インチャード湖(Loch Inchard)の先で、道が岩凌の中に分け入ります。
その岩稜を抜けると針葉樹林が見えてきました。
山の頂きは森林限界を越えているのでしょうか、岩が露出しています。
地図で推定すると、フォイナーベン(Foinaven)山かもしれません。
やがて、眼下にラックスフォード橋(Laxford Bridge)が見えてきました。
僅かな距離しか離れないのに、1~2時間前の光景と大きく異なり、木々が繁茂しています。
丘を越えると、森と湖が待っていてくれました。
北緯58°の大気に包まれ、岩と森と水が絵をなす中を、ちっぽけな漁船が外洋を目指し、なさざ波をたてていました。
ウナプール(Unapool)でそんな入江の橋を渡りました。
橋を越えると、キーナッグ (Quinag)山が目の前に立ちはだかり、
道は岩山を避けるように、荒野の中に続きます。
丘を下り進む先に、吸い込まれそうなダークブルーの湖が見えてきました。
アシント湖(Loch Assynt)です。
この湖の畔に建つ古城の辺りでは、悪魔に約束させられたエイマーという娘が、湖に身を投げて人魚となり、今でも湖底の洞窟の中に身を隠しいると語り伝えられているそうです。
湖の水位が上がるときは、この人魚が涙を流しているのだそうです。
アシント湖を過ぎると、カニスプ(Canisp)山が見えてきました。
その奥にスイルベン(Suilven)山が個性的な姿を見せています。
夫々のピークは847mと731mですから、たいした高さではありませんが、独立峰なので、なかなかの風格です。
息付く暇もなく、湖を従えたクル・モア(Cul Mor)山が見えてきました。
山と川、山と湖、山と入江が、次々と車窓の景色を楽しませてくれます。
時を忘れるような、夢ごこちの大自然の中で、快適なドライブを続けました。
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