私の夕食は、焼酎の湯割りを飲みながら、中日新聞の夕刊を読むことから始まります。
ここにかける時間は、朝刊の数倍。
至福の時間です。
なぜならおもしろいのです。
湯割りも進みます。
昨日も興味深い記事に出会いました。
それが次のものです
東アジア共同体の幻影-近衛新体制から鳩山政権
筆者は中上健次や阿久悠などの評論で著名な文芸評論家の高澤秀次さん。

民主党政権の「東アジア共同体構想」をふまえて次のように言います。
近代日本にとっての「アジア」が、明治・大正・昭和(戦前・戦中・戦後)の各時代を通じて、多分に幻想的かつ恣意的なイメージを形作ってきたという過去の歴史である。
その通りです。
日本が「アジア」を語るとき、アジアの人が過去の事実を忘れていないことを肝に銘じないといけません。
高澤氏は2例示しています。
岡倉天心「アジアは一つ」『東邦の理想』
福沢諭吉『脱亜論』
前者は、日本美術の源流を探る純粋な美術思想史です。
しかし、「亜細亜は一つなり」で始まる考え方が、大東亜共栄圏につながるものとして解釈されたのも事実です。
後者にいたっては、諭吉が新聞の社説に書いたとされる「脱亜論」が、後に「脱亜入欧」と拡大解釈され、「富国強兵」というスローガンと共に、アジア大陸への侵略に至る流れをつくったともいわれています。
近衛文麿首相の声明「日本の戦争目的は東亜永遠の安定を確保し得る新秩序建設にある」という声明と、確かに重なる部分があるかもしれません。二人の著者は思いもよらなかったかもしれませんが・・・。
高澤氏は、鳩山首相が「東アジア」を語るとき、これらの歴史的な事実を首相自身がどうとらえているかを問うているのです。
続きます
ここにかける時間は、朝刊の数倍。
至福の時間です。
なぜならおもしろいのです。
湯割りも進みます。
昨日も興味深い記事に出会いました。
それが次のものです
東アジア共同体の幻影-近衛新体制から鳩山政権
筆者は中上健次や阿久悠などの評論で著名な文芸評論家の高澤秀次さん。

民主党政権の「東アジア共同体構想」をふまえて次のように言います。
近代日本にとっての「アジア」が、明治・大正・昭和(戦前・戦中・戦後)の各時代を通じて、多分に幻想的かつ恣意的なイメージを形作ってきたという過去の歴史である。
その通りです。
日本が「アジア」を語るとき、アジアの人が過去の事実を忘れていないことを肝に銘じないといけません。
高澤氏は2例示しています。
岡倉天心「アジアは一つ」『東邦の理想』
福沢諭吉『脱亜論』
前者は、日本美術の源流を探る純粋な美術思想史です。
しかし、「亜細亜は一つなり」で始まる考え方が、大東亜共栄圏につながるものとして解釈されたのも事実です。
後者にいたっては、諭吉が新聞の社説に書いたとされる「脱亜論」が、後に「脱亜入欧」と拡大解釈され、「富国強兵」というスローガンと共に、アジア大陸への侵略に至る流れをつくったともいわれています。
近衛文麿首相の声明「日本の戦争目的は東亜永遠の安定を確保し得る新秩序建設にある」という声明と、確かに重なる部分があるかもしれません。二人の著者は思いもよらなかったかもしれませんが・・・。
高澤氏は、鳩山首相が「東アジア」を語るとき、これらの歴史的な事実を首相自身がどうとらえているかを問うているのです。
続きます