わくわくと感動

ピアノの生徒さん達を見ていて、いろんなタイプがいるなぁと常々感じています。

みんなの個性とペースを生かしながら毎回のレッスンを続けていこうと思っています。



そんな中、どんどん教本を進めていく子に注目してみたところ、

ハノンでもエチュードでも、とにかく新しい曲に入る時にわくわくしている感じが伝わってきました。

新しいことが出てくると、必ずそこに「わくわく」があります。

そして短い時間でもすごい集中力で、その新しいことを自分の物にしようと取り組みます。



新しい本に変わった時や、ハノンの本を初めて開いた時、確かにみんな嬉しそうな表情を見せてくれます。

しかし、実際に練習が始まれば、今までよりは確実に難しい内容がつまっているわけで、

最初の気持ちはすっかり消えて、ペースが落ちてきてしまいます。



「今ここで譜読みの苦手を克服しないと、ここから進むのが辛くなってくるよ。

今頑張れば、これからもっと素敵な曲を楽に弾けるようになるよ。」と声がけすることがあります。

そこで踏ん張る子、どんどん目が死んでいく子（笑）色々ですが、先生はあきらめませんよ～！



「わくわく」の子たちは、音の響きにも敏感です。

初めてペダルを踏んで「せせらぎ」という曲に挑戦した年長さんは、

ペダルにときめき、曲の長さにときめき、手を交差させることにもときめきました。

「せせらぎっていうのは、川の流れという意味だよ。」と説明したところ、

ペダルがうまく踏めなくて音が濁ると「ドロ水みたいな音が出た」と言っていました。

きれいな水の流れにしたかったようで、すぐにペダルをマスターしました。

大きい子だと、時代や作曲家の気持ちまで考えて音を作ったり、

書いてある強弱など記号の意味にも思いを馳せて練習しているようです。



小さな「わくわく」が大きな「感動」につながっていく一歩なんだなぁと

彼女たちの発見や喜びをいつも見逃さないようにレッスンして、一緒に共有しています。

そういえば私もどちらかといえば「わくわく」の子でした。

彼女たちよりはるかにボーっとして、進みは遅かったのですが

新しいことが出てきた時の気持ちというのは今でもはっきりとおぼえています。



みんなを「わくわく」の子にできたら良いのですが、まだ私は力不足です。

今はちょっと足踏みしている生徒さんたちにも、何かアプローチできないかといつも考えています。

もっとピアノが弾きたいし、勉強したいです。