住みこみ*著書:『住みこみ』(2007年/ラトルズ刊) 戸田家の一年を写真とエッセイで綴った本のタイトルです。

人の暮らしは時間と共に変化します。それを調整しつつ自在に手を入れられる、ゆるやかな設計を心がけています。

開放木

2009-10-20 00:48:05 | 

(10月10日、トマトの収穫です。)

それにしても今年はよく採れた。今年のトマトは最終。実はちょっとホッとしている。ホームページでも書いたが、畑は実家にある為、ひょうたんの時などは、母から毎日のように「ブラブラしちゃってるわよ!!!」コールが・・・そしてトマトの時は「赤くなっているわよ!!!」コールの荒しだった。

あとは紅芋紅芋!!早く収穫しなければ・・と妙なあせりを感じる。。。もっとも紅芋は地中にあるので、さすがに母の目にも触れないだろう~

トマト、ナス、ピーマンをはじめ、紅芋や唐辛子にざくろ・柿・ゆずと、今の時期、実家に行くとまあ~いろいろと採れる・・・


(アゲハの幼虫もすくすく育っています/虫の嫌いな人がいると思いますので、画像を小さくしてあります)

ところ変わって我家の庭。
今年はほとんど農薬を散布していない・・・残っていて欲しい昆虫まで死んでしまうからだ。
何をもって”益虫”といわれるかぼくにはよくわからないが、そもそもこの世の中に不必要な生き物はいないとすれば、農薬が食物連鎖のどこかの過程で入るという事は、全体にとっても何らかの影響が出るのではないかという、ごくごく単純な理由からだ。(なんと稚拙な文章だ~)

といっても、屋上テラスで育てているゆずの葉が、毎年のようにアゲハ蝶の幼虫に、それもすごい勢いで食い尽くされている様を見過ごすわけにはいかない。

そこで考えたのが「開放木」

食べてよい木を設定してそこに幼虫達を移住させ、その木だけはおくつろぎいただく。。。そして、その木に選ばれたのが写真の”犬山椒”である。その数20匹近く。その上、いつのまにかカマキリやらカタツムリやらも増えている。娘よ!家の外から捕まえてきて、勝手に移住させないでくれるかな~

「幼虫のみんな!この木の葉っぱだろうが、茎だろうが自由に召し上がれっ!!」

=戸田晃建築設計事務所=






雑草

2009-08-21 16:30:27 | 
(8/17 沼エリア)

庭の手入れをしていると、植えた覚えのない草木が育っているのをみつける事がよくある。我家に遊びに来る鳥は、解っているだけでも10種類になるので、その鳥達が運んできたのかもしれない。はたまた自然に種が飛んで来たのかも知れないので、大きくなるのを観察し、その後そのまま育てるか、抜いてしまうかを検討する。

この百合もその中のひとつ。いつしか沼エリアのほとりに芽を出し、知らぬ間にどんどん大きくなっていった。何度となく、抜かれる危機に遭遇したのだが、百合っぽい~という事で、そのままにしていた。今では全高140cm、花は20cmはあり、一本の茎に4つの花をつけている。「う~ん百合が咲いた!」と満足げに、写真をとり観察していると、妻の母がその画像を見て一言「あら、これ雑草の”アレ”でしょう~」と・・・
そして先日、妻の実家の近くの道端や野原に確かに”アレ”が群生していた。

「雑草」の定義って、場所や人や地域によってそれぞれ違う・・・あたりまえのような事ではあるが、今更ながら知りました。ハイ!この百合は多分、高砂百合(タカサゴユリ)であると思う。

高砂百合(タカサゴユリ):ユリ科の多年草。葉は細長く、8月ころ、弁の外側に淡褐色の筋(すじ)が入った白い花をつける。花容はテッポウユリに似、種子による繁殖が容易である。台湾に分布する。

よく種子を稔らせ、風によって種子を散布する。一ヶ所に長く留まると、病原菌にやられたりするらしく、ある程度の年月が経過すると新たな場所へと旅立つものと考えられているらしい。

いいよ~抜かないから、うちの庭で何年か留まってなぁ~

(砂浜で群生してました。奥に写る白いのもみんな”アレ”です)

=戸田晃建築設計事務所=




捩花

2009-07-08 10:47:56 | 
(7/7 空庭エリア)

空庭エリアで咲いた捩花(ネジバナ)です。この花は野原や芝生の中に普通に咲く花であり、一般的には「雑草」の部類らしいが、いざ栽培しようとなると難しい。我家では種子がどこからか飛んできたのか、鳥が運んできたのかは解りませんが、日本芍薬とシャスミンの植木鉢の中に咲いていた。

その螺旋状に花を付ける独特の形と小さな花が小さい頃から好きでした。3.4年前だったか、いつも行く山野草屋で格安で見つけたので2鉢程買い、早速地に下ろしたのですが、根付かず、残念な思いが2年続いた事があった。花言葉は「思慕」なので、捩花への思いは「失恋」という感じだった・・・か?
それが思ってもみない頃に帰って来てくれて、ちょっと嬉しい。。思いもまっすぐ、ねじれないでよかった~

捩花(ネジバナ):ラン科の多年草。湿っていて日当たりの良い、背の低い草地に良く生育する。別名モジズリ(綟摺)。

=戸田晃建築設計事務所=

靫草

2009-06-22 18:28:58 | 
(我家の靫草は蕾の状態/小川エリア)
昨日6月21日(日)は夏至-太陽が夏至点を通過する時。北半球では太陽に位置が最も高くなり、昼が一番長くなる。
72候 第28候 乃東枯 なつくさかるる  「乃東」は夏枯草(カコソウ)の古名で「ウツボ草」のこと。冬至のころ芽を出し夏至のころに枯れる。

(鉄を切って・曲げて・穴をあけ、そして溶接して、棚受けと傘掛けを作りました)
かねてより念願だった溶接塾に参加しました。Houseの増満さんの紹介だったのですが、ここがまたいい。この分だと家に溶接機が来るのもそう遠い未来ではなさそうです。塾長はじめ、増満さん、みなさん、楽しいひと時をありがとうございました。

そして余談ですが、今回紹介してもらい、同行までしてもらったマスミツケンタロウさんが主宰する「house」の生み出す靴・鞄の革のモノ、真鍮金具や鉄脚の椅子・テーブルなど木と金属のモノなど、一種ジャンルをこえた工程や素材で作られた道具たちがすごく良いんです。生活を楽しんでいる人しか作れないモノがそこにある気がします。そして何より扱う素材に愛着が感じられます。つまり私はHouseのモノが好きなんです。
ハウス
http://www.house-jp.org/
(一本だけある菖蒲が咲きました/6月13日 沼エリア)

靫草(ウツボクサ):シソ科多年草。日当たりの好い路地や原野に見られる。
花穂の形態が矢を入れる道具「靫(うつぼ)」に似ているから「靫草」の名。花穂が褐色に変色 草全体が緑豊かで、枯れたように見える。この様子から「夏に枯れた草」との意味で、「夏枯草」と呼ばれる。

消炎性の利尿剤として、腎臓炎、膀胱炎、血圧降下作用抗菌作用、口内炎、扁桃炎に煎じてうがい、又は、薄めて、飲む。

=戸田晃建築設計事務所=

蟷螂

2009-06-05 13:09:33 | 
(工事中の住宅にて)
6月5日(金) 24節気 芒種(ぼうしゅ)芒(のぎ)をもつ穀物、麦は刈り取り。稲は田植えの時期とされていた。昔は稲を改良された現在より遅かったんだ。
72候 蟷螂生(とうろうしょうず)  蟷螂(かまきり)が生まれるころ。  

うちの娘は蟷螂癖があるみたいで、道を歩いていて蟷螂を見かけると一匹捕まえ家に連れて帰り中庭に逃がすんです。毎年そのうち何匹かが卵を産むんですが、白樺の木が好きなのか、娘がその木によく放すからなのか解りませんが、白樺で産む確率が高い。

2・3年前だったと思うが、いつものように白樺の木に卵を産みているのを発見した。何でも蟷螂の卵は、その産みつける高さで次の年の降雨量を占うというが、その位置なんと地上4m!これじゃあ大洪水だ~でもそういえば雨の多い年あったな~地上4mと言えば普通の家なら人間が気が付かない高さなのですが、我家の場合中庭の窓のすぐ近くに植えてあるため、2階からは思いっきり人目に触れていたのである。そしてその年は娘の絶好の観察媒体となった事は言うまでもなく・・・である。

画像は蟷螂と関係なく、養生の下でクリーニングを待っているガゲナウのコンロ。
一番右のガスコンロは在庫が無くなり次第、日本では売られなくなるもの。いい形なんだけどな~
法律改正によって世の中安全になっていくのは良い事であるとは思うし、それをどうこう言うつもりは毛頭無いが、法律改正の度に、言わば定番とさえ思われる商品、それも決まって外国製品が姿を消していくのは寂しい限りである。

何はともあれこの住宅は完成まで最終段階。そして、6月7日(日)オープンハウスには、たくさんの申し込みありがとうございます。すっかりクリーニングを済ませ、きれいな姿になってお待ちしております。


=戸田晃建築設計事務所=