廃棄物処理も大変そうです。
大河津分水より、ほぼ満水状態で放流された信濃川本流ですが、その下流には猿橋川、刈谷田川が入り込み、更に下流では五十嵐川、加茂川が流れ込みます。いずれも上流で降水量が多く、増水した河川です。
三条より下流では、7・13水害の後、大規模な堤防の改修工事が行われ、その性能が試される機会でもありました。
堤防がかさ上げされても、橋の掛かる部分は高さが低いままなので、小須戸橋と臼井橋にて堤防の取り付け部分で土嚢の応急処置を行いました。
この2つの橋は、一度河川敷に入ってから橋梁部分につながるという面白い構造となっているので、TV中継では橋が水没したのではないかと勘違いされましたが、実際には河川敷の道路部分が水没しただけで、橋が流されたわけではありません。
7月31日(日)(次の日)の小須戸橋 白根方面より
対岸の小須戸方面は復旧工事のために進入不可でした
こちら側の河川敷の水田に、まだ水が溜まっています
庄瀬橋より下流方面。
信濃川本流は、まだ「水防団待機水位」といったところ・・
河川敷すれすれまで水が上がってきています。
保明橋より支流の加茂川
橋すれすれまでドロの跡があるので、
ここまで増水したのがわかります。
その橋の袂では、冠水したらしく、水害ゴミが集められていました。
必死にポンプで排水していた様子がTVで中継されていましたが、
自然の力には無力なところでもあります。
家屋が床下、床上浸水した場合は、
その処理に膨大な時間と労力を費やします。
主に信濃川右岸(小須戸、田上、加茂、三条)に冠水被害が集中したようです。
それでも、堤防の改修が行われていただけあって、被害が最小限に食い止められたようです。信濃川堤防の決壊はかろうじてまぬがれ、支流への排水能力が足りなかった水田よりの冠水が殆どで、決壊したのは三条市下田地区と魚沼市五十沢地区の2ヶ所だったようです。
中之口川の取水門
信濃川側はごみでいっぱいです
水門の中之口川側
土砂の跡があるので、増水時当時の水位を再現してみます
意外と少ないことがわかります
逆側の信濃川本流は・・
堤防の半分くらいまで増水していたようです
中之口川は信濃川の三条市上流から分岐し、燕市街地を通って月潟、白根の間を経由し、大野町にて本流と再び合流します。
中之口川と信濃川本流に挟まれた「白根郷」は大河津分水ができるまでは毎年のように信濃川の氾濫で水害にあっていましたが、最近は農業用水の排水も整備されたので、昔のような不安も解消されています。
中之口川の至る所にある水門は、堰としての役割よりも
農業用水の取水用の目的のほうが大きく、
増水時は全開にしていたようです。
白根郷の農業排水ポンプ場
こういった排水ポンプが中之口川に4基設置され、
郷内に溜まった水を排水しています。
白根郷内の水田は・・
意外と満水状態(7/31に撮影)
7/30当時は、4基ある排水ポンプのうち2台しか稼動できなかったそうです。
排水ポンプから出た水が、堰のようになって上流からの水を堰き止め、堤防に負担が掛かってしまうそうで、排水を自粛したそうです。
郷内に降った水は、支流も何も無いので、排水ポンプだけが頼みです。排水能力を超えた降雨があった場合には冠水する危険性もあります。
それを懸念してなのか、中之口川の取水門は半開状態として、なるべく取水せず、信濃川本流の方へ殆どの水を流したのも納得がいきます。
今回のように、上流で増水した場合にどうやって対処するか・・それが今後の課題となってくるのでしょう。
最後に、今回の信濃川下流域水域での状況をまとめたので、掲載します。
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