道が緩やかに下り進む先に、アベライロン(Aberaeron)の町が待っていました。
幹線道路から左折すると、海に向かってメインストリートが伸び、その先にカラフルな建物が庇を並べていました。
こじんまりとした港にヨットが並びます。
マストに張られたロープが、ヒュン、ヒュンと風音を響かせていました。
まるで鎖に繋がれた子犬達が、走り出たくて鼻を鳴らすように、港に閉じ込められたヨットが鳴いていました。
港に流れ込む川は、雨で水嵩を増していましたが、
ヨットハーバーに影響はなさそうです。
川を跨ぐ木橋がお洒落なシルエットを見せ、
周囲の河原を、ホザキシモツケが赤く染めていました。
左岸に並ぶ家々は淡い彩りに染まり、街は安らぎの中に寛ぎます。
港で魚を売りながら、料理を出す店を見かけましたが、開店時間はまだ先のようです。
どんな、料理を食べさせてくれるのでしょう。
アベライロンの食彩を見たいと思いましたが、ちょっと残念です。
この町も含め、ウエールズの海岸に連なる町や村の面影は優しく穏やかで、魚料理は日本人の嗜好に合いそうな気がします。
「地球の歩き方」というガイドブックの「イギリス」編では、ウエールズに関する記事が全体の3%にも及びません。
ロンドンからは、スコットランド程も離れていないので、もっともっと日本人に知られても良いのに、と思いました。
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