昨日の続きです。
船橋市の屋外アート、男性裸体像。
船橋市運動公園の体育館正面の全裸男性像、「青春の詩」。
船橋市役所正面の、パンツをはいた中途半端な男性裸像、「初代市長」像(昨日のストックポート日報参照)とは違い、本当に全裸です。。
静かな一歩を踏み出すサムライ顔の「初代市長」像より躍動感があります。スポーツ推奨の寓意像なのでしょう。
「スポーツ健康宣言都市」標語が体育館の正面に赤字で大書してあるほどの気の入れようです。立派な心掛けなのですが「宣言」するようなことではないと思われます。
ライオンズクラブによる寄贈だそうで、市の購入(税金投入)ではなさそうですね。それはともかく…
青春の希望の表現なのか力強く天に振り上げた右腕と見上げる視線が、隣の時計の方向を向いているせいで「今、2時47分」と言っているように見えて滑稽です。時計の位置を考えて設置すればよかったのに…!
像を囲む盛りを少し過ぎたきれいなサザンカの植え込みはいいとして、周りの環境が本当にがっかりです。
強烈な色彩の駐車場の遮断機、船橋市が大の得意とする目に煩い注意書き、お願い、警告看板の林立(お願い池に入ったり魚を取ってはいけません、駐車場内の事故盗難等は一切責任負いません、アイドリングストップ、自転車バイクでお越しのお客様へ、車路歩行禁止…等々)屋外古典アートの周囲がここまで視覚的にごちゃごちゃしていていいわけがありません。
この像の彫りの深い顔立ちはステキですが、チャラい長髪はスポーツマンらしくありません。像が建造された1970年代の流行りのスタイルだったのでしょう。
それよりもやはり気になるのは古代ギリシャのオリンピア競技者のように全裸にしたのはいいものの、股間の表現が少し雑、なことです。
やっぱり、精密に詳細に表現することがはばかられるのでしょうか。
「初代市長」のパンツ着用よりはいいでしょう。
この広大な市営運動公園にはもう1体、古典的な男性立像が設置されています。
陸上競技場のわき、ちょうど観客席のトラックを挟んだ反対側の…
「新風」。
これは、いいですね。
レトロなランニングショーツをはいたスポーツ青年像でしょう。
履いてないことにしたそうな市役所前の「初代市長像」とは違い腰回りや踏み出した脚にまとわりつく布の表現もしっかりしています。
新風をはらむスポーツタオルを手に、走り終わった後の達成感を表現したのではないかと解釈しました。目の前の陸上競技場のトラックを見下ろす趣向です。
スポーツタオルではなく、「歓び」の竪琴のような古典的表現の演出に欠かせない小道具の布なのでしょうけど
陸上競技場と像のある植え込みエリアの間は1.1㎞のジョギング・コースになっていて、多くの人がすぐ横を走って通っていきました。
茂みの奥の少し高い場所にあるこの力強く、立派な像に気が付く人はあまりいなそうなのが少し残念です。
ここでもまた、古典屋外アートのもったいない扱いです。
…これは、税金を投じた購入ですよね。予算が余っていたバブル経済の絶頂以前の、1971年作でした。
もうひとつ。
市役所前のパンツ裸像に「初代市長」と命名した友人が撮った写真です。
西葛西駅(東京都江戸川区)の外にあるという女性立像「躍」。裸婦像ではありません。レオタードを着て、決めポーズをとる体操選手の像ですね。
日本の各地で人気絶頂の女性の裸像は、どうやら市民の鑑賞に堪える崇高な主題として認識されているはずなのに、なぜこの女性像はレオタードを着ているのか…?
均整の取れた身体の線を美しく表現したこの像が駅前に設置される必然性は?
これもスポーツ女性像ですよね?これこそ、体育館前にでも設置するべき像なのでは?
とにかく、税金を投入した区の購入品ですよね?
お金が余っていたバブルの頃に設置されたにせよ、満足に食事がとれない子供が大勢いるという今の日本で、アート狂いの独裁者がガンガン設置したようなアート作品が林立しているのに関して誰も何も思わないのでしょうか。
英国ではここ30年以上の間、消費税はずっと20%、所得税も高いのですが税金で公共の場所に設置する裸像アートの購入をすすめる市町村は知る限りありません。
…食品には消費税がかからないので、肉や野菜などの食材は日本よりずうっと安いということも付け加えておきます。