住みこみ*著書:『住みこみ』(2007年/ラトルズ刊) 戸田家の一年を写真とエッセイで綴った本のタイトルです。

人の暮らしは時間と共に変化します。それを調整しつつ自在に手を入れられる、ゆるやかな設計を心がけています。

金の蜂

2015-04-12 02:57:04 | 建築設計

タタミの小上がり3畳間。私の設計ではよく登場する間取りです

縁側状の板張りスペースと合わせて使えば、椅子替わりにもなる、もちろん寝室にも客間にもなる便利な空間です。

 

そのタタミスペース正面に見える壁は仏壇置き場と飾り棚になります。

となると、中心に床柱で押入れと床の間 にしたいところですが、スペースが足りません。限られた面積の中で大きさを割り振ってますのである程度仕方がないことですが、特に幅が足りません。

あらためて扉を考えてみますと、引違い戸は広く使えそうで、その幅は1/2に制限される。両開き戸や折れ戸は開口幅が広く取れる代わりに、袖や上下に建具が残り使い勝手が悪い。

 そこで、向かって左側仏壇置き場の壁(建具)全体を右側にスライドさせる方法をとりました。これで100%開口幅が使えるます。

 そして床柱はやっぱり欲しくなりましたので、床柱と壁を一体化し、仏壇置き場の開閉には壁ごと、柱ごと移動する様にしました。

床柱がずれて、上部で2分割します

柱が移動するので、分割の線が入るのは仕方ありませんが、極力目立たないように、また一体感を感じさせるようにと、大工さんと建具屋さん、左官屋さんの緻密な連携なしでは実現しない納まりです。

ちなみに木目も上下でしっかりあってます。また、移動する壁についている柱は重さの関係で極力薄く削ったりと、見えないところでいろいろ試行錯誤がありましたが、今となってはすでに懐かしく思えてきました。

 

ふすま部分の柄は金の蜂。施主の奥様がガーデニングが好きなので選定したアイテムです。という事は引手は花かな~?笑

 


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