『秀吉の経済感覚―経済を武器とした天下人』 (中公新書) 脇田修
一介の足軽から身を起こした秀吉は、非運の最期を遂げた主君・織田信長の後を襲い、位人臣を極めて天下人の地位を我がものとした。この史上稀にみる成功の秘密は、恐ろしいばかりに経済の仕組みを熟知し、これを実行する才覚に恵まれていたからに他ならない。商品経済の本質を巧みに活用して、大名統制・検地・貿易などにより実権を掌握し、近世社会の産婆役を果たした“算勘にしわき男”秀吉の軌跡をたどり、その現代性を考える。
足軽から身をおこし,天下人となった秀吉のまれにみる成功の秘密は,経済の仕組みを熟知し,これを実行する才覚に恵まれていたからにほかならない.秀吉の軌跡をたどり,その現代性を考える.