす海に立ち尽くした岩へ、容赦ない白波が叩きつけます。

 

 そのあまりの激しさに魅せられ、私はしばらく岩と波から目を離すことができませんでした。

 

 ランズ・エンドの崖の上の白いホテルが風に晒されていました。

 青い空と海に白壁が映えます。

 

 

 何の目的でしょう、円形の小屋が海崖ギリギリに建てられていました。

 

 風が強すぎるので、崖の縁の小屋へ近づくのがはばかられます。

 

 

  穏やかに晴れ渡った空の下で、風と波だけが荒れ狂ったように吠え続けていました。

 

 振り返れば、遮るものもない、獏とした草原が広がっています。

 

 

 ホテルの左手にグリーブファーム(Greeb Farm)と標された門があって、その先に建物が見えます。

 

 簡易舗装された路を歩いてみました。

 

 

 わずかに凹んだ谷に透明な水が溜められています。

 

 石小屋の前で雄鶏が風を避けるように、陽を浴びていました。

 

 母屋では皮のベルトやメダルなどの記念品を手作りしていました。

 

 

 

 海に沿って伸びる小さな尾根に、柵囲いした放牧場があり、牛や羊がのんびりと草を食んでいました。

 

 

 今来た路を振り返ると、ホテルが海風の中で、岬にへばりつくような姿を見せています。

 

 

 

 谷横の尾根へと続く、踏み分け道を歩いてみました。

 

 尾根の上は、とてつもない風が体ごと持って行きそうに吹きすさびます。

 

 尾根の下では、白波が怒りをあらわに岩を洗っていました。

 

 

 そんな小路で、アサツキが愛らしいピンク色の花を咲かせていました。

 

 

 

 地の果てには花が咲きます。

 

 

 昔、若かりし頃、雷雨の中で登攀した北の岩壁で、ピンクのタカネバラが風に揺れた姿を想い出しました。

 

 木や草や人は、厳しい風の乏しい糧の中でも、美しい花を咲かせられるようです。

 

 

 ランズ・エンドの風の中で、若い二人が肩寄せ合いながら歩む姿を見かけました。

  

 

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