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オジロワシが翔ぶタンの浦

2012-07-19 15:35:01 | イギリス一周 花の旅

 今回の旅で最も期待していたのが「スコットランドの荒野で野に咲く花を見る」ことでした。

  

 しかし、スコットランドの荒野は全て、と思える程、人々が牧畜に利用していますので、北海道オホーツク海沿岸の原生花園のように、多彩な草花に出会えることはありませんでした。

  

 少なくとも車でアプローチできる場所ではそうでした。

 湖水地方のあんな山奥でも羊が遊んでいましたし、スノードン山の麓では牧羊のための石壁が延々と築かれていましたので、おいそれとは手付かずの自然に出会えないのかもしれません。

    

  

 車が小さな丘を回り込むと、目の前に静かな入江が広がっていました。

  

  

 タンの浦(kyle of Tongue)のようです。

 入江の出口に見えるのが兎島でしょう、この辺では鯨やカワウソの姿も見られるそうです。

  

  

 駐車スペースに、周辺(コールドバッキー;Coldbackie)の様子を説明した掲示がありました。

  

  

 その内容は、

  「コールドバッキー(Coldbackie)は魅力的な場所です。干潮時の浅瀬で難波船の残骸や滝などを見られるかもしれません。ブランディー(Blandy)には素晴らしい粉を引くことで有名だった水車小屋の跡があります。村の赤い電話ボックスの脇の道を、標高307mのウオッチヒルに登れば、古城跡に出ます。その頂きでは3月にムラサキユキノシタ(purple saxifrage)が岩の割れ目を飾り、夏にはヌマラン(nothern marsh orchid)、ヒースラン(heath spotted orchid)、ニオイラン(fragrant orchid)などが咲き、秋や冬にはオジロワシの姿を見ることが出来るかもしれません」

  

 そうなんですね。

  

 やっぱり、車で走り抜けた程度では、野の花には出会えないようです。

 しかも、季節を狙って来る必要もありそうです。

  

  

 道は小高い場所に上がってきました。

 見下ろせば、入江に浅瀬が伸びて、その先に橋が掛かっています。

 あの橋を渡って行くのでしょう。

  

 

 渚の横に下りてきました。

 海岸を海藻が被っています。 海は多彩な生物を育んでいる様に見えます。

  

  

 対岸に聳えているのは、クランスタッキー(Cranstackie 802m)や ベイン・スピオネィー(Beinn Spionnaidh 773m)といった山々のようです。

  

  

 瀬を渡るとき、穏やかなタンの浦に、白い雲が浮かんでいました。

  

  

 カメラのズームを効かせて、対岸の山を撮影してみました。

 なかなかに見応えある山容が目の前に聳えていました。

  

 

 

 

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スコットランド北縁の道

2012-07-19 10:33:27 | イギリス一周 花の旅

 イギリス本土はジョン・オグローツ(John O'Groats)から緯度と平行して、海岸線が西へ続きます。

 私はその海岸線に沿い、イギリス本土、ブリテン島の北西端へ向かいました。

  

 海を見下ろす入江の縁に、民家がポツンと一軒建っていました。

 白い洗濯物が風にそよぐ光景に、日々の平穏な暮らしを伺い知ることができます。

  

  

  遥か前方に、島影ような山稜が見えてきました。

  

 荒涼とした大地の真ん中に、強い意思を誇るかのように、一軒の民家が見えていました。 

  

  

 道は大地の起伏を縫って西へ走ります。

  

   

 そんな景色の中に咲くハリエニシダは寂しげです。

  

  

 道に沿って伸びる電線が人の気配を感じさせ、丘の麓へ伸びる脇道が人の営みを想わせます。

     

  

 たまに、羊を見かけますが、その数は数える程です。

  

 

 この辺に目立つ緑はシダの類でした。

 数時間前に見てきた、ウイック周辺の牛遊ぶ草原に比べ、明らかに地味に差がありそうです。

   

 

 ベティーヒル・ビューポイント(Bettyhill Viewpoint)という展望台を目にして、車を停め、西の空の山脈を見渡しました。

 解説板で、最も高い山はベン・ホープ(Ben Hope)山 927mです。

 独立峰なので、実際の高さよりも高く見えます。

 距離感が惑わされます。

 何だか蜃気楼でも見ているような錯覚を覚えました。 

 

  

 その先へ進むと、

 川が流れ込む入江に、風を避けて建つ、数軒の民家を見かけました。

 家々の周囲には木立も見えます。

 

 

 走り進む風景の中に小さな湖面が現れ、そのような場所ではハリエニシダが生き生きとした花を咲かせていました。

  

  

 時々対向車と出合いますが、待避スペースで譲り合う程の道幅になっていました。

 

 

 前方に対向車を見かけるとパッシング・プレースに待機して譲り合います。

 相手が先に待避して、その場所でライトをパッシングして「待ってるよ」の合図をくれることもあります。 

   

 

 すれ違う時はお互いに手を挙げて、挨拶を交わします。 ほのぼのとした田舎道の光景です。

  

  

 点在する湖の周囲に羊の姿を見かけますので、全てが牧羊地に利用されているのでしょうか。

  

 光景としてはオホーツク海沿岸の原生花園にも似ていますが、目にする植物の種類は限られていました。

  

 

 

 時に、セイヨウミヤコグサのような黄色い花を見かけましたが、場所は限定されていました。

  

 

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