5週ごとの火曜日に、私と娘は日本式の「ハンバーグ」を食べます。ここ数年、5週間ローテーションで曜日ごとにきめてある夕食メニューのシステムに従っています。献立に悩まなくて楽ちんです。
ハンバーグの日には高級住宅地にある商店街のお肉屋さんで牛ひき肉を買います。
ショーウィンドウには肉のディスプレイがー切ありません。
地元産の放し飼いタマゴ、調理ソース、フライドチキンの持ち帰り箱(合衆国の旗デザイン)など抽象的なアピールです。
店内の冷蔵ケースは、加熱するだけで食べられる半出来合いの肉料理、ソーセージやポーク・パイなど伝統的なお肉屋さんの自家製品のディスプレイに使われています。
ディスプレイされている肉はステーキ用やロースト用などなどごくわずか。必要なものは注文して背後の大きな冷蔵庫から出してもらうようです。
ひき肉500gを注文すると、冷蔵庫から大きなステーキ肉の塊を出して、ぶ厚いまな板の上で切ってその場でミンサー(肉挽き機)で挽いてくれます。ぶっといスパゲッティのような赤いひき肉がにゅるにゅる出てくるのを見るのは楽しいです。
コンピューター仕様の秤が値段を算出、きっかり500g計れたことはなくていつも多めで、500g分よりほんのちょっと余分に払うことに。200gぐらい多めに挽かれたひき肉は陶器の器にいれ、冷蔵ディスプレイケースに移されます。少量必要な人に1回で売り切るでしょう。
私のように500gも買う人には必ず挽きたてを売ってくれます。挽いてあるものから売りたいでしょうに、混ぜることはありません。
内側につるつるコーティングした茶色の紙袋も環境を配慮していて好感がもてます。
(ベジタリアンの夫にはキノコ由来のマイクロプロテインのハンバーグをオーブンで焼きます)
500gあれば、タマネギ、パン粉などを入れて練った日本のレシピのハンバーグ・パテなら7枚も作れます。娘が2枚、私が1枚夕食に食べ、あとは焼かずに冷凍して、メニューのきまっていない水曜日にでも解凍調理して食べます。
オンラインショップの台頭で、商店や商店街そのものの衰退がはじまって久しいです。しかもそのずーっと以前から生鮮食品はスーパーマーケットで買うのが当たり前になっていますので、どこの地域でも町のお肉屋さんが減っています。
たくさんの種類のすでに様々な量にパックされた肉を店員とのやりとりなしに選んでカゴに入れていくスーパーマーケットの方が手っ取り早いのは確かです。
でもこの店は「アーティザン(昔ながらの職人気質の)・ブッチャー」と銘打っているだけあって高級化・差別化したマーケティングで繁盛しているようです。用途に合わせた部位をその場できりわけ、ひき肉なら挽きたてを量り売り...といった。
お値段は高め。
牛ひき肉515gが5ポンド64ペンス(1,101円)。...たまにならいいか、と思える出費です。スーパーマーケットだと、安いものは500gが3ポンド前後で買えます。
昔ながらのこの商店街には八百屋さんまであります。
とは言え、オンラインショップやスーパーマーケットと競合して、今どき驚くほど繁盛しているこの商店街の顔ぶれは「昔ながらの」とはいいがたい業種が圧倒的に多いです。
たとえば...美容院。
と理容院。
ビューティー・スパー(エステ)、メガネ屋、おしゃれなレストラン、カフェ、ワイン・バー...
そしてフラッと立ち寄るのが楽しいチャリティー・ショップ(寄付されたセカンドハンド品を売って慈善事業の基金にする店)。
私がボランティアをしている、チャリティ・ショップ、オックスファム Oxfam です☟
....等、オンラインでは提供できないサービスの業種がそれぞれおどろくほど多数、店を構えています。テーラー(注文仕立服屋)まで1軒ありますし。
ちょっとした贅沢にお金を惜しまない人たちが住む裕福なエリアであることも重要でしょうね。
商店街の中心にあるショッピング・プリシンクト(小型ショッピングセンター)では今風のビジネスが目立ちます。
例えば、最近人気の、陶器の彩色絵付けができるポタリー・カフェ pottery café
日本各地の観光地にあった「楽焼」みたいな施設ですが、貸し切りで絵付けパーティもできるおしゃれなカフェです。
犬のトリマー
子供のための美容院
カスタマイズド(オーダーメイド)の高級自転車屋もあります。
いずれも商店街に足を運ぶ目的になる注目のビジネスです。(気合いの入ったハロウィーン飾りを中心に写真を撮りました)
商店街が廃れるのって、本当に寂しいです。
がんばってほしいので、5週ごとにちょっと高めのひき肉を買い続けます!